私たちなりに快適な暮らしを送れていますが、「車の中のキッチンってどうなっているの?」「ちゃんと調理できるの?」「臭いが気になる」などと多くの質問をいただくこともあります。
そこで今回は、ヨーロッパ製キャンピングカーのキッチンまわりを大公開!毎日自炊しているキッチンの収納スペースや装備、車内での臭い対策、車中泊向けの調理器具や食器などのアイテムも紹介します。
気になるキャンピングカーのキッチンはこちら!
私たちの愛車は2005年製の欧州製の中古キャンピングカーで、全長6m70cm、全幅2m20cm、高さ2m70cmとそこそこサイズもあります。車内にはキッチン、冷蔵庫、コンロ、シャワー、トイレ、洗面所、ベッド、ソファー、テーブルと、生活するために必要な設備がすべて備わっていて「もはや家同然」と感じています。
キッチン、リビングスペース、ベッドスペースがひとつの空間に収まっていますが、それぞれが小さく分割されているので、窮屈に感じることもありません。
キッチンはコンパクトですが、ガスコンロが4口もあり、広々としているうえ火力も強くて使いやすいです。流し台は小さいですが、大きな鍋も入るサイズで楽々洗い物ができます。水は150Lのタンクに溜めたものを使うので、節水を心掛けながらの調理と食器洗いをします。
冷蔵庫はキャンピンングカーにしては珍しい150Lの大容量サイズです。この車を選んだひとつのポイントがこの大きな冷蔵庫でした。毎日自炊をする私たちにとって、大きな冷蔵庫は必須。この冷蔵庫のおかげで、大きな食材を買ったり、まとめ買いをしても収納に困ることなく過ごせているので、長期間の車中泊を検討している方にはおすすめです。
冷蔵庫の上にはオーブンがあります。最初からついていたもので、当初はいっぱい使うだろうと思っていたのですが、実際は火力が弱く、ガスを大量に消費するので結局あまり使用していません。とくに夏場は車内全体に熱がこもってサウナ状態になってしまうのでほとんど出番はなく、今は物置きになっています。
「車内でオーブン料理なんてオシャレ!」って憧れる人も多いですが、メリット、デメリットをしっかり見極めてから取り付けるのが良いかと思います。
使い勝手のいい収納スペース
コンロの上部にある収納棚はコンパクトだけど容量たっぷりで使い勝手は良好です。右の棚には落下防止の底板があるので、そこにはコップやマグカップ、タッパー、食器、調理ボウルなどを収納しています。左の棚にはラップやフキン、スポンジなどのストック品や細かい物を収納しています。
コンロ下の引き出しにはフォークやスプーン、箸などのカトラリーやキッチンツールを収納。普段は2人分あれば十分ですが、お客さんが来たときのために、カトラリーも食器も4人分揃えています。それでも余裕の収納スペースです。
シンク下はとても便利な引き出し式の大きな収納になっていて、下の段には重たい鍋やフライパン、調理器具などを収納しています。上の段は使う頻度の高い調味料などを入れています。奥行きがあってたっぷり収納できて、使い勝手も良いので気に入っているポイントです。
旅で培った収納のコツは?
棚の中に収納した物が走行中の振動で動いてしまうと破損の危険性がもあるので、収納方法や食器選びはとても大事になってきます。収納のコツとしては、物と物の間にスペースが空いていると動いてしまって「ガタガタ」と音するので、テトリスのように隙間をきっちりと埋めながら収納するのがベストです。
スペースを取らないように食器を重ねて収納するのも良いですが、収納した物同士が摩擦で傷ついたり騒音を防ぐために、食器類の間に保護シートを挟むこともおすすめします。
また、ボウルは調理に使ったり、食材を盛り付けたりと万能に使えるアイテムなので、いくつかあると便利です。選ぶ際のポイントは、「大きさがバラバラ」なものを選ぶこと。大きさが違えば、大きいボウルの中に小さいサイズのものを重ねてひとつにまとめられます。そう、場所も取らず、コンパクトに収納できるのです。
自宅で使う調理器具や食器はNGなの?
キャンピングカーは「動く家」。常に移動しています。毎日地震並みの振動を受けているので、自宅で使っている食器や調理器具では割れたり、破損したりする恐れがあります。
さらに、車内のスペースも限られているので、かさばる物や大量のアイテムを収納することもできません。そのため車中泊で使うキッチンツールを選ぶ際は、素材やサイズを考慮する必要があります。
ガラスや陶器などの食器は繊細で割れる恐れがるのでNG!おすすめはアクリル、バンブー、プラスチックなど、落ちても割れにくい素材でできた食器です。キッチンツールは、コンパクトに折りたためるシリコン素材がベストだと思います。
続いて実際にキッチンで使用しているおすすめアイテムを紹介します。どれも1年半の旅で大活躍したものばかりなので、ぜひ参考にしてください。
車中泊におすすめのキッチンアイテム5選
1.取っ手が外せるフライパンと鍋
「取っ手のとれるティファール」でお馴染みのティファールのフライパン・鍋セットは、取っ手が外せて鍋やフライパンをひとつにまとめてコンパクトに収納できます。一番重宝しているキッチンツールです。フライパン、ウォックパン(炒め鍋)、大・小サイズの鍋の4つセットがあればなんでも作れちゃいます。
2.アクリル、ハンブー、プラスチック素材の食器・コップ類
車中泊では割れにく素材の食器が必須です。バンブー素材のお皿やボウルは割れにくく、油もつきにくいので食器洗いが楽になります。アクリル素材のコップ類にはワイングラスまであって、グラスのコップと見分けがつかないほどのクオリティかつ、落ちても割れにくいので車中泊には最適です。
3.ミキサー代わりにもなるハンドブレンダー
家庭用のミキサーは消費電力も大きいし、かさばって収納に困ります。それに引き替えハンドブレンダーはコンパクトに収納でき、消費電力も少ないので車中泊旅向きです。ハンドブレンダーを取り入れてからは、スムージーやポタージュ、スープ、混ぜる系のデザート、ケーキなど幅広いレシピを楽しめるようになりました。
4.少量の調理に最適のマルチポット
お茶を煎れたり、お湯を沸かすためにはケトル(やかん)でも良いですが、使い道に限りがあります。それにひきかえマルチポットは茹でる、煮る、沸かす、炒める、和えるなど、いろいろな使い方ができます。少量の炒め物や、2杯分のお味噌汁を作りたいときになどマルチに大活躍するので、ひとつ用意しておくこををすすます。
5.折りたたみ式水切り
洗い物をするときに大活躍するのが折りたたみ式の水切りラックです。深さもしっかりあり、お皿やコップ、箸やスプーンなどを立てて水切りすることができ、倒れる心配もありません。セットでトレーも付いているので水が流れ出ることもなく、車内でも家庭のように皿洗いができます。
車内の臭い対策は?
「狭い車内で調理してニオイはこもらないの?」と心配になるかと思いますが、しっかり対策すれば臭いも気になりません。私たちは車内で唐揚げを揚げたり、ベーコンを焼いたり、ハンバーガーなどのニオイがつきやすい料理を作ったりしていますが、調理中と調理後に対策をすることで、まったくといっていいほど臭いが残りません。
キッチンには換気扇が付いているので、調理中はオンにして車外に煙やニオイを逃がすようにしています。それ以外に、窓をしっかり開けて換気をするのこと大事です。ときにはドアまで開けて空気の流れを作ってニオイがこもらないようにしています。これだけでも普段の調理では十分な臭い対策となります。
油物をするときは、上記の対策に加えて、調理後すぐの掃除と始末が大事になります。油物を作ったあとは、キッチン周りや床などをしっかり水拭きし、洗浄スプレーなどで飛び散った油を拭き取ります。そして、ベッドやソファー、衣類には市販の消臭スプレーを吹きかけます。ちょっと良い香りを残したい場合は、アロマキャンドルやお香をたけば、ほとんど料理の臭いは残りません。
車内はコンパクトでも、工夫次第でいろいろな料理を楽しめる!
キャンピングカーのキッチンはスペースが限られているので、料理の幅が狭まると思われがちですが、欧州製のキャンピングカーならなんでも作れます。クリスマスディナーにはミートローフを作ったり、手巻き寿司やラーメンまで幅広いレシピを作りました。オーブンがない車種でも、フライパンを使うなど工夫次第で、コンパクトな車内でもいろいろな料理を楽しめます。
自炊で美味しい車中泊ディナーを楽しむのも、バイライフならではの醍醐味ではないでしょうか。