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2025.06.26

オフロード・ドライブへ出発!ユタ州の人気スポット「ファイブマイル」のワイルドな魅力を語りたい

オフロード・ドライブへ出発!ユタ州の人気スポット「ファイブマイル」のワイルドな魅力を語りたい
アメリカ西部らしいワイルドな景観と、自由なアウトドア体験が楽しめるユタ州のオフロード人気スポット「ファイブマイルパス・レクリエーションエリア」。

レクリエーションエリアという響きから、青空の下でピクニックをする公園を想像してしまいそうですが…。ここは荒野のど真ん中。乾いた大地に広がる冒険のルートです。

今回は、ユタ州の州都ソルトレイクシティから車で約1時間弱、ネバダ州との州境に近い町・イーグルマウンテンの西に広がる大地のオフロード・ドライブをご紹介します。
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枝分かれするトレイルを自分のコンパスで走る旅

ステージングエリアで新たな冒険への出発準備

私たち夫婦が今年初のオフロード・ドライブに選んだ場所は「ファイブマイルパス・レクリエーションエリア」。ユタ州のオフロード好きの間では「ファイブマイル」という名前で親しまれています。

BLM(Bureau of Land Management)と呼ばれる、アメリカ連邦政府の土地管理局が管理する公有地で、子ども連れのファミリーから、本格装備のオフロード愛好家に人気のエリアです。

この日は土曜日のお昼前、ステージングエリア(走り出すまえの準備エリア)は、私たちのような4輪ではなく、2輪のモトクロスライダーたちでにぎわっていました。

ステージングエリアで、運んできたRZR(オフロード車)をトレーラーから下ろす夫。

RZRに乗り込み、体をがっちり守ってくれるハーネス(両肩と腰の両方をしっかり固定するシートベルト)をしめていよいよ出発です。

まずは、オフロード・ドライブの出発地点にあるトレイルヘッド・サインを確認。トレイルによって、書かれている情報はさまざまです。ファイブマイルの看板には、「ドローン禁止」「花火禁止」などの規則、利用できるオフロード車の種類、トレイルのルートなどが書かれていました。ただ、プラスチックカバーが長年の砂ぼこりのせいで汚れていて地図が分かりづらい…。GPSは必須ですね。

ステージングエリアにあるトレイルヘッド・サイン。

点在するマインシャフトに歴史を感じるドライブ

実はこのトレイル、マインシャフトと呼ばれる坑道があちこちに残っている場所なのです。アメリカ西部、とくにユタ州やネバダ州、アリゾナ州などは、かつて金や銀などの鉱山ブームがあったエリアです。その名残として、今でも地中深く掘られたマインシャフトが放置されている場所が数多くあります。

マインシャフトとは、西部開拓時代に金や銀を掘るため地面にまっすぐ掘られた「鉱山の縦穴」のこと。荒野の中に突然あらわれ、柵もなくオープンのままになっている場所もあるので、ハイキングやオフロード・ドライブ中は注意が必要です。

土が黒っぽくなっているマインシャフトの周辺。かつてこの地で鉱石を掘り出していたあとだとか。
黒っぽくなっていた土の斜面を登った高台には、安全カバーがされたマインシャフトがありました。約4時間のドライブ中に、このようなマインシャフトを5つ以上発見。
「放棄された鉱山跡地 1758」と書かれた安全カバーのサイン。1758が年度を表しているとしたら、1776年のアメリカ誕生の年より18年も前からこの穴は存在することになります。
この2本の木の間にもマインシャフトが…。金網がなかったら全く気付かないほど入口の穴は小さく、のぞくと縦にかなりの深さがありました。

砂漠地帯の花に癒されながらランチタイム

1時間ほど走ると小腹が空いてきたのでランチにすることに。5月はまだ暑さのピーク前で、巨大ハエの大群には襲われず、ゆっくり食事を楽しむことができました。

ちなみに荒野の巨大なハエは、普通のハエの2倍くらいあります。走っている最中はまったく気にならないのですが、高台から景色を眺めたり、ランチをするためにRZRから降りると、いっきに群れで襲ってきます。

茶色い大地にときおり顔を見せる、ショッキングピンクのサボテンの花。
うす紫や淡い赤の花たちも、殺風景な茶色い大地に色を添えてくれました。
オフロード・ドライブには、おにぎりとビーフジャーキーは必須!

浸食されたうす茶色の巨大な山をRZRで走り下りる

おにぎりでお腹を満たしたあとは、探せば探すほど現れるトレイルをまた走ります。

ここでちょっと、夏の砂漠地帯で涼しさをキープするための便利アイテムをご紹介しますね。走行中、車内の足元はラジエーターの影響で暑くなります。標高の高い山の上で寒くなったときには良いのですが、夏場はちょっと暑すぎる足元。

そんなとき、ドアを少し開けた状態に固定するアイテムがあるのです。すき間をキープしてくれる金具で、涼しさもキープ。私たち夫婦にとっては快適さも冒険のうちです。

走行中でも車内の風通しをよくするために、半開きでロックするストッパーのような便利なアイテム。

口の中が砂や土でジャリジャリしながら走っていると(フェイスカバーをしていてもこうなります…)、周りとは明らかに色がちがう山に目がひかれました。

走行中ときおり出現する、頂上がとがったうす茶色の山。鉱山跡の特徴で、浸食でこうなったとか。
うす茶色の山にはRZRで頂上まで上がれるエリアも。
ライダーたちのタイヤの跡が、崖のように見える先まで残っています。念のためRZRから降りて、徒歩で安全確認をする夫。
反対側は絶壁のように見えましたが、RZRで安全に下りられるスロープになっていました。
写真で見るより実際の高さはかなりありますが、スロープはなだらかで安心して走行可能。

帰りの道中で見た山のようにたまるタンブルウィードにびっくり

ユタ州の大地に一歩足を踏み入れると、そこに広がるのは無限のトレイルシステムです。

まっすぐ続くと思っていたルートが、突然左右に枝分かれしたり、その先でまた分かれ、さらにまた分かれていく…。だれかの冒険の足跡がそのまま道になって残っているようで、決まったゴールはありません。

私たち夫婦のオフロード・ドライブは、「この先、行ってみる?」と夫がつぶやけば、それがまた「新しい目的地になる」の繰り返しです。

帰りの道中では、以前ご紹介したリトル・モアブやティンティック廃線トンネルのあるエリアのトレイルも見えましたよ。

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見晴らしの良い高台から、遠くに一直線に伸びるトレイルが見えました。リトル・モアブやティンティック鉄道跡のゴーストタウンがあるエリアです。

さらに進むと、アメリカ西部の風景に欠かせないタンブルウィードと呼ばれる枯草の玉が!荒野や砂漠では、映画のワンシーンのように、風に吹かれてコロコロと転がる姿をよく見かけるのですが…。

タンブルウィードがこんなにたくさん、山のようにたまっているのを初めて見ました。乾燥したタンブルウィードの山を見ながら、火の後始末の大切さを改めて感じました。
帰りのハイウェイから右側に見える山の中が、今回オフロード・ドライブをしたファイブマイルパスです。

ファイブマイルパスの広大さと自由、そして点在するマインシャフトが物語る過去。ここはだれかの夢の跡が静かに眠る場所なのかもしれません。

トロリオ牧さん

アメリカ・ユタ州ライター

2001年渡米、ユタ州ウチナー民間大使。アメリカでスーパーの棚入れ係やウェイトレス、保育士など、様々な職種を経験したあとアメリカ政府の仕事に就く。政府職員として17年務めるが、パンデミックをきっかけに「いつ死んでもOK!な生き方」を意識するようになり2023年辞職。夫婦でRVキャンプを楽しむのが最高の癒やし時間。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。「海外書き人クラブアウォーズ2026」グランプリ受賞。

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