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ユタ州の州都ソルトレイクシティから、南西へ車でおよそ5時間。セントジョージ近郊にある人気オフロードエリア、サンドホロウ州立公園(Sand Hollow State Park)は、「砂」と「岩」と「水」が同時に楽しめる、めずらしい地形が組み合わさった場所です。
今回はいつもの夫婦旅とは違い、気の合う仲間8人でサンドホロウ州立公園(以下、サンドホロウ)の、オフロードトレイルに初挑戦してきました!
地形の難しさを感じながら、声を掛け合って進む初日のドライブ
夜の作戦会議で、翌日の走行ルートを確認

前夜は宿泊先の大部屋でチーム作戦会議です。地図を見たり、YouTubeで実際に走っているライダーの映像を見たりしながら、翌日のルート確認からスタート。
余談ですが、上の写真の部屋はかなり豪華でした。このとき泊ったのは、サンドホロウリゾート(Sand Hollow Resort)。ゴルフ場で有名な場所ですが、オフロード愛好家にも人気のコンドミニアム型の宿泊施設です。
わたしたち夫婦以外の4人は、2階の大部屋をレンタル。中央にキッチンとリビング、ダイニングがあり、その大空間を中心に、横にシャワー室や寝室が続く造りです。洗濯室まであり、ベランダからは見事なサンセットが広がります。
ユタ州では、仲間同士で費用を分担し、こうしたバケーションハウスを借りて休暇を楽しむスタイルが一般的です。
ちなみに、わたしたち夫婦の部屋は一階でした。車から大量の水や食料、ドローンなどの機材を運ぶには便利な立地です。一階で良かった!と感じたのもつかの間。目の前は公共プールで、子ども連れの団体宿泊客がにぎやかに泳いでいます。夜になると、カップルが星空を眺めながら、ホットタブ(屋外の温かいジェットバス)でくつろぐ姿も。そんな環境だったため、カーテンをほとんど閉めたまま過ごした5日間でした。
観光客や他州からの移住者の増加により、リゾート化が進むユタ州。自然を守ってほしいという思いと、施設滞在というかたちでその流れにかかわっている自分たち。静かに考えさせられる時間でもありました。
砂と向き合う一歩目。スピードと判断が試されるフィールド

迎えた初日、いよいよ砂地と岩のコースへ向かいます。あさ10時、部屋の前の駐車場に集合して出発です。
今回このリゾートを選んだ理由は、オフロードドライブの拠点として使いやすく、「遊び」と「快適な滞在」のバランスが取れている点にあります。駐車場は広く、オフロード車を載せたトレーラーも余裕をもって停められる造り。装備の積み下ろしがしやすいのも大きな利点です。
駐車場で、ラスベガス近郊から合流してくれた友人夫婦と久しぶりの再会。20年以上前に、沖縄でいっしょにオフロードバイクを楽しんだ仲間。時間を超えてつながる関係です。

走り始めて間もなく、目の前にコンクリート製のトンネルが現れます。サンドホロウ周辺では、オフロードフィールド(走行エリア)と生活道路や高速道路が隣接しているため、分断されたエリアをトンネルでつなぐ構造になっています。
自然の中を走っているはずなのに、ふと現れる人工的な空間。そしてその先にまた広がる大地。フィールドが途切れることなく続いていきます。

トンネルを抜けると、目の前に広がるのはサラサラとした起伏のある砂地です。砂地向きではないタイヤを装着したオフロードバイクは、さっそく苦戦します。サンドホロウの奥深さを、いきなり体感する展開。
砂地走行の写真がないのは、わたしがGoProを家に置き忘れてしまったためです。砂地ではスピードの維持が重要で、ためらって減速するとタイヤが埋まり、動けなくなります。オフロード車の助手席で、iPhoneを構える余裕はありません(笑)。
いきなりの砂のトレイルは、思わず両手で助手席の手すりを握りしめ、緊張が走ります。そのまま区間を抜けて高台へ。ここでいったん車を止め、タイヤの空気圧を調整しながら、改めてルートの確認をします。状況に合わせてととのえる時間。次へ進むための準備の時間です。




サンドホロウには、決められた道がほとんどありません。だからこそ、地形を読み、仲間と確認しながら進んでいきます。そこに、チームで進むからこそ生まれる楽しさがあります。



チームワークの大切さを実感した、崖っぷちUターン
サンドホロウの走り方の基本は、目の前の地形がそのまま“道”になるということです。決められたトレイルをたどるというより、地形を読みながら進む“ライン”を選ぶスタイルが一般的です。ある程度知られているルートについては、YouTubeなどのSNSで、難易度ごとのエリアや、走行可能区域を事前に確認できます。
一見すると自由に走れるフィールドですが、ライダー同士の暗黙のルールも存在します。そのため夫は、この日のために地図やオフロード愛好家のコミュニティサイトを事前に確認していました。


順調に思えたドライブ。それでも現れるのが、フィールドの難しさです。複数の目で確認して進んだのですが、読みを間違えてこの先まさかのUターン。判断が試される瞬間です。

わたしたち夫婦だけでは選ばないようなルートでも、アウトドア好きの仲間といっしょだと、つい挑戦したくなる夫。みんなで慎重に決めたはずが、進んだ先は狭い一本道(正確には道ではなく、大自然がつくり出した地形)。結果、Uターンすることに。
笑顔で写真を撮る余裕があるように見えて、内心は少しひやり。わたしの頭をよぎったのは、「えっ、もしかして野営!?」という想像でした。そんな場面も含めて、忘れられない体験です。


チームで過ごす時間が、旅の質を変えていく

これまで団体の行動にはあまりなじみがありませんでしたが、今回の旅で、仲間と過ごす時間の楽しさを新鮮に実感しました。
そしてもうひとつ大切に感じたのが、拠点選びです。オフロード遊びは、走る場所だけでなく、どこで休むかによって体験の質が変わります。ワイルドなテント泊を楽しむ人もいれば、快適さを重視するスタイルもある。それぞれの楽しみ方。冒険と快適さがゆるやかに重なりあった初日でした。次回は、2日目の様子をお届けしますね。





