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ソト遊びの達人たちがレビュー!キャンプ向きの人気車6選
個性派コンパクトSUVや無骨な4WD、巨大な室内空間を誇る実用的な軽など、キャンプにぴったりの車を達人たちがレビュー!
(BE-PAL 2025年7月号より)
ホンダ|WR-V

「ホンダ車のなかでも、アウトドア色が強く、道具感のあるゴツゴツしたデザインや、室内の広さが魅力です。全方向の見切りが良く、運転しやすいですね。この価格で衝突回避や車線維持支援システムなど、いくつかの安全支援装置が標準装備されているのは安心です」
WR-Vは、2024年3月に登場。そして、2025年3月にホイールや内外装にブラック系のパーツを取り入れたブラックスタイルを追加。見た目の精悍さもパワーアップした。
「荷室も十分に広いので、私のようにキャンプ道具を積みっぱなしにするような人でも使いやすいです。リアシートを倒したときに段差ができるのは残念ですが、この段差を解消する用品のラゲッジボードがあるので、それをつければ車中泊も快適そう。4WDの設定はないけれど、最低地上高が195mmもあります。自分にとって必要な装備を絞り込める人にとって、このコスパは最強ですね」

リアシートを倒すと段差ができるが、この段差を解消する用品のラゲッジボード(別売り)を装着すれば車中泊もOK。

5名乗車時の荷室容量は458L。荷室内高が実測で最大970mmもあった。リアシートを倒さずに、3名分のキャンプ道具が入る。

「大人4人が楽々乗れる広さがいいですね」。身長161cmのこいしさんが座っても、足元、頭上ともに余裕の空間が広がる。

最低地上高は余裕の195mm。未舗装路はもちろん、キャンプ場内の移動でも安心。「FFでも地上高が高ければOKです!」
【Z BLACK STYLE】
¥2,483,800
●ボディーサイズ:全長4,325×全幅1,790×全高1,650mm
●車両重量:1,230kg
●最低地上高:195mm
●最小回転半径:5.2m
●乗車定員:5人
●エンジン:1,496㏄ 水冷直列4気筒DOHC
●駆動方式:前輪駆動
●燃料:無鉛レギュラーガソリン
●WLTC燃費:16.2km/L
問い合わせ先:ホンダ
TEL:0120-112-010
https://www.honda.co.jp/
マツダ|CX-30

「レザーを使ったインテリアや、ワクワクするような気持ちのいいハンドリング性能は、まるでヨーロッパのスポーツカーのようです。車高も1,540mmなので都市部の立体駐車場に入るのは便利。ただし、荷室や車内空間がそこまで広くないので、ソロから3人ぐらいのキャンプ向きかしら?」
試乗車に搭載されたエンジンは、1.8Lディーゼルターボ。圧倒的なトルクによるスムーズな加速感と、軽油1Lで18.7kmという燃費性能を誇る。
「燃費が良くて、しかも燃料代が安い軽油というのは魅力です。安全支援装置もしっかり整っていて、4WDの設定もあります。しかも4WDには、悪路からの脱出をサポートするオフロード・トラクション・アシストもあるので安心です。普段は街中で使い、休日に遠くへ遊びに行くような人にはピッタリかも」
欧州車に肩を並べる上質さと走行性能は、まさにコスパSUV! 自分に必要な価値を見極めて、最良の1台を選ぼう。

SUVでありながら、高さ制限が低い立体駐車場にも入る全高1,540mmはお見事。

リアシートを倒したときの荷室奥行きは、実測で約1,440mm。体を少し曲げるなど工夫次第で、ひとり車中泊はできそう。

荷室幅が約1,000mmと少々狭いが、リアシートの片側を倒すことで、奥行き約1,450mmに。3名分のキャンプ道具は問題なく積載できた。

悪路でスタックしたとき、4WDとともにタイヤの回転を制御し脱出をサポートするオフロード・トラクション・アシスト付き。
【XD Touring】
¥3,531,000
●ボディーサイズ:全長4,395×全幅1,795×全高1,540mm
●車両重量:1,540kg
●最低地上高:175mm
●最小回転半径:5.3m
●乗車定員:5人
●エンジン:1,756㏄ 水冷直列4気筒DOHC直噴ターボ(ディーゼル)
●駆動方式:4WD
●燃料:軽油
●WLTC燃費:18.7km/L
問い合わせ先:マツダ
TEL:0120-386-919
https://www.mazda.co.jp/
撮影/三浦孝明
▼参考記事
ダイハツ|ロッキー

ロッキー Premium G HEVは、エンジンで発電して電気モーターで走る、いわゆるシリーズ式ハイブリッドシステムを採用したモデルだ。
「モーター駆動らしく、アクセルを踏むと登坂でも力強く加速して気持ちが良いですね。それとアクセルを戻すだけで強力に回生ブレーキが利くS-PDL(スマートペダル)も、カーブの続く山道だと便利でした。あとは小さな車なのに後席や荷室が広い。これなら道具をコンパクトにまとめれば、4人でキャンプへ行くことだってできるかも」
全体的に操作感が軽く、フレンドリーなのも美点とか。一方で、ウイークポイントとして、ハイブリッドモデルは2WDしか選べないことと、アクセルを大きく踏み込むとエンジン音が少々大きいことを挙げる。

後席を倒した際の荷室床面長は1,300mmほど。床がやや斜めなので、車中泊するなら工夫が必要。厚手のキャンプマットはマスト。

荷室高が740mmもあるため、荷室容量はかなりのもの。これなら後席片側を倒すだけで、ファミキャン用ギアを無理なく積載できる。

ロッキーの長所のひとつが後席の居住性。全長4m以下でありながら広々してて、移動が楽! 前後席の間隔は900mmを確保。

アクセル操作だけで快適にドライブできる「S-PDL」モードが便利!
【Premium G HEV】
¥2,460,700
●ボディーサイズ:全長3,995×全幅1,695×全高1,620mm
●車両重量:1,070kg
●最低地上高:185mm
●最小回転半径:5.0m
●乗車定員:5人
●エンジン:1,196㏄ 水冷直列3気筒DOHC
●駆動方式:FWD
●燃料:無鉛レギュラーガソリン
●WLTC燃費:28.0km/L
問い合わせ先:ダイハツ
TEL:0800-500-0182
https://www.daihatsu.co.jp/top.htm
スズキ|ジムニー シエラ

「運転席に座るだけでワクワクする感じや、手応えのあるステアリング、『揺すられ感』が強めな乗り心地、もっさりした加速など、僕のように昔ながらの四駆に乗っている(いた)者には良くも悪くも馴染むでしょうね。でも全体的にちゃんとアップデートがされていて、高速道路を走っても思ったほどうるさくないし、直進性も高いです」
ただし、3ドアということもあり、万人受けする車ではないと平さん。意外にも後席は大人でも座れるスペースが確保されているが、後席を倒さなければ荷物はほとんど載せられない。
「キャンプなら、実質2人乗りで考えたほうがいいかも。ソロなら充分すぎるほど。」
もちろんジムニーの車内がミニマムなのは優れた悪路走破性とトレードオフの関係にあるため。雪道や未舗装林道を走る際の絶大な安心感は、今も昔もジムニーの真骨頂だ。

荷室はさほど大きくないものの、前席を倒してフルフラットにアレンジできるのが強み。1名なら車中泊にも十分対応できる。

後席を倒したときの荷室容量は352Lと不足なし。両側の後席を起こした状態では荷物を積むスペースはほぼないため、アウトドア遊びに使うなら最低でも片方を倒す必要あり。

【JC】
¥2,084,500
●ボディーサイズ:全長3,550×全幅1,645×全高1,730mm
●車両重量:1,090㎏(4AT)
●最低地上高:210mm
●最小回転半径:4.9m
●乗車定員:4人
●エンジン:1,460㏄ 水冷直列4気筒DOHC
●駆動方式:パートタイム4WD
●燃料:無鉛レギュラーガソリン
●WLTC燃費:14.3km/L(4AT)
問い合わせ先:スズキ
TEL:0120-402-253
https://www.suzuki.co.jp/
撮影/三浦孝明
▼参考記事
三菱|デリカミニ

フロントグリルとリアガーニッシュに大きく記された「DELICA」のロゴ。ひと目見た瞬間に、三菱が誇る4WDミニバン、デリカの系統であることがわかる。そんな遊び心満載のデザインにまとめられた全高1,830mmのハイトボディーには、様々な魅力が詰まっている。
真っ先に挙げたいのが、乗り心地の良さだ。デリカミニ専用に開発されたショックアブソーバーと、軽としては大径の15インチタイヤによる、跳ね上げの少ない乗り味は快適そのもの。高速でも、悪路走行でも、地面からの突き上げを見事に解消し、快適な乗り心地を楽しめる。
デリカD:5に迫るアイポイントの高さもあって、軽自動車に乗っていることを忘れるほど。さらにこのグレードには、レーダークルーズコントロールや車線維持支援機能、衝突被害軽減ブレーキシステムなど、快適かつ安全なドライブを支援する先進装備も搭載されている。
シートは撥水性で、荷室には掃除がしやすい樹脂製ボードを採用。リアシートは、320mmのスライドができ、4名乗車+遊び道具という使い方も得意だ。
全方向の視界もよく、積載力も文句なし。所有感をくすぐるデザインもしかり。これだけ考え抜かれた仕上がりで、維持費が安い軽自動車枠の恩恵をあずかれるのは、もはや反則では(笑)。

リアシートを倒したときに、完全にフラットにならないのは残念。3人分のキャンプ道具は、リアシートの片側を倒せば余裕で入る。

車中泊をするならラゲッジルームよりも、フラットシートにしたほうが広くて快適。マットで凸凹を解消すれば快眠できる。

スライドができるリアシートを下げれば、 頭上も足元も余裕たっぷり。このグレードは左右とも電動スライドドアを装備。

リアシートの左右には、ロールサンシェードを装備。助手席背面には、折りたたみ式のテーブルやタイプAのUSBポートもある。
【Tプレミアム】
¥2,271,500
●ボディーサイズ:全長3,395×全幅1,475×全高1,830mm
●車両重量:1,060kg
●最低地上高:160mm
●最小回転半径:4.9m
●乗車定員:4人
●エンジン:659㏄ 水冷直列3気筒DOHCターボ+モーター
●駆動方式: 4WD
●燃料:無鉛レギュラーガソリン
●WLTC燃費:17.5km/L
問い合わせ先:三菱自動車
TEL:0120-324-860
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/
ホンダ|N-BOX

軽自動車のみならず、日本国内でもっとも売れているクルマが、ホンダ N-BOXシリーズだ。その理由は、現在のユーザーが軽に求めるニーズを高いレベルでクリアしているから。
燃料タンクを車体中央床下に配したセンタータンクレイアウトなど、独自の工夫により、軽自動車離れした広さと安定した走りっぷりを実現している。そして安全運転支援システム、ホンダ センシングも全グレードに標準装備され、つけ入る隙がない。
そんな実用を極めたN-BOXに、アウトドアテイストを加えたのが「JOY」である。専用デザインのタフなグリルなど、ギア感の増したエクステリア。さらにチェック柄を基調とした内装デザインにも目を奪われる。
’80年代まではこういう柄の内装がよくあったなと、ベテランドライバーもノスタルジックな気分に浸れ、とても居心地がいい。しかも生地は撥水ファブリックなので飲み物をこぼしても簡単に拭き取れるのがうれしい。
運転席はフロントガラスが大きく、まるで電車の運転台のような眺め。走行中は風景が映画のスクリーンのように目に飛び込んできてじつに気分がいい。ターボ付きはパワーに不満はないが、さすがに山道を上るとエンジン音は大きめ。もっともそれがなかったら、軽に乗っていることを忘れてしまうかも。

ラゲッジスペースでは、体を伸ばして寝ることはできないものの、天井が高く、クッション性もあるので十分くつろげる。

後席は前方に190mmほどスライド可能。4人乗車でもピクニック程度の荷物なら積載できそうだ。倒せば荷室床長1,480mmの広大な空間が作れる。

後席座面を跳ね上げられる機構を搭載する。大きな荷物をスライドドアから積載でき、リアゲートを開けるスペースがない場所で便利。

助手席側のピラーには死角となりやすい左側前方を映す補助ミラーを装備する。
【JOYターボ】
¥2,260,500(2トーン/4WD)
●ボディーサイズ:全長3,395×全幅1,475×全高1,815mm
●車両重量:990kg
●最低地上高:145mm
●最小回転半径:4.8m
●乗車定員:4人
●エンジン:658㏄ 水冷直列3気筒DOHC
●駆動方式:4WD
●燃料:無鉛レギュラーガソリン
●WLTC燃費:18.4km/L
問い合わせ先:ホンダ
TEL:0120‐112010
https://www.honda.co.jp/
撮影/三浦孝明
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