メシを制すものはトレイルを制す?食料準備の秘訣【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.3】 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.01.12

    メシを制すものはトレイルを制す?食料準備の秘訣【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.3】

    ニューヨークやボストンからも近い、アメリカ東海岸にある「ニューイングランドトレイル」。2023年10月、世界各国のロングトレイルを次々と踏破している日本で唯一のプロハイカー・斉藤正史さんが、そのニューイングランドトレイルに挑みました。日本ではあまり知られていないニューイングランドトレイルの実態、アメリカ東海岸のトレイル事情などについて、斉藤さんによる実感たっぷりの最新リポートをお届けします。

    vol.3は、前回決定した行動計画をベースに進めた「機材や食料の準備」についてご紹介します(vol.1vol.2)。

    ナビゲーション=GPSの選定

    私が、2013年からトレイルを歩く時に使っているGPSアプリがGAIA(ガイヤ)GPSです。英語表記ですが、精度も高く、2012年当時からハイカーが結構使っていました。

    操作は、いたって簡単。GPXファイルを読み込めば、地図上に軌道が現れますし、データにウェイポイントが登録されていればチェックできます。地図データをダウンロードしておけば、オフラインでも利用できます。日本の地図にも対応していて、日本で使っていても困らないくらい登山道が表示されます。なので、日本で僕も使っています。

    今は、アプリで歩く人が多いようですが、GPXデータなら入手も容易ですし、使い慣れた物を使うのが一番安心感があります。念のため、簡易の方位磁石もバックアップとして持っていきます。

    今回もGAIAGPSアプリにGPXデータを入れて歩きます。

    SIMの購入タイミング

    今までは、アメリカに着いてからスマホショップに行きSIMを購入していました。が、調べてみるとアメリカのSIMも日本で購入できるようでした。早速ネットでオーダーすることに。使えそうなデータ通信料のSIMはおおむね1カ月程度でした。

    今回は、滞在期間を考えて3週間使えるものをチョイスしました。長く滞在する場合は、ショップで買った方がいいのかもしれませんが、今回のように短期滞在の場合、事前に購入した方が便利です。何しろ、アメリカに入国して直ぐネットが使えるのは楽ですから。

    ③ドライフード作り

    ニューイングランド・トレイルのフェイスブックのページに、食料補給やレストラン情報のファイルがアップされていました。このトレイルは距離もさほど長くないので、町中を通過するときに補給するイメージで問題なさそうでした。

    ただし、今回は円安という不安要素があります。そこで、経費削減のため、日本から少し食料を持っていくことにしました。

    ●自由度の高いアルファ米

    トレイルを歩く最初の5日分+αくらいは、食料を日本から持っていくことにしました。では、日本から何を持っていくかというと、アルファ米です。朝晩お米を食べることにして、お昼はラーメンにします。

    アルファ米は、いつも白米のバルク品を購入していますので、朝と夜で、アレンジを分けて作りました。朝は、お茶漬けの素をベースにしたご飯のイメージ。夜はドライカレーやトマトソースをベースにした、それなりに満腹感を得られる食事を考案し、それぞれ作ります。

    アルファ米の場合、万が一燃料が無くなっても、60分ほど浸水すれば、ご飯に戻り食べることができます。また、気温が高く暑い日には、水で戻せば冷たいご飯になるので食べやすいです。特に、今回の短期決戦のようなトレイルでは馴染みのあるご飯はベストチョイスです。

    また、トレイルを歩いていると、カロリーが足りていないので結構お腹が空きます。一度、カロリーの消費を計算してみたのですが、僕がトレイルを歩く場合、1日になんと7,000カロリーも消費しているようです。トレイルを歩き終えると10kgほど痩せることがあるのは、このためです。

    通常、カレーなどのアルファ米の製品パッケージのお米は100gですが、バルク品ならもっとお米を入れることが出来ます。毎食120gにすると出来上がりが240g。約ご飯2杯より少し少ないくらいの量ですが、ある程度満たされる量です。この量をベースに各食作りました。

    アルファ米は味付けして小分けにします。

    ●使い勝手の良い日本製ドライフード

    今回の渡航先であるアメリカは、ドライフード天国です。でも、全行程に必要なドライフードを現地で全て購入するとなると価格が高くつくし、量も多くなってしまいます。

    ということで、僕は、日本の乾燥食品=乾物を買ったり作ったりして持っていきます。今回は乾燥納豆、ゴボウ、ニンジン、エノキ茸などを中心にカ、ロリー高そうな油揚げを乾燥させてみました。作るといっても、天日干しするだけです。

    これらのジャパニーズドライフードをラーメンやアルファ米に入れたら、一気に和風になります。乾物マジックです。

    また、トレイル中は背負える荷物が限られているので、量がかさばるタンパク質はあまり持ち歩けず、どうしても不足しがちです。そんなこともあり、今回は乾燥納豆を多めに作りました。実は、納豆は乾燥させても納豆菌がなくならないそうで、お湯に入れるとネバネバも復活します。乾燥させると臭みもなくなり食べやすいので、行動食としても利用できます。お塩と七味唐辛子をまぶしてから乾燥させると、一層美味しく出来上がります。ぜひ、お試しください!

    自家製の乾燥納豆作り。七味唐辛子をまぶすのがポイント。

    次回は、トレイルの携行するギアの選定についてです。

    New England Trail公式サイト

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載中。

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