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たっぷり積めて走りも軽快!「ホンダ|N-BOX」
コスパに優れ、取り回しが楽なだけじゃない。最近の"小さなクルマ"は、荷物だって積める。大変身を遂げた、クルマ旅やアウトドアユースとしても人気が高い「ホンダN-BOX」。丸目の表情や向上した居住性、アイデアたっぷりの収納など、人気はさらに加速しそうだ。

ボディーサイズは全長3,395×全幅1,475×全高1,790mm。
室内各部の材質も上質に進化している。

上下に薄いヘッドライトの顔もある。
▼参考記事
ソロキャンプにも!アウトドアに便利なN-BOXをBE-PALスタッフがレポート
天井が高い軽スーパーハイトワゴンでダントツ人気を誇るN-BOXを、BE-PALスタッフが試乗レポート!

テスターは大下(右)、記者・櫻井(左)。
【N-BOX カスタム ターボ】
●駆動方式:2WD
●ボディー寸法:全長3,395×全幅1,475×全高1,790mm
●最低地上高:145mm
●車両重量:940kg
●乗車定員:4名
●排気量・種類:658cc直列3気筒ターボ
●燃費(WLTCモード):20.3km/L
問い合わせ先:ホンダ
シンプルな箱型ボディーはアウトドアでも便利!

スタイリングは従来型をブラッシュアップ。

死角の少ない設計で取り回ししやすい。

タイヤのサイズは15インチで、14インチの標準モデルを含めて従来型と同一。つまり買い替えても冬タイヤを継続使用できる。
大:新型N-BOXは標準モデルの丸目が印象的ですね。優しいデザインはフィールドにも溶け込みます。
櫻:カスタムモデルは、かつてのようなメッキ加飾でギラギラした印象を抑えたオトナの仕上がり。個人的にはこっちがおすすめ。

こちらは標準モデル。人の瞳のようなLEDヘッドライトと小さな丸穴でデザインされたグリルで個性を主張。自然吸気エンジン車のみ。
大:パワートレーンが違うことも推す理由ですか?
櫻:そう。新型ではターボエンジン搭載車はカスタムモデルだけだからね。キャンプ道具を満載して高速道路を往復するアウトドアズパーソンなら、パワフルに越したことはないでしょ。
大:そのぶん値段が上がるので悩ましいですけどね。
櫻:走りはさすがの出来栄え。カーブでの車体の傾きが自然で、足回りが踏ん張ってくれる感じがあり、それはカスタムモデルでより明確になっていたよ。
大:ターボ付きで加速のときにアクセルペダルを深く踏み込まなくてもいいカスタムモデルは、エンジン音も静か。とはいえ、内装も柔らかい印象の標準モデルには惹かれるな~。
櫻:その気持ちは大事! カスタムモデルがおすすめといったけど、機能だけがクルマの魅力ではないから、直感的に気に入ったほうを選べば後悔しないと思う。
大:そうですね。そして気になるラゲッジは、いまやホンダのお家芸といえる低床フロアで積みやすく、後席の座面を持ち上げて収納するチップアップ機能も付いていて、いうことなし!
櫻:そうだね。1~2名使いがメインなら、積載に悩むことはないと思うよ。
低床フロアのラゲッジにお気に入りの道具を満載して

後席下に燃料タンクがない独自設計による低床フロア、そして高い天井による抜群の積載性能を誇る。

後席の背もたれをたたんだ状態。ラゲッジとの段差ができるが、形状は水平に近いので積みやすい。また、自転車を積んだときに車輪を乗せやすい利点も。

ラゲッジの両壁に収納も付く。
大:従来型の長所を磨き上げた新型N-BOXの人気はさらに高まりそうですが、本誌が注目したいのは、ホンダの純正用品を展開する「ホンダアクセス」のアクセサリー。なかでも天井部分に取り付ける大型収納には、フロントガラスのサンシェードも内蔵されているんです。これは便利!
櫻:高い天井を生かしたアイデア商品だね~。ほかにも取りはずして洗えるラゲッジトレーや水遊びしたあとでも床が濡れないオールシーズンマットなど、機能的なアクセサリーが豊富。ドレスアップも含めたカスタマイズが楽しめる。
大:基本設計の良さだけでなく、さまざまなアイデアでソト遊びを盛り上げるN-BOXは、ソロキャングルマの有力候補ですね!
前席は直感操作と居心地の良さを追求

室内もメッキパーツなどの派手な加飾は抑えられ、シンプルで収納の多い設計。各部が直感的に操作できる。

大きめに設計されたシートのおかげで疲労は感じにくい。標準モデルのシートは柔らかな印象のグレージュカラー。
アレンジ多彩な後席空間はさらに広くなった!

大人4人が快適に座れる設計で、後席もご覧のとおりの広さ。肩やひじ周りの空間も広がった。

チップアップ機能付き。中型犬のケージを床に置いたり、車中で取り出せるように大型クーラーを積み込んだりと、使い方は自在!

左右別々に最大19cmスライド可能。3人乗車でも積みやすい!
アウトドアで活躍する純正アクセサリーも!

天井左右の大型収納にはタオルなどを入れておける。助手席側にはティッシュボックスをさかさまに収納。下からティッシュを取り出せて便利!

上から引き下ろすタイプの「サンシェード内蔵 大型ルーフコンソール」は、車中での休憩に便利。
▼参考記事
街乗りもアウトドアにも!N-BOXの魅力を自動車ライターが解説

スポーティさと高級感を追求したデザインの「N-BOX カスタム」に試乗。力強さを感じさせるフロントマスクが印象的。

四角い車体は取り回し抜群。シンプルに見えてN-BOXらしいデザインとして成立しているのがすごい。
2Lクラスのミニバン並みともいわれる前後シートの間隔は、大人4人が乗ってもゆとりたっぷり。この広さという利点は2代目、そして3代目の新型にも受け継がれ、その上で質感の高い外観と走りが加わり、高い人気を得ている。

一部ファブリックを使用している「フルプライムスムースシート」をはじめとした、質感や手触りのよいシート。

前後に19cmスライドするリアシート。一番後ろまで移動すると足を組めるほどのスペースが出現。
軽規格のサイズ枠の中で「積んで乗ること」にこだわった

リアシートの座面をワンタッチで跳ね上げると広々としたスペースは、N-BOXならではの大きな魅力のひとつ。

リアシートを一番後ろに移動しても奥行きは41cm、もっとも前でも61cmを確保し、ゆとりがある。
たとえばリアシートの座面を跳ね上げると、身長140cmほどの子供であれば立ったまま着替えたり、観葉植物などの背の高い荷物、さらにはベビーカーを折りたたむことなく楽に積み込める。座面の跳ね上げは左右別々に行えるため、外遊びのギアの大きさに合わせた対応も可能だ。
また、リアシートを前方に倒しながら折りたたむと、27インチの自転車を1台積載できるほど。床が低いため積み込みのときに自転車を大きく持ち上げる必要もなく、積載性はかなりいい。こうして自転車を積み込んでもまだゆとりがあるので、MTBのほかに折りたたみのテーブルやチェアなどをたっぷりと積み込むといった使い方をしても、ストレスはない。

リアシートを前方に折りたたむと、奥行きは120cmに。前輪を左右に切る必要はあるが、大人用の自転車も積み込める。
N-BOXのホイールベースは2,520mmとハイトワゴンの中でも最長クラス。これが前後にゆとりのある居住性を確保できたもうひとつの理由だ。助手席の背もたれを後方に倒しフラットにすると、180cmを越える長物が無理なく積み込める。 これに加えてリアシートは最大19cmの前後スライドが可能。
大人4人の場合、トランクに積む荷物がなければ、リアシートを一番後ろまでスライドさせると、後席には広々としたくつろぎの空間が生まれる。こうした高い居住性と積載性の良さがN-BOX最大の魅力だ。
もはや限界と思われた室内空間はわずかに拡大

ほぼ90度まで開くフロントドアとリアのスライドドアによる乗降性は、ひとクラス上の小型ミニバンにも匹敵。
旧型でも「もはや限界では」と言われていた空間の拡大を、またしても実現している。室内高を+5mm、後席の乗員がシートに座った状態におけるショルダールーム(肩の部分とリアウインドーの間の寸法)を+55mmも拡大。
前後長だけでなく、左右幅の拡大によっても、大人4人が互いに肩も触れることなく座れる空間確保に役立っている。
四角い車体はフィールドでも取り回し良し

運転席に座った状態で、死角になりやすい左側の様子を確認するために 「ピタ駐ミラー」と呼ばれる、補助ミラーを2か所に装備。 (写真提供/ホンダ)
「ピタ駐ミラー」と呼ばれる、補助ミラーを2か所に装備。 ひとつは左ドアサイドミラーの根元(左側の点線囲み部分)に左側の後輪周辺を確認するためのもの、 そして前方のピラー(右側の点線囲み部分)には左前輪周辺の様子を確認する補助ミラーがある。 縦列駐車や狭い道で、路肩との距離を確認するときに役立つ。
最小回転半径はわずか4.5m。混み合った市街地での取り扱いでストレスを感じることはなく、アウトドアフィールドの細道で苦労することも少ないだろう。ボクシーで見切りのいいボディも取り回しの良さに役立っている。凹凸の少ないスッキリとしたデザインは狭めの道路やブッシュが迫る山道でも見切りが良く、ボディパネルをこするリスクも軽減される。

N-BOXカスタムのパワートレーンは自然吸気エンジンとターボエンジンの2本立て。ノンターボのエンジンでもワインディングなどでパワー不足は感じなかった。
前方の車両がいなくなった際の自然な加速感とか、レーンキープアシストの正確さ、そして衝突軽減ブレーキなどの制御は実に自然。新たに「近距離衝突軽減ブレーキ」やペダルの踏み間違いなどで速度が急に上がらない「急アクセル抑制機能」もオプションに追加され、安全性はさらに高まっている。
一日過ごしてみると町でもアウトドアフィールドでも「もう立派なファーストカー」と納得させられる完成度だ。
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