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アウトドアも楽しめる!コンパクトSUVの魅力
コンパクトSUVにはっきりとした定義はないが、おおむね全長4.4m以下が主流。日本の道や駐車場で取り回しやすいボディーサイズと維持費の安さに加え、未舗装路やキャンプ場の敷地などでも気を使わずに移動できる汎用性が人気の理由だ。
大きいクルマは便利だが、一人旅や小さなお子さんが1人いる家族なら、コンパクトSUVで十分。このクラスのSUVは選択肢が多いこともあり、各社とも機能装備に力を入れているのもメリット。
▼参考記事
BE-PAL厳選!ソト遊びの相棒にしたいコンパクトSUV7選
ソト遊びに便利なコンパクトSUVをBE-PALがセレクト! 小さなボディーでもアイデア次第で"使える相棒"へと大変身。むしろレスポンスの良さで、新たな世界が拡がる。
MINI|カントリーマン

ファッション性の高さやレスポンスのいい走りで人気の、BMW MINIシリーズ。その中でもっともボディーが大きいカントリーマンは、アウトドア派にとっても気になる存在。
大幅に向上した居住性や荷室の広さに加えて、パワートレーンにはガソリン、ディーゼル、BEVがそろう。4WD仕様も選択できるという多彩さで、場所や天候を問わず使える適応力も魅力だ。なお、旧モデル名は、クロスオーバー。3代目でカントリーマンになった。

スクエアで使い勝手に優れた荷室。BEVモデルの容量は450Lで、後席をたためば1,450Lまで拡張可能。

BEVの荷室の床下には、コンセントで使う普通充電用のソケットを収納。
【S ALL4】
●ボディーサイズ:全長4,445×全幅1,845×全高1,660mm
●車両重量:1,640kg
●最低地上高:202mm
●最小回転半径:5.5m
●WLTCモード燃費:13.1km/L
問い合わせ先:MINI
TEL:0120-3298-14
https://www.mini.jp/ja_JP/home.html
スズキ|フロンクス

コンパクトなクーペスタイルのSUVでありながら、5名乗車時でも最大210Lの荷室容量を確保。シートレイアウトの工夫やロングホイールベース化によって足元も広く、居住性もいい。2WDとフルタイム4WDが選べるが、パワーソ―スはMHEVのみ。


【2WD】
●ボディーサイズ:全長3,995×全幅1,765×全高1,550mm
●車両重量:1,070kg
●最低地上高:170mm
●最小回転半径:4.8m
●WLTCモード燃費:19.0km/L
問い合わせ先:スズキ
TEL:0120-402-253
https://www.suzuki.co.jp
トヨタ|ヤリス・クロス

手が届きやすい価格帯で、コスパの高さをしっかりキープする人気SUV。充実の安全性能に、走破性の高さ。積めて遊べてワクワクする仕様など、トータル的に"ちょうど良い"アウトドアカーだ。ガソリン車とHEV車があり、後者は非常時給電システム付きAC100V(1500W)のコンセントを備える。


【ハイブリッドZ】
●ボディーサイズ:全長4,180×全幅1,765×全高1,590mm
●車両重量:1,190kg
●最低地上高:170mm
●最小回転半径:5.3m
●WLTCモード燃費:27.8km/L
問い合わせ先:トヨタ自動車
TEL:0800-700-7700
https://toyota.jp
プジョー|2008

コンセプトは「小さなライオン」。同社のロゴを打ち出した、スタイリッシュな一台だ。なかでも3本かぎ爪デザインのシグネチャーライトは目を見張る。荷室は奥行きをしっかりと確保。道具もちゃんと積める。ガソリン車とディーゼル車が選べる。


【GT】
●全長4,305×全幅1,770×全高1,580mm
●車両重量:1,270kg
●最小回転半径:5.4m
●WLTCモード燃費:17.1km/L
問い合わせ先:プジョー
TEL:0120-840-240
https://www.peugeot.co.jp
シトロエン|C3 エアクロスSUV

コンパクトボディーに滑らかなドライビング性能。シトロエンらしい、しなやかな乗り心地が楽しめる。車内外装も落ち着いたデザインでまとまっており、フランス車らしいおしゃれな空間に仕上がっている。ガソリン、ディーゼルが選択可能。


【MAX】
●全長4,160×全幅1,765×全高1,630mm
●車両重量:1,320kg
●最低地上高:160mm
●最小回転半径:5.5m
●WLTCモード燃費:16.7km/L
問い合わせ先:シトロエン
TEL:0120-55-4106
https://www.citroen.jp
レクサス|LBX

コンパクトでも荷室の凸凹を可能な限り減らし、スクエアに仕上げた。後席を倒せば長尺物や大型ギアも積載可能。ハイブリッドモデルならではの低重心で安定した走りは、キャンプやアウトドアにゆとりを与え、疲れさえ癒やす。ガソリンもある。


【Active 4WD】
●ボディーサイズ:全長4,190×全幅1,825×全高1,545mm
●車両重量:1,390kg
●最低地上高:170mm
●最小回転半径:5.2m
●WLTCモード燃費:26.2km/L
問い合わせ先:レクサス
TEL:0800-500-5577
https://lexus.jp
VW|Tクロス

VWの"良心"が息づくベストセラーSUV。荷室容量は455Lで、リアシートを倒せば最大1,281Lまで拡大。高速道路や渋滞でドライバーを支援する「Travel Assist」を全車に標準装備。運転席・助手席のシートヒーターを一部仕様に初採用するなど、気づかいを感じる。ガソリン車のみ。


【TSI Active】
●ボディーサイズ:全長4,140×全幅1,760×全高1,580mm
●車両重量:1,260kg
●最小回転半径:5.1m
●WLTCモード燃費:17.0km/L
問い合わせ先:フォルクスワーゲン
TEL:0120-993-199
https://www.volkswagen.co.jp/ja.html
(BE-PAL 2025年7月号より)
▼参考記事
キャンプの達人がテスト&レビュー!注目のコンパクトSUV
普段使いからアウトドアライフまで、気軽に幅広く使えるコンパクトSUV。値ごろ感のある2台の個性派コンパクトSUVをこいしゆうかさんがキャンプ場でチェック!

ホンダ|WR-V

WR-Vは、2024年3月に登場。そして、2025年3月にホイールや内外装にブラック系のパーツを取り入れたブラックスタイルを追加。見た目の精悍さもパワーアップした。無駄をそぎ落としたギア感満載のシンプルSUVだ。
「ホンダ車のなかでも、アウトドア色が強く、道具感のあるゴツゴツしたデザインや、室内の広さが魅力です。全方向の見切りが良く、運転しやすいですね。この価格で衝突回避や車線維持支援システムなど、いくつかの安全支援装置が標準装備されているのは安心です」
「荷室も十分に広いので、私のようにキャンプ道具を積みっぱなしにするような人でも使いやすいです。リアシートを倒したときに段差ができるのは残念ですが、この段差を解消する用品のラゲッジボードがあるので、それをつければ車中泊も快適そう。4WDの設定はないけれど、最低地上高が195mmもあります。自分にとって必要な装備を絞り込める人にとって、このコスパは最強ですね」



ブラックスタイルは、ステアリングまわりなど、室内が黒基調に統一されている。

レバー式のサイドブレーキ。「この雰囲気が、たまらないですね!」と、こいしさん。

リアシートを倒すと段差ができるが、この段差を解消する用品のラゲッジボード(別売り)を装着すれば車中泊もOK。

「大人4人が楽々乗れる広さがいいですね」。身長161cmのこいしさんが座っても、足元、頭上ともに余裕の空間が広がる。

最低地上高は余裕の195mm。未舗装路はもちろん、キャンプ場内の移動でも安心。「FFでも地上高が高ければOKです!」

5名乗車時の荷室容量は458L。荷室内高が実測で最大970mmもあった。リアシートを倒さずに、3名分のキャンプ道具が入る。

【WR-V Z BLACK STYLE】
●ボディーサイズ:全長4,325×全幅1,790×全高1,650mm
●車両重量:1,230kg
●最低地上高:195mm
●最小回転半径:5.2m
●乗車定員:5人
●エンジン:1,496cc 水冷直列4気筒DOHC
●駆動方式:前輪駆動
●WLTC燃費:16.2km/L
問い合わせ先:ホンダ
TEL:0120-112-010
https://www.honda.co.jp
マツダ|CX-30

「レザーを使ったインテリアや、ワクワクするような気持のいいハンドリング性能は、まるでヨーロッパのスポーツカーのようです。車高も1540mmなので都市部の立体駐車場に入るのは便利。ただし、荷室や車内空間がそこまで広くないので、ソロから3人ぐらいのキャンプ向きかしら?」
試乗車に搭載されたエンジンは、1.8Lディーゼルターボ。圧倒的なトルクによるスムーズな加速感と、軽油1Lで18.7kmという燃費性能を誇る。
「燃費が良くて、しかも燃料代が安い軽油というのは魅力です。安全支援装置もしっかり整っていて、4WDの設定もあります。しかも4WDには、悪路からの脱出をサポートするオフロード・トラクション・アシストもあるので安心です。普段は街中で使い、休日に遠くへ遊びに行くような人にはピッタリかも」



「高級感がありますね~」。ドライバーを包み込むようなデザインが印象的。

SUVでありながら、高さ制限が低い立体駐車場にも入る全高1,540mmはお見事。

リアシートを倒したときの荷室奥行きは、実測で約1,440mm。体を少し曲げるなど工夫次第で、ひとり車中泊はできそう。

フロントシートの間にあるアームレストの下は、大きなコンソールボックスになっている。タイプCのUSB端子が2個ある。

悪路でスタックしたとき、4WDとともにタイヤの回転を制御し脱出をサポートするオフロード・トラクション・アシスト付き。

荷室幅が約1,000mmと少々狭いが、リアシートの片側を倒すことで、奥行き約1,450mmに。3名分のキャンプ道具は問題なく積載できた。

【CX-30 XD Touring】
●ボディーサイズ:全長4,395×全幅1,795×全高1,540mm
●車両重量:1,540kg
●最低地上高:175mm
●最小回転半径:5.3m
●乗車定員:5人
●エンジン:1,756cc 水冷直列4気筒DOHC直噴ターボ(ディーゼル)
●駆動方式:4WD
●WLTC燃費:18.7km/L
問い合わせ先:マツダ
TEL:0120-386-919
https://www.mazda.co.jp
撮影/三浦孝明
(BE-PAL 2025年7月号より)
▼参考記事
日本の狭い山道を走るなら何といっても小さい車が便利。とくに登山やMTB、渓流釣りなどでは、道幅が極端に狭い林道を通ってフィールドへアプローチすることも少なくない。 にもかかわらず、車は時代とともに少しずつ大型化しているのが現状だ。
一方で、SUVが乗用車のスタンダードとなり、コンパクトカークラスでも魅力的なSUVが続々と登場しているのはじつに喜ばしい。人気スタイリストとして、日本全国を駆け回る平 健一さんに、2台のコンパクトSUVをレビューしてもらった。

ダイハツ|ロッキー

ロッキー Premium G HEVは、エンジンで発電して電気モーターで走る、いわゆるシリーズ式ハイブリッドシステムを採用したモデル。
「モーター駆動らしく、アクセルを踏むと登坂でも力強く加速して気持ちが良いですね。それとアクセルを戻すだけで強力に回生ブレーキが利くS-PDL(スマートペダル)も、カーブの続く山道だと便利でした。あとは小さな車なのに後席や荷室が広い。これなら道具をコンパクトにまとめれば、4人でキャンプへ行くことだってできるかも」
全体的に操作感が軽く、フレンドリーなのも美点とか。一方で、ウイークポイントとして、ハイブリッドモデルは2WDしか選べないことと、アクセルを大きく踏み込むとエンジン音が少々大きいことを挙げる。



4種の表示モードを備える液晶メーター。ディスプレイオーディオはオプション。

アクセル操作だけで快適にドライブできる「S-PDL」モードが便利!

後席を倒した際の荷室床面長は1,300mmほど。床がやや斜めなので、車中泊するなら工夫が必要。厚手のキャンプマットはマスト。

ロッキーの長所のひとつが後席の居住性。全長4m以下でありながら広々してて、移動が楽! 前後席の間隔は900mmを確保。

荷室高が740mmもあるため、荷室容量はかなりのもの。これなら後席片側を倒すだけで、ファミキャン用ギアを無理なく積載できる。

【Premium G HEV】
●ボディーサイズ:全長3,995×全幅1,695×全高1,620mm
●車両重量:1,070kg
●最低地上高:185mm
●最小回転半径:5.0m
●乗車定員:5人
●エンジン:1,196cc 水冷直列3気筒DOHC
●駆動方式:FWD
●WLTC燃費:28.0km/L
問い合わせ先:ダイハツ
TEL:0800-500-0182
https://www.daihatsu.co.jp/top.htm
スズキ|ジムニー シエラ

トラックのようなラダーフレーム構造にパートタイム4WDと、現代の車としては随所にアナログな機構をもつ一台だ。
「運転席に座るだけでワクワクする感じや、手応えのあるステアリング、『揺すられ感』が強めな乗り心地、もっさりした加速など、僕のように昔ながらの四駆に乗っている(いた)者には良くも悪くも馴染むでしょうね。でも全体的にちゃんとアップデートがされていて、高速道路を走っても思ったほどうるさくないし、直進性も高いです」
ただし、3ドアということもあり、万人受けする車ではないと平さん。意外にも後席は大人でも座れるスペースが確保されているが、後席を倒さなければ荷物はほとんど載せられない。
「キャンプなら、実質2人乗りで考えたほうがいいかも。ソロなら充分すぎるほど。」
もちろんジムニーの車内がミニマムなのは優れた悪路走破性とトレードオフの関係にあるため。雪道や未舗装林道を走る際の絶大な安心感は、今も昔もジムニーの真骨頂だ。
「燃費も含めた実用性や万能性を求めるならロッキー。アウトドアシーンに特化して、楽しさを最優先したいならジムニーシエラ。こんな感じです!」



車両の傾きを把握しやすい水平基調デザインのインパネは、本格四駆の証だ!

悪路脱出用の低速ギアが設定された、副変速機付きパートタイム4WDを採用。

荷室はさほど大きくないものの、前席を倒してフルフラットにアレンジできるのが強み。1名なら車中泊にも十分対応できる。


両側の後席を起こした状態では荷物を積むスペースはほぼなし。アウトドア遊びに使うなら最低でも片方を倒す必要あり。

ルーフラックに荷物を載せれば、ゆったりと車中泊することもできそう。後席を倒したときの荷室容量は352Lと不足なし。

【ジムニー シエラ JC】
●ボディーサイズ:全長3,550×全幅1,645×全高1,730mm
●車両重量:1,090kg(4AT)
●最低地上高:210mm
●最小回転半径:4.9m
●乗車定員:4人
●エンジン:1,460cc 水冷直列4気筒DOHC
●駆動方式:パートタイム4WD
●WLTC燃費:14.3km/L(4AT)
問い合わせ先:スズキ
TEL::0120-402-253
https://www.suzuki.co.jp
撮影/三浦孝明
(BE-PAL 2025年7月号より)
▼参考記事
人気の国産コンパクトSUVをBE-PALスタッフが試乗レビュー
ホンダ|ヴェゼル


フロントグリルやヘッドライトから下のバンパーまでのデザインを刷新。前から見たときに力強さが伝わってくる。

フロントグリルやヘッドライトから下のバンパーまでのデザインも刷新。前から見たときに力強さが伝わってくる。
早坂(以下、早):アウトドア好きのボクらにとってたまらないのが、「ハントパッケージ」グレード。ルーフレールや撥水・撥油機能のあるシートファブリックを装備し、外装の下部分には銅色の加飾が施されています。
櫻井(以下、櫻):「ハントパッケージ」はボタニカルグリーン・パールとも調和して、ソト遊びにぴったり!
早:メカニズムもアップデートしています。ハイブリッド車はエンジンが始動する回数や頻度が減り、アクセルペダルを踏んだときのレスポンスも向上。走行中も静かで、自然の中に溶け込むような、快適なドライブが楽しめますよ~。ハイブリッド車にこだわらない人には、ガソリン車という選択肢もあります。
櫻:そうそう、4WDが全グレードで選べるようになったのもニュース。滑りやすい路面状況での駆動力コントロールにおいて、ブレーキが介入するタイミングを見直し、安心感のある発進・加速を実現しているよ。
早:なによりもヴェゼルには、低床設計を活かした多彩な積載アレンジという特徴があります。コンパクトSUVなので多人数での連泊には対応しにくいですが、「キャンプには多くても3人まで」、という人におすすめしたいです。

後席の片側をたたんだ状態で荷物を積載。3名分のキャンプ道具なら無理なく積める広さだ。

通常は後席の床下にある燃料タンクを前席床下に設置する、「センタータンクレイアウト」を採用。車中泊するには奥行きが足りないものの、後席をたたむと低く平らに。床下収納も付いている。

「センタータンクレイアウト」による低い床は、後席の座面を跳ね上げることで高さのあるものを積める空間へと変貌させる。第二の積載空間だ。

足元にゆとりがあるので、リラックスした姿勢で乗車できる。

外観同様、水平基調のインテリアはモダンで機能的。
【e:HEV X・HuNTパッケージ FF】
●ボディーサイズ:全長4,340×全幅1,790×全高1,580mm
●車両重量:1,350kg
●最低地上高:185mm
●最小回転半径:5.3m
●乗車定員:5名
●最大トルク:127N・m/4,500~5,000rpm
●燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
●燃費(WLTCモード):26.2km/L
問い合わせ先:ホンダ
TEL:0120-112-010
https://www.honda.co.jp
撮影/三浦孝明
(BE-PAL 2024年7月号より)
▼参考記事
日産|キックス



『エクストレイル』を小さくしたような、たくましいスタイリング。最低地上高は170mmとまずまず。
高瀬(以下、高):日産のSUVといえばアウトドア派に人気の『エクストレイル』がありますが、この夏新たに登場した『キックス』はひと回り以上小さいですね。
櫻井(以下、櫻):うん。『エクストレイル』よりも全長が40cm短く、全高は13cmも低い。
高:それなのに、乗ってみると窮屈さを感じないのが不思議だな~。
櫻:座り心地の快適さは保ちつつも、前後のシートを薄く設計するなどした結果、コンパクトSUVとしてはクラストップの室内空間を実現しているんだ。
高:大人が4人乗っても窮屈さを感じないでしょうね。
櫻:ラゲッジも奥行きが長いので、家族3人でのキャンプは問題ないレベル。

ラゲッジの奥行きは90cmを確保。オプションで、床にぴったりフィットする防水トレイが用意されている。

深さを優先した結果、6:4分割可倒式の後席をたたむと床に段差ができる。

後席は3人掛けだが、大人なら2人掛けがちょうどいい広さ。頭上と足元の空間を広くとっている。

操作系や表示をすっきりとまとめたコクピット。見晴らしの良さはSUVならでは!

エンジンだけでなく、モーターや制御機器がぎっしり。
【X ツートーンインテリアエディション】
●ボディーサイズ:全長4,290×全幅1,760×全高1,610mm(ルーフレール含む)
●車両重量:1,350kg
●最低地上高:170mm
●最小回転半径:5.1m
●乗車定員:5名
●燃料タンク容量:41L
●燃費(WLTCモード):21.6km/L
問い合わせ先:日産自動車
TEL:0120-315-232
https://www.nissan.co.jp
撮影/小倉雄一郎
(BE-PAL 2020年10月号より)
▼参考記事
スズキ|クロスビー

自然素材で道具を作る達人、長野修平さんとBE-PAL編集部が、シンプルで使いやすいコンパクトSUVを試乗!



編集部(以下、編):クロスビーは、軽自動車のハスラー譲りのポップなスタイリングが魅力です。
長野さん(以下、長):レトロな雰囲気があって、シニアにも似合うね。
編:中身も充実してますよ。テスト車両は4WDで、全方位モニターカメラ付きです。
長:助手席を前に倒せば長尺物もぎりぎり積める広さだし、普通のキャンプなら十分。あとは最低地上高にもう少し余裕があれば、オフロードだって怖くない。少し惜しいかな。
編:長野さん、取りはずせるラゲッジアンダーボックスにも興味津々でしたね。
長:すごくいいアイデアだと思う。僕なら底に蝶番でたためる脚を付けます。マジックテープで脱着できるようにして。面白いクルマは工夫しがいがあるね。

ラゲッジのサイズは縦800mm、横1,090mm、奥行き520mm(最大1,180mm)。高さがあり、積みやすい。

足を曲げて休める広さ。

取り出せるラゲッジアンダーボックス。DIYで脚を付ければもっと便利に。

分割可倒式の後席(なので真ん中の座り心地はいまひとつ)は、前後に165mmスライドする。荷物をぎりぎりまで積みたいときに便利だ。

遊び道具感をデザインで強調したコクピットは、弟分のハスラーより上質。
【ハイブリッドMZ 4WD】
●ボディーサイズ:全長3,760×全幅1,670×全高1,705mm
●車両重量:1,000kg
●最低地上高:180mm
●最小回転半径:4.7m
●乗車定員:5名
●総排気量:996cc
●エンジン:直列3気筒DOHCターボ
●JC08モード燃費:20.6km/L
問い合わせ先:スズキ
TEL:0120-402-253
https://www.suzuki.co.jp
撮影/見城 了、小倉雄一郎
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こちらもチェック!輸入車のおすすめコンパクトSUV
ジープ|コンパス

「アウトドアギアの積みやすさ」という視点で、アメリカンSUVのジープ・コンパスをアウトドアプロデューサー長谷部雅一さんがチェック!


世界で最も有名かつ高性能なクロスカントリー4WD車といえば、ジープ/ラングラー。コンパスはより普段使いに適したコンパクトSUVだ。
「見た目はラングラーというよりも、高級SUVのグランドチェロキーに近いですね」 重厚感のあるスタイリングから、アウトドアの雰囲気が漂う。
「ラゲッジの広さは平均的。テスト車両の後席は3分割可倒式で、積載のアレンジはしやすいです。あとラゲッジの床の高さを2段階に変えられます。高くすると、後席をたたんだときにフルフラットになる仕組み」
突出した機能はないのに、不思議と心は満たされる、とも。
「きっとジープへの憧れですね。アウトドア大国アメリカが育んだSUVの魅力を積み込みしながら感じられて、楽しい!」

車体後部の天井が極端に低くなく、またラゲッジ開口部の傾斜が少ないため、コンテナを高く積める。床を低く設定できるのも、積みやすい理由だ。

床を高くした状態で後席の右側をたたみ、長ものを積載。床がほぼ水平になるので、きれいに積める。

ラゲッジの床を低くした状態。開口部との段差ができるほど深く、荷物をしっかり高く積める(コンテナを積んだ写真はこの状態)。

サイドポケットは小さめ。

ハンドル操作も自動で駐車をアシストする機能付き。カメラ映像による安全確認だけでもメリットは高い。
【リミテッド 4WD】
●ボディーサイズ:全長4,420×全幅1,810×全高1,640mm
●車両重量:1,600kg
●最低地上高:180mm
●最小回転半径:5.7m
●乗車定員:5名
●パワーユニット:2,359cc直列4気筒エンジン
●最高出力:129kW(175PS)/6,400rpm
●最大トルク: 229N・m/3,900rpm
●WLTC燃費:11.5km/L
問い合わせ先:ジープ
TEL:0120-712-812
https://www.jeep-japan.com
撮影/高柳 健
▼参考記事
VW|T-ROC

VWブランドとして初のコンパクトSUV。ゴルフをベースにした仕上がりの良さで輸入SUVとしては高い人気を誇る。スポーツ心にあふれた専用装備がいっぱいだ。ガソリンエンジン2種、ディーゼルエンジン1種のラインアップで、走りを支える。


荷室の容量はVDA計測で445L。床面の高さは2段階調整可。
【TSI Style/FF】
●ボディーサイズ:全長4,250×全幅1,825×全高1,590mm
●車両重量:1,320kg
●最小回転半径:5.0m
●WLTC燃料消費率:15.5km/L
問い合わせ先:フォルクスワーゲン
TEL:0120-993-199
https://www.volkswagen.co.jp/ja.html
(BE-PAL 2023年10月号より)
▼参考記事
BMW|X1、iX1

iX1とX1は最もコンパクトなBMWのSUVで、2023年にフルモデルチェンジされた。バッテリーとモーターで走るEVと、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車とパワートレインは3種類用意されている。


内外装のデザインも大きく改められた。特に大きく変わったのが、ハンドルの左右スポーク。右側には音楽再生、電話、音声操作、その他の設定スイッチなどが配されている。左側は運転支援機能の操作ボタンとノブなどが並んでいる。

BMWが誇るスポーティなハンドリングや、卓越したディーゼルハイブリッドはもちろんすばらしいが、運転支援機能の進化の“鮮やかさ”には舌を巻いてしまった。
iX1の主要な運転支援機能はACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKA(レーンキーピングアシスト)。 任意に設定した最高速度の範囲内で車間距離を保ったまま、前を走るクルマに追従して走り続けるのがACC。走行中の車線内の走行を維持し続け、逸脱しそうになるとクルマが判断するとハンドルを回して戻してくれるのがLKAだ。
さらに、iX1とX1はいわゆる“レベル2”の運転支援機能ながら、渋滞時にハンドルから手を離すことができる「ASSIST PLUS」機能がある。

条件が揃うと、二つの緑色アイコンの下に白いアルファベットで「ASSIST PLUS READY」と表示され、握っていたハンドルを離すことでONになる。
iX1とX1の運転支援機能はとても使いやすく進化している。これは運転支援機能を革新するもの。少し大袈裟に言うならば、人間とクルマの関係性をアップデイトするもので、iX1とX1で最も重要な本質がここにある。
▼参考記事
フィアット|500X

フィアットは本国ではかなり人気が高く、高速道路や街角でその姿を見かけることが多い。500Xのデビューは今から5年ほど前になるが、マイナーチェンジを受けてエクステリアデザインに少し手が加わり、おまけに1.3リットルのターボエンジンが採用され、魅力度を上げている。
大幅に変更されたのはフロントまわり。ヘッドランプがHID式からLED式となり、ポジションランプも上下に分割される新デザインを採用している。



新開発の1.3リットル直列4気筒ターボエンジンはこれまでのエンジンより最高出力で11馬力、最大トルクで20Nm向上し、パワーアップしている。そして最高出力151馬力、最大トルク270Nmとなり、6速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)と組み合わされて、これまで通り実に軽快な走りを披露してくれる。


【500Xクロス】
●ボディサイズ:全長4,280×全幅1,795×全高1,610mm
●車重:1,440kg
●乗車定員:5名
●駆動方式:FF
●トランスミッション:6速AT
●直列4気筒SOHCターボ 1,331cc
●最高出力:111kw(151PS)/5,500rpm
●最大トルク:270Nm(27.5kgm)/1,850rpm
●WLTCモード燃費:13.5km/L
問い合わせ先:フィアット
TEL:0120-404-053
https://www.fiat-auto.co.jp
▼参考記事
アルファロメオ|トナーレ プラグインハイブリッド Q4

アルファロメオのSUV第二弾として登場したトナーレ。先に登場したステルヴィオ同様に、イタリア国内にある峠の名が与えられている。そのネーミングからも「スポーティな走り」を身上としたSUVであることがイメージできる。
日本国内にはマイルドハイブリッドモデル(以下MHEVモデル)が先に登場し、プラグインハイブリッドモデル(以下PHEVモデル)の「トナーレ プラグインハイブリッド Q4」が追加された。

コンパクトSUVとしては平均的なスペースを確保。足元にも窮屈な感じはなく、ホールド性もいいため快適な座り心地。

駆動用バッテリーを床下に搭載する関係で、容量500LのMHEVモデルより少し狭く385L。それでもトランクスルーを装備した6:4分割式のリアシートの背もたれを倒すと、床はフラットにはならないが2人分の宿泊キャンプには対応できる容量が出現。スポーティで洒脱なフィールドライフを楽しむには外せない選択肢といえるだろう。

ガソリンエンジンとモーター走行によるトータルでの走行可能距離は600kmを越える。こうしたアルファらしい走りは「EVモード」、「EVとエンジンのもっとも効率的な走行モード」、そして「スポーティなドライビングモード」という、3つの走行モードを選択できる「ALFA DNAドライブモード」を駆使して叶うもの。
駆動システムは4WDで、適切なトルク配分で4輪がしっかりと路面を捉えながら走る感覚は安心感があり、横風などの影響も少なくなっている。

こちらのPHEVモデルは、都会的な佇まいはMHEVモデルと同じながらも、システム280馬力の強力な走り、それもモーターがより前面に出て強烈にサポートする感覚の走りは、刺激に溢れている。
スタートからの力強さ、曲がるときのロールの少なさとキレの良さ、そしてコーナーからの立ち上がりで見せる力強さ、どの要素においてもMHEVモデルの走りを1ランク、2ランクほどグレードアップし、より軽やかな走りを際立足せていた印象だ。
【プラグインハイブリッド Q4】
●ボディーサイズ:全長4,530×全幅1,835×全高1,615mm
●車重:1,880kg
●最小回転半径:5.8m
●エンジン:直列4気筒ターボ 1,331cc
●エンジン最高出力:132kW(180PS)/5,750rpm
●エンジン最大トルク:270Nm(27.5kgf・m)/1,850rpm
●フロントモーター最高出力:33kW(45PS)/8,000rpm
●フロントモーター最大トルク:53Nm(5.4kgf・m)/8,000rpm
●リアモーター最高出力:94kW(128PS)/5,000rpm
●リアモーター最大トルク:250Nm(25.5kgf・m)/2,000rpm
●WLTC燃費:14.1km/L
問い合わせ先: アルファ ロメオ
TEL:0120-779-159
https://www.alfaromeo-jp.com
▼参考記事
MINI|エースマン

輸入車の人気ブランドとしてすっかり定着し、2024年にはシリーズ全体で1万7165台(JAIA=日本自動車輸入組合調べ)と、輸入車ナンバー1の販売台数を記録したMINI。
これまではベーシックなハッチバックの「クーパー」と、ふた回りほど大きなボディのSUV「カントリーマン(旧クロスオーバー)」という、2モデルの構成だったが、その間を埋めるように登場したのがBEV(電気自動車)専用モデルの「エースマン」。 程よいボディの大きさと想像以上に広い室内を特長とするコンパクトSUVだ。

LEDヘッドライトはまったく新しくデザインされ、複雑な八角形の輪郭をもつフロントグリルと組み合わされ、SUVのカントリーマンにも通じる表情に仕上げられている。
さらに前後のホイールアーチを含め、ボディの下部を1周するように張り巡らされた黒い樹脂パーツがSUVらしい独特の力強さを表現。コンパクトSUVとはいうものの、背の高さも相まって押し出しの強さやワイルド感は、カントリーマン以上かもしれない。
その上で全体の佇まいはしっかりとMINIのDNAを継承し、愛らしさをしっかりと感じさせてくれるデザインは、アウトドアフィールドでも個性を主張することだろう。

エースマンのリアシートは3人がけで乗車定員は5名。足元のスペースはホイールベース(前後車軸間の距離)がクーパーよりも80mm長いため、ゆったりとしている。そのくつろぎ感はむしろカントリーマンに近く、大人でも無理なく座れる。


MINIブランドでの位置づけは、それぞれのボディ・サイズを比較すると理解できる。もっとも大きな違いは全長で、クーパーより220mm長く、365mm短いのがエースマンで、さらにホイールベースではクーパーより80mm長く、カントリーマンより85mm短くなっている。それでも最大1,005Lまで拡張可能なラゲッジスペースに5名乗車の広い車内空間を実現。
「カントリーマンもいいけど、MINIらしい小さめのSUVが欲しい」という要望に応えるモデルだ。グレードは3タイプで、4WDはない。「SE」グレードは一充電あたりの走行距離が414km(WLTCモード)なので、片道100km圏内のキャンプ場なら無充電で行けそう(ただし走行状況による)。

カントリーマンなどと同様の、直径240mmという大きな円形有機ELディスプレイ。その下にはトグルスイッチなどが横一列に並び、モダンMINIの景色が楽しめる。さらに前面パネルの表面は、再生ポリエステルの糸を使用して製造し、温かみなる風合いに仕上がっている。
寒い時季に雪道を走ることが多い人にとって、4WDの設定がないことは物足りないことだろう。また、ファミキャンとなると荷室の容量不足を感じるはず。しかし、エースマンの魅力は、程よいサイズ感とBEVらしい乗り味にある。街中で7割、アウトドアで3割という使い方に適した都市型クロスオーバーSUVなのだ。
【ES】
●ボディーサイズ:全長4,080×全幅1,755×全高1,515mm
●車両重量:1,740kg
●最小回転半径:5.3m
●最低地上高:142mm
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:160kW(218PS)/7,000rpm
●最大トルク:330N・m/50~4,500rpm
●一充電走行距離:414km(WLTCモード)
問い合わせ先:MINI
TEL:0120-3298-14
https://www.mini.jp/ja_JP
▼参考記事
※車両情報はすべて取材時のものです