じつは私、さぬきうどんの本を出版したことがあるほどの"うどん好き"です。香川のラジオ局でレギュラー番組を務めていたころは、お昼が毎回うどんでした。食べ続けるうちにその奥深さに開眼し、「それなら本にしてしまおう」と、3泊4日で自転車に乗りながらうどん店を巡る食べ漕ぎ取材を敢行しました。そんな私が「家族を連れて行くならここ」と厳選した名店と、キャンプでも楽しめるうどんの食べ方をご紹介します。
- Text
旅の途中で立ち寄るなら営業時間の長い店がいい
さぬきうどんの醍醐味といえば製麺所系のセルフ店ですが、麺がなくなり次第終了となるため、お昼過ぎには閉店してしまう店がほとんどです。観光と移動がメインとなる家族旅行では、うどん屋の営業時間に合わせて行動するのはなかなか難しいこと。そこで選んだのが「長田 in 香の香」と「おか泉」の2店です。
どちらも有名店ですが、営業時間に余裕があり、なにより「ここでしか味わえない個性」があります。家族に「これがさぬきうどんか」と伝えるには、どちらも間違いのない店です。
「おか泉」の芸術的な冷や天おろし

冷たいうどんの完成形を食べられる店といえば、私のなかでは「おか泉」です。
この日はフェリーで東京から徳島港へ入り、下船は14時前。金刀比羅宮を参拝したあとにうどんを食べようと思ったものの、周囲にあった製麺所系はすでに閉店。
そんなときでも夜まで営業している「おか泉」は、旅人の強い味方です。
強烈なコシに最初は驚きつつも、そのなめらかな喉越しに家族は夢中に。気がつけばぺろりと完食していました。
おか泉
- 所在地:香川県綾歌郡宇多津町浜八番丁129-10
- 電話番号:0877-49-4422
- 営業時間:11時~19時(L.O.)
- 定休日:月曜、火曜(祝日の場合は営業)
- ホームページ:https://www.okasen.com/honten/
釜揚げの聖地として知られる「釜揚げうどん長田in香の香」でその味に震える

私のなかでは、冷の極みがおか泉なら、温の頂点は間違いなく長田in香の香の一杯です。
特徴は、ずっしりと重い徳利に入った出汁。ネギと生姜を添えたシンプルな構成ながら、その完成度は圧巻です。

この日は飯野山(通称・おむすび山)登頂前、朝9時の開店直後に訪問。平日でも行列ができていましたが、回転が早くスムーズに入店できました。
もちもちの麺を出汁にくぐらせて一口。その瞬間に、家族から思わず「えっ」という声が漏れました。
「今まで食べてきたうどんは、なんだったのか…」。そんな衝撃の記憶を、20年越しに家族と共有できたことが、なによりうれしい時間でした。
釜あげうどん長田in香の香
- 所在地:香川県善通寺市金蔵寺町1180
- 電話番号:0877-63-5921
- 営業時間:9時~15時
- 定休日:水曜、木曜
- ホームページ:https://www.kanoka.jp
キャンプ飯に釜揚げうどんをすすめる理由

じつはキャンプや車中泊において、もっとも理にかなっているのが、釜揚げスタイルではないかと思います。
通常、うどんは茹でたあとに冷水で締めますが、この工程には大量の水が必要です。水が貴重なキャンプでは、これがネックになります。
その点、釜揚げなら茹で汁ごと器に盛るだけ。まさに野食向きのうどんです。
シンプルだからうまい釜揚げ基本セット

用意するものはとてもシンプル。余計なものはいりません。

用意するもの
- うどんと出汁
- ミネラルウォーター(2L×2本あると安心)
- 刻みネギ
- すりおろし生姜
ネギはあらかじめ刻んで持参。生姜は、すりおろして冷凍したものを解凍して使いました。本場の味に近づけるなら、チューブは使わずぜひ生からおろした生姜を使いましょう。付属の出汁はお湯で薄めるだけ。
実践!釜揚げうどんの作り方

1.湯を沸かす

2.麺を水に浸す(約5分)

麺が浸かる程度のフライパンに、ミネラルウォーターを注いで5分ほどおきます。
3.じっくり茹でる(約15分)

私のやり方は、吹きこぼれそうになっても差し水はせず、火加減で調整します。水を入れると湯温が一気に下がってしまうからです。吹きこぼれそうになる鍋を見守り火加減を調整する時間も、楽しい旅のひとコマとなります。普段は究極の面倒くさがり屋の私ですが、麺への愛が勝ります。
4.いただきます!

たんぱく質を足すなら、惣菜の天ぷらなどを添えるのもおすすめです。


車内キッチンでは、容器の中身を”見える化”してストレスを激減
ここで旅するキッチンで実践しているアイデアを紹介します。最近私が「これ、ほんとうにワザアリだな」と感心して愛用しているのが、ニチバンのディアキッチンワザアリテープという商品です。

キャンピングカーでの調理は、限られたスペースとの戦いでもあります。例えば食材の管理がそう。

「あれをどこに入れたっけ?」なんてことを防ぐために、私は保存容器の中が分かるよう、このテープでラベリングしています。テープは手でまっすぐ切れるので、片手でも使いやすくて助かります。

こうしたちょっとした工夫の積み重ねが、車中泊でのストレスを減らしてくれます。

クリップなどの代わりになったり、いろいろな用途に使えて便利ですよ。
私が太鼓判!間違いのないお土産うどん+そうめんセレクション

以下、おすすめのお土産うどんとそうめんを、右から順番に紹介します。ネット通販でも買えるので興味のある方はぜひ試してみてください。
- 日の出製麺所/手提げぶっかけうどん
配りやすい手提げタイプなのでお土産用に最適。高松自動車道の津田の松原SAで買いました。 - 長田in香の香/半生うどん
キャンピングカーで茹でたのがこのうどんです。半生麺なので、お店の味をそのまま再現できます。 - おか泉/半生うどん、特選醤油
こちらの半生うどんもお店で購入。この醤油は、卵かけご飯にもよく合います。 - 竹田製粉製麺工場/半田手延べそうめん
さぬきうどんではないけれど、徳島半田町の名物として知られるそうめん。和洋折衷、熱い、冷たい、炒め物まで、アレンジが自在なので常備食としてもおすすめです。徳島港近くのスーパーで3kg入りを購入しました。
車内で贅沢に味わう本場の味

キャンピングカーというプライベートな空間で、本場のうどんを啜る。この贅沢は、一度味わうともう忘れられません。シンプルだからこそ奥深い、さぬきうどんの魅力。そして、場所を選ばず楽しめる釜揚げというスタイル。我が家の旅の食事を一段引き上げてくれるうれしい存在です。




