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ユタ州南西部の人気オフロードエリア、サンドホロウ州立公園(以下、サンドホロウ)で迎えたグレーターザイオン旅の最終日。目指すのは、砂丘を越えた先にある「Top of the World(世界の頂上)」です。
初日に2輪のオフロードバイクが砂地で苦戦した経験をふまえ、この日は作戦を変更。6人全員が3台のオフロード車に2人ずつ乗り込み、チームで最終日のフィールドへ向かいます。
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走って、止まって、また発見。チームで進むサンドホロウ
名前を聞くだけで、冒険が始まる

サンドホロウには、60を超えるトレイルがあります。ただし、決められた一本道をたどるというより、地形を読みながら進むスタイルが特徴です。どこを走るかは、その場の判断とチームの連携次第。大自然の中に、自分たちのラインを描いていきます。

この日の目的地は、赤い岩の斜面を越えた先にある「Top of the World」。前回ご紹介した「ガラガラヘビの谷」の記事を読んでくださったBE-PAL.net読者さんなら、もうお気づきかもしれません。
ユタのオフロードエリアには、遊び心のある名前が多くあります。最初からきれいに整備された観光地として名前がつくわけではありません。よく走る人たちが、「あの急な岩のところ」「ヘビが出そうな谷」「世界の上みたいな場所」と呼びはじめ、それが仲間内で広まり、いつの間にか定着していくことがあります。
だからこそ名前には現場感があります。地図の言葉というより、遊んだ人たちの言葉。名前を聞いただけで、「そこに何があるのだろう」と想像が動き出します。走る前からもう冒険は始まっているのです。


走るだけじゃない。見て学ぶロッククローリング

フィールドの一角では、ほかのライダーたちがロッククローリングに挑戦している場面に出合うことがあります。こちらは、ただ眺めているだけではありません。どのラインを選ぶのか、タイヤをどこに置くのか、車体がどの角度で傾くのか。見ているだけでも、学ぶことがたくさんあります。
無事に登り切った瞬間には、拍手と歓声。知らない人同士でも、同じフィールドにいる仲間として一緒に喜び合います。オフロードの楽しさは、自分たちが走る時間だけではありません。誰かの挑戦を見て、応援して、そこからまた学ぶ。そんな時間も、サンドホロウらしい魅力のひとつです。

ランチのあとは、出発前のトイレタイムです。辺りを見渡すと、小さな山小屋風のトイレがありました。オフロード車に乗り込み、トイレのある丘の上まで登っていきます。
サンドホロウで見かけたのは、「Composting Toilet(コンポストトイレ)」と書かれたトイレ。水で流すのではなく、微生物や乾燥の力で分解する仕組みのトイレです。水が貴重な砂漠地帯らしい設備だと感じました。しかも、これまで使ったアウトドアエリアの簡易トイレと比べて、においが少ないのです。ありがたい快適さ。


迷路のようなフィールドへ。仲間と進む時間

ランチとトイレ休憩でひと息ついたあと、再び出発。まるで迷路のように広がる砂岩のフィールドを、仲間と一緒に進んでいきます。仲間のひとり、エイミーは救急外来で働いているせいか、急な傾斜や起伏の激しい場所でも落ち着いています。



そして、たどり着いた先でまた休憩です。私たちのオフロードドライブは、よく走り、よく止まります(笑)。そこで仲間のひとりが、地面に落ちている白っぽい物体を発見しました。
「これは、ウサギを食べたコヨーテのふんだと思う」突然始まる、荒野のミニ観察会です。

みんなに「本当に?」とからかわれながらも、本人はいたって真剣です。たしかに、よく見ると毛のようなものが混じっていて、普通の石とも違います。あとで調べてみると、コヨーテなどの野生動物のふんは、食べたものによって毛や骨片が混じり、白っぽく見えることもあるのだとか。思いがけず、少しだけ説得力が出てきました。
絶景を目指して走っているはずなのに、気づけば地面の小さな白い物体を囲んで盛り上がっている大人たち。これもまた、仲間といくオフロード旅の楽しいところです。走るだけではない。立ち止まった場所にも、ちゃんと発見があります。
たどり着いた場所よりも、その先にあったもの

そしてたどり着いたのが「Top of the World」。日本語にすると「世界の頂上」です。名前から想像していたほどの高さではないかもしれません。けれど、不思議と満足感があります。絶景に圧倒されるというより、「ここまで来たね」と笑い合える場所。そんな温かさがありました。
今回の旅で印象に残っているのは、景色そのものだけではありません。むしろ、そこへ向かうまでの時間でした。
地形を読み、ラインを選び、声をかけ合いながら進んだこと。休憩のたびに笑い、誰かの挑戦を見守り、また走り出したこと。そうした小さな積み重ねが、この場所の価値をつくっていたように感じます。

性格も得意なことも、みんなそれぞれ違います。けれど、外遊びが好きで、自然の中にいる時間を大切にしているところは同じ。必要なときには自然と手を貸し合い、あとはそれぞれのペースで楽しむ。そんな距離感が、今回の旅にはよく似合っていました。
最後の写真は、目的地だったTop of the Worldで撮ったものではなく、同じ日の道中で撮影した一枚です。それでも、この旅を締めくくる一枚として選びました。景色よりも、そこに一緒にいた仲間たち。その存在こそが、今回いちばん心に残った風景です。






