夜しか開かない動物園!?シンガポールのナイトサファリが楽しすぎた! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.06.14

夜しか開かない動物園!?シンガポールのナイトサファリが楽しすぎた!

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(画像提供:Mandai Wildlife Group)

シンガポールに「夜しか開かない動物園」がある——。

そんな話を聞いたとき、ファミリー向けのライトアップ施設のようなものを想像していました。なにしろアジアの経済大国シンガポール。動物園も都市部にあって、マリーナベイ・サンズばりに輝いているのでは…?と思っていたのです。

ですが実際に足を運んでみると、それは動物園というよりもむしろ、「夜のジャングル探検」でした。

夜のとばりが下りたら出発!シンガポールで始まる「夜行性の冒険」

日が落ちても蒸し暑さの残る5月のシンガポール。リバークルーズから夜景を堪能し、ソウルフードのチキンライスに舌鼓を打っていたら、いつの間にか21時を回っていました。そこから郊外にあるナイトサファリへ向かいます。

とても「シンガポールらしい風景」ですが、ここから30分ほど車を走らせると…。

ナイトサファリがあるのは、「Mandai Wildlife Reserve」(通称「マンダイ」)と呼ばれる自然エリア。実はここ、単なる動物園ではなく、広大な敷地内に複数の動物施設が集結した、シンガポール屈指のネイチャーエリアなのです。「都市国家なのに、こんなに広い自然保護区が…!」と驚かされます。

現在マンダイには、夜の動物たちを観察できる「ナイトサファリ」に加え、「シンガポール動物園」「バードパラダイス」「リバーワンダー」、そして新施設「レインフォレスト・ワイルド・アジア」など、5つの動物園・自然施設が集まっています。さながら動物園のテーマパークのよう。

ナイトサファリ。他に4つの動物園・自然施設があります。(画像提供:Mandai Wildlife Group)

しかも面白いのは、それぞれの施設が単なる展示型ではなく、「体験型」であること。檻越しに動物を見るだけでなく、熱帯雨林の湿気や水辺の気配までも楽しめる設計になっています。特にマンダイは緑が濃く、園内は「大都会シンガポール」とは別世界。シンガポール=きらびやかな高層ビル群のイメージだったので、タクシーで30分移動するだけでこんなに自然ゆたかなエリアが広がっているとは予想外でした。

到着したのは21時半過ぎ。一般的には決して早い時間ではありませんが、マンダイの夜はまだ始まったばかり。ナイトサファリの入口には世界中から集まった観光客が並んでいます。それもそのはず、ナイトサファリは「世界初の夜間動物園」として、シンガポールを訪れる観光客から高い人気を誇っているからです。ここでは夜間、自然に近い状態で活動している動物を見られるのが特徴。入口付近は飲食店などもあって明るめですが、少し奥には漆黒の闇が広がっているのが見えます。「本当にこんな暗さで営業しているの?」と驚くレベル。

施設の雰囲気によく合っているロゴ。

園内を回る方法は、大きく分けて2種類。ひとつは「トラム」。もうひとつは徒歩で回る「トレイル」です。

初めて訪れるなら、まずはトラムがおすすめ。広い園内を、座ったまま効率よく回ることができます。夜風を浴びながら動物を探す時間が実に心地よい。

トラムは次から次へとやってきます。(画像提供:Mandai Wildlife Group)
開放感のあるトラム。1列4人乗り。

臨場感たっぷり!目の前を「あの動物」が横断

トラムに乗り込み、いざ出発です。トラムステーションから離れるにつれて、闇が深くなっていきます。周囲には熱帯の木々が生い茂り、時折、どこからともなく動物の鳴き声が聞こえてきます。照明は必要最小限。

すると突然、トラムの横からぬっと「何か」が出てきました。白黒の大きな動物が、悠然と横切っていきます。「えっ…ぶつからない?!」しかも近い。かなり近い。

その正体はマレーバク。動物園で柵ごしに見たことはあるけれど、手を伸ばせば届きそうな距離にいるなんて…。こどもたちも大興奮で、「うわー!」「大きい!」「アリクイ?!」「ちがうよ!マレーバクだよ!」と大騒ぎ。のっそりした動きなのに存在感は抜群で、暗闇の中から現れる姿には妙な神々しさがあります。

我々のことなどお構いなしに歩いていたマレーバク。(画像提供:Mandai Wildlife Group)

こういう唐突感も、ナイトサファリの醍醐味のひとつ。動物園というより、「野生動物のエリアに人間がお邪魔している」という方が近いかもしれません。

トラムはさらに進んでいきます。水の中に体を沈めて休むカバ。遠くの一点を見つめて佇むホワイトタイガー。暗闇の中にフラミンゴの群れが浮かび上がったかと思えば、別の場所では象が一生懸命鼻を上に伸ばしています。奇しくもこの日は満月。煌々と輝く月に照らされた動物たちを縫うように駆けていくトラムと夜風が印象的でした。

動物園でおなじみの象も、暗闇の中だとより一層迫力が。(画像提供:Mandai Wildlife Group)

暗闇から現れる「探検隊」――気になりすぎるトレイルの存在

トラムに乗って動物たちを眺めていると、木々の奥に人影が見えました。

スタッフ?…にしては人数が多いな?と訝しんでいたら、徒歩で園内を回る「トレイル組」でした。「トラムは45分待ち、トレイルは0分待ち」という看板を一瞥したあと、何の迷いもなくトレイルを選んだ猛者たちです。

トラム乗り場のすぐ近くにトレイルコースの入り口があります。

トレイルコースはどんな状態かというと…暗い。とにかく暗い。目を凝らさないと見えないぐらい暗い。普通にジャングルです。

ところどころにトレイルとトラムの合流地点があります。そこには小さな灯がともり、その灯を目指して歩いてくる人の声が聞こえます。暗闇の中から突然こどもの笑い声が響いた瞬間などは、「何事?!」とびくっとしたほど。楽しそうではあるのですが、同時に「めっちゃ暗いやん…本当にあそこ歩くの…?」と、見れば見るほど信じられない気持ちに。

トラムが「夜のサファリツアー」だとすれば、より本格感が味わえるトレイルは完全に「夜の探検隊」。トレイルを選択した勇者たちに心の中で敬礼をしている間に、トラムはトレイルとの合流地点から離れていきました。

しかもトレイル組の様子を見ていると、トラム組よりもあきらかに動物との距離が近い。エサやりだってできちゃいます。

こども、動じません。(画像提供:Mandai Wildlife Group)
とにかく近い。(画像提供:Mandai Wildlife Group)

もし自分が徒歩で歩いていて、暗闇の向こうからさっきのマレーバクが突然現れたら…?冷静でいられる自信がありません。トラムから見える範囲だけでも十分に冒険感があるのに、トレイル組のRPGダンジョン感がすごい。

一方で、そんなトレイル組を見ていると、「次に来るときは歩いてみたい」と思ってしまうのだから不思議なものです。

夜の闇が照らす、シンガポールの奥深さ

ナイトサファリの魅力は、単に夜行性動物を見られることだけではありません。「夜の自然の中へ入っていく感覚」を味わえることが非常に大きな魅力でしょう。

普通の動物園では、人間が安全な場所から動物を見る。しかしナイトサファリでは、その距離感が少し違う。暗闇という存在が、人間側の優位性を塗りつぶしていくのです。

だからこそ、動物が突然現れるとかなりの迫力に驚かされます。昼間の動物園にはない「探検」感覚が、そこにはあります。

筆者にとってシンガポールは、マリーナベイ・サンズやリバークルーズなど、華やかできらびやかなイメージが強い国でした。ですがそのキラキラしたイメージは、ここナイトサファリで完全に覆されました。奥が深いな、シンガポール…!

シンガポールを訪れた際には是非、ナイトサファリの夜の闇に繰り出してみては。これまでのイメージとは180度異なる、シンガポールの新たな一面を体験できるかもしれませんよ。

<ナイトサファリへのアクセス>
住所:80 Mandai Lake Rd, Singapore 729826
営業時間:19:15~24:00(最終入場は23:15)
休業日:無休(毎日営業)
シンガポールの市街地(オーチャードなど)から車・タクシーで約30~40分、またはMRTカティブ(Khatib)駅からの直通シャトルバスを利用。
チケットはナイトサファリの公式サイトほか、Trip.comやKKdayなどでのオンライン旅行会社などでも購入可能。入場の際には日時と入場時刻(毎時15分または45分)の指定が必要なので忘れないように指定しておきましょう。
https://www.mandai.com/en/night-safari.html

著者画像

市川美奈子さん

台湾在住ライター

静岡県出身。一児の母。民間企業を経て2013年から行政機関で勤務、2023年4月から台湾に駐在。台湾の文化や風習に魅了され、台湾に関する記事を多数執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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