“黒い湖”はどこ?スイス西部の人気スポット「シュヴァルツゼー」の銀世界で楽しむ雪中ウォーキング | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.02.27

“黒い湖”はどこ?スイス西部の人気スポット「シュヴァルツゼー」の銀世界で楽しむ雪中ウォーキング

“黒い湖”はどこ?スイス西部の人気スポット「シュヴァルツゼー」の銀世界で楽しむ雪中ウォーキング
年が明けて早々まとまった雪が降り、冬本番となっていたスイス。この季節は雪が大好きなスイスの人々の血が騒ぐ時期でもあります。

都市部に暮らしていても、ちょっと足を伸ばせば雄大な山々などの自然が身近にあるこの国では、日帰りで雪遊びやウィンタースポーツを簡単に楽しむことができます。

スイス西部フライブルク(フリブール)州にあるシュヴァルツゼー(der Schwarzsee)も、そんな場所の一つ。スイス国内にはこの「黒い湖」の意味を持つ同名の湖や地域がいくつか存在しますが、フライブルク州のシュヴァルツゼーは州の公用語がドイツ語とフランス語であることから、フランス語で同義の「ラック・ノワール(le Lac noir)」とも呼ばれています。
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手軽に雪と遊べる、地元住民お気に入りの遊び場

誰でも安全・安心に冬の自然に触れられる場所

シュヴァルツゼーは標高1046mの自然豊かな山間部にあります。湖畔をぐるっと周れる散策路や滝まで行けるルートなどいくつもの小道があり、さらにスキー場やキャンプ場、ホテル&レストラン施設も充実していることから、スイスの他州や国外から訪れる人もいます。

そんなある雪晴れの週末、ランチをかねて散策をしにシュヴァルツゼーへ。都市部ではほぼなくなっていた雪が、ここにはどっさり。

木々に積もっていた雪が太陽光を浴びてきらきら輝きながら舞う中、まだランチの時間には早かったのでちょっと歩こう、ということになりました。

空のブルーと積もる白雪のコントラストが印象的。

キャンプ場近くの駐車場から散策開始。すぐ近くにある小川の橋を渡って行きました。シュヴァルツゼーを訪れた日は日中気温が氷点下2℃ほどでしたが、青空が広がり風もなかったのでウォーキングには最適です。

小川のすぐ横にはキャンプ場もあります。

キャンプ場の横を通り過ぎると分かれ道が。片方の道は滝がある方向へ、もう一つは湖畔の遊歩道に行ける道です。シュヴァルツゼーはどちらかといえばコンパクトな場所ですが、それぞれの好みや体力などに合わせて歩ける様々なルートがあるのが嬉しいです。

右の道は滝方面へ、そして左の道は湖畔の遊歩道へ。

天気が良かったこともあり、小学生ぐらいの子どもたちを連れたファミリー、カップル、そして仲良しの友だちグループなど、すべての世代の人たちが雪と自然を満喫しに訪れているようです。

スイスでよく見かける“情報が多すぎる(!)”道標。

雪道を歩いて行くと、そり遊びに来たのか、何やら話し合いをしながら雪で遊んでいる子どもたちがいました。

他にも家族と一緒にいた小さな男の子が、持って来たオモチャのバケツに雪を詰め込み、それを頭からかぶって遊んでいたり、その横ではハスキーの子犬が雪の中に繰り返し顔を突っ込んでいたりと、各自思い思いに雪と戯れていて微笑ましかったです。

それぞれが自由に雪遊び。

そろそろお腹が空いてきたな、とレストランのある方角へ引き返していると、数人の若者たちが雪を漕ぐようにして脇道を進んで行くのが見えました。この道の向こうには何があったっけ?と後に続いて雪で埋まる細道を入って行こうとしたのですが、雪が深すぎて道がどこにあるやら分かりません。

それでも2、3歩歩いてみると雪の深さは膝下ぐらいまであったため、それ以上進むのは断念しました。

雪の中に沈みながら道なき道を行く人も。

ランチを済ませた後、そのままレストランでのんびりすることに決めた夫を置いて、一人で雪の中のウォーキングを再開。

ところでシュヴァルツゼーにある正規の散策路はすべて雪かきがされていて、安心・安全に誰でも散策しやすいようになっています。

さて湖畔の周遊路に行こうと教会横の細い雪道を歩いていると、向こうから高校生ぐらいの女の子たち3人が、何やらゲラゲラ笑いながらやってきます。

白い教会横の雪道から湖畔の道を目指します。 

互いに腕をつかみながら、もがくように雪の中を歩く3人組を観察していると、なんとそのうちの一人が履いているのはスニーカー!そのため上手く雪の中を歩けずにいたようで、雪靴を履いていた他の二人がその女の子に手を貸していたのでした。

いくらこじんまりとしていて安全に雪道散策ができる場所とはいえ、この深い雪でスノーシューズは必須なのですが、それでも楽しげに仲良くウォーキングをしている姿を見ていると思わず顔がほころびました。

転ばないように深い雪の坂道を歩いて行きます。 

横道から今度は湖畔の周遊路を半周すべくそのまま散策を続けます。シュヴァルツゼーの湖面積は約0.5平方kmとそこまで大きくないため、1時間ほどで一周することができます。

湖畔のベンチは雪に埋もれていました。

湖畔に沿って歩いて行くものの、凍結した湖面に雪が積もっているので湖の姿はありません。そのためどこまでも白一色の世界が広がっていました。

周遊路にはところどころに小さな森や小川もあります。

湖畔の道は整備されて歩きやすく、それでいて森の中を通ったり小川が流れる橋を渡ったりと自然にどっぷり浸れるので、のんびり語らいながら歩く人たちも少なくありません。

雪かきがされていて道幅も広いので、気持ちよく歩けます。

私が一人で黙々と歩いている時も、ドイツ語やフランス語でおしゃべりしながら散策者たちが横をすれ違って行きましたが、こういった自然豊かで開放的な空間だと悩みごとやナイショの話もしやすそう。

この日はパラグライディング日和でもあったよう。

湖を半分周ったところでふと山の方へ目をやると、スキーやスノーボードに興じる人たちが遠くに見えました。

山の斜面に見えるスキーリフトとスノースポーツを楽しむ人々。

一方、雪が積もる湖上で歩いている人は誰もいません。湖に張った氷の厚さが十分であれば、湖上ウォーキングやアイススケート、さらにはアイスホッケーといったウィンタースポーツを楽しむことも可能なのですが、ほとりにある看板には「湖へのアクセス禁止」の文字が。

湖へのアクセスができませんでした、残念。

そこでインターネット上で毎日更新されるシュヴァルツゼーの湖についてチェックしたら、どうやら湖の一部に大きな穴が開いた箇所があったため、この日は湖へ入れない状態だったようです。

この湖の最大水深は10mぐらいあるので、うかつに湖を歩いて落っこちたら大変。

分厚い氷が張っているように見えますが――。

湖上ウォーキングができなかったのは残念でしたが、美しい雪景色を愛でながら湖周りの雪道をあちらこちらと歩いていたので体はぽかぽか、そして心も浄化されて心身スッキリできた一日を過ごせたのでした。

Schwarzsee in Freiburg:
https://www.instagram.com/schwarzsee.sense/

雪におおわれた湖上にあるボート乗り場で遊ぶ若者たち。

小島瑞生さん

スイス在住ライター

1998年~2009年までアイルランドで暮らした後、2009年からスイス在住。スイス始め欧州の国々のさまざまな興味深い情報を雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアにて発信中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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