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ギアの積みやすさを徹底検証!キャンプの味方になる車6選
とにかく荷物をたくさん積みたい、日常使いを考えてデザインを重視したりコンパクトサイズがいいなど「積めるクルマ」の基準は人それぞれ。多様な要望に応えるべく、「アウトドアギアの積みやすさ」という視点で、アウトドアの達人や『BE-PAL』スタッフが6台をチェック!
(2023年10月号より)
積める量の目安として、リスの「トランクカーゴ」がラゲッジルームにどれだけ入るかをチェック。大、中、小の3サイズを組み合わせて最大限に積んだ。このため、後方視界が遮られたり、隙間が大きく残ることもあり、実際に荷物を積める量とは異なる場合もある。

(大)W780×D390×H357mm

(中)W600×D390×H357mm

(小)W400×D390×H357mm
※荷室実測値はそれぞれ実用的な最大部分を計測し(シートの前後位置を標準体型での乗車に適した位置で調整)、メーカー発表値とは異なる場合がある。また、奥行きの最大値は開口部から、たたんだ後席の背もたれの先端(ショルダー部分)までの長さを計測。
ホンダ|ヴェゼル
シンプルで自然に溶け込むデザインのヴェゼルは、1~2人でのキャンプに適したコンパクトSUVの代表格だ。
「優しい雰囲気の顔に目が行きがちですが、ヴェゼルは全体のプロポーションがすごくいい。絵になるSUVに荷物を積んで遊びに行くという行為が、気持ちをアゲてくれます」
ヴェゼルの魅力はデザインだけではなく、積載能力にも。
「後席の背もたれを前にたたむ際、座面も連動して沈み込む設計。おかげでラゲッジと一体化した広い床になるんです。さらに後席の座面を跳ね上げることもできるから、高さのある荷物にも対応できる。すごいでしょ」
この多彩なアレンジは、燃料タンクを前席下に配置したホンダ独自の設計のたまもの。低い床は積み込みの幅を広げるのだ。
これだけ積めました!

大0個 中3個 小1個
ラゲッジは開口部の傾斜が強く、中サイズ2個を積載。4人乗車を想定し、後席右側を跳ね上げて空いた空間にも中サイズと小サイズ各1個を積んだ。

こんな積み方もOK
後席を跳ね上げると、高さのある収納空間に早変わり。「左右両方跳ね上げればミニベロも積めます!」
床下収納は面積こそ広くないものの、シューズが入る深さ。ふたの裏側にはゴム製のコード収納付き。
荷室実測値は幅1,130×奥750×高760mm。片側のポケット(えぐれた部分)から幅を計測。最大部分は約1,300mm、後席をたたんだ状態の奥行きは1,540mm。
サイドポケットも実用的。
後席をたたんだときの床がなだらかなので、長ものを積んでもずれにくい。
フックはラゲッジ奥の床左右に2か所。自転車などをベルトで固定できる。
【e:HEV PLaY 2WD】
¥3,418,800(車両本体価格)
●ボディーサイズ:全長4,330×全幅1,790×全高1,590mm
●車両重量:1,400kg
●最低地上高:195mm
●最小回転半径:5.5m
●乗車定員:5名
●パワーユニット:1,496cc直列4気筒エンジン+モーター
●最高出力:エンジン78kW(106PS)/6,000~6,400rpm、モーター96kW(131PS)/4,000~8,000rpm
●最大トルク:エンジン127N・m/4,500~5,000rpm、モーター253 N・m/0~3,500rpm
●WLTC燃費:24.8km/L
問い合わせ先:ホンダ
TEL:0120-112-010
https://www.honda.co.jp/
撮影/高柳 健
▼参考記事
ジープ|コンパス
世界で最も有名かつ高性能なクロスカントリー4WD車といえば、ジープ/ラングラー。コンパスはより普段使いに適したコンパクトSUVだ。
「見た目はラングラーというよりも、高級SUVのグランドチェロキーに近いですね」
重厚感のあるスタイリングから、アウトドアの雰囲気が漂う。
「ラゲッジの広さは平均的。テスト車両の後席は3分割可倒式で、積載のアレンジはしやすいです。あとラゲッジの床の高さを2段階に変えられます。高くすると、後席をたたんだときにフルフラットになる仕組み」
突出した機能はないのに、不思議と心は満たされる、とも。
「きっとジープへの憧れですね。アウトドア大国アメリカが育んだSUVの魅力を積み込みしながら感じられて、楽しい!」
これだけ積めました!

大0個 中2個 小2個
車体後部の天井が極端に低くなく、またラゲッジ開口部の傾斜が少ないため、コンテナを高く積める。床を低く設定できるのも、積みやすい理由だ。
ハンドル操作も自動で駐車をアシストする機能付き。カメラ映像による安全確認だけでもメリットは高い。
荷室実測値は幅950×奥790×高740mm。床を高くした状態で後席の右側をたたみ、長ものを積載。床がほぼ水平になるので、きれいに積める。
ラゲッジの床を低くした状態。開口部との段差ができるほど深く、荷物をしっかり高く積める(コンテナを積んだ写真はこの状態)。
サイドポケットは小さめ。
コンソールの収納はベーシック。

長ものもお任せ!
コンパスの日本仕様は、2グレード展開。「3分割可倒式はこのグレードだけ!」
【リミテッド 4WD】
¥5,240,000(車両本体価格)
●ボディーサイズ:全長4,420×全幅1,810×全高1,640mm
●車両重量:1,600kg
●最低地上高:180mm
●最小回転半径:5.7m
●乗車定員:5名
●パワーユニット:2,359cc直列4気筒エンジン
●最高出力:129kW(175PS)/6,400rpm
●最大トルク: 229N・m/3,900rpm
●WLTC燃費:11.5km/L
問い合わせ先:ジープ
TEL:0120-712-812
https://www.jeep-japan.com/
撮影/高柳 健
▼参考記事
ルノー|カングー
商用車ベースならではの積載力を持ちながら、日本車とは一線を画したあか抜けたデザインで人気のカングー。テスト車両はディーゼルエンジンを搭載し、トルクフルで動きが軽快、取り回しもいいと感心するジュンさん。特に絶賛するのは、カングーのアイコンともいえる観音開きのダブルバックドアだ。
「左右180度オープンにすれば大きな荷物の積みおろしも楽だし、後ろに余裕がない場所では片側だけ開けて荷物にアクセスできる。観音開きの特権だ」
後席をたためばラゲッジは完全なフルフラット状態。さらに、後席は6対4分割可倒式なので長ものを入れるのに便利だ。
「キャンプで不便を感じることはないはず。冬になったら家族と全員分のスノーボードを積んで、雪山に行きたいな」
これだけ積めました!

大4個 中3個 小3個
タイヤハウスの出っ張りがない四角いラゲッジは天井も高く、デッドスペースが生まれにくい。後席を立てた状態でも775Lと十分な容量だ!
ダブルバックドアは左右それぞれ90度、180度の2段階に開くので、狭いスペースでも開閉しやすい。

ガバッと90度開ける
フロントドアは最大90度の角度まで大きく開くことができるので、荷物を抱えての乗り降りもしやすい。
荷室実測値は幅1,200×奥910×高1,200mm。広いラゲッジは高さ1,000mmを超え、長ものも立てた状態で積める。収納レイアウトも自在だ。
ダブルバックドアはヒンジのロックをはずすことで180度まで開けられる。
後席を倒せば奥行きは約1,750mmに。長ものを積むのも楽々。
「段差やタイヤハウスの出っ張りがなく、荷物の出し入れもスムーズ」

ポンチョ入れに便利
「天井の収納が便利。僕ならポンチョを入れて、水遊び後はシートカバーにする」
【クレアティフ ディーゼル車】
¥4,190,000(車両本体価格)
●ボディーサイズ:全長4,490×全幅1,860×全高1,810mm
●車両重量:1,650kg
●最低地上高:未公表
●最小回転半径:5.6m
●乗車定員:5名
●パワーユニット:1,460cc直列4気筒エンジン(ディーゼル)
●最高出力:85kW(116PS)/3,750rpm
●最大トルク: 270N・m/1,750rpm
●WLTC燃費:17.3km/L
問い合わせ先:ルノー
TEL:0120-676-365
https://www.renault.jp/
撮影/高柳 健
▼参考記事
プジョー|リフター ロング
リフターは、プジョーが欧州で販売する商用バン「パートナー」の乗用車版。日本には2020年から導入され、なかでも3列7人乗りのリフターロングに注目が集まっている。
「乗り心地もいいから、たくさんの遊び道具を積んで長距離を走るっていう僕の理想に近い」
2列目シートは3座それぞれが独立し、フラットに格納できるため、多彩なシートアレンジが可能。また、3列目は左右別々に取りはずせる仕様だ。
「3列目は跳ね上げ式だと積載の邪魔になるから、取りはずせて、しかも手間が簡単なリフターロングには感心した~」
ジュンさんは自身がこだわるリアゲートについても高評価。
「ガラスハッチだけを開けられるから、荷崩れさせずに中の荷物にアクセスできるのは◎!」
これだけ積めました!

大6個 中3個 小0個
3列目シートを立てた状態でもこれだけのコンテナを積めた! 3列目をはずした場合は、コンテナ大8、中1、小2と、さらに積むことができる。
「3列目シートは座り心地がいい。前後130mmのスライドができて見晴らしもいいから、ストレスがない」
ロングボディーの恩恵で3列目シートを立てた状態でも、かなりの荷物が積めるラゲッジを確保できる。
荷室実測値は幅1,200×奥1,330×高1,200mm。3列目をはずした際の奥行きは2,100mmと寝床確保にも十分。さらに2列目を倒せば広大な空間に。

車内での休憩も快適
サイドの棚をテーブルにコーヒータイム。「ここに板を渡して、その下に寝床を作るのもいい」
天井が高く四角い構造のラゲッジ。助手席も倒せば3mの長ものも入る。
リフターも天井収納が。カングーより奥行きは浅いが実用性は高い。
【GT】
¥4,550,000(車両本体価格)
●ボディーサイズ:全長4,760×全幅1,850×全高1,900mm
●車両重量:1,700kg
●最低地上高:180mm
●最小回転半径:5.8m
●乗車定員:7名
●パワーユニット:1,498cc直列4気筒エンジン(ディーゼル)
●最高出力:96kW(130PS)/3,750rpm
●最大トルク: 300N・m/1,750rpm
●WLTC燃費:18.1km/L
問い合わせ先: プジョー
TEL:0120-840-240
https://www.peugeot.co.jp/
撮影/高柳 健
▼参考記事
フォルクスワーゲン|ゴルフ ヴァリアント
日本でもおなじみのドイツ製ハッチバック、ゴルフのステーションワゴン版がゴルフ ヴァリアント。歴代モデルはハッチバックの車体後方を広くした作りだったが、最新型はホイールベース(前後のタイヤ間の距離)を5cm延ばした専用設計だ。
「ボディーに占めるラゲッジの奥行きが長い! 後席の足元にも余裕があります。そしてフォルムがかっこいい。歴代ゴルフ随一のイケメンワゴンでは?」
沢木はラゲッジを覆うトノカバーの機能にも注目。
「ネットを引き出せて、キャビンとラゲッジを仕切るパーテーションとしても使える。走行中に荷物が前に飛び出すのを防げて作りもいい。高速移動が多いドイツ車ならではの装備です」
欧州車伝統の、実用性に富んだラゲッジで遊び尽くそう!
これだけ積めました!

大1個 中3個 小1個
全長4,640mmのボディーで、後席をたたまずにこれだけ積めるのはすごい。床の高さを低くできる機能が効いた。開口部の手前ぎりぎりまで積める。
後席をたたんで、トノカバーのパーテーションネットを取り付けた状態。後席を立てた状態でも取り付け可能。
荷室実測値は幅1,260×奥1,020×高690mm。開口部手前の壁がえぐれていて、幅が広くなっている(寸法はこの部分で計測)。小物入れも付く。

長ものを通しやすい!
中央の背もたれが開いて長ものを通せる。
ラゲッジ全面にボードが敷かれていて、これをはずすと深い床になる。「いわば“全面床下収納”。深さもありますよ~」
フックは4か所。
【TDI Style】
¥4,621,000(車両本体価格)
●ボディーサイズ:全長4,640×全幅1,790×全高1,485mm
●車両重量:1,500kg
●最低地上高:未公表
●最小回転半径:5.1m
●乗車定員:5名
●パワーユニット:1,968cc直列4気筒エンジン(ディーゼル)
●最高出力:110kW(150PS)/3,000~4,200rpm
●最大トルク: 360N・m/1,600~2,750rpm
●WLTC燃費:19.0km/L
問い合わせ先:フォルクスワーゲン
TEL:0120-993-199
https://www.volkswagen.co.jp/ja.html
撮影/高柳 健
▼参考記事
ダイハツ|タント ファンクロス
トールワゴンの大定番、タントにSUV風の加飾を施し、ラゲッジにも工夫を凝らしたのがタント ファンクロスだ。
「タントの広い室内空間は魅力。でも優しいテイストのスタイリングがアウトドアではちょっと……という人に推したいですね」
最大の特徴は、左のフロントドアと後部スライドドアを隔てる太い柱をなくした設計にある。
「全開にすれば1,490mmもの開口幅に。後ろからも横からも積めるのはすごい!」
見どころはラゲッジにも。
「後席をたたんでできる段差を、脚付きのデッキボードを使ってフラットにできます。ラゲッジから取り出してミニテーブルとしても使えるので、積載する荷物を減らすメリットも」
クルマのギミックと創意工夫で快適なキャンプを叶えよう!
これだけ積めました!

大4個 中4個 小4個
横と後ろから可能なかぎり積み込んだ結果、大量のコンテナを収納できた。注目は後席の足元に3段積める点。天井までは、まだ余裕がある。
デッキボードを上に立てた状態。たたんだ後席の背面(床となる部分)には、防水加工が施されている。

足元も低くて快適!
「スライドドアだけでも便利なのに、柱もないから本当にストレスフリー。自転車も横から積めます」
荷室実測値は幅1,170×奥1,160×高1,050mm。助手席を寝かせれば長ものにも対応。ラゲッジ開口部から助手席側ダッシュボードまでの奥行きは1,860mm。
後席は左右別々に最大240mmスライドできる。助手席に人が座れる位置でも、前後席の間にコンテナが置ける。
ラゲッジフックも充実。
床下収納はサンダルなどがぴったり収まる広さ。
【ファンクロスターボ 2WD】
¥1,809,500(車両本体価格)
●ボディーサイズ:全長3,395×全幅1,475×全高1,785mm
●車両重量:940kg
●最低地上高:150mm
●最小回転半径:4.7m
●乗車定員:4名
●パワーユニット:658cc直列3気筒エンジン
●最高出力:47kW(64PS)/6,400rpm
●最大トルク: 100N・m/3,600rpm
●WLTC燃費:20.6km/L
問い合わせ先:ダイハツ
TEL:0800-500-0182
https://www.daihatsu.co.jp/top.htm
撮影/三浦孝明
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