元整備士がやり方と注意点を解説!自分でスタッドレスタイヤに交換する方法とは? | クルマの旅・ドライブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.11.17

    元整備士がやり方と注意点を解説!自分でスタッドレスタイヤに交換する方法とは?

    元整備士がやり方と注意点を解説!自分でスタッドレスタイヤに交換する方法とは?
    「もう冬タイヤにした?」
    「いつ冬タイヤにする?」
    降雪地域では晩秋から初冬の時期に、こうした会話が挨拶がわりといえるほど交わされます。今回は整備士経験のある記者が、冬タイヤへの交換時期の目安とDIY交換の手順や注意点を解説します。
    Text

    いつ冬タイヤに交換する?

    降雪地域でクルマを走行させる際、冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)の装着はマストになります。雪が降ったり路面が凍結する時期は年や地域によって様々ですが、予報にない降雪があったり、同じ地域でも標高が変われば降雪が早まることもあるので、実際に雪が降る前に余裕を持って冬タイヤに交換しておくべきです。

    保管しておいた冬タイヤが実はパンクしていた、といった想定外のトラブルに備えて、遅くとも降雪予報の2週間程度前には交換作業をしておくのがおすすめです。

    DIY交換に挑戦!

    冬タイヤの空気圧を適正値に

    指定空気圧ラベル
    指定空気圧はドアを開けたピラー部にラベルが貼ってあることが多い。

    タイヤの空気は時間をかけて自然に抜けるため、保管しておいた冬タイヤの空気圧の調整は必ず行いましょう。一般的に半年程度の保管で走行できないほど空気圧が低下することはありません。自力でできない場合、交換直後に最寄りのガソリンスタンドや整備工場で空気圧の調整を行うという手もあります。

    しかし、万が一タイヤがパンクしていたという場合はもちろん走行できません。一見そうとわからなくても、1本だけ異様に空気圧が低いという点から気付くことができます。

    クルマにジャッキをかける

    タイヤストッパー
    輪止めを忘れずに! MT車の場合はエンジンを止めてシフトレバーを「R」に入れ、パーキングブレーキをかける。

    まずは平坦な場所にクルマを止め、AT車はシフトセレクターを「P」に入れてパーキングブレーキをかけます。そしてエンジンをジャッキアップするタイヤから一番遠いタイヤの前後に輪止めをして、ジャッキアップします。

    ジャッキアップ
    油圧式ガレージジャッキなら、耐荷重を満たしていれば2輪を同時にジャッキアップすることも可能。

    車体にジャッキをかけられる場所(ジャッキアップポイント)は、車両の取扱説明書に記載されています。

    ジャッキ外れ対策をする

    リジッドラック
    ジャッキアップポイントにリジッドラックを当てられなくても、保険のために設置しておく。

    作業中になんらかのトラブルによりジャッキが外れてしまうと、足回りの部品の破損だけでなく大ケガに繋がります。ジャッキアップしたら、クルマのサイドシル部(ドアの下にある敷居部分)やフレーム部にリジッドラック(補助支持道具)を設置し、万が一ジャッキが外れても車体が着地しないようにします。

    夏タイヤを外す

    タイヤ交換
    タイヤの脱着の際にインパクトレンチがあれば、楽に作業を行える。

    タイヤの脱着にはインパクトレンチという電動工具があると便利です。また、タイヤを固定するホイールナット(以下ナット)はメーカーや車種ごとにサイズが異なる場合があるため、サイズの合うソケットを用意しておく必要があります。また、一部車種や輸入車などナットではなくボルトが使用されている場合があり、最後のボルトを外した瞬間にタイヤが落下する恐れがあるため、注意が必要です。

    インパクトレンチを使用しない場合

    タイヤ交換
    ジャッキアップせずにナットを外すと、ホイールボルトに大きな負荷がかかるため、完全には緩めない。

    インパクトレンチを使用せずにナットを緩める際、タイヤが空転してナットを緩められない場合があります。そんなときはタイヤが浮かない程度に車体をジャッキアップし、タイヤと地面の摩擦力で空転を防ぎつつナットを緩めて、さらにジャッキの高さを上げてからナットを外すという手順で作業します。

    冬タイヤを取り付ける

    タイヤローテーション

    夏タイヤ
    タイヤローテーションを怠り、偏摩耗した夏タイヤ。

    クルマは前輪駆動の場合、前輪が減りやすく、後輪駆動であれば後輪が減りやすいです(クルマのタイプや乗り方によって変わります)。タイヤを取り付ける際に溝の残量を確認し、前後を入れ替えることで4本のタイヤの溝の減り方を均等にして寿命を延ばすことができます。いわゆるローテーションですが、前後でサイズが違うとできない方法です。また、タイヤには回転方向が指定されているものや左右非対称のトレッドパターン(溝の形)のものがあり、注意が必要です。

    ナットの取り付けに注意

    ホイールナット
    左から、平面座ナット、テーパー座ナット、球面座ナット。

    ナットを取り付ける際、ナットとホイールボルトのネジ山がかみ合っていなくてもインパクトレンチなら無理やり締め付けができてしまうため、正しくナットが取り付けられていないとネジ山を傷めてしまいます。メーカーや車種ごとにナットの接地面の形状が異なる場合があるので、形状が正しいか確認しましょう。また、必ず3周程度ナットを手で回してみて、ネジ山が正しくかみ合っていることを確認してから締め付けるようにしましょう。

    ナットは最後にトルクレンチを用いて規定のトルク(締め付け力)での増し締めが絶対に必要なので、インパクトレンチを使用する場合は、この時点で締めすぎないように注意が必要です。さらに、ジャッキを降ろしてタイヤを着地させる際にナットが緩んでいてもいけないため、インパクトレンチを使わない場合は手だけでなく工具で軽く締めておくようにしましょう。

    トルクレンチで増し締めをする

    増し締め
    締め付けトルクを均等に分散するために必ず対角線の順で締め付ける。確認でもう1周締め直せば尚良い。

    冬タイヤを取り付けたらリジッドラックを退けてジャッキを降ろし、トルクレンチで増し締めをして完了となります。すべてのナットが均等なトルクで締め付けられていることで、どれかひとつのナットが緩むのを防いでいるため、トルクレンチによる規定トルクでの増し締めは絶対に必要です。

    増し締めをしようとしてナットが一切回らない場合は、前の手順における冬タイヤ取り付け時点で過剰なトルクで締め付けられてしまっているためです。一旦ナットを緩めて正しいトルクで締め直しましょう。締め付けトルクはクルマの取扱説明書に記載されています。

    不安なら迷わずプロに依頼しよう

    タイヤの交換に必要な工具を買い揃えると、作業を整備工場に依頼するよりも多くの出費が発生しますが、複数台のクルマのタイヤ交換作業をしたり、DIYを数回続けるだけで出費を回収することができます。ただし、作業が不安であれば、無理せず整備工場に依頼することをおすすめします。大切なのは、コスパよりも安全です。

    志田 こうたろう

    アウトドアライター 釣りYouTuber

    幼少から釣りに触れていたものの、“趣味としての釣り”をするようになってからは12年。 子どもたちの成長と共に少なくなる一方の釣行を可能な限り有意義なものにしようと奮闘中。 夏は特に好きな鮎の友釣りで川に入り浸る。クルマ好きで国家2級自動車整備士。

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