松本明子さんが半年かけて軽キャンのレンタカー屋さんを開業したお話
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    2024.07.28

    松本明子さんが半年かけて軽キャンのレンタカー屋さんを開業したお話

    松本明子さんが半年かけて軽キャンのレンタカー屋さんを開業したお話
    軽キャンピングカーのレンタルをはじめた、タレントの松本明子さん。そのきっかけは低山ハイクだったという。BE-PAL本誌で始まった連載企画の第2回をお届け!

    松本明子のアポなし軽キャン日記 第2回

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    「先月、お天気に促されてバグトラで、初めてふもとっぱらに行ってきました」(松本さん)

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    残念ながら富士山は雲で隠れがちだった。

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    バグトラは、荷台前面に足が入るスペースがあるからノビノビ。

    クルマへのこだわりはひとしお。クルマ造りは楽しさオンリー!

    勢いで定期預金をひとつ解約して車4台を買ったはいいが、さあ、レンタカー屋をはじめるにはどうしたものか。
     
    まずは、場所を決めようと、最初は人気の山が多い、甲府とか松本あたりがいいんじゃないかと思ったわけです。そこで、ソロキャンプがお得意な芸人のヒロシさんに話したら、「いや、そんなところダメですよ、レンタカーやるなら、絶対都内のほうがいい。それも都民がアクセスしやすい場所がおすすめ」というアドバイスをいただき、新宿に近い杉並区の方南町に店を構えることにしました。
     
    車は見つけた。場所の目星もついた。“はて、レンタカー事業ってどうやればいいんだろう?”となりました。

    事務作業がてんこ盛りの毎日

    レンタカー開始までのステップを、事業立ち上げなどに詳しい小中学校の同級生だった方に相談して、軌道に乗るまでサポートしてもらいました。そこで、「バンライフレンタカー」を紹介してもらったんです。キャンピングカーのレンタカー事業をフランチャイズ展開されていて、「ぜひ、東京の杉並区でやらせていただきたい!」と、福岡の本社に伺い、許しを得ました。そのおかげで、バンライフレンタカーのネット予約システムを利用できることになったんです。
     
    そこから、所属先の「ワタナベエンターテインメント」の社長に、「唐突ですがー」とお願いに行きました。

    「趣味の山登りの延長で、あと若い人に気軽に登山を楽しんでいただきたいので、キャンピングカーのレンタカーを副業でやらせていただけないでしょうか」
     
    と直談判したんです。社長は最初こそ、「えーーっ」って驚いていましたが、気持ちよく了承してくださいました。
     
    そのあと、私には、松本明子全盛期から30年来、運転手を務めてくれている廣田さんという方がいますが、廣田さんにも「レンタカーをはじめたい」と打ち明けて、お客様対応の現場責任者になってもらい、二人三脚ですぐ手続きに取り掛かりました。
     
    30年前に設立した個人事務所「オフィスアムズ」の定款(会社の目的や活動などの基本ルール)を司法書士さんに依頼して変更し、レンタカー業務を加えました。事務所も必要なので、六畳一間の部屋探しや車の駐車場探しとその契約。レンタカー事業に必要な許可を取るために運輸局に行ったり、「わ」ナンバーに変更するために軽自動車検査協会の管轄事務所に行ったり、手続きには半年ほどかかりました。ナンバープレートも自分たちで交換したりして(軽自動車は封印がないので可能)、もう、てんてこまいでした。
     
    そうしている間にも、ホームページ作成のために、廣田さんとふたりでパソコン教室に通ったりしました(アナログニンゲンだったので)。料金設定も、私と廣田さん、相談役の3人で、大手レンタカーの軽自動車の料金を参考にして、1日3773円〜に決めました。

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    レンタカー店のHP作りのときの構成メモ書き。

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    メモ書きを元にできた、実際のHPデザイン。

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    パンフレットも作ろう、となり、本栖湖などにキャンピングカーを運転していって、自分たちで写真を撮り、廣田さんの同郷の先輩に印刷をお願いして作りました。とにかく、オープンするまでが大変でした。
     
    前回お話ししたとおり、私がひと目惚れして購入したのは「バグトラ」と「ブギーライダー」の2車種。バグトラはいわゆる軽トラ(ダイハツ・ハイジェットジャンボ)の荷台にパイプを這わせて、ホロのテントを覆わせています。青森の「カーファクトリーターボー」が手作業で造っていて、網戸付きの三角窓はジッパーで全開にできます。
     
    テントがアーミーカラーだったので、車もカーキ色を購入。運転席と荷台の間に観音開きになるガラス窓を特注し、ちょっとした荷物の出し入れを可能にしました。厚さ4㎝の木製フロアキットも特注。フロントはジェイソン(映画『13日の金曜日』に登場する主人公!?)のマスクのように見えたので架装はせず、シンプルすぎないようにグリルガードを装着しました。
     
    ブギーライダーは神奈川の「ブロー」さんで、スズキのエブリイをアメリカンスクールバス風に架装してもらいました。1台はオーソドックスなシャンパンブラウン、内装も濃いめのブラウンに統一。もう1台はポップなペパーミントグリーンで、内装はキャメル色に。これが山やキャンプ場に合うんです!

    ブギーライダー2号の塗装イメージ図と実車

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    ホイールもタイヤも交換

    こちらはベッドキットを特注しました。後部座席を倒してたたみ、ベッドキットをスライドさせれば大人がふたり、車中泊できます。天井にルーフタワーテントを取り付けたので、さらに大人ふたり、計4人が泊まれます。

    2車種とも、ホイールを黒にしたり、タイヤもかっこいいのに替えて、とことんこだわりました。あ、もちろん元のタイヤ16本は、ちゃんとタイヤ館に売りに行きました! そんなことも含め、なんやかんや車造りは楽しかったー。

    2021年3月15日

    そして、車の架装の完成を待ち、バッタバッタと「松本明子のレンタカー東京杉並店」を2021年3月15日にオープン。がしか〜し、オープンしたはいいけど、最初の1週間はなんの予約も入らず、閑古鳥が鳴くばかり……。3月はたった2件の予約で、駅前で宣伝のためにポケットティッシュでも配ろうかと思いました。
     
    でも待てよ、今はSNSの時代だと思い、ツイッターやインスタグラム、LINEなどを開設して、私とキャンピングカーの写真や動画をアップする日々。ひたすら、“草の根運動”的なことをしていました。(次回へつづく)

    松本明子さん

    まつもと・あきこ 1966年生まれ。香川県出身。 ’83年に歌手デビューし、『DAISUKI!』や『進め! 電波少年』などで元祖バラドルとしての地位を確立。2021年から軽キャンのレンタカー事業(オフィスアムズ)を始める。

    ※構成/大石裕美

    (BE-PAL 2024年8月号より)

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