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    2025.08.04

    アメリカ・ユタ州の小さな町「マウントプレザント」でRVスローライフを堪能。心が整う3日間の旅へ

    アメリカ・ユタ州の小さな町「マウントプレザント」でRVスローライフを堪能。心が整う3日間の旅へ
    ユタ州の州都・ソルトレイクシティから、車で約2時間。まっすぐ続く田舎道を、風にゆられながら南東へ走ります。

    たどり着いたのは、静かな山あいの町「マウントプレザント」。

    電波の届きにくいこの場所で過ごした、風の音と鳥の声だけがBGMの時間。便利さとはちがう、“本当の豊かさ”に気づかせてくれるスローライフをご紹介します。

    RVパークで過ごすのんびりとした時間

    静けさを分け合う無言のドライブ

    ソルトレイクシティから南東へ国道89号線を走ると、牧草地や山々が次第に広がっていきます。ロードトリップは“退屈を楽しむ”のがマイルール。私は助手席でただ風景を眺めている時間が多く、ハンドルを握る夫との会話はほとんどありません。

    ユタ州中央から南東部にかけてつらなる、広大な山岳地帯「マンタイ・ラ・サル山脈」を眺めながら静かな時間が流れます。

    国道89号線から見るマンタイ・ラ・サル山脈。

    田園風景を眺めながら、マウントプレザントに到着。高台にあるRVパークへ向かう前に、私たち夫婦が必ず立ち寄る場所があります。それは本場ストリートタコスのフードトラック。

    ピリ辛タコスを食べて、キンと冷えた瓶入りメキシコ産コーラでクールダウン。

    バックインサイトでちょっとしたこだわり

    お腹を満たして、いつものRVパーク「マンタイ・ラ・サルKOAホリデー」へ向かいました。何度か利用している、お気に入りの場所です。

    RVパークとは、“キャンピングカーのための快適なキャンプ場”といったイメージ。サイトのタイプは主にふたつ。前から入ってそのまま抜けられるプルスルータイプと、バックで駐車するバックインサイトがあります。

    初心者&キャンピングカーなしでも楽しい!アメリカ最大級のRVパーク「KOA」の魅力とは? | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

    バックインは少しテクニックが要りますが、自然に囲まれた静かな区画が多いのが魅力。その静けさにひかれて、我が家はできるだけバックインを選びます。うまく駐車できたとき、ちょっとした達成感があるのも、地味にうれしかったりします。

    道の両側はすべてバックインサイト。
    黒いパイプ状のものは国旗を立てるポール。愛国心の強いアメリカ人ならではですね。

    サイトにRVを駐車したあと、ジャックパッドと呼ばれるものを(我が家のは赤い円形タイプ)RVのスタビライザージャッキやレベリングジャッキの下に敷いて、安定性を高めます。地面の保護やぐらつき防止に欠かせないアイテム。

    余談ですが、初めてRVの中で過ごしたとき、船酔い状態で嘔吐しそうになった経験があるので、安定性は大切なのです。

    RVとトラックをつなぐヒッチの不具合発生。夫がトラックの荷台に上って手動で外すことに。

    フルフックアップで、気持ちよく過ごす

    さて、アメリカのRVパークには、電気・水道・排水の3つすべてが使えるフルフックアップサイトと、設備のないドライサイトがあります。

    自然と一体化したい夫にとっては、パーク内のドライサイトか、BLMの山のど真ん中へ行きたいらしいのですが…。アウトドアでも快適さがほしい私がいっしょなので、フルフックアップはマストです。

    その代わり、男友達や息子とハンティングへ行くときは、シャワーも浴びず山奥にこもっているので、バランスはとれているかと…(笑)。

    まずRVの生活インフラをつなぎます。これでまるで家のように快適!

    私たち夫婦が今年初めてのサイト利用客だったらしく、排水口のふたが硬くてビクともしません。手の力だけでは無理だったので、ペンチのハンドル部分をうまく利用したら、ポコッっと気持ちよく開きました。

    工具箱をいつも車に積んでいる夫。小さな力でも簡単にポコッ。
    外側にホースがついているので、作業後にサッと手洗いできます。キャンプでは地球にやさしい石けん選びも大切です。
    自然を近くで感じたいので、サイトを離れるとき以外はRVの後部を全開。
    RVの中からの景色。ハエが多い日でも外の空気を感じながら快適に中で食事が楽しめます。

    サボテンを飛び超えながらウォーキングを楽しむ

    このRVパーク、スクラブオークという低木の森が一面に広がっています。日本で言う“雑木林”のような感じです。

    パーク内にいながらネイチャー・ウォーキングができるので、太陽の光がやわらかい朝はお散歩にぴったり。鹿のうんちや、足元に突然現れるサボテンを飛び越えながら、植物の匂いや鳥たちの声を楽しみました。

    乾いた丘を覆う、低木タイプのオーク。主にユタ州やアリゾナ州などアメリカ西部の乾燥地帯に自生。
    ときおり目の前を走り去るリスにほっこり。
    足元のサボテンに注意しながらウォーキング。
    パーク内の丘の上からの絶景。テントキャンプ者だけが楽しめる特等席。
    遠くにはアメリカ国有地で気ままにドライキャンプを楽しむRVの姿も。

    キャンプ飯はぜいたくなシーフードと焼きマシュマロ

    RVの中には、キッチンがフル装備されています。しかし雨さえ降らなければ、やっぱり外で料理したいですよね。

    この日のお夕飯は、冷凍のシーフードミックスをドバっと袋からアルミホイルの上に出して、たき火で焼くだけの簡単キャンプ飯。

    すでに味付けのされた冷凍シーフードミックスを焼くだけ。ぜいたくを言えば、もうちょっと塩分控えめが良かったな…。しょっぱすぎてカニの味がゼロでした(笑)。
    デザートはもちろん焼きマシュマロ!家から専用スティックを持ってくるのを忘れたので、森で拾った枝を夫がナイフで削って作った手作りスティックで。
    焦げすぎて体に悪そう…(笑)。でも夫にとってはごちそうらしいです。後ろに広がる野生動物の隠れ家“スクラブオークの森”から、たまに鹿が顔を出します。
    ふっくらマシュマロをグラハムクラッカーで挟んでいただきます!夫はチョコなし、私はチョコ入りで。

    パークから一歩も出ずに、忙しさを置いてきた3日間。自然の中で時間をぜいたくに使うって、何かをすることじゃなくて、何もしないことを楽しめるかどうかかもしれないですね。

    「マンタイ・ラ・サルKOAホリデー」の公式サイト
    https://koa.com/campgrounds/manti-lasal/

    トロリオ牧さん

    アメリカ・ユタ州ライター

    2001年渡米、ユタ州ウチナー民間大使。パンデミックをきっかけに「いつ死んでもOK!な生き方」を意識するようになり、17年間務めたアメリカ政府の仕事を2023年に辞職。現在はNHKラジオ出演や日本のWebメディア執筆など幅広く活動中。編著に電子書籍『型の中に答えはある』がある。夫婦でRVキャンプを楽しむのが最高の癒し時間。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。「海外書き人クラブアウォーズ2025」最優秀新人賞受賞

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