美しい景色あり、歴史あり、ビールあり!ドイツの端っこ・バイエルン州の三国国境エリアのハイキング | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2025.10.07

美しい景色あり、歴史あり、ビールあり!ドイツの端っこ・バイエルン州の三国国境エリアのハイキング

美しい景色あり、歴史あり、ビールあり!ドイツの端っこ・バイエルン州の三国国境エリアのハイキング
ドイツ南部にあるバイエルン州は広い。ドイツで最も大きな州で、州の面積は北海道より少し小さいくらい。

まだ行ったことない場所もたくさんあるので、夫婦でプチ旅行をしよう!ということになりました。

私たちはいつもは南のアルプス方向に行きがちですが、東の方ってゆっくりみた事がないよね、という軽いノリでした。
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広大なバイエルン州。東端を探検!

旅の目的地は老若男女問わず歩けるハイキングコース!

目的地は、バイエルン州のパッサウという街から、さらに30kmほど南下した辺りです。

車を走らせると自然豊かな丘陵地帯が広がり、時々小さな村を通過するのですがしばらくはお店が一軒もないような所ばかり。

そんな辺鄙な所なので、2食付きの宿を予約。車を20分も走らせれば、オーストリアにも行けるし、もうちょっと行けばチェコまでちょっとドライブできます。小さなお店が一軒とパブ、銀行がある村の一角にある宿が私たちの拠点です。

宿の近所を一周散歩すると、私の大好きな花、ヒマワリが一面に咲いています。

一面に咲くヒマワリ。

美しい丘陵地帯にある、小さな村は見どころもないし、宿も普通の小さな住宅街にあって、ちょっと変な感じ。でも宿はなぜか、ほどほど賑わっているのです。みんなこんな所に来て、もの好きだよな、なんて思うけれど、そんな私たちももの好きな夫婦なのですよね。

気ままな私たち夫婦の目指すハイキングコースには、3つの目的地があります。

バイエルン州で最も東の地点、3カ国の国境が交わる場所、そして、「3つの椅子」と呼ばれる積み重なった石の塊です。駐車場からさっさと歩けば4時間のコースですが、時間はたっぷりあるから、のんびり楽しみます。

まずは、車を停めて

8時スタートのホテルの朝食を食べ終え、軽く車を走らせます。森の端にある無料駐車場に車を停め、9時半スタート。小さなリュックサックには、お水と軽食を詰めて歩き始めます。

あちこちに道標があるので迷うこともなさそうです。そんな道標に混じって、バイエルン王ルートヴィヒ時代のもの(?)も1つありました。ドイツに長く住んでいますが、私は初めて見ました。

バイエルン州の青と白の縞のついた道標。

歩きやすく軽いお散歩のような感じ。途中写真を撮ったりしている間に、荷物を一切持たないスポーティな女性が私たちを軽快に追い越していきました。地元の人かしら?

さらに歩き進めると、森を抜け片方に木々が片方に見晴らしの良いハイキングロードに出てきました。この辺りから、ブラックベリーにラズベリー、そしてコケモモなどのベリー類がたくさん。時々足を止めては、それらをちょっとだけおやつにいただいて。

ちなみに、ここでいうブラックベリーというのは落葉低木で、一見コケモモを黒くしたような感じ。森のあちこちでよく見かけるベリーです。木苺のような実をつけるバラ科の植物も日本語ではブラックベリーというようですが、それとは異なります。

昔の人が石垣を組んで整備したらしい道もありました。

見晴らしの良いスポットに到着!

眺めの良いスポットでは、すかさず「はい、ポーズ」。

見晴らしが良い場所にベンチ。ベンチは、今回ここが唯一だったかも。

確認しながら歩き進めると、かつてのドイツとオーストリアの国境の検問所らしきところに出てきました。

今でこそEU圏内では、国境も普通に通り抜けるわけですが、なんだか不思議な感じです。

かつての検問所。

バイエルン州で最も東の地点へ

さらに歩くと、急に幅の広い開けた道に出てきました。

太陽の降り注ぐ開けた道が、ずっとずっと続いています。

日当たりも良く、花が咲き、蝶々が飛び交います。低木ぎっしりのところから出てきた私にとっては、天国のように明るい。幸せ感が高揚してきます。

鮮やかな花が咲いています。

深い歴史のある場所だったことに驚き

ところが、ですよ。

なんと、ここは冷戦時代には、戦車が通るための道であったというではないですか。

オーストリア領ですがチェコ(東ヨーロッパ)との国境に近い場所なので、有事の時に対応できるように、戦車用に幅の広い道が整備されていたのだというのです。そしてこの道は、ドイツとの国境にほぼ並行しています。私が幸せを感じたこの道が、そんな歴史を持っていたなんて。

また低木がたくさん生えている場所に出てきました。ドイツとオーストリアの国境は赤い線がはりめぐらされているわけでもないので、一体どちらの国を歩いているのかあやふやでしたが、どうやらここはオーストリア。

さらに歩いていくと、そろそろバイエルン州の最も東の地点に出てくるはず。

携帯電話の位置表示機能を使うと、もうすぐにそこへ到達するはずなのに、あれ?もう道がない。携帯電話で表示される地図にも道はここで行き止まり。

仕方ないので獣道のような細い道を通っていくと、やっと最東の地点に到着しました。

最東地点を示す看板。

面白いですね。周りは何にもないのです。緑の中にポツンと看板だけが立っています。

本当に何もないところに看板があるだけ!

記念写真を撮ったら、さあ、次の目標を目指しましょう。

ドイツ、オーストリア、チェコの国境が交わる地点

当日の朝、三カ国が交わる地点にどんな碑が立っているのかとネットで検索し、背景がほとんど写っていない石碑の写真を見つけました。楽しみをとっておくために、それ以上の情報は調べずに出かけました。だからどんな所に出てくるのか分からないし、ワクワクドキドキ感が高まっていきます。

さらに歩き続けると、ちらほら人が見えてきました。

あら、もしかしてこの先に国境が交わる場所があるの?

なぜかここだけちょっと乾燥して木々が育っていません。
3カ国国境の交わる地点です。これはオーストリア側から見た所。

この一つの石碑の三方向に、それぞれの紋章が刻まれ、それぞれの言語で陰刻があります。

今まで緑の中を走る道を歩いていたのですが、ここだけはちょっと乾燥した感じ。ピクニックができるように大きな石の机や椅子が1式あり、3カ国それぞれの国につながる細いハイキング道が放射状に広がっています。

せっかくなので、三方向から写真を撮りますが、あら、チェコは逆光です。

チェコ側。石碑の右側がドイツ。

人とすれ違うときは、ハロー!(ドイツ語)とか、ゼア・ブス!(バイエルンの挨拶)とか、聞き慣れない言葉だと多分チェコ語の挨拶なんでしょうね、みんなちゃんと挨拶します。

楽しそうに歌を歌いながら歩く子連れの家族や、白杖を持った高齢の方を、お孫さんらしき子が率先して助けながら歩くグループも。高低差は少なくとも弱視、または目が不自由な方だと不安定な土地を歩くのは不安で怖いだろうなと思うものの、お孫さんがしっかり状況を説明しながらサポートをしていてほっこり。

犬や子供を連れていても十分楽しめそうな緩やかだけれど変化のあるコースです。

次は、「3つの椅子」を目指します。

雲ひとつない青空の下、気温も暑すぎず寒すぎずで、楽しく歩いていたのですが、ここからの道が、とっても不思議で、なんだか楽しくなってしまうんです。

目指す次のスポットまでは、たったの3kmちょっと。

ブラックベリーやコケモモなど丈の低い植物が、岩と岩の間にこれでもかというほど自生しているのですが、これだけコケモモがたくさん、というのは私自身は初めてです。

コケモモがぎっしり。奥にはブラックベリーが。

この辺一体は厳しい自然に耐えかねて枯れてしまった針葉樹の寂しい裸の幹だけが、ポツンポツンと飛び出ています。

でも、その隙間合から新たな若い針葉樹が成長し始めている。なんて力強いんでしょう。こういう自然、大好きです。

針葉樹の生命力を感じる風景。

あまりにも楽しんでゆっくりしていたものだから、お昼時を過ぎてしまいました。

時々良い感じに御影石があります。ここからそう遠くない所には昔は採石場が何箇所もありました。この土地ならでは、ということで、見晴らしの良い場所で、パンやサラミ、トマトなど、軽く昼食を取ることにしました。

ここに座ってランチタイム。

そしてもうひと頑張り歩いていくと、自然の厳しさが見えてきます。

1箇所だけではなく、時々こうやって木が根こそぎひっくりかえっているのです。

ひっくり返った木も時々目にします。

とうとう、見えてきました。「3つの椅子」と呼ばれる観光スポット、私たちの三つ目の目標地点です。

三つ隣り合って並んだ、重なり合う御影石たち。

写真スポットもありました。額縁に見立てたものの下には、ハッシュタグと共に、「あなたの期待以上」と書かれています。これをSNSに投稿せよということなのでしょうか。でも設置場所が微妙だなぁ。一応写真は撮っておきましたが。他にも「アイ・ラブ・バイエルンの森」バージョンもありますので、お好きな方をどうぞ(笑)。

一応フォトスポット。
山小屋。反対側のテラスは人が一杯。

リュックサックには十分飲み物が入っていますが、やっぱりこういう所に来たら、ちゃんとお約束の黄色い液体を拝まないわけにはいきません。

お約束の乾杯!

はい、それでは、ググッといきましょうかぁ。かんぱ〜い!

このビールが出てくるまでに、結構待たされました(笑)。

ここの山小屋では、ちゃんとした昼食や美味しいケーキも食べられます。

こういう場所は、辺鄙な所にある観光地料金だろうなと思ったら、ビールのお値段、わが町で飲むよりちょっとお安いくらいです。

テラス席は午後2時を過ぎても賑わっています。

大きなテーブルをシェアしたご夫婦は、ここからほど近い所に住む地元民でした。ビール一杯飲み干す時間を使って楽しくおしゃべりに花を咲かせました。飲みニュケーションは、万国共通です。

あとはさっさと車まで帰りましょう。すでにもう出発から4時間半近く経っていますから。

満足度高いハイキングだったので、足取りも軽くさくっと自然の中を歩き抜きました。

ちなみに、私たちが車を止めた近くにはキャンプ場もありました。お店がない場所なので、食材をしっかり仕入れてからの利用になりますね。他には、チェコには湖があり、その辺の宿泊施設も選択肢がたくさん。ボートに乗ったりするのも良いですね。

吉村美佳さん

ドイツ在住ライター

バックパッカー生活に終止符を打った後、2002年12月からドイツ・バイエルン州に在住、ドイツ生活を満喫中。世界遺産都市レーゲンスブルクの日本語公認ガイドをしつつ、町の素晴らしさをもっと知ってもらいたいと思ったのをきっかけに執筆活動を始める。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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