水仙の鮮やかな黄色一面の花畑や、淡い色合いと甘い香りに包まれるヒヤシンスの花畑も、チューリップに負けないくらいの素晴らしさ!今年は自転車でぐるっと回ってきました。
キューケンホフ公園周辺のサイクリング事情
オランダでチューリップを見るとなると、有名なのはキューケンホフ公園です。国際空港のスキポール空港から直行バスで約35分。3月中旬から5月初旬のたった1カ月半程度しかオープンしていない園内では、さまざまな品種のチューリップや球根の花々を楽しむことができます。(来年2027年は3月18日から5月9日まで開園の予定です。)
しかし実はこのキューケンホフ公園があるリッセという町は、一帯がチューリップや水仙、ヒヤシンスなどの球根を栽培している農業エリア。そのためキューケンホフ公園内だけではなく、春になるとその周辺でも畑いっぱいに植えられた球根から一斉に花が咲きそろいます。
まずは3月下旬頃からの水仙、そしてヒヤシンス、チューリップは4月中旬頃に見頃を迎えます。
毎年その時期になると周辺をドライブするのですが、今回は自転車でゆっくり回ってみたい!ということに。そこで4月最初の週末、車に夫と息子の自転車を積み、すきまに私の折りたたみ自転車も積み込んで、リッセへと向かいました。
リッセではレンタル自転車も多く用意されていて、自転車ルートの案内も整備されています。まずはキューケンホフ公園にあるレンタル自転車屋さんに寄ってみることに。

2人乗りやバックフィッツなどの特殊な自転車も!
一般的な自転車の他に、マウンテンバイク、子ども用の座席ついているもの、2人乗り自転車など多くの種類が並んでいます。オランダで「バックフィッツ」と呼ばれる、子どもを乗せて学校の送り迎えにも使われる大きな荷台付きの自転車もありました。
2人乗り自転車やバックフィッツは数に限りがあるので事前予約をした方が安心ですが、その他は予約なしでも利用できます。お値段は普通の自転車で3時間12.5ユーロ(約2300円)。一日借りても17.5ユーロ(約3200円)です。その他の自転車の3時間料金は、子ども用自転車が9ユーロ、2人乗り自転車やバックフィッツなどの特殊な自転車は28ユーロでした。
オランダの物価を考えると、思っていたよりもリーズナブルに楽しめそうです。他にもヘルメットやスマホホルダーのレンタルも行っていました。


私たちはここでサイクリングルートを確認しました。紹介されているサイクリングルートは合計4コース。お手軽1時間以内の5kmコースから、しっかり25kmコースまであります。各コースは色別されていて、道の途中や分岐点にも各色の標識がわかりやすく表示されていました。

一面に広がる花畑の世界へ
ヒヤシンスってこんなに香るんだという気づき
私たちは、キューケンホフ公園の裏側を回るお手軽コースを行くことに。しばらく走るとさっそく色とりどりの花畑が!ヒヤシンスが一面に咲いていました。花畑の前を通ると、甘くてさわやかなとってもいい香りが広がっています。花まで少し距離があるのに、ここまで香りが届いてくるなんて!

植わっている状態でこんなに香りが強いのだから、ヒヤシンスのアロマオイルとかあるかしら。いやでも、むかーしアロマオイルの勉強をした時にヒヤシンスは聞き覚えなかったような・・・と遠い記憶を手繰り寄せながら自転車を漕ぎます。
帰宅後調べてみたら、ヒヤシンスのアロマオイルはありはするけど、採集量も少なく高価で、広く普及しているものではないよう。しかしヒヤシンスの香りを再現した香水やルームフレグランスというのは多くありました。ジブリ映画の「ハウルの動く城」の原作小説の中では、ハウルが愛用している香水はヒヤシンスの香りなんだそうですよ。

目にまぶしいほどの水仙畑
しばらく行くと、今度は黄色い花畑が見えてきました。水仙です。
リッセの球根畑は、花を収穫するためではなく、出荷用の球根を育てています。そのため限られた面積にぎっしり球根が植えられている感じで、同じ色の花が咲きそろうとかなり迫力があります。ここで育てられた球根は、日本にも多く輸出されています。

ちなみに時々花畑の中に入って写真を撮ろうとする人もいますが、それは絶対にNG。出荷用に大切に育てている畑なので、無断立入は厳禁です。

自転車だからこそ見つかる風景
さてオランダは自転車大国とも言われていますが、その理由のひとつが「自転車専用道路」。国中に自転車専用道路が張りめぐらされていて、自転車での移動がとてもしやすいんです。車で行くより自転車で行った方が早いということもしばしば。
これらの自転車道が整備されはじめたのは、今から50年ほど前。1970年代に自動車の普及に伴い交通事故が急増、交通戦争とまで言われる時代がありました。そこでオランダでは車中心の街づくりを見直し、自転車で人々が移動しやすい都市開発へと方向転換をし、自転車専用道路を国中に整備したのです。

サイクリングしていると、道路わきにこんなものを見つけました。

「インセクトホテル」と呼ばれるもので、虫たちのすみかです。オランダではいろんなところで、様々な形のインセクトホテルを見かけます。ここはハチ専用のようでした。
車だとさっと通り過ぎてしまうことが多いこういった道端の「気になるもの」も、自転車だと立ち止まったり、ちょっと戻ったりして観察しに行ける楽しみがありますね。

リッセの球根畑は細い運河で区切られています。小さい橋を超えると、カヤックの人が運河を通っていくところでした。カヤックで花畑散歩なんて素敵!その目線からだと、花畑はどんな風に見えるんでしょうか。

お手軽5kmコースも終盤。今回はのんびり途中で写真も撮りながらだったので、1時間弱のサイクリングでした。
途中他にも春のサイクリングを楽しむ人たちがたくさんいて、レンタル自転車の人々はもちろん、地元のおじいちゃんおばあちゃんといった感じのご夫婦もたくさん見かけました。オランダの長くて暗く寒い冬がやっと終わり、春の空気を楽しむのに最高の一日でした。


自転車だとドライブするよりも近くで花々を見れるし、何より生きている本物のヒヤシンスの香りを思いっきり楽しめたサイクリングでした。チューリップはまだちらほらとつぼみが見える程度でしたが、一面のヒヤシンス畑を堪能できるこの季節のオランダサイクリングもおすすめです!





