湖を望む断崖の伝説的スポット!滝がとどろくスイスの「ベアトゥス洞窟」で“涼”を感じる秘境探索 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.09.14

湖を望む断崖の伝説的スポット!滝がとどろくスイスの「ベアトゥス洞窟」で“涼”を感じる秘境探索

湖を望む断崖の伝説的スポット!滝がとどろくスイスの「ベアトゥス洞窟」で“涼”を感じる秘境探索
今年も夏の暑さが厳しかったヨーロッパ。スイスも例外ではなく、地域によっては40℃近くにまでなったことも。自宅にクーラーがない我が家では、扇風機一つで毎年の夏を過ごしていますが、厳しい暑さがこうも続くと、束の間で良いからどこかひんやりスポットで涼みたくなります。

そこで出かけて行ったのがベルン州にある「聖ベアトゥス洞窟(St.Beatus Höhlen/ザンクトベアトゥスフーレン)」。切り立った崖にあり、スイスに存在する中でも大規模な洞窟で、現在調査が完了している洞窟群14kmのうち、入り口から1km弱が一般公開されています。
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絶景の散策道から竜と修道士の伝説息づく洞窟へ

聖ベアトゥス洞窟の入り口は、トゥーン湖沿いにあるバス停と駐車場から散策道を数分ほど歩いたところにあります。

流れ落ちる滝とターコイズブルーの湖に見とれてしまいます。

さっそく崖から流れ落ちる滝を横切る道を歩き始めましたが、滝と蒼穹(そうきゅう)を映す湖に囲まれ、歩くのを忘れてはその景色に目を奪われっぱなし。なかなか入り口までたどり着けません。

だんだん勾配がきつくなってきた…。

結局10分ほどかけて洞窟の入り口に到着。とたんにヒヤッと冷たい空気を肌に感じました。

歩いてきた散策道が遥か下の方に見えます。

ここからさっそく聖ベアトゥス洞窟探索へ出発だ!と思ったら、入り口のすぐ隣りに不思議な空間を発見。

かつてここに居を構えていたという聖ベアトゥス。

そこには洞窟の名前の由来となった聖ベアトゥスの住処とお墓がありました。

なんでも昔々の時代、この洞窟に棲みついていた竜が暴れ回っては村の人々を悩ませていたそう。そんな時にアイルランドから来た巡礼修道士ベアトゥスが竜を退治し、その後は自分が洞窟に居を構え、生涯をそこで過ごした——という伝説が残っているのだとか。何だかロマンを感じます。

激流鳴り響く幻想的な洞窟の世界へ、いざ出発!

さていよいよ洞窟潜入です。

ベアトゥス洞窟の探検へ出発!

狭い入り口から内部に入ると岩壁の道が目前に現れました。

先に何が待ち受けるのか想像がつかないまま、とりあえず進んでいきます。まるでアミューズメントパークのアトラクションに来たかのような臨場感。

この先に待つものは?胸が高鳴ります。

道に沿って歩いて行くと突然水の流れる大きな音が聞こえてきました。洞窟内のあちこちから滝が激しく流れ、轟く滝の音で話す声もかき消されてしまうほどです。

いくつもの小さな滝が勢いよく流れていました。

その滝が流れるすぐ上に通路があるので、岩壁も道も濡れています。滑りにくくて歩きやすい靴を履いて来て良かった。それにしても大雨の場合、水は通路に溢れてこないのでしょうか。

事実として、洞窟内の水流や水位が急速に上昇する可能性はあるそう。そこでスタッフによる気象チェックが常になされ、さらに洞窟の奥にも水位上昇を早期に察知する警報が設置されています。そのため悪天候などの場合には閉洞となることも。

歩道の真下を轟々と音を立てて流れる水。

さて轟音を立てる滝のそばを通り過ぎ、狭い通路を抜けていくと数百万年かけて形成された鍾乳石があるエリアへ。透明度の高い水面に映る石筍(せきじゅん)など、幻想的な風景が広がっていました。

日本の有名な鍾乳洞で見られるような、壮大な鍾乳石があちこちにあるわけではありませんが、歩き進めるごとに変化する神秘的な空間が、尽きない好奇心を否応なしに刺激します。

何本もの石筍が透明な水に映り、まるでアートのよう。

内部は整備されて歩きやすく、家族連れにも配慮されているのが嬉しいポイント。洞窟内の道も滑りにくく作られていて、就学前の子どもたちや愛犬連れの人たちの姿も目立ちました。

とはいえできるだけ自然に近い形にしているのか、フェンスや道の舗装も最低限で、細い階段を上ったり下りたりと迷宮を彷徨っている気分です。

洞窟内には297段の階段が。

洞窟の滝や鍾乳石の壁にどうしても意識が向いてしまいますが、うっかり足元を流れる水に足を取られないよう、注意しながら洞窟の奥へと歩を進めて行きます——。

足を水の中に突っ込まないよう注意!

それにしても洞窟内の気温は8℃~10℃と肌寒く、羽織れる長袖の上着と長ズボンで来た私ですが、半袖Tシャツと短パン、と軽装な人も多くて驚きました。皆さん寒くないのでしょうか…。

太古の人も愛した?住み心地が良さそうな快適空間

しばらく歩いていると、入り口からずっと聞こえていた滝の轟音がぴたりとやみ、洞窟内は突然静寂に包まれました。

気づけば大広間のような場所を歩いています。洞窟の中なのに広々としていて、特有の閉塞感があまりありません。夏の間ここに住んだら、かなり居心地が良さそうだなァ、なんてつい考えてしまいます(笑)。

実際、この洞窟内で人々が生活していた時代もあったと言われているそうですよ!

広くて静かな場所に出てきました。

そして道の横には清流が流れています。

思わず水のそばにかがんで、魚や小さなカニがいないか探してしまいましたが、水の流れが速く日光もほぼ差し込まない穴の中は、魚たちのエサになるプランクトンなどが育たない環境のよう。

透明度が高く、激しく流れる洞窟内の小川に住む生物はいなさそう。

その一方で目にしたのは、岩壁でたくましく育つ緑色のシダやコケたちです。

水や風、もしくはここを訪れる人々の衣服に付着してきた胞子が洞窟内に持ち込まれ、低気温で高湿気、そしてわずかな光によって発芽しているようでした。

光がほとんど届かない洞窟内で、植物が力強く生きていました。

やがて滝のとどろきが再び聞こえ始めました。

そして洞窟探検のラスト近くにやって来たのが、岩壁に両側を挟まれた、人ひとりがどうにか通れそうな狭路。

両側から大岩が迫る細道を通っていきます。

「ここで突然“壁トラップ”が両側からガガガ…なんて迫ってきたらどうしよう」と、インディ・ジョーンズのテーマ曲の幻聴を耳にしながらも無事通り過ぎました。

心配そうな視線を感じ、見上げたらワンちゃんと目が合った(笑)。

こうして一時間ほどかけて、五感を潤す「涼」&「アドベンチャー」探索から現実世界へと帰還したのでした。

ここが引き返し地点。再び来た道を戻ります。

洞窟を出た後は、併設されているレストラン&バーへ。絶景パノラマが楽しめるランチやコーヒータイムもいかが?

●St. Beatus-Höhlen, Swiss Cave:
https://www.instagram.com/st.beatushoehlen/?hl=en

青が眩しいトゥーン湖を眺めながらのランチを堪能。
著者画像

小島瑞生さん

スイス在住ライター

1998年~2009年までアイルランドで暮らした後、2009年からスイス在住。スイス始め欧州の国々のさまざまな興味深い情報を雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアにて発信中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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