街でもアウトドアでも使い勝手が良いSUV、日産の新型キックスを試乗 | クルマ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

クルマ

2026.10.29

街でもアウトドアでも使い勝手が良いSUV、日産の新型キックスを試乗

街でもアウトドアでも使い勝手が良いSUV、日産の新型キックスを試乗
アウトドアでも都市部でも違和感のないデザインと機能を備えたSUV、日産の新型キックス。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(BE-PAL選出)の金子浩久が、都内で一般道と首都高を試乗してきました。
Text

2代目になったキックスの特徴は?

キックスは、2代目にフルモデルチェンジした日産のSUVです。

搭載されているパワートレインは、3世代目となる「e-POWER」ハイブリッドシステム。システムには、1.4リッター発電特化型エンジンを採用しています。

エンジンを発電と駆動の両方に用いるトヨタやホンダなどのハイブリッドシステムと異なり、「e-POWER」はエンジンを発電のためだけにしか使いません。タイヤを駆動するためには使っていないのです。メカニズムをシンプルに仕上げられるメリットが挙げられています。

エンジンが発電した電気をバッテリーに貯め、それを使ってモーターを回転させて走ります。モーター1基による前輪駆動版と2基積んだ4輪駆動版の2モデルが設定されています。

エンジンで発電しモーターで走るe-POWERは驚異の静粛性

都内の一般道と首都高速道路を走ってみて、すぐに感じられた両方に共通した大きな長所が、どの速度域や状況下でも静かに走ることでした。モーターだけで走っている時が静かなのは当然ですが、深くアクセルペダルを踏み込んでエンジンが始動し始めても、伝わってくる音量は小さく、不快なものではありません。

赤信号で停止中や、アクセルペダルを穏やかに浅めに踏んで走っている時にはエンジンは掛かろうとせずにモーターだけで走り、掛かってもほとんどわかりません。第2世代の「e-POWER」ユニットを搭載していたエクストレイルも、初代から進化の大きさに驚かされましたが、さらに確実に進化しています。

エンジンは発電だけを担当し、“縁の下の力持ち”に徹しています。第2世代目までもその発想に基づいていましたが、このキックスの3世代目となって大きく身を結ぶこととなったようです。

もうひとつ好印象を得たのが、モーターだけで走っている時に速度を上げていっても、タイヤと路面が擦れ合うノイズや窓を開けての風切り音などが目立たないことでした。下手なEV顔負けの静粛性の高さです。

10個のスピーカーを備えたBOSEサウンドシステムによって高音質の再生音楽を楽しめることは、静粛性の高さという長所を活かした具体的なメリットのひとつです。静かであることの価値は実は高くて、長距離を走った時の疲労が少なくて済むし、音楽やポッドキャストなどの音声プログラムを高音質で楽しめます。運転している時間を有効活用できるのです。

2WDと4WDでの乗り味の違いは?

前輪駆動版と4輪駆動版を乗り較べてみましたが、違いは明確に感じ取れました。2基のモーターで4輪の駆動力を常時制御している「e-4ORCE」モデルの方が乗り心地が上質です。路面の細かな凹凸からのショックを拾わず、しっとりと感じてきます。駆動方式とタイヤの違いが理由だと推察できますが、前輪駆動版がひどく劣っているわけではありません。十分に実用的です。予算や使い途などに応じて選んで構わないでしょう。

しかし、リーフに標準装備されている高度な運転支援機能「プロパイロット2.0」が装備されないことは不満点のひとつでした。その効能はとても大きいので、マイナーチェンジ時などで追加されることを期待しましょう。

操作系統は、全般的に見やすく、使いやすい。しかし、シートや内張りなどの色調が暗い。もっと明るい色やカジュアルな柄なども設定されていれば、個性が際立つはずです。エクステリアデザインも、内容に合わせてもっと大胆でも良かったかもしれません。

キックスは、エンジンを発電にしか使わない「e-POWER」システムを第3世代まで熟成させ、モーターによる駆動を採用している非常に優れた“機械”に仕上がっていました。

グレードと駆動方式の組み合わせによって、車両価格が変わってきます。必ずしも4輪駆動モデルの方が高くなるとは限らないので、ショールームで実物を良く見較べて決めたいですね。

金子浩久の結論:下手なEV顔負けの静粛性の高さだが、高度な運転支援機能「プロパイロット2.0」が装備されないことは不満

著者画像

金子 浩久さん

自動車ライター

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(BE-PAL選出)。1961年東京都生まれ。趣味は、シーカヤックとバックカントリースキー。1台のクルマを長く乗り続けている人を訪ねるインタビュールポ「10年10万kmストーリー」がライフワーク。webと雑誌連載のほか、『レクサスのジレンマ』『ユーラシア横断1万5000キロ』ほか著書多数。構成を担当した涌井清春『クラシックカー屋一代記』(集英社新書)が好評発売中。

あわせて読みたい

ルノー キャプチャーで横浜から愛知を往復650kmレビュー!価格、サイズ、内装、実燃費は?

ルノー キャプチャーで横浜から愛知を往復650kmレビュー!価格、サイズ、内装、実燃費は?

史上最強SUV「ランドローバー ディフェンダー OCTA」試乗記。価格・燃費・サイズは?

史上最強SUV「ランドローバー ディフェンダー OCTA」試乗記。価格・燃費・サイズは?

「カングージャンボリー」はなぜ人気? ルノー・カングー新型ディーゼルにも乗ってきたぞ

「カングージャンボリー」はなぜ人気? ルノー・カングー新型ディーゼルにも乗ってきたぞ

BMW 「iX1」「X1」の運転支援システムがすごかった。これぞ自動運転レベル2の最前衛!

BMW 「iX1」「X1」の運転支援システムがすごかった。これぞ自動運転レベル2の最前衛!

BYDのSUVがヤバすぎ! 仰望(ヤンワン)の「U8」は1200馬力でドローンまで搭載

BYDのSUVがヤバすぎ! 仰望(ヤンワン)の「U8」は1200馬力でドローンまで搭載

アウディ・オールロードクワトロで豪州縦断、蟻塚の恐怖

アウディ・オールロードクワトロで豪州縦断、蟻塚の恐怖

アウトドアを万人に開放したVWゴルフが50周年!ゴルフGTIとID.4を乗り比べてわかった「ゴルフならではの魅力」

アウトドアを万人に開放したVWゴルフが50周年!ゴルフGTIとID.4を乗り比べてわかった「ゴルフならではの魅力」

アメリカによくある交差点「4-way stop」。その精神だけでも日本に導入できないだろうか?

アメリカによくある交差点「4-way stop」。その精神だけでも日本に導入できないだろうか?

エンジン車としては最後の「ゴルフ」か? VWの超名車、買うなら最後のチャンスかもよ

エンジン車としては最後の「ゴルフ」か? VWの超名車、買うなら最後のチャンスかもよ

キャンプ場と公道で「デリカミニ」に試乗。よかった点と気になった5点

キャンプ場と公道で「デリカミニ」に試乗。よかった点と気になった5点

クルマは標高何メートルまで走ることができるのか?

クルマは標高何メートルまで走ることができるのか?

ジープ アベンジャーに試乗! サイズ・価格や4WDの有無、兄弟車フィアット600eとの違いも解説

ジープ アベンジャーに試乗! サイズ・価格や4WDの有無、兄弟車フィアット600eとの違いも解説

スバルの新型クロストレックはトヨタ式の最強ハイブリッド!泥まみれで4WD性能をチェックしてきた

スバルの新型クロストレックはトヨタ式の最強ハイブリッド!泥まみれで4WD性能をチェックしてきた

ソローが暮らしたウォールデンへ!最初はカローラで、2度目はベントレーで

ソローが暮らしたウォールデンへ!最初はカローラで、2度目はベントレーで

トヨタとスバルの新4WD EV「bZ4X」「ソルテラ」を250km試乗

トヨタとスバルの新4WD EV「bZ4X」「ソルテラ」を250km試乗

トランスミッションとは?デュアルクラッチとCVTの違いをVWティグアン試乗で解説

トランスミッションとは?デュアルクラッチとCVTの違いをVWティグアン試乗で解説

トルコの世界遺産「ネムルト山」に登ってみた! ユーフラテス川源流域に聳える絶景の山へ

トルコの世界遺産「ネムルト山」に登ってみた! ユーフラテス川源流域に聳える絶景の山へ

なぜ、クルマはモデルチェンジごとに大きくなってしまうのか?

なぜ、クルマはモデルチェンジごとに大きくなってしまうのか?

ヒョンデ「インスター」に試乗してみたら、シートアレンジが多彩で居住性が高し!

ヒョンデ「インスター」に試乗してみたら、シートアレンジが多彩で居住性が高し!

ボルボ「EX30」で、京都から東京まで500kmのロングドライブをしてみた!

ボルボ「EX30」で、京都から東京まで500kmのロングドライブをしてみた!

ボルボ「XC90」のサイズ・価格・内装は?埼玉・小川町ドライブでチェックしてきた

ボルボ「XC90」のサイズ・価格・内装は?埼玉・小川町ドライブでチェックしてきた

NEW ARTICLES

『 クルマ 』新着編集部記事

街でもアウトドアでも使い勝手が良いSUV、日産の新型キックスを試乗

2026.10.29

1300日以上の日々を車中泊してわかった!長期のキャンピングカー旅を無理なく続ける6つの秘訣

2026.10.21

軽キャンパーのロングセラー「テントむし」に電装強化モデルが誕生!かわいくて快適なのだ

2026.10.20

軽キャンパー「ヴィータ アウラ」はポップアップルーフに車載クーラーで超快適!

2026.10.19

ボルボで上質なキャンプを!安全装備&洗練デザインの人気車をアウトドアライターがテストしてみた

2026.10.14

Kiaのミニバン「PV5」は乗りやすさと広い荷室で、アウトドア派に使いやすいEV!

2026.10.13

明石家さんまさんとマツコさんにこっぴどく叱られた松本明子さん、軽キャンレンタル事業を見直し!?

2026.10.09

アクティブ派にぴったり。スノーピークField Rise搭載のジープ コマンダーで快適「車上泊」体験

2026.10.09