ロングトレイルで使用する道具選びの準備とコツ(2)食関連ギアほか【プロハイカー斉藤のナショナルシーニックトレイル踏破レポ vol.5】 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

山・ハイキング・クライミング

2025.02.24

ロングトレイルで使用する道具選びの準備とコツ(2)食関連ギアほか【プロハイカー斉藤のナショナルシーニックトレイル踏破レポ vol.5】

ロングトレイルで使用する道具選びの準備とコツ(2)食関連ギアほか【プロハイカー斉藤のナショナルシーニックトレイル踏破レポ vol.5】
トレイルの本場であるアメリカには、連邦政府によって認定されたトレイル(ルート)がいくつかあります。そのうち「シーニックトレイル」と呼ばれるものが全11ルートあり、総距離は約17,800マイル(約28,646km)におよびます。

日本で唯一のプロハイカー・斉藤正史さんは、そんなシーニックトレイル全11ルートの踏破に挑戦中です。2024年9月から10月にかけては、アメリカ東部の「ポトマックヘリテージトレイル」と「ニューイングランドトレイル」に挑みました。斉藤さんによるアメリカのトレイルの最新レポート第5回をお届けします。

服装は?食事は?ロングトレイルの道具選び、準備とコツ(1)【プロハイカー斉藤のナショナルシーニックトレイル踏破レポ vol.4】 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

ポトマックヘリテージトレイル編 その5]

少しでもトレイルを快適にするためのギア選び

前回の記事で、バックパックとテントなどの居住用ギアについて選びました。他のアウトドアと同様、トレイルでも細々と多様なギアが必要になりますし、それらをおろそかにすると後々つらい思いを味わうことになります。ということで、今回はバックパックと居住用ギア以外のアイテムの選考基準について紹介します。

バーナーなど食事関連ギア

バーナー選びは毎回悩みます。今回の渡航先はアメリカなので、真っ先に候補に上がったのがガソリンストーブでした。

SOTOのガソリンストーブは、MUKAストーブとマルチに使えるストームブレーカーの2種類があります。今回歩くトレイルは町が近いエリアが多いのでOD缶も入手しやすいし、いろいろな燃料が使えるバーナーが良いかなと思い、ストームブレーカーをチョイスしました。

また、浄水器についても、泥水を使用するようなハードな状況はほぼなさそうなので、軽くて使いやすいBEFREEを選択。あわせて、少し大き目のサイズであるSOURCEのハイドレーション3Lをチョイスし、ウォーターバックを兼ねることにしました。

●SOTO(新富士バーナー)
 ストームブレーカー(ストーブ)
 チタンポット1100(クッカー)
 コジー1100(保温袋)
 ポケトーチ(トーチ)

●カタダイン
 BEFREE(浄水器)

●SOURCE
 ワイドパック 3L(ハイドレーション)

●プラティパス
 ソフト水入れ1L(ウォーターバック)

●自作カトラリー
 スプーン(自分が携わるYLTのイベントで製作したもの)
 箸(2013年のBE-PALの付録 「ひのき マイ箸手作りキット」を、2024年に発掘して作成)

今回のトレイルに持参した食事関連ギア類。

電子機器

心配性なので、どうしても持参する電子機器は多くなります。

今回は、スマホと360カメラを2台ずつ持参。スマホはオフラインでGPSデータを使ったり、簡易的に写真や動画を撮影したりする用に1台、もう1台はSNSなどの通常使用のためです。もっとも、普段からスマホ2台を使い分けていて、どちらか片方が壊れても使えるようにしています。

また、動画撮影用にINSTA360X3をお借りしたのですが、使い慣れていないので予備として普段使用しているINSTA360ONEも持っていくことにしました。

今回の目玉は、サンワサプライのタイムラプス撮影の専用機400-CAM109です。面倒な操作なしでタイムラプス動画を自動で作成してくれます。デジカメやINSTA360で動画を撮影すると、どうしても充電池の減りが早いです。ところが、この400-CAM109は充電池が最長で約6カ月(!)もつという優れもの。ちょっと使ってみたいなと今回ポチった次第です。

●ソニー
 VLOGCAM ZV-E10(ミラーレスカメラ)
 交換レンズ×3
 VCT-SGR1(ハンドグリップ)

●INSTA360
 INSTA360 ONE (カメラ)
 INSTA360 X3 (カメラ)

●GOAL ZERO
 LIGHTHOUSE micro FLASH CHARGE
 NOMAD 5 (ソーラーパネル)
 VENTURE 35 (モバイルバッテリー)

●Amazfit
 Amazfit Active Edge 46mm(スマートウォッチ)

●サンワサプライ
 400-CAM109(タイムラプス撮影専用機)

●スマートフォン
 PIXCLE6a
 P30PRO

●その他のギア
 フラッシュ
 三脚
 NSTA360用3mの棒
 ヘッドライトアダプタ
 急速充電器・ケーブル
 スマホフォルダ
 三脚足

今回のトレイルに持参した電子機器。

ウエア類

前回の記事で紹介したバックパックと同じく、毎回悩むのがウエアです。

今回でいうと、日本を出発するのは9月下旬。日本はまだまだ暑いですが、ポトマックヘリテージトレイルとニューイングランドトレイルの周辺エリアはどんな気候なのか。事前に調べた感じだと、道中で通るペンシルバニア州・フィラデルフィアで最低気温が13℃~7℃へ下がっていくようです。そこで、ハーフパンツをやめ、長ズボンとシャツスタイルにすることにしました。

念のため、スコーロンの長袖のパーカーを1枚。あとは重ね着して寒さに対応すべく考えました。また、この時期の雨はそこまで寒くないので雨具は取り扱いやすいOUTDRYをセレクトし、雨具の中に袖から雨が侵入しないようにストレッチレインガードを準備。晴天率70%と比較的雨が降りにくい季節のようなので、万が一のために備える程度の準備にしました。

僕が毎回持っていくものの中に手拭いがあります。タオルとしても使えますし、何より乾くのが早い。各種タオル類完備のホテルなどとは縁のないトレイルをする身には、手拭いが数枚あるととても安心です。

●コロンビア
 Tシャツ各種
 アウトドライエクストリームワイルドウッドシェル(雨具)
 エンジョイマウンテンライフインシュレイテッドベスト(ベスト)
 マウンテンズアーコーリングインシュレイテッドジャケット(ダウン)
 シルバーリッジユーティリティライトプレイドロングスリーブシャツ(長袖シャツ)
 エンジョイマウンテンライフロングスリーブTシャツ
 マウンテンズアーコーリングⅡパンツ/サドルトレイルパンツ
 ニットキャップ
 キャップ
 マスク
●フォックスファイヤー
 ストレッチレインガード
 PPウールソックスヘビーパイル×2
 ヤマメ手ぬぐい
 グラベルグリッパーメッシュタイプ(手袋)
 SCプルオーバーフーディ(スコーロン商品)
●ダーンタフ
 マイクロクルー ミッドウェイトクッション(就寝用・予備用)
●アウトドアリサーチ
 ゲイター

2024年のトレイルに持参したウェア類の一部(今回はコロンビアに協力いただきました)。

靴などフットウェア

どのフットウェアにするかということも毎回苦慮します。

サンダルは2023年に引き続き、フォックスファイヤー×KEENのコラボアイテムに。そして、靴はLOWAのイノボ GTをチョイスしました。

今回歩くのは総距離約700kmですが、このくらいの距離を連続使用すると壊れるブーツも少なくありません。履きやすさはもちろん、耐久性も重要なのがトレイルでのブーツなのです。

以前、同じくLOWAのレネゲード X GT MIDを履いて約1,000kmのトレイルを歩いたことがありました。このときの耐久性や履き心地などを考慮して、今回のフットウェアの候補に考えたのがレネゲード X GT MIDと、それより新しいモデルのイノボ GTでした。実際に僕の地元である山形のトレイルで履いて比べた結果、どちらもソールの形状や柔らかさがトレイルにマッチしていることを実感。ただ、今回の道のりは自転車との併用ルートが多いので、イノボ GTが向いていると判断しました。

ポトマックヘリテージトレイルとニューイングランドトレイルを歩くためにチョイスしたフットウェア。

その他にも、洗濯も出来る防水パック、トレイルではよく使用するトイレ用品、地図やファーストエイド、ギアの補修用品などわりと最小限でも色々と持っていきます。僕にとってトレイルでの生活は特別なものではなく、普段の生活と出来るだけ乖離しないようにしています。1つだけ、たぶん他のハイカーが持たないものがあります。それは、爪切りです。

爪切りは多くの宿泊施設で借りることが出来ますが、個人的に他人が使った爪切りを使うことが出来ません。そうです、僕はハイカーなのにちょっと潔癖なところがあるのです。汗で汚れた服で寝袋に入ったりできないので、寝る時は就寝用の服を持っていくし、体を拭くため欠かせない折り畳みのバケツも持参します。ちなみに、他人が握ったおにぎりも食べれないし、人が口を付けたペットボトルもきちんと飲み口を拭いてから飲みます(そもそも他人の飲みかけのドリンクをもらうことがはありませんが)。

自分ではさほどひどい潔癖だと思っていないのですが、あれも必要、これも使うかも…などと考えているうちに、何かと荷物が増えてしまうのです。

トレイルでは、時として泥にまみれたり野宿の必要に迫られたりすることもあります。でも、こんな潔癖の人間ですら自分なりに工夫して楽しめるのがトレイルの奥深さ(?)だと思っています!

ポトマックヘリテージトレイル公式サイト

私が書きました!
プロハイカー
斉藤正史
2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載中。

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