葛飾区・上小松天祖神社の一隅に登はん可能なミニ富士山が!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.83】
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    2024.09.21

    葛飾区・上小松天祖神社の一隅に登はん可能なミニ富士山が!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.83】

    葛飾区・上小松天祖神社の一隅に登はん可能なミニ富士山が!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.83】
    東京23区内、特に山手線の内側はビル街や飲食店街、住宅街ばかり。そう思っている人が多いかもしれません。でも、目を凝らせば東京都心にも「山」はあります。そんな東京の山の世界を、日本で唯一のプロハイカーである斉藤正史さんが案内します。

    FILE.83は、葛飾区の上小松富士です。

    第83座目「上小松富士

    今回の登山口は、JR新小岩駅です

    JR葛西臨海公園駅西口登山口。

    今回の登山口(最寄り駅)は、JR新小岩駅北口です。前回(第77座目「新小岩の富士塚」)、JR新小岩駅に降りたときは線路沿いに歩いたのですが、今回は北口商店街の通りを北方向に歩いていきます。

    総武線のそばにさりげなく佇む葛飾区新小岩の富士塚【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.77】

    前回も触れましたが、新小岩は「モンチッチ」ゆかりの街。駅を北口を出ると、銅像に時計、公園の大きな案内板などたくさん「モンチッチ」がいました。当たり前のようにそれらの写真を撮り始めたのですが、ふと「いい年の大人がモンチッチの写真をたくさん撮る姿」を客観視してしまいました。すると、恥ずかしさでいても立ってもいられず、そそくさと新小岩駅前を跡にするのでした。

    新小岩駅前にある「モンチッチ」時計。

    商店街、そして親水緑道の先に…

    新小岩の北口商店街を進んでいくと、東京聖栄大学のすぐ向かいに「鈴木たばこ店」という真新しい看板があるお店がありました。看板は新しいものの、樹木に侵食されているような外観です。気になって後で調べると、2023年頃までは営業していた様子です。「鈴木たばこ店」の看板猫を心配するツイートなども見かけ、地域に根ざしたお店だったことが察せられました。

    「鈴木たばこ店」。

    商店街を抜けると、蔵前通りを西方向に進みます。すると道路の真ん中に公園が見えてきました。入り口には「西井堀せせらぎパーク」と書いてあります。蔵前通りのある入り口から、セブンイレブン東小岩4丁目店の手前までの約500mの道路と併設した公園です。

    公園を少し進むと駐輪場があり、芸術的なモニュメントも多数あります。昭和の古き良き時代に作られたのでしょうね。きっと名のある方が設計し、名のある方がオブジェを作ったのでしょう。園内の施設は一部閉鎖されているものの、奥まで行くと水の流れがあり、小さなお子さんが水辺で遊んでいる姿がありました。

    あとから再度確認すると、僕が歩いた時はシーズン外だったようです。小さな子供たちが水遊びできる公園として水の流れができるのは、今年は7月6日(土曜日)~9月8日(日曜日)まで(鎌倉公園のみ9月30日(月曜日)まで)だそうで、水遊びができる期間は清掃もしっかり入り、噴水も動くそうです。利用時間やルールなどもありますので、興味のある方はホームページをご確認下さい。

    葛飾区 水遊びのできる公園

    西井堀せせらぎパーク。

    公園を過ぎると住宅街を進んでいきます。やはり特に何もありません。ふと、葛飾区立上平井中学校方向に緑道のような道があったので、なんとなく入っていきます。すると公園があったのですが、現在は柵に覆われて立ち入り禁止になっていました。中には白菜のベンチが置いてあり、なんだかシュールです。

    緑道を抜け、正福寺というとても敷地の広い大きなお寺沿いに進んでいくと、その先に今回の目的地である上小松天祖神社がありました。

    いよいよ目的地の神社へ

    上小松天祖神社

    創建年代は不明だそうで、元々は「香取社」だったそうです。一説には、江戸時代初期に正福寺(神社のすぐ目の前にあるお寺)の年貢によって創建されたとも言われているそう。上小松村の鎮守であり、明治時代に「天祖神社」に改称したそうで、1965年(昭和40年)に近くの八坂神社を合祀しました。TOKYO山頂ガイド10箇所目(たぶん)の天祖神社です。

    正福寺のすぐ近くにある上小松天祖神社。

    上小松富士

    天祖神社の本殿左わきを奥まで進むと、上小松富士がありました。壁には「浅間神社祭6月 2013年富士山文化遺産登録」と書いてありました。その脇には看板が設置されていて、「区登録有形文化財 句碑 力持連中(力士のこと)」と書かれていました。
    句碑 力持連中は、富士塚とは関係ない様子で、何か富士塚に関する情報がないか調べてみたのですが全く情報はありませんでした。ただ、この富士塚もまた登れる数少ない富士塚です。

    コンパクトな富士塚ですが登れます!

    第77座目「新小岩の富士塚」を調べていて偶然発見したのが、この上小松富士です。ただ、残念ながらどのような経緯で富士塚が出来たのか、記録を探すことも出来ませんでした。上小松天祖神社と下小松天祖神社の関係性も特になさそうです。たまたま同じ天祖神社と名乗り、その名前の前にその土地の名前がついたものかもしれません。

    何かを残し、伝え続ける事は難しい作業なんだと改めて感じました。今ある物が300年後どれだけ残っていて、どれだけ詳細が伝えられているのでしょうか…なんてことまで考えてしまいました。

    次回は葛飾区の四ツ木富士です。

     ※今回紹介したルートを登った(歩いた)様子は、動画でもご覧いただけます。

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。

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