
それぞれのコンセプトで納得のお買い得感あり!

愛車は、荷室の広さで選んだホンダ/モビリオスパイク。車内には、キャンプ場に合わせて使い分ける3種類のテントのほか、ミニベロまで常備。
普段使いからアウトドアライフまで、気軽に幅広く使えるコンパクトSUV。ここで紹介する2台は、サイズ的にはほぼ同クラスだが、ホンダWR-Vは手軽さや実用性を、マツダCX-30はデザイン性や走行性能を重視した、強い個性がある。
価格は、WR-Vが約239万円から。CX-30は約266万円から。シリーズ全体の価格帯は、CX-30のほうがクラス上に位置づけられるが、それぞれのコンセプトで、納得のお買い得感があることから「コスパで人気のSUV」としてセレクト。2モデルの魅力を、こいしゆうかさんにチェックしてもらった。
「ホンダ車のなかでも、アウトドア色が強く、道具感のあるゴツゴツしたデザインや、室内の広さが魅力です。全方向の見切りが良く、運転しやすいですね。この価格で衝突回避や車線維持支援システムなど、いくつかの安全支援装置が標準装備されているのは安心です」
WR-Vは、2024年3月に登場。そして、今年3月にホイールや内外装にブラック系のパーツを取り入れたブラックスタイルを追加。見た目の精悍さもパワーアップした。
「荷室も十分に広いので、私のようにキャンプ道具を積みっぱなしにするような人でも使いやすいです。リアシートを倒したときに段差ができるのは残念ですが、この段差を解消する用品のラゲッジボードがあるので、それをつければ車中泊も快適そう。4WDの設定はないけれど、最低地上高が195㎜もあります。自分にとって必要な装備を絞り込める人にとって、このコスパは最強ですね」
無駄をそぎ落としたギア感満載のシンプルSUV
ホンダ/WR-V Z BLACK STYLE
¥2,483,800
●全長×全幅×全高 4,325×1,790×1,650㎜
●車両重量 1,230kg
●最低地上高 195㎜
●最小回転半径 5.2m
●乗車定員 5人
●エンジン 1,496㏄ 水冷直列4気筒DOHC
●駆動方式 前輪駆動
●燃料 無鉛レギュラーガソリン
●WLTC燃費 16.2km/ℓ
問い合わせ先:ホンダ TEL:0120-112-010




ブラックスタイルは、ステアリングまわりなど、室内が黒基調に統一されている。

レバー式のサイドブレーキ。「この雰囲気が、たまらないですね!」と、こいしさん

リアシートを倒すと段差ができるが、この段差を解消する用品のラゲッジボード(33,000円)を装着すれば車中泊もOK。

「大人4人が楽々乗れる広さがいいですね」。身長161㎝のこいしさんが座っても、足元、頭上ともに余裕の空間が広がる。

最低地上高は余裕の195㎜。未舗装路はもちろん、キャンプ場内の移動でも安心。「FFでも地上高が高ければOKです!」

5名乗車時の荷室容量は458ℓ。荷室内高が実測で最大970㎜もあった。リアシートを倒さずに、3名分のキャンプ道具が入る。

一方のCX-30の印象は…。

「レザーを使ったインテリアや、ワクワクするような気持のいいハンドリング性能は、まるでヨーロッパのスポーツカーのようです。車高も1540㎜なので都市部の立体駐車場に入るのは便利。ただし、荷室や車内空間がそこまで広くないので、ソロから3人ぐらいのキャンプ向きかしら?」
試乗車に搭載されたエンジンは、1.8ℓディーゼルターボ。圧倒的なトルクによるスムーズな加速感と、軽油1ℓで18.7㎞という燃費性能を誇る。
「燃費が良くて、しかも燃料代が安い軽油というのは魅力です。安全支援装置もしっかり整っていて、4WDの設定もあります。しかも4WDには、悪路からの脱出をサポートするオフロード・トラクション・アシストもあるので安心です。普段は街中で使い、休日に遠くへ遊びに行くような人にはピッタリかも」
欧州車に肩を並べる上質さと走行性能は、まさにコスパSUV! 自分に必要な価値を見極めて、最良の1台を選ぼう。
洗練されたデザインに加えて心躍る走りで燃費もいい!
マツダ/CX-30 XD Touring
●全長×全幅×全高 4,395×1,795×1,540㎜
●車両重量 1,540kg
●最低地上高 175㎜
●最小回転半径 5.3m
●乗車定員 5人
●エンジン 1,756㏄ 水冷直列4気筒DOHC直噴ターボ(ディーゼル)
●駆動方式 4WD
●燃料 軽油
●WLTC燃費 18.7km/ℓ
¥3,531,000
問い合わせ先:マツダ TEL:0120-386-919




「高級感がありますね~」。ドライバーを包み込むようなデザインが印象的。

SUVでありながら、高さ制限が低い立体駐車場にも入る全高1,540㎜はお見事。

リアシートを倒したときの荷室奥行きは、実測で約1,440㎜。体を少し曲げるなど工夫次第で、ひとり車中泊はできそう。

フロントシートの間にあるアームレストの下は、大きなコンソールボックスになっている。タイプCのUSB端子が2個ある。

悪路でスタックしたとき、4WDとともにタイヤの回転を制御し脱出をサポートするオフロード・トラクション・アシスト付き。

荷室幅が約1,000㎜と少々狭いが、リアシートの片側を倒すことで、奥行き約1,450㎜に。3名分のキャンプ道具は問題なく積載できた。

※構成/山本修二 撮影/三浦孝明
(BE-PAL 2025年7月号より)