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BE-PAL編集部が試乗レビュー!キャンプにおすすめの注目モデル4選
走って、積んで、寝転んで……次のソト遊びグルマにふさわしい注目モデルをBE-PAL編集部員5名(サワキ、オーシタ、ハヤサカ、オガワ、サクライ)がロングテスト!
(BE-PAL 2025年7月号より)
トヨタ|ランドクルーザー 250
無骨でスタイリッシュ。現代的なヘビーデューティーを体現したランドクルーザー250(以下、250)の姿は、フィールドでひときわ映える。
「見栄え重視ではなく、ボディーの四隅や車体下部に傷が付きにくいようデザインしている。だから悪路へも躊躇せずアプローチできる」とサクライは評価。また、現代的なつくりは走りの質にも表われている。昔のヘビー系4WD車に見られた揺れや振動が抑えられているのだ。これには総じてテスターが高評価。
「ディーゼルエンジンは滑らかなフィーリングで、室内では意外なほど静か」(編集・オガチン)
「2t超の重さを感じることもなく、流れるように走れる。安全サポートもみごとで、ノーストレス!」(編集長・サワキ)
ボディーサイズが大きい分、荷室を含めた室内の使い勝手、快適ぶりもいうことなし。ファミキャンの道具一式が積めて車中泊もラクにできる。フルフラットにして寝ていても、広さだけではない安心感に浸れるのもこのクルマならでは。それはつまり、タフな機能を最新の技術で磨き上げた絶対的な安心感だ。
「値段は高いけど、ランクルブランドに共通する『生きて帰ることができる“凄み”』を手に入れる価値アリ!」(サワキ)
基本はボクシーなので車両感覚がつかみやすい。街中の込み入った場所では気をつかうが、駐車時などの低速走行時に衝突の危険性がある場合は、警報と自動ブレーキ抑制でサポートしてくれる。
実燃費は12.8km/L(カタログ値11.0km/L)。高速道路でACC(オートクルーズコントロール)を作動させたことや、往復で渋滞が少なかったこともあり、カタログ値を上回る燃費になった!
3列目をたたむだけでファミキャン道具がスマートに積める。「床の高さもちょうどいい!」
また、3列目席は荷室側と2列目側から電動で収納できる。力がいらないのでとてもラク!
荷物を空にした状態。高さ880×幅1,110×奥行き1,070mm。
3列目を立てた状態でも奥行きは600mmある。「多人数乗車でも最低限の道具を持っていける広さ」
「2列目と3列目を倒すと巨大空間が出現。フラット度も高く、快適に眠れるっ!」
ガラスハッチの開閉機能付き。「これがあると開口部ぎりぎりまで積めちゃう」
【ZX 7人乗り(ディーゼル車)】
¥7,350,000
●ボディーサイズ:全長4,925×全幅1,980×全高1,935mm
●車両重量:2,410kg
●最低地上高:225mm
●最小回転半径:6.0m
●乗車定員:7人
●エンジン:2,754cc直列4気筒ディーゼル
●駆動方式:全輪駆動(副変速機付き)
問い合わせ先:トヨタ自動車
TEL:0800-700-7700
https://toyota.jp/index.html
撮影/見城 了
▼参考記事
ホンダ|フリード
狭すぎず、持て余すほど広すぎず……。テント選びで悩むのと同じように、クルマもサイズ選びは重要。その点、フリードシリーズのアウトドア系モデル、フリード クロスターはジャストサイズで機能的、コスパも◎だ。
広さ、荷物の積みやすさはダントツ。「まるで動く部屋みたい。いや、動くテントかな」というハヤサカのコメントが、このクルマのキャラクターを表わしている。
「3代目ということでブラッシュアップされまくり。とにかく細かいところまで快適さと便利さが追求されている。日本人にちょうどいいクルマは、キャンパーにも便利です」(ハヤサカ)
一番のポイントは、2段使いで車中泊もできる荷室。5人乗りタイプ専用の装備だ。
「ボードをセットし、下段に荷物、上段をベッドにしてソロ車中泊。ファミキャン・テント泊なら上下に分けて道具を積載。これなら普通に積み上げるよりも荷崩れがしにくいでしょ」と、オガチンはアレンジのしやすさを好評価。そして、ドライブでは圧倒的な低燃費を披露する。
「レギュラーガソリン仕様で20km/Lに迫る数値を記録。なにかとお金がかかる昨今、家族でお得に、楽しく遠出できる小型ミニバンの存在感はますます高まるのでは?」(サクライ)
ドア上端のベルトラインを水平基調とし、かつ側面が張りのある面で構成。洗練された安定感のあるスタイリングだ。フリード クロスターには車体下部のプロテクターやモール、ルーフレールが付く。
実燃費は19.7km/L(カタログ値25.5km/L)。ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車で、出足は俊敏。その後の加速をうまく操れば、燃費はさらに良くなるはず。
2列目を立てた状態でボードを使い2段に積載。開口部は高さ1,260×幅1,060×奥行き870mm。
「ボードの耐荷重は200kg。ハヤサカ、余裕で座れマス!」
下にもたっぷり積める低床設計。ボードは反転させると濡れものを載せられるので、活用し甲斐がある。
ボードの上に寝ても天井までは十分にゆとりあり。「気分がいいっす」
2列目は座面を持ちあげて前方にたたむダブルフォールダウン方式を採用。奥行きは1,590mmに達する。前席を前にスライドさせれば奥行きはさらに広がり、ストレスのない車中泊が楽しめる。
随所でアウトドア精神を感じられる作り。「スライドドアは大事。僕なんかだいたい両手がふさがってるので!」
荷室の壁にはステンレス製有孔ボードが。「いろいろ吊り下げたくなる~」
【e:HEV クロスター(5人乗り・FF)】
¥3,327,500
●ボディーサイズ:全長4,925×全幅1,980×全高1,935mm
●車両重量:2,410kg
●最低地上高:225mm
●最小回転半径:6.0m
●乗車定員 :7人
●エンジン:2,754cc直列4気筒ディーゼル
●駆動方式:全輪駆動(副変速機付き)
●トランスミッション:8AT
問い合わせ先:ホンダ
TEL:0120-112010
https://www.honda.co.jp/
撮影/見城 了
▼参考記事
日産|セレナ
ファミキャンの王道遊びグルマといえば、ミニバン。人気のセレナは考え尽くされた快適機能で家族の遠出をアシストする。
「車内の広さ、視界の良さに感動。これなら日本全国どこでも行ける、まさに動くホテルのよう。家族4人+わんこの我が家にとって最適解かも」とハヤサカはすっかり気に入った様子。さらに「高速運転時も加速性能は十分だし、何よりもビックリするくらい静か」とオーシタも好評価。
実は、テスト車両はエンジンで発電してモーターで走るe-POWERの4WDモデル。しかも前後2つのモーターと4輪のブレーキを瞬時に制御しながら走る先進のe-4ORCEが搭載されているのだ。冬、雪道を試乗したサクライが話す。
「セレナのe-4ORCEは、このモーターとブレーキをひとつのコンピュータで統合制御するのがキモ。スノーモードも付き、スリップを巧みに抑えながら前へ進み、安心して走れたな~」
その効果は山道や高速道路でも安定感の高い乗り味として表われるそう。
「一定条件でハンドルから手を放して運転できる機能が付く運転技術『プロパイロット』があるだけでも安心なのに、これは無敵。値段もナットクでしょう!」とオーシタは試乗を楽しんでいた。
高さがあるため大きく見えるが、5ナンバーをわずかに超えるサイズで運転席からの見晴らしも良く、取り回しはイージー。ボディーカラーは茶室の壁をモチーフにした「利休」。自然とも好相性!
実燃費は15.0km/L(カタログ値16.1km/L)。設定・操作がラクなプロパイロットでのACC走行を積極的に使うテスターが多く、カタログ値に迫る数値に。重量のあるミニバンとしては優秀!
3列目をたたんで積載。開口部は高さ1,200×幅1,140×奥行き1,140mm。3列目は横に跳ね上げる方式で左右が狭くなるが、3人分のファミキャン道具を積む余裕はある。
汚れたシューズなどを分けてしまえる床下収納付き。
2~3列目の背もたれを寝かせた状態。「寝るならこれが一番。大人ふたりがまっすぐ横になることができて、天井も高い。車中泊に最適!」。シートは防水仕様だ。
ガラスハッチだけを開閉できるから、荷物雪崩の不安もない。
2~3列目それぞれにテーブルが付く。
【e-4ORCE ハイウェイスターV】
¥4,295,500
●ボディーサイズ:全長4,765×全幅1,715×全高1,885mm
●車両重量:1,930kg
●最低地上高:150mm
●最小回転半径:5.7m
●乗車定員:7人
●エンジン:1,433cc直列3気筒
●モーター:2モーター
●駆動方式:全輪駆動
問い合わせ先:日産自動車
TEL:0120-315-232
https://www.nissan.co.jp/
撮影/見城 了
▼参考記事
スバル|クロストレック
今回テスト車両に選んだのは、2.5L水平対向エンジンと2つのモーターを組み合わせたストロングハイブリッド車。低燃費と低速からの力強さが自慢だ。
「いつでもスムーズに加速するしシートの調整が細かくできて、運転のしやすさではベスト」(ハヤサカ)と、走りの良さを推す声が多かった。また、前輪駆動をベースに路面状況に応じて回転軸から後輪に駆動力を伝える4WDは、冬の雪道以外でもメリットがある。
走破性を高めるモードも付き、最低地上高が200mmあるので、ラフなキャンプ場好きには頼れる相棒になること間違いなし。
そして、スバルといえばアイサイト。交通被害を軽減する技術開発に長く取り組んできただけに、アップデートも怠りなし。新採用の広角ステレオカメラとレーダーは広い範囲を監視する。主要機能の衝突被害軽減ブレーキは、交差点の右左折時におけるクルマや歩行者、見通しの悪い交差点での出会い頭衝突に対応する高機能ぶりだ。
高速道路では「ツーリングアシスト」機能がドライバーを支える。
「長距離を走っているとどうしても注意力が散漫になるときがあるけど、ACCやエマージェンシーレーンキープアシストは正確で動きも自然。安全で楽しいドライブの必需品でしょう」
一方、クロストレックはたくさん荷物を積む人やファミキャンには手狭に感じることもあるが、オガチンはこうアドバイス。
「そんなときのためにあるのがルーフレール。車高が抑えられているので、ルーフボックスを付けても積み下ろしがしやすい。拡張性に秀でた1台ですべてをこなすのが、一番効率的!」
最低地上高は200mm。車体下部にはプロテクター等を装着し、アウトドア対応の機能を巧みに表現。屋根の中央部分から後ろの傾斜が緩やかなデザインで、同乗者や荷室の空間に余裕をもたせている。
実燃費は16.2km/L(カタログ値は18.9km/L)。実燃費はカタログ値の-20%が一般的。今回の低燃費は、高速道路で4WDを2WDに自動で切り替えて走行抵抗を抑える機能のおかげもあるはず。
荷室のサイズは高さ670×幅1,050×奥行き800mm。開口部の傾斜がゆるやかなこともあり、後席をたたまなくてもキャンプ道具を積むことができた。
荷物を取り出した状態。「内側左右の出っ張りが少ないので、ぎりぎりまで積めた!」
2分割式の後席をたたんだ状態。床は低く、下に大きな駆動用電池を格納しているとは思えないほど。奥行きは1,550mmで傾きあり。ボディーサイズを考慮すれば十分広い。
とはいえ、体を伸ばした状態での車中泊となると、「正直厳しいっす。夜中に出発して目的地で少し体を休めるくらいなら大丈夫そう。運転席を寝かせて休むよりも疲労回復効果は高いはず!」
荷室にはAC100V/1500Wのアクセサリーコンセントが付く。「これ、オプション装備だけどハイブリッド車に乗るなら絶対欲しい装備!」
【プレミアム S:HEV EX】
¥4,053,500
●ボディーサイズ:全長4,480×全幅1,800×全高1,575mm
●車両重量:1,660kg
●最低地上高:200mm
●最小回転半径:5.4m
●乗車定員:5人
●エンジン:2,498cc 水平対向4気筒
●モーター:2モーター
●駆動方式:全輪駆動
問い合わせ先:スバル
TEL:0120-052215
https://www.subaru.jp/
撮影/見城 了
▼参考記事