
その万能鍋が「コッヘル」です。今回は、選び方から簡単レシピまで解説します。
アウトドアを快適に!コッヘルとは?
コッヘルは、キャンプや登山で「煮る・茹でる・炊く・炒める」をこなす小型クッカーの総称です。鍋やフライパン、フタ兼皿、持ち手(リフター)などが一体・またはセットになっており、軽量でスタッキング(重ね収納)できるのが魅力。単なる湯沸かしをすることから、本格料理を作るまで幅広く対応し、ソロでもファミリーでも一つあるだけで食事の自由度をぐっと上げてくれるありがたいギアです。
コッヘルの選び方
サイズ
コッヘルはまず、人数とメニューで容量を決めます。ソロでラーメンや簡単な煮込み中心なら600〜900mLが扱いやすく、炊飯も一合程度なら可能です。2人なら1.0〜1.3Lが目安、家族や汁物多めなら1.6〜2.0L級が安心。湯沸かし用に小さめ、調理用に大きめと違うサイズを使用すると調理の効率が上がります。目盛り付きなら水量の管理が簡単です。
ソロの目安
600〜900mL。袋麺やインスタント食品、一合炊飯に最適です。
デュオの目安
1.0〜1.3L。簡単な鍋、二合炊飯、具だくさんメニューを調理する場合におすすめ。
グループの目安
1.6〜2.0L以上。スープや煮込み、取り分け料理を想定します。
形状
深型ポットは茹で・炊飯・汁物に万能。浅型は炒め物や焼き物が得意で、フタがフライパンになるタイプは使い勝手が抜群です。底が広いほど熱が均一に伝わりやすく、焦げ付きにくいのが利点。積載を考えるなら、ガス缶やバーナーが中に収まる寸法を選ぶとパッキングがすっきりします。
素材
アルミは熱伝導に優れ、短時間でムラなく加熱でき、弱点である焦げやすさはコーティングで補えます。価格とバランスがいいのが特徴です。
ステンレスは丈夫で歪みにくい反面、重めで温まりはゆっくり。煮込み・直火にも強いです。
チタンは超軽量で携行性は最強。熱点が出やすく焦げやすいので、湯沸かしやシンプル調理に最適です。
シーン別コッヘルの選び方
お米を炊飯
炊飯は“深型・目盛り付き・熱伝導の良い素材”が有利。アルミ深型900mL前後だと一合が炊きやすく、吹きこぼれも抑えやすいです。フタの密閉性もチェック。風が強い日は風防を併用し、弱火でじっくり仕上げると失敗が減ります。
麺・パスタを茹でる
袋麺やパスタなら“底広・1.0L以上”が扱いやすいです。吹きこぼれ防止にフタの蒸気穴や、簡易ザルになる湯切り口があると便利。チタンは軽いものの熱ムラが出やすいので、アルミやステンレスの底広タイプが安定します。
煮込み・スープを楽しむ
保温性が大切になるため、ステンレスや厚手アルミが活躍。焦げ付きにくいコーティングや、フタがしっかり閉まるタイプだと具材が柔らかくなりやすいです。人数が増えるほど容量に余裕を持たせましょう。
コッヘルを使ったおすすめレシピ
カレー

コッヘルに油少量を熱し、玉ねぎ薄切りとウインナーを炒めます。水200mLを加えて沸騰させ、火を弱めてカレールーを割り入れ溶かします。ご飯(レトルトやアルファ米)にかければ完成。缶詰のミックスビーンズを足すと食べ応えUP。
チーズリゾット
コッヘルで水200mLとコンソメ少量を温め、残りご飯を投入。とろみが出るまで混ぜたら、粉チーズと黒こしょうを加え、火を止めてバター少量でコク出し。乾燥パセリや砕いたクラッカーを散らすと風味が締まります。
ラーメン
水500〜600mLを沸かし、袋麺を投入。規定時間の30秒前に火を止め、スープ粉末を溶かします。仕上げに乾燥わかめ、コーン缶、刻みネギを加えれば完成。底広コッヘルなら麺がほぐれやすく、吹きこぼれも抑えられます。
コッヘルで充実アウトドア!ひとつは持ちたい!

コッヘルは “湯沸かしだけ”で終わらせるには惜しい万能調理器具です。サイズ・形状・素材をシーンに合わせて選べば、ソロのコーヒーから家族の一品料理まで、限られた火力でも美味しく仕上げられます。まずは自分の“よく作る料理”と“人数”を起点に一つ選び、使いながら最適解をアップデートしていきましょう。アウトドアの食卓は、コッヘル一つでぐっと豊かになります。