スイスの世界遺産「ベリンツォーナ要塞」探検へ【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2025.09.04

スイスの世界遺産「ベリンツォーナ要塞」探検へ【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスの世界遺産「ベリンツォーナ要塞」探検へ【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
日本の城を外部の侵入から守っているのは「石垣」とそのまわりの「堀」であることが多いですよね。一方ヨーロッパの城や要塞を守るのは高い「城壁」。そして今でもその上を歩いたりできるところもあります。

今回は日本の城とはまた風情が異なるそんなヨーロッパの要塞の紹介です。しかも世界遺産!

どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
Text

スイスの迷路村・ガンドリアをハイキング【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

「城壁」の上を歩き、「塔」に登ります!(スイス旅その5)

スイス南部の街ベリンツォーナ。アルプスの山々に囲まれたU字谷の底に位置し、古くから交通の要所として栄えてきた古都です。

交通の要所ゆえに「守らなければいけない場所」であり、3つの要塞と街を取り囲む城壁が今でも残っています。これらは「中世アルプスの要塞都市」のモデルとして2000年にユネスコ世界遺産に登録されました。

…という話などを聞きながら今回の国際プレスツアーの一員として街を案内してもらいました。本当に魅力的な街並みなのですが…集中して説明を聞いている私の視界の片隅に、ときおりどうにも気になる物体が建物と建物の間から飛びこんでくるのです。

木々の向こうにチラッと何かが見えますよね?
こちらはもう確信犯。笑

ガイドさんに聞くと3つある要塞のうちの1つである「カステロ・ディ・モンテベッロ(モンテベッロ城)」とのこと。ハイキングルートがあって登りは15分くらいで着くそうです。

でもガイドさんはこのあとも「街案内」を続ける気満々。

じつは私、この2つ前の「古都ルツェルン」の記事で書いた通り、時間の関係で同じような城壁を歩きそびれています。今回ばかりは同じ轍を踏まないように、交渉して国際プレスツアーのグルーブと別行動で、一人で向かわせてもらうことにしました。

わがままではなくて「記事のため」です!

まずは「ディ・モンテベッロ城」へ!

さて「カステロ・ディ・モンテベッロ(モンテベッロ城)」へのハイキングルートのスタート地点がこちら。細い路地でわかりづらいです。

でも「秘密の入口」っぽいとも言えますね。

2人のガイドさんのうちの1人がここまで案内してくれたのですが、それがなかったらきっと見つからずに右往左往していたところです。

建物の壁には一応こんな看板があるのですが、あまり目立ちません。

まあ「景観破壊をしない」ということを優先すると、ルートがわかりづらいのも仕方がないのかも。「わからなかったらGoogleマップ先生に聞け!」という割り切りなのかもしれません。

すぐにこんな階段。狭さは相変わらず「秘密の通路」っぽいですが…。

本当にたどりつくのか? 道はあっているのか不安になります。

なんかもう完全に地元の人の生活道路というか「生活通路」にお邪魔している感じ。

まあ、大通りを闊歩するよりもこうした小径にお邪魔するほうが「海外にいるなあ」という感じはするのですが、「本当にこの道であっているのか」という疑問はGoogleマップ先生が太鼓判を押してくれてもぬぐえないです。

「この坂を登りつめてもこんな感じだったらもどろうかな」なんて思いながら歩くと…。

視界が開けてきて要塞っぽい建造物も出てきました。
そこからは別の要塞「カステルグランデ(グランデ城)」の姿も!

一気にテンションが上がります。

さらに登っていくと本格的な要塞が見えてきました。

スタートから10分で要塞に到着です。

ただし入口が極端に狭くてビックリ!

しかも「ここが城です!」的な看板もどこにも見当たらない。もしかしたら「難攻不落の要塞」っぽさを出す演出かもしれませんが。

さてここには博物館もあります。私は時間がないのに入りましたが、特に興味がなければスルーしてもいいかもしれません。

むしろ城壁の上の部分が通路になっていて歩けるので、そこに時間をかけるのがオススメです!

左側の柵が見える部分が通路です。
写真中央に見えるのが「カステルグランデ(グランデ城)」。城壁の上の反対側の通路からはもう1つの要塞「カステロ・ディ・サッソ・コルバーロ(サッソ・コルバーロ城)」を見ることもできます。

本当はその「カステロ・ディ・サッソ・コルバーロ(サッソ・コルバーロ城)」まで足を延ばしたかったのですが、登りだけでここから25分。集合時間まで20分もなかったので物理的に無理だと泣く泣く断念です。

「グランデ城」に「召喚」される!?

大急ぎでベリンツォーナの中心部に戻ってきて国際プレスツアーのメンバーと合流。次に街中にある要塞「カステルグランデ(グランデ城)」へ向かいます。

壁とテラス席の間を歩きます。

ここも相変わらず「世界遺産にようこそ!」といった宣伝臭はゼロ。ですが…。

岩壁が四角に切り取られた明らかに人工的な「穴」。

秘密基地感満載の状況に吸い込まれるように入っていくと…。

穴の先にあるのはエレベーターでした。

エレベーターに入ってス~ッと要塞の上部に連れていかれます。「ちょ、待てよ。オレ、勇者でも何でもないのに突然召喚されてない? 武器ないし。超能力も魔法の呪文も知らないし」感が味わえます。

ちなみに坂道を歩いても要塞の上部にたどりつけますし、そっちのほうが明らかに「BE-PAL.NET」っぽくはあるのですが、この「城塞への召喚感」がなかなかいいのでエレベーターはオススメです。

そしてエレベーターを降りた途端現れるのは、これから自分が統率することになる幾千万の兵たちが歓迎の雄たけびを上げる城塞内の中庭…。

…ではなく、両側を壁に囲まれた緩やかな坂道。完全な肩透かし。笑

でもここを登りきると…。

いよいよ城塞の中庭のような場所へ。

もちろん大将軍の到来を待っていた兵たちはいませんが。笑

ガイドが見せてくれたかつての「カステルグランデ(グランデ城)」の全景を表すイラスト。

かつてはここにもいろいろな建物があったようですが、今は広場になっています。

ここにある2つある塔のうち1つは一番上まで登れます。じゃあみんなで勇者の証としてそこを目指すものだとばかり思っていたのですが、10人のジャーナリスト中、登ることにしたのは私も含めて3人のみ。笑 勇者率、低っ!

とにかく左側の塔から登り始めます。2つの塔をつなぐ城壁のところまで43段。こちら側の塔はその先に鍵がかかっていて登れないようになっているので、城壁の上を歩いて別の塔へ。

こんな細い出入り口から城壁の上の通路に出ます。

そしてもう一つの塔で階段を99段上がったあと、螺旋階段を13段。段数はいずれも個人的に数えただけなので多少間違っている可能性があります。

そしていよいよ塔の上に到着。意外と広いスペースです。

塔の上からは360度の見晴らし。

南東方向は先ほど行った「カステロ・ディ・モンテベッロ(モンテベッロ城)」とその先にある「カステロ・ディ・サッソ・コルバーロ(サッソ・コルバーロ城)」。
南側は中庭。
西側には先ほど途中まであがってきたもう一つの塔。

もう世界を手に入れたような気分になり、思わずクイーンの「ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ(邦題:伝説のチャンピオン)」を熱唱したくなりました。やめておきましたけどね。

大パノラマを満喫したあとまた城壁上の通路まで降りてきました。

城壁の上の通路はなんとか人がすれ違えるくらいです。

ここがなんだか舞台のよう。

さて一度中庭に降りたあと、西の塔の向こう側にあるエリアへ。

途中から階段を下ります。
こっちの城壁は上の通路の片側に柵がないのでかなりスリリング。

自撮り棒などを使って足元を見ないで歩いていたら落下してケガをしそうなので要注意です。

こちらもまた「秘密の通路」っぽいところあってすごく「要塞」っぽいです。

ちなみに今回紹介したところは行けなかった「カステロ・ディ・サッソ・コルバーロ(サッソ・コルバーロ城)」も含めて「城」と表現されていますが、領主が居住していたわけではないので「要塞」という感じです。

レストランもあり、2つの要塞などを眺めながら食事もできます。

日本の城とはまた趣が違う「中世ヨーロッパの要塞」、ぜひ訪れてみてください。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

スイス政府観光局(「ベリンツォーナ要塞」のページ)
https://www.myswiss.jp/experiences/unesco-bellinzona-castles/

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

あわせて読みたい

スイスアルプスで登山!2つの山頂を吊り橋縦走【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスアルプスで登山!2つの山頂を吊り橋縦走【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスでオープンデッキのあるロープウェイに乗った!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスでオープンデッキのあるロープウェイに乗った!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスの迷路村・ガンドリアをハイキング【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスの迷路村・ガンドリアをハイキング【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスの古都ルツェルンをツアーで散策!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスの古都ルツェルンをツアーで散策!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

NEW ARTICLES

『 海外の旅 』新着編集部記事

超有名リゾートのイタリア・コモ湖はアウトドア派も楽しめる! 150万年前の渓谷や古代遺跡を堪能~っ

2026.03.07

ウユニ塩湖に隠れた絶景の街! 通過するのはもったいない ボリビア・ラパスの「月の谷」

2026.03.05

15年越しの夢を叶える! まるで天国のようなボリビア・ウユニ塩湖で一生に一度の感動体験

2026.03.01

アイスランドで憧れのオーロラに出会う!鑑賞に便利なアプリや服装も紹介

2026.02.28

“黒い湖”はどこ?スイス西部の人気スポット「シュヴァルツゼー」の銀世界で楽しむ雪中ウォーキング

2026.02.27

アリゾナ州にある”ナッシング”という名の荒野のゴーストタウンで、男たちの夢の痕跡にみた

2026.02.25

珊瑚の島でワインができる!? ヨットで世界一周中の家族、ツアモツ諸島へ上陸!

2026.02.23

どんな動物に出あえるかは運次第!? 南アフリカで最古の保護区をめぐる日帰りサファリ体験

2026.02.22

西から来れば「もう砂漠」、東から来れば「まだ砂漠」——カリフォルニア州バーストウ【100周年を迎えるルート66の点と線・その8】

2026.02.21