
車の臭いの正体は5つ
車の嫌な臭いの正体は、大きく五つに分類されます。臭いの種類や原因によって対処法が変わるので、まずはどこからどのような臭いが発生しているのかを突き止めましょう。
たばこやたき火・バーベキューの煙
煙を原因とするものには、たばこやたき火、バーベキューの煙が挙げられます。たばこの煙には、アンモニア・タールなど約5,300種類もの化学物質が含まれるといわれており、車内に染み付くと悪臭の原因になるだけでなく、雑菌の温床になります。
たき火やバーベキューの煙にも多くの化学物質が含まれており、ここに調理で使った油が組み合わさることで、粘着性が増ししぶとく残ってしまうのです。煙の臭いは強力に残るため、しっかりと除去する必要があります。
エアコンのカビ
土の臭いや、木材が腐ったような臭いがする場合は、エアコン内部にカビが生えている可能性があります。エアコンにカビが生える原因は、結露とほこりです。
エアコンを使用する際、外気と内気に温度差が生まれるため、結露が発生します。さらに外気を取り込む際には、どうしても小さなごみ・ほこりが混ざってしまいます。
これらが雑菌と混ざることで雑菌が繁殖し、カビが発生するのです。特に湿度の高い初夏や梅雨の時期は、カビが多く発生する時期のため、定期的にエアコンを清掃する必要があります。
食べ物や生ごみ
臭いの強い食べ物を車内で食べたり、キャンプで出た生ごみなどを車に積んだりすると、その臭いが簡単には取れなくなるケースがあります。次に車に乗るときに、臭いが残っている経験をしたことがある人は多いでしょう。
臭いが残る原因は、食べこぼしや生ごみから染み出た汁などが、車内に付着するためです。特に、夏場で腐った食べ物・生ごみを車内に放置すると、強烈な臭いがこびり付いてしまう可能性もあります。
車内の死角に、食べ物などが落ちていることもあるので注意が必要です。
シートに付着した臭い
人が座るシートには、汗や皮脂、体臭が染み込みやすく、臭いの原因となります。他には、食べこぼしや飲みこぼし・香水・衣服に付いた煙の臭いなどが、移ることもあります。
雨の日にぬれたままシートに座ったり、車内で飲食をしたりしていると、シートに臭いが付きやすいでしょう。
一般的なファブリック(布)のシートは、繊維の奥に臭いが染み込みやすく、簡単に取れなくなる場合も多くあります。通常の消臭剤では臭いが取れない可能性もあるため、根本解決の難易度は高めです。
フロアマットに付着した臭い
土足で接するフロアマットも、臭いの原因です。フロアマットでよくあるのが、生乾きの臭いです。雨でぬれた靴や、スポーツの後に泥が付いたままの靴で車に乗ると、フロアマットが汚れて雑菌の温床になります。
特にファブリック製のフロアマットは、シートと同様に臭いが染み込みやすくなっています。定期的にフロアマットに付いた汚れを落とすだけでも効果がありますが、臭いがひどい場合は本格的な清掃が必要です。
車の臭いを消す4つの方法
車内の臭いを取り除くには、臭いの種類に応じた対処法を取るのが重要です。先に挙げた、臭いの原因それぞれに有効な方法を解説します。
車内を掃除する
臭いの多くの原因が車内にある汚れのため、車内の掃除はシンプルながら有効な方法です。車内の掃除でやるべきことは、以下の通りです。
- 車内の片付け
- 掃除機がけ
- 粘着クリーナーで掃除
- ダッシュボードの水拭き
- 窓拭き
まずは余計なものを片付け、掃除機や粘着クリーナーを使って細かい汚れを取りましょう。ダッシュボードは、水道水でぬらしたタオルで拭いても、素材が傷む心配はありません。
窓も水拭きでも問題ありませんが、中性洗剤をぬるま湯に溶かして拭くのもおすすめです。最後は車内をよく換気し、水分を乾かしましょう。
重曹を使う
手軽に入手できる臭いを消すアイテムとして、重曹があります。重曹は弱アルカリ性のため、生ごみの臭い・体臭といった酸性のすっぱい臭いを中和する効果があります。
他には、菌の繁殖を防ぐ静菌作用や、湿気を吸い取る効果もあり、車内に菌が湧きにくい環境づくりもできる優れものです。
重曹を使う際は、掃除機をかけた後、バケツ1杯の水に大さじ2~3杯混ぜ、雑巾を浸してよく絞ってから拭きましょう。ただし、重曹を革製品に使うと変色するため、革製のシートへの使用は避けた方がベターです。
重曹は、家の水回りの掃除でも活躍するアイテムのため、この機会に常備してみてはいかがでしょうか。
消臭剤を使う
スプレータイプの消臭剤は、短時間で手っ取り早く消臭ができるのでおすすめです。ゲストを乗せる前の応急処置としても使えるため、常備しておいて損はありません。
本格的に消臭をしたいなら、スチームタイプの消臭剤が向いています。たばこやカビなど臭いごとに商品が分かれており、約1カ月間効果が持続するものもあります。
ただし、消臭効果のない芳香剤は、臭いを香りでごまかしているだけなので、根本解決にはなりません。車内に良い香りを付けたい場合は、消臭効果のある芳香剤を選びましょう。
エアコンを掃除する
エアコンに発生したカビを取り除くには、内部を掃除する必要があります。自分でできる清掃方法は、フィルターの洗浄または交換です。
フィルターを掃除する際は、ゴム手袋を着用し、ほこりを落とした後に水洗いをしましょう。洗浄後はフィルターを乾燥させ、エアコンに取り付けたら送風で残った水分を飛ばします。
フィルターを洗っても臭いが取れない場合は、内部部品にカビが発生している可能性があるため、専門の業者に依頼しましょう。
なお、エアコンの送風口に取り付ける芳香剤は、根本解決になりません。エアコンのカビを放置するとアレルギーやぜんそく、肺炎などにより健康を損ねる恐れがあるため、定期的な掃除が必要です。
車の臭いを予防する方法
車内の臭いを防ぐには、そもそも臭いを発生させない工夫が必要です。普段の少しの心掛けでできることばかりのため、車内を快適に保つためにぜひ実践しましょう。
臭いを発するアイテムは密封して持ち込む
食べ物や煙の臭いが付いた衣服など、臭いを発するものは密封してから車内に持ち込みましょう。臭いは、元の分子が車内に付着することで発生するため、分子をシャットアウトするのは効果的です。
食材を持ち込む際は、アルミホイルで包むのもおすすめです。アルミホイルに含まれる金属イオンには消臭効果があるとされており、タッパーに入れれば二重で防臭効果を発揮できます。
ルーフボックスがある場合は、特に臭いの強いものを収納するといった工夫もできます。
小まめに掃除や換気をする
車内に臭いを付けないためには、小まめな掃除や換気が欠かせません。定期的に車内を掃除し、臭いの原因となるごみやほこり、食べかすなどを取り除きましょう。
臭いをこもらせないためには、換気も有効です。定期的にドア・窓を全開にして空気を入れ替えたり、車内で食事をする際は窓を開けたりなど、臭いを逃がす工夫をしましょう。
夏や冬で窓を開けたくない場合は、エアコンの外気導入を使うのがおすすめです。外気導入とは、その名の通り外気を取り入れ、車内の換気ができる機能です。外気導入もうまく使いながら、車内の空気を定期的に入れ替えましょう。
どうしても臭いが取れないなら業者に依頼しよう
どうしても臭いが取れない場合は、個人では掃除ができない部分にまで臭いが染み込んでいる可能性があります。その場合は、業者にクリーニングを依頼するのがよいでしょう。車内クリーニングをしてくれる業者の種類や、料金相場を解説します。
車内の掃除をしてくれる業者
車の掃除をしてくれる業者は、主に以下の通りです。
- ガソリンスタンド
- ディーラー
- カー用品店
- 専門の清掃業者
ガソリンスタンドは店舗を見つけやすく、給油のついでに清掃を依頼できる点が便利です。基本的には、窓拭き・掃除機がけなど簡易的なサービスにとどまりますが、高圧洗浄機による本格的な清掃をしてくれる店舗もあります。
ディーラーは、防臭効果のあるフィルターの設置や、薬剤による防臭対策などがメインです。カー用品店は、簡易的な清掃から本格的なクリーニングまで、幅広いメニューを用意しています。1~2日かけて行う徹底的なクリーニングも可能で、広いニーズに応えられるのが特徴です。
専門の清掃業者は、本格的なクリーニングにより、しつこい汚れ・臭いも取り除いてくれます。他の店舗では手に負えない汚れにも対応しているため、症状がひどい場合には専門の業者に依頼するのがおすすめです。
業者に依頼する際の料金相場
料金は、業者の種類や部位によって異なります。業者ごとの一般的な料金相場は、以下の通りです。
- ガソリンスタンド:1,200~6万円程度
- ディーラー:2,000~3万円程度
- カー用品店:1,000~5万円程度
- 専門の業者:2,500~9万円程度
同様のメニューなら、ガソリンスタンドやカー用品店に依頼する方が、ディーラーや専門の業者に依頼するよりも安く済む傾向にあります。
例えば、簡単な掃除機がけであれば、ガソリンスタンドで給油のついでに依頼する方がコストパフォーマンスに優れます。車の状況と依頼したい清掃内容に合わせ、適した業者に依頼しましょう。
まとめ
車に染み付いた臭いは、乗車中の気分を損ねるだけでなく、ゲストを乗せる際にもマナーとしてよくありません。
まずは臭いの原因を突き止め、それに合った対処法を取りましょう。自分で対処できない臭いには、業者を頼るのもおすすめです。
また、普段から車内に臭いを付けないための心掛けも大切です。定期的に清掃や換気を行い、愛車を清潔に保ちましょう。