トンネルテントとは
トンネル型のテントは、フレームをアーチ状に並べて設置するのが特徴。独特な形状をしていることから、「イモムシ型」「カマボコ型」と呼ばれることもある。
大人数用のテントとイメージされがちだが、最近では2~3人で快適に利用できるコンパクトなサイズも多く販売されるようになった。
トンネル型テントの特徴として挙げられるのは、タープが必要ないこと。多くのトンネル型テントは「前室」「寝室」の2部屋を確保できるため、テント一つだけでリビングと寝室両面の役割を備えている。もし雨が降っても、テントの開口部を閉じてしまえば中に吹き込むことがないため、天気が変わりやすい山の中でも快適に過ごせる。
▼参考記事
おしゃれなテントで気分を上げよう。種類別の特徴と選び方を紹介
テントの基本的な選び方
テントを選ぶときは、用途に合わせて最適なテントを選ぶことが大切だ。そこで、テントを選ぶときに着目すべきポイントについて詳しく見ていこう。
利用人数に合ったサイズを選ぶ
テント選びにおいて最も重要といっても過言ではないのが、サイズだ。利用人数に合ったテントを選ばなければ、快適に過ごせなくなる恐れもある。
そのため、テントを選ぶときは必ず「何人用のテントなのか」をチェックするようにしよう。ただし、ここで記載されている人数は、あくまでも「最大収容可能人数」。たとえば「4~5人用」と表記されているテントを5人で使用すると、少し窮屈に感じられるかもしれない。ゆったりと過ごしたいときは、利用する人数プラス1~2人のテントを選ぶと良い。
耐水圧や通気性を確認する
機能性はテントごとに大きく異なるため、しっかりとチェックしておくことが大切。特に注目すべきポイントとしては、耐水圧や通気性が挙げられる。耐水圧が高いテントほど、テントの裏に水が染み出しにくくなるのだ。
山にキャンプに行く場合は急に天候が変わる可能性も高いため、耐水圧の高いテントを準備しておくと安心。耐水圧が1500mm以上のものがおすすめだ。商品購入の際、スペックや表示をしっかりと確認しておくことが大切。
また、夏場のキャンプでは熱が内部にこもりやすくなるため、通気性の良いものを選ぶと快適に過ごせるだろう。
▼参考記事
おしゃれなテントで気分を上げよう。種類別の特徴と選び方を紹介
ソロ、デュオ向きのおすすめトンネルテント3選
ゆったりとソロキャンプを楽めるツールーム構造
夏は涼しく、冬は暖かく、オールシーズン使えるカマボコ型のテント。ゆったりとソロキャンプを楽しめるツールーム構造で、広々とした前室は調理やくつろぎ空間として重宝する。
リビングスペースの奥行きは225cm。高さもあるので、ソロ利用ならゆとりのリビングを作ることができる。フライシートはコットン35%混紡のポリコットン製。そのため、ソロ用にしては重量感があるが、湿気がこもりにくいため暑がりを自称するキャンパーにはうれしい仕様となっている。
ポリコットン製の生地は、焚き火との相性も良いため、焚き火を楽しみたいキャンパーにもぴったりだ。持ち運ぶ際はコンパクトになり、ツーリングやフェスにも持っていきやすいのも魅力。
▼関連記事
DOD (ディーオーディー) / カマボコテントソロTC
Jack Wolfskin(ジャック・ウルフスキン)
GOSSAMER(ゴッサマー)
フライにPFC不使用の撥水コーティングを施し、環境に配慮した非自立型テント。大小異なる2本のポールで設営が楽チン。フライを半分に巻けるので、空を見ながら寝られる。
●サイズ:約225×90×H75cm
●収納サイズ:直径約14×44cm
●重量:約1.75kg
●素材:ポリエステル100%
フライをはずせば寝ながら天体観測も
軽量でコンパクト、シンプルなトンネル構造の1人用テント。インナーテントはモスキートメッシュを採用しているので、単独で蚊帳として使うことも可能。フロアシートは高い耐水圧で非常に丈夫だ。
▼関連記事
Jack Wolfskin(ジャック・ウルフスキン)/ゴッサマー
▼参考記事
この夏絶対に手に入れたい!アウトドアの達人がおすすめする快適ソロテント 8
ogawa(オガワ)
アポロンS
5人用インナー付きの「アポロン」に対して、「アポロンS」は2~3人用。とはいえ、全高が182cmあり、全面にメッシュパネルが付いているので通気性、開放感ともにバッチリ。
▼参考記事
BE-PALベテランライターが教える 「絶対チェックすべき最新テント」 9選
グループ、ファミリー向けのおすすめトンネルテント5選
snow peak (スノーピーク)
エントリー2ルーム エルフィールド
4本のアーチポールと1本のリッジポールだけで簡単に設営できるツールームタイプ。吊り下げ式インナーテントをはずせば、大きなシェルターとしても使える多用性も併せ持っている。エントリーモデルながら快適なリビングを生み出すルーフシート付き。広くて開放的なリビングは、6~8人ほどの大人数でも利用できる。
●対応人数:4人用
●設営サイズ:(約)380×600×H210cm
●収納サイズ:83×34×30cm
●重量:15.5kg
●素材:フレーム/A6061、フライ/75Dポリエステルタフタ、インナー:68Dポリエステルタフタ、フロア/210Dポリエステルオックス
シンプルな設計でアウトドア初心者にもおすすめ
インナールームを取り付ければ、あっという間にリビングがベッドスペースに早変わり。寒いシーズンには外側にルーフシートを取り付ければ、防寒と結露防止に役立つ。インナールームとルーフシートはセットで搭載されており、環境や時間帯によってアレンジが利く仕様。
インナールームは吊り下げ式なので、装着も簡単。また、パーツの接続部分は色分けがされており、組み立て箇所が判断しやすくなっている。一般的なテントやタープと比較して短時間で設営できるため、その分アウトドアの時間をより長く楽しむことができる。
シンプルな設計でアウトドア初心者にもおすすめ。付属品が充実していてコストパフォーマンスも優秀だ。
▼関連記事
snow peak (スノーピーク) / エントリー2ルーム エルフィールド
▼参考記事
3位はスノーピーク、2位はコールマン、1位は…?いま売れているテント26選【ファミリーテント編】
SABBATICAL(サバティカル)
アルニカ
アウトドアの名店「エイアンドエフ」が立ち上げた新鋭キャンプ・ブランド「サバティカル」。現行モデルはポリエステル素材を採用。設営が簡単でアーチの美しいトンネル型の構造にブリッジフレームで剛性を高めている。タープに、シェルターにとアレンジ可能で、瞬く間に人気モデルに。
▼参考記事
「第1回BE-PALアウトドアアワード」大賞発表! ファミリーテント部門に輝いた5つのテントとは…?
SABBATICAL(サバティカル)
ギリア
2人用・5人用のインナーテントが付属している人気テント。キャンプビギナーでどれぐらいの広さが快適か、どんなテントが自分のスタイルには使い勝手がいいのかなど経験値が少なくてわからない人にとって、購入後の応用が利くのはありがたい。耐風性能や組み立てやすさも◎。
●サイズ:(約)520×300×H170cm(2人用/280×150cm、5人用/280×250cm)
●収納サイズ:(約)67×35×H30cm
●総重量:(約)13.8kg
現役スペシャリストが「ギリア」をレビュー
アウトドア用品デザイナー佐藤裕一郎さん(左)
大手テントメーカーで23年のキャリアを積んで独立。現在は準フリーランスとして、テントをはじめとしたギアの開発に携わるツワモノ。
アウトドア用品プロデューサー影山盛太さん(右)
国内のみならず、海外ブランドのテントや、ギア、パーツ類のデザインを手がける専門家。豊富な知識と分析力は日本一といっても過言ではない。
アーチフレームに独自のブリッジフレームをプラスした変形トンネル型。2人用インナー使用時のリビングスペースは、(横から見て)幅が約370cm! テーブルやチェアをセットしてもゆったり過ごせる。
ブリッジフレームで3本のアーチポールを固定。アーチポール間にテンションがかかり、テントとしての剛性がアップ。
▼参考記事
最新キャンプギアを試して徹底批評!最新ファミリー用テント4選
欲しい!サバティカルの最新シェルター&人気テントの推しポイントをメーカー担当者が力説
ogawa (オガワ)
アポロン
寝室部とリビング部を持つ5人用の大型2ルームテント。両サイド、前後のウォールは全面メッシュパネルにすることができ、全開すれば風通し良く、全閉すれば暖かく過ごせる。
●対応人数:5人
●サイズ:フライ/320×585×H205cm、インナーテント/300×210×H188cm
●収納サイズ:80×45×35cm
●総重量:約23kg(付属品除く)、 付属品/約3.8kg
●素材:フライ/ポリエステル210d(耐水圧1,800mm)、インナーテント/ポリエステル68d、グランドシート:ポリエステル210d(耐水圧1,800mm)、ルーフフライ/ポリエステル75d(耐水圧1,800mm)
天井が高く、居住性に優れたテント
アーチ状ポール4本と3本のリッジポールの組み合わせにより、強度の高い構造を実現している。吊り下げ式インナーテントは5人まで就寝可能で、ファミリーや仲良しグループでキャンプを楽しむのにぴったり。
大きなメッシュパネルを全面に装備した作りは、蒸し暑い日本の夏場のキャンプに最適。遮光性を高め、結露を防ぐルーフフライを標準装備している。
ウォール全面をメッシュにすると、見た目にも涼しげ。
ルーフフライは遮光性を高めるだけでなく、紫外線による幕体の劣化を防ぐ役割も果たす。また、テント内外の温度差が大きくなる寒い季節には、幕体の結露を防いでくれる。
▼関連記事
ogawa (オガワ) / アポロン
愛用者が「アポロン」を徹底レビュー
キャンプギアの選定は「良いモノを長く」がモットー。また、ギアができた背景や、作り手の思いがあるモノに惹かれがち。キャンプを通じて、さまざまなカルチャーとふれあい、発信していきたいと思っている。
オガワは、1914年創業の日本の老舗テントメーカー。その長い歴史で培ってきた技術から生み出される製品は高品質であり、多くのキャンパーから支持を得ている。
その中でもアポロンは、ファミリーをメインに幅広いキャンパーへおすすめできるサイズのテントだ。大人数での快適なキャンプを楽しんでいる愛用者による徹底レビューを、ぜひ参考にしてみてほしい。
抜群の居住性
アポロンは大型の前室とインナーテントという構成で、どちらも広々とした居住空間を確保している。インナーテントの天井も約205cmと高く、テント内でしゃがむ必要がないため、ストレスなく過ごせる大きなポイント。
テントへの出入りの際にも、特にストレスを感じたことはない。快適に過ごせるテントを求めるなら、間違いなくおすすめできるポイントだ。テントの構造上デットスペースが少ないのも、他の2ルームテントと差別化できる点だろう。
オールシーズンに対応
テントの全方向に開閉可能なパネルが備わっており、季節や状況に合わせて利用できる。冬場にはフルクローズしてのおこもりキャンプ。夏場にはフルメッシュで通気性を上げたシェルターのような使い方をしたキャンプも可能だ。UV効果もある。このように、季節や環境に合わせた使い方ができるアポロンの適応力は素晴らしいの一言だ。
そして、構造で言えばアーチ型に縦3本のリッジボールが加わっているため、普通のテントよりも強度があるのも見逃せないポイント。快適で安心感のあるテントであれば、キャンプの満足度も変わってくる。
実際、悪天候下でのキャンプにおいても、アポロンで安心してキャンプを楽しんだ経験がある。また、テント下部には外部の冷気を遮断するスカートも装備されているため、シーズン問わず活躍してくれることだろう。
自由度の高いテント
パネルの開閉によるアレンジや、取り外し可能なインナーテントを活用することで、テントのレイアウトをカスタマイズできる。
追加のポールを使用すれば、タープのような張り方も可能。また、インナーテントを外せばシェルターとしての利用ができる。さらには、異なるテントを組み合わせることで、独自のキャンプスタイルを楽しむことも。気分に合わせた使い方を楽しめる自由度の高さは、現代のニーズにマッチしている。
アポロンの気になる点
一方で気になる点もいくつかある。購入前には以下を検討しておいた方が良さそうだ。
まず、収納サイズと重量。アポロンは快適な居住性や堅牢性が魅力としてある分、生地や構成部品も多くなっているため、収納時の大きさや重量もかなりのものなのがデメリット。収納と持ち運びには工夫が必要だ。テントの総重量が20kgを超えるため、私は本体とポールを分けて運ぶなど小分けにして収納・運搬している。
また、大型のツールームだけあり、設営には慣れが必要。特にサイドポールを設置する際に力を必要とするため、最初は2人以上での設営がおすすめだ。
とは言っても、慣れれば一人でも設営できるようになるので安心してほしい。収納時の大きさと重量、設営への慣れは必要だが、それを考慮してもおすすめできるテントと言える。
▼参考記事
5年愛用して分かった!オガワの2ルームテント「アポロン」3つの魅力と難点
VASTLAND(ヴァストランド)
トンネルテント
兵庫県発のキャンプギアブランド「VASTLAND(ヴァストランド)」からも、高い快適性と開放感を両立したトンネルテントが登場。居住性が高く、シーンに応じて様々なスタイルで設営でき、ファミリーやグループキャンプに最適だ。(※リンク先はMサイズ)
●サイズ展開:S(3人用)、M(5人用)
●アウターテント展開サイズ:S/(約)幅250cm×奥行480cm × 高さ185cm、M/(約)幅300cm×奥行630cm×高さ200cm
●インナーテント展開サイズ:S/(約)幅220cm(最長部)170cm(最短部)×奥行220cm × 高さ170cm、M/(約)幅280cm(最長部)250cm(最短部)×奥行220cm×高さ180cm
●収納サイズ:S/(約)幅65cm×奥行33cm × 高さ33cm、M/(約)幅72cm×奥行35cm×高さ35cm
●重量:S/(約)14kg、M/(約)19.5kg
高い快適性と開放感を両立
高い天井高に広々としたリビングスペースはトンネルテントの利点だが、VASTLANDのテントは各ドアを跳ね上げ可能にし、快適性に開放感を加えた仕様になっている。
各サイドドアの連結ができ、フロンドドアには拡張パネルがついているので、タープスペースとしての機能性も高い(キャノピーポールは別途必要)。各部のテントフレームは同じ長さ、同じ太さで、設営時にポールの組み違えが起こらないような設計になっている。
前方3つのドアがキャノピーに対応
テント前方の3つのドアは全てキャノピーに対応。視界を遮るものが少なく、前方に広がる景色を存分に楽しめる(キャノピーポール、自在ロープ、キャノピー用ペグは別途必要)。
シェルターテントとしても活躍
インナーテントを取り外せば、シェルターテントとして利用可能。Sの場合は4~6人、Mの場合は8~10人がくつろげる。雨天時は雨よけとしても便利で、テント内で濡れずに片付けなどができる。
拡張性の高いフロントドア
フロントドアには拡張レイヤーを配置し、使用環境によって3つのスタイルが楽しめる。使用しない時は、サイドのグロメットで折りたたんで収納できる。
他にもたくさんの特徴が
このほか、「VASTLAND」のトンネルテントには以下のような特徴も。使いやすさを追求したこだわりが詰まっている。
- サイドドア連結ファスナー
- シェルターテント機能
- メッシュ&オープン可能な四面ドア
- 強度に優れるテント生地
- 各部の生地に適した耐水圧
- 巻き上げ可能なスカート
- タープポールを通せるトリプルスライダー
- オープンポケット
- 軽量アルミニウムポール
- コンセント用ファスナー
- ランタンフック
- 上部ベンチレーション
- 色分けした(ファスナー)タブ
- リペアシート付き
- 蓄光タブ
- 自在ロープ(反射材入)
- 専用収納袋
各サイドドアに連結できるファスナーがついていて、ファスナーで留めると大型のタープスペースとして活用できる。
天井の高さはSサイズで185cm、Mサイズで200cm。とにかく天井が高い!
インナーテントは、各面でメッシュ、オープン、クローズ可。