「カングージャンボリー」はなぜ人気? ルノー・カングー新型ディーゼルにも乗ってきたぞ | クルマの旅・ドライブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

クルマの旅・ドライブ

2024.11.03

「カングージャンボリー」はなぜ人気? ルノー・カングー新型ディーゼルにも乗ってきたぞ

「カングージャンボリー」はなぜ人気? ルノー・カングー新型ディーゼルにも乗ってきたぞ
今年で16回目となる「カングージャンボリー」が10月27日に開催され、大盛況に終わりました。参加したルノー「カングー」はなんと1280台にも上り、それ以外のクルマも215台集まって、合計1495台ものクルマ、3326人もの参加者が、山中湖の「交流プラザ きらら」に集まりました。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(BE-PAL選出)の金子浩久が、フランスの実用的な箱グルマ、カングーの魅力に迫ります。

おしゃれなフランス車のお祭り「カングージャンボリー」

カングージャンボリー

 以前から「カングージャンボリー」の評判は聞いていたので、数年前に見学させてもらったことがあります。参加者とカングーが醸し出している会場全体の雰囲気が、他のクルマのオーナーズイベントなどと全然違っていました。

 他のイベントのイメージが「スピード」「パワー」「改造」などといった古典的なカーマニアが喜びそうなマッチョなものばかりなのに対して、カングージャンボリーからは一切そういったものは感じられません。

ルノー カングー

カングージャンボリーは毎年大人気すぎて、会場前でちょっとした渋滞が発生。カングーだらけの圧巻風景!

ルノー カングー

駐車場がちょっとしたデイキャンプ場に!

ルノー カングー

タープやテーブルの設営スタイルもおしゃれ!

 代わりに、参加者たちはカングーを通じて自分たちなりの「フランス」を楽しんでいるようなのです。サンテクジュペリであり、バスクシャツであり、ベレー帽であり、コルビュジエや藤田嗣治のような黒縁メガネであり、クロワッサンなどなど。優しく、中性的で、“お洒落”なのです。

 他のクルマイベントでは必ず見掛けるアメカジファッションや、元シブがき隊の布川敏和さんが掛けているようなフレームの上半分が白や赤などの色が付いてレンズが鋭角状のメガメを掛けているような人が見当たりません。

ルノー カングー

荷室に折りたたみ自転車を積んでいる人を発見。両開きドアの内側に小物を収納している点も要注目!

ルノー カングー

「カングージャンボリー」ではフリーマーケットも開催。こちらは移動式の本屋さん。『星の王子様』はもちろん、サン=テグジュペリの本がいっぱい!

ルノー カングー

ハロウィーンのかぼちゃとてるてる坊主?

ルノー カングー

アンティークっぽい荷室。DIYでしょうか?

ルノー カングー

このまんまクラフト市に出店していそうなカングーも。

ルノー カングー

シンプルな実用車だけに、アウトドアギアがよく似合います。

 テールゲートを開けて積んできたものをきれいにディスプレイしているカングーが少なくありませんが、そこに並べられたものを見ても、他のイベントとの違いは明らかです。

 この雰囲気が自分にピッタリ来ると感じた参加者はリピーターになるのでしょうね。

ルノー カングー

チャランポランタンのライブも開催されました。

 16回続けてきたルノージャポンの方針や姿勢が変わらずにいるのも立派です。自動車メーカーや輸入業者などがクルマを売るだけでなく、「楽しみのための場」を提供することの重要性は今後ますます高まっていきます。カングージャンボリーはその先行成功例と言えるでしょう。

カングージャンボリー

1車種のイベントなのに、来場者3000人超えって、すごいですよね!

最新型の3代目「カングー」の魅力とは

ルノー カングー

 「カングージャンボリー」に参加したカングーのタイプ別内訳はわかりませんでしたが、カングーは2023年に3代目にフルモデルチェンジしています。

ルノー カングー

 新型は全長が210ミリ伸び、全幅が30ミリ拡がって、ボディが大型化されました。

ルノー カングー 後席

 その甲斐もあって、荷室容量は旧型より115リッター増えて775リッターに拡大されました。リアシートを倒すと、132リッター増加によって2800リッターも積めます。

ルノー カングーの荷室

カングーのテールゲートは観音開き。狭い駐車場でも扉を開きやすい。

 ボディの外観もずいぶんと変わりました。新型はスッキリと乗用車のように見えるようになりました。商用車として始まったカングーとは印象がちょっと変わりました、良く言えば洗練され、そうでなければキャラクターが薄まりました。

ルノー カングー

 価格は1.3リッターガソリンエンジンを搭載する「インテンス」が税込み395万円。1.5リッターディーゼルエンジンを搭載する「クレアティフ」が税込み419万円です(1.3リッターガソリンエンジン版は「インテンス」と同じ税込み395万円)。

 どちらのツインクラッチタイプのトランスミッションもこれまでの6速から7速へと段数が変更されました。

ルノー カングー

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンを乗り比べてみた

ルノー カングー

 一般道と千葉東金道路を併せて3時間試乗してみると、トランスミッションの改変が功を奏していることがすぐにわかりました。段数が増えただけでなく、制御が賢く、洗練されているので、ツインクラッチタイプで苦手とする低速域での変速もギクシャクすることなく、スムーズかつ素早く変速していました。

ルノーカングーのエンジン

 最近のディーゼルエンジンとしては、他社のものと較べるとノイズは車外では目立っていました。しかし、最近のディーゼルらしく振動は皆無です。

ルノーカングーのエンジン

 ガソリンモデルも静かになりました。エンジンそのものだけでなく、ボディとシャシーの遮音性も高まっているのでしょう。

車線逸脱防止など運転支援機能も進化

ルノー カングー

 新型では、運転支援機能が一新されたのが注目です。アダプティブクルーズコントロールやレーンセンタリングアシストなどが、高速道路での走行を明確にサポートしてくれました。

 さらに、エマージェンシーレーンキープアシスト(車線逸脱防止機能)やブラインドスポットインターベンション(自動的にハンドルを少し回して後側方車との衝突を避けるようアシストするシステム)などの運転支援機能は、ルノーの日本導入モデルでは初の装備となります。

 つまり、運転支援機能の装備に関しては、ルノーのなかでカングーが最も進んでいるということになります。

 運転支援機能は、長距離走行をより安全でドライバーの負担の少ないものにしてくれます。ですから、この面での新型カングーの進化は大きいです。西へ東へと、頻繁に遠くまで運転して出掛ける人にとって強い味方となってくれます。

商用車生まれだけに荷物の積みおろしがしやすい!

ルノー カングー荷室

 カングーはカタチや存在感の可愛いらしさだけで選ばれているわけではありません。きちんと実質を伴っているのです。特に荷物の積み下ろしやすさに磨きが掛けられています。 

 新型では594ミリと低い荷室床面の最低地上高と、出っ張りのほとんどないトランクの空間、シンプルでたたみやすいリアシートなどが、積載量だけでなく大きな荷物の積み下ろしをやりやすくしています。カングーの真骨頂です。商用車ユースを前提に造られていることを最大限に活かしています。

ルノー カングー

 たくさんの荷物を載せることができるので、オプションのデジタルルームミラーは、ぜひ注文したい。大きな荷物を積み込んで後方視界を遮ってしまっても、ボディに取り付けられたカメラによって後ろを映すことができます。

ルノー カングー

 ヨーロッパでは商用ユースが主になるカングーは、日本では乗用ユースで乗られる場合がほとんどです。それは「カングージャンボリー」の盛況ぶりにも現れています。商用車を“あえて乗用車として使う”というスノビズムはカングーで始まったことではありませんが、同じようなクルマがありそうでない日本市場では、3代目カングーも一定以上の支持を受けることになるでしょう。

ディーゼルのMT車仕様がついに上陸!

カングー ディーゼルMT

 また、以前からアナウンスされていたディーゼルMT版の追加もカングージャンボリーの会場で発表されました。「クルール ディーゼル MT」の価格は税込み399万円。140台の限定販売です。

カングー ディーゼルMT

1.46リッターのターボチャージャー付き筒内直接噴射・直列4気筒SOHC8バルブ・ディーゼルエンジンを搭載。

カングー ディーゼルMT

写真の車体色はベージュサハラ(ベージュ色)。ほかにグレー系のグリ カシオペMがある。

 駆動方式は前輪駆動ですが、滑りやすい路面でもグリップを失わずに駆動する「エクステンデッドグリップ」とオールシーズンタイヤが装着されているので、フィールドでの走破能力は他のモデルよりも高まっている特別版です。この辺りの設定のうまさも、ルノージャポンはカスタマーの好みと使われ方を良く把握していて感心させられます。

カングー ディーゼルMT

 140台以上の申し込みがあった場合は抽選だそうですから、買う気のある人は締め切られてしまう前に早く問い合わせてみたほうが良いですよ。

カングー ディーゼルMT

2024年11月10日(日)までが予約申込み期間。申し込みは全国のルノーディーラーで。

 

金子 浩久さん

自動車ライター

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(BE-PAL選出)。1961年東京都生まれ。趣味は、シーカヤックとバックカントリースキー。1台のクルマを長く乗り続けている人を訪ねるインタビュールポ「10年10万kmストーリー」がライフワーク。webと雑誌連載のほか、『レクサスのジレンマ』『ユーラシア横断1万5000キロ』ほか著書多数。構成を担当した涌井清春『クラシックカー屋一代記』(集英社新書)が好評発売中。

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