
もちろん、キャンプ場にはたくさんの犬がファミリーの一員として、週末を一緒に過ごしています。
あるとき友達に聞いたんだけれど、そこの犬はクルマ酔いが酷くて、30分に一回休憩しないとグロッキーになってしまうんですって! それは可哀そうだと、犬好き&クルマ好きのピストン西沢が、ペットがクルマ酔いしないドライブについて研究してみました!
そもそもクルマ酔いとはなんでしょう?

人は耳の奥にある三半規管などで情報や、視覚情報を脳の中で合わせてバランスをとっていますが、クルマに乗るとそれがずれてしまうことで、酔うといわれています。クルマが揺れているのに下を向いて本を読んだりすると、気持ち悪くなりやすいですよね。
動物も一緒で、とても酔いやすいようです。事実、ネットで「ペット」、「クルマ酔い」と検索すると、山ほどヒットしますし、犬が飲めるクルマ酔い止めも売っています(驚)。
では犬のクルマ酔いについて、プロのお話を聞いてみましょう。
犬猫を専門に診ていらっしゃる川崎市元住吉の『シリウス犬猫病院』の石村拓也院長にお話しを伺いました。

石川院長「犬も人間と同じく、クルマに酔います。ただ人間と犬が違うのは、人間は前を見たりして視覚情報とクルマの揺れを補正することで、酔いを軽減できますが、犬は床にいたり、ケージに入っていてそれができません。
また一度酔うと、その記憶が残り、同じような環境に置かれたときに思い出して酔ってしまうこともあります。匂いに敏感な犬は、芳香剤などの人工的な匂いも苦手です」
西沢「普段使ってる毛布など、自分の匂いが付いたものを与えるのはいかがですか?」
石川院長「それは安心材料になるので、ケージの中に入れてあげたりするのがいいですね」
西沢「ケージに入れるのはいいことですか?」
石川院長 「まずは安全のためにもお勧めします。そして揺れないことが大きな予防につながります」
西沢「車内の温度はどうしたらよいでしょう?」
石川院長「20度くらいまで下げて、人間には少し寒いくらいが犬にはいいでしょう。また、30分とか1時間走ったら、散歩がてらに休憩するのがいいと思います。
もしクルマ酔いしたら、いつもと違う様子となり、落ち着かなくなり、よだれを垂らす、震える、吐く、ぐったりするなど、具合が悪そうになります。そうなってしまったら、空気を入れ替えるとか、休憩するしかありません」
西沢「そうならないように、ドライブの前に動物病院で診察していただき、酔い止めをもらうことは可能ですか?」
石川院長「色々な薬があるし、効果も期待できるので、かかりつけの動物病院に相談するのが良いと思います」
ということで、やはりクルマが揺れないことがとっても大事なことが分かったわけです。
ペットのみならず、人間もクルマ酔いしなくなる2つの重要なこと
1)クルマ酔いしない運転を心がける
2)クルマ酔いしない運転ができるクルマを選ぶ

やっと本題です。
1はクルマを下手に揺らさない運転を心がける。2は、そもそもそういった細かい配慮が反映されないクルマには乗らないことにする。運転手が愛情をもってがんばれば乗り心地が良くなるクルマが、西沢は好きですね。
そこで今回はピストン西沢の一押しドライバーズカーであるマツダの「CX-80PHEV」を紹介しましょう。まず、ワンボックスではないことが大きい。SUVは空力性能も良いので、風切り音もなく、直進性が良い上、マツダの理念である「人馬一体」が、運転手の丁寧な操作を乗り心地に反映してくれます。

さらに、このクルマは3列シートなので、2列目にお犬様のケージを挟み込んで固定し、人間が3列目に座ることができます。ちなみに3列目のシートは国産車の中でトップクラスの、乗り心地が良い揺れないシートなので、人間にも十分優しい場所なんです。
プラグインハイブリッドの「CX-80 PHEV」は駆動用の大容量電池を積むために床を強化しているので、車体のグラグラ感もなく、シートもクッション性が高く振動も感じません。
ところで、何で犬が2列目かというと、前輪と後輪の真ん中が一番揺れない場所だからですね。クルマの後ろ端になればなるほど、振り子の原理で大きく振られるわけです。
揺れない運転ってどんな運転?

とにかく乱暴な操作はしてはいけません。アクセルとブレーキとハンドルの操作で乗り心地はまったく変わります。ではいくつかのパターンを紹介します。
まず、信号で止まった状態からの発進では、アクセルはクルマが加速しだす分だけ踏んだら、スピードが上がるまで動かしません。目的のスピードになったら少し戻して、加速も減速もしないくらい軽くアクセルを踏みましょう。こうすることで必要のない加速Gと減速Gがなくなります。
止まるときは……
信号で真っすぐ止まるときは早めにそっとアクセルを戻し、ブレーキを軽く踏んで前との距離を取るのですが、ここでも必要のない減速Gを出さないように、早めに操作しましょう。
クルマをグラグラ揺らさないために、加速も減速も同じだけの操作量を心がけることが大事です。最後にガックンと止まらないように、ブレーキの力を緩めてすーっと止まれたら合格です。
曲がり角は?
スピ―ドを落とすわけですが、アクセルを放したままではなく、加速しない分だけ少し踏みましょう。これはハンドルを切った分、抵抗になってグラグラ動くのを防ぐためですが、もちろん歩行者やすり抜け車両に注意しながら行います。これがどんな効果があるか、動画も録ったのでぜひご覧ください。
今回はクルマ酔いしやすい11歳のキャロルちゃんと、「CX-80 PHEV」でドライブに行きました。ここで気を付けたことは……。
■人工的な匂いをさせない 犬の毛布をケージに入れておく
■犬はクルマの真ん中でケージに入れて落ち着かせる
■温度は低めの20度
■休憩は1時間に一度入れる
■アクセルやブレーキ、ハンドルは丁寧に操作し、クルマをグラグラ揺らさない。
■早めの操作が急な操作をしないことにつながる
■下から突き上げる動きは仕方ないが、グラグラしなければ酔わない
もう一度言いますが、どんな高級車に乗っても、運転が粗ければクルマ酔いは起こります。そしてどんなに運転がうまくても、それが反映できないクルマではクルマ酔いします。
「CX-80 PHEV」はモーター制御で加速もブレーキも滑らかだし、SUVの空力ボディがワンボックスと違い、高速の直進性や風切り音が少なく静粛性につながるので、ペットを大事にする方には一度こんな運転と共に試してみることをオススメします。
取材協力:シリウス動物病院
一般内科、一般外科、皮膚科、耳科、歯科、避妊去勢、入院など犬と猫の専門病院。トリミングシャンプーやしつけ、ペットホテルも運営。