キャンピングカーごと乗船!ヨーロッパで楽しむ“国境越えフェリー旅”の魅力と注意点 | キャンピングカー・車中泊 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

キャンピングカー・車中泊

2026.06.03

キャンピングカーごと乗船!ヨーロッパで楽しむ“国境越えフェリー旅”の魅力と注意点

キャンピングカーごと乗船!ヨーロッパで楽しむ“国境越えフェリー旅”の魅力と注意点
海の向こうへ、自分の“家”ごと移動する。そんな旅の方法があるのをご存知でしょうか?

私たち夫婦は、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅しており、車中泊旅を始めるまでは知らなかったのですが、ヨーロッパでは“車を乗せたフェリー移動”がとても一般的。数十分で島へ渡る短距離航路から、国境を越えながら何十時間もかけて移動する長距離フェリーまで、旅のスタイルに合わせてさまざまな航路が利用されています。

私たちもこれまでに5回以上の船旅を経験してきました。実際に利用してみると、その便利さと自由さに驚き、キャンピングカー旅の幅が一気に広がりました。

今回は、キャンピングカーでフェリーに乗る方法や料金感、実際に感じたメリット・デメリット、船内で快適に過ごすコツなど、リアルな体験を交えながら紹介します。

ヨーロッパでは、キャンピングカーでの“フェリー移動”が当たり前

愛車とともに海を渡る。ヨーロッパではフェリー旅とてもが身近な存在です。

日本で暮らしていた頃は、“フェリー旅”といえば、人だけが乗る交通手段というイメージでした。ところが、ヨーロッパで車中泊旅を始めてみると、その感覚は一変。こちらでは、車を乗せて移動できるフェリーがとても身近な存在になっています。観光客だけでなく、物流トラックやマイカー、キャンピングカーまで、“移動手段”として当たり前のように利用されています。

特に活躍するのが、島国エリアや北欧、そして海をまたぐ長距離移動。たとえば、イタリアからギリシャ、フランスからイングランドなど、フェリーを使えば海を越えて気軽に別の国へ移動できます。

北欧では、フィヨルドや海峡を越えるためにフェリー利用が欠かせない場面も多く、海をまたぐ移動が暮らしの一部になっています。陸路だけでは大きく遠回りになる場所へも、フェリーを使えば一気にショートカットできるため、長距離運転を減らせるのも魅力です。

プールやラウンジも充実。船旅を楽しみながらゆったりリラックスできる。

さらに、移動そのものを“休憩時間”に変えられるのもフェリー旅ならでは。デッキで景色を眺めたり、船内レストランでゆっくり食事をしたり、個室で眠りながら過ごしているうちに、気づけば次の国や島へ到着しています

私たちが実際に利用したフェリールート

自分たちの家ごと船に乗せ、そのまま新しいエリアへ移動できるのが大きな魅力。

ヨーロッパには、本当にたくさんのフェリールートがあります。数十分で島へ渡れる気軽な航路から、丸一日以上かけて国境を越える長距離フェリーまで、そのスタイルはさまざま。私たちもキャンピングカー旅をしながら、これまでにいくつかのルートを利用してきました。

⚫︎デンマーク~ノルウェー

フィヨルドが幻想的な北欧ノルウェーへ。

デンマークからノルウェーへ向かうとき、実はこの2国の間には海があるため、移動方法は大きく分けて「フェリー」か「スウェーデン経由」の2択になります。陸路でいく場合は、デンマークとスウェーデンを繋ぐ橋を渡る必要があるが、橋の通行料金がかなり高額です。さらに、そこからノルウェーまで北上する走行距離も結構あります。そこで私たちは、キャンピングカーごとフェリーに乗せて移動することにしました。

移動時間は約4時間で、料金は大人2名+キャンピングカーで約200ユーロ(約36,000円)。

決して格安ではありませんが、長距離運転や橋の通行料、疲労を考えると、十分選ぶ価値のある移動方法だと感じました。海を渡り切ると、景色や空気感が一気に北欧らしい雄大な自然へ変化し、特別な体験になりました。

⚫︎イタリア本土~サルディーニャ島

地中海に浮かぶリゾート島のサルディーニャ島へ。

イタリア本土からサルディーニャ島へ渡ったときは、夜行フェリーを利用しました。移動時間は約9時間ほどで、大人2人+キャンピングカーで料金は約100ユーロ〜(約18,000円)。

キャンピングカーごと乗船し、寝ている間に移動できるので体力的にもラクです。夜のうちに移動して、朝起きるとそこはもう地中海のリゾート島でした。

⚫︎フィンランド~ドイツ

特に印象的だったのが、フィンランドからドイツへ向かった長距離フェリーです。移動時間はなんと約31時間。料金は大人2名+キャンピングカーで、390ユーロ(約72,000円)。

最初は「長すぎるかも?」と思っていたのですが、実際に乗ってみると想像以上に快適でした。このときは個室キャビンを利用し、のんびり過ごしながら移動。船内にはレストランやショップ、共有スペースもあり、フェリーというより小さなクルーズ船のような雰囲気でした。

キャンピングカーでフェリーに乗る流れ

フェリーの車両デッキへ。大型キャンピングカーからトラックまで、次々と乗り込んでいきます。

私たちも最初は、「キャンピングカーごと船に乗るって、なんだか大変そう…」と少し不安でした。でも実際に利用してみると、流れはかなりシンプルでスムーズ。一度経験すると、「意外と気軽に乗れるんだな」という感覚に変わりました。

⚫︎まずは事前にネットで予約

フェリー会社のサイトから、乗船人数や車両情報を入力していきます。このとき特に重要なのが、キャンピングカーの“長さ”と“高さ”。車両サイズによって料金や乗船レーンが変わるため、ここはしっかり確認しておく必要があります。

また、予約する際は複数のフェリー会社の料金を比較するのがおすすめ。同じルートでも、日程やシーズンによって料金が大きく変わることもあり、さらに早割やキャンペーンが出ている場合もあります。私たちも実際にキャンペーンを利用したことで、通常800ユーロ(約148,000円)ほどだった料金が390ユーロ(約72,000円)まで安くなったことがありました。長距離フェリーは特に金額差が大きいため、事前にしっかりチェックしておくとかなりお得です。

⚫︎当日は港でチェックインを行い、パスポートや予約表を提示

フェリーでは車両の積み込みもあるため、私たちは毎回“出発の2時間前”には到着するようにしています。

チェックイン後は、スタッフの案内に従って車両レーンへ。基本的には車から降りることなく、そのまま順番待ちをして乗船していきます。

スタッフの誘導に従いながら、前の車に続いてゆっくりと乗船していきます。

そして実際に船内へ入ると、そこには大型トラック、乗用車、バイク、そしてたくさんのキャンピングカーがずらり。

フェリー内部には、何層にもわたる広大な車両デッキが広がっています。

船内の駐車スペースは、船や時期によっても違いますが、かなりギリギリまで詰めて駐車されることも多く、最初はかなり緊張しました。「え、この幅に入るの!?」「隣の車と数センチしか空いてないけど大丈夫…?」と思う場面もありましたが、スタッフはかなり慣れていて、身振り手振りでしっかり誘導してくれます。

無事に駐車を終えたら、あとは必要な荷物を持って客室エリアへ移動し、到着までゆっくり過ごせます。

車両同士はかなりギリギリに駐車され、人がやっと通れるほどに…。

最初はドキドキしていたフェリー乗船も、慣れてくると旅のイベントのひとつとなってきます。

実際に乗ってわかったフェリー旅の“注意点”

⚫︎基本的に車には戻れない

フェリーでは安全管理のため、出港後は車両デッキへの立ち入りが禁止になることがほとんどです。一度船内へ上がってしまうと、車に置いてきた荷物は到着まで取りに行けないため、必要な荷物は先に持ち出すようにしましょう。

食べ物・飲み物、充電器、防寒着、着替え、常備薬、歯ブラシなど、“船内で必要なもの”をまとめて持ち出しておくようにしています。

船内にレストランや売店はありますが、やや高めの料金設定なので、飲食を持参するのがおすすめ。

⚫︎ペット・ガス・冷蔵庫

フェリーでは安全上の理由から、ガスは元栓ごとオフにするように指示されます。ヨーロッパのキャンピングカーは、冷蔵庫をガスで冷却しているタイプが多く、冷蔵庫が使えなくなる場合があるので要注意。

事前に食材量を調整しておくと安心です。船によっては、別料金で外部電源を利用できるケースもあります。

また、ペットに関するルールもフェリー会社ごとにかなり違います。ほとんどがペット同伴OKですが、ペット専用キャビンやペット専用エリアがあるため、予約前に確認しておくのがおすすめです。

⚫︎インターネット事情

海へ出ると携帯が圏外になってしまい、ネットがほぼ使えなくなるので注意。船内Wi-Fiが用意されていることもありますが、基本的には有料で、しかも結構高めです。
私たちは、乗船前に映画や動画をダウンロードしておいたり、オフラインで読める本や地図を準備したりしています。

⚫︎個室は別料金

プライベート空間が確保できる個室は、夜行フェリー旅の強い味方。

長距離フェリーでは、ベッドやシャワー付きの個室キャビンを予約することもできます。もちろん別料金ですが、10時間以上の長距離移動では「取ってよかった…!」と思う快適さです。

一方、個室を取らない場合でも、客室エリアのソファーや共有スペースで過ごすことは可能です。ただし混雑期は、横になれそうな場所がすぐ埋まることも。特に夜行便では、早めに場所を確保している人も多い印象でした。

⚫︎コンセントは意外と少ない

ソファーやテーブルが並び、ゆったり過ごせる共用ラウンジ。でも、コンセントが見当たらないことも。

船によっては、共有スペースにコンセントがあまりないこともあります。充電スポットが争奪戦になることもあるので、モバイルバッテリーや延長コードはかなり便利です。スマホだけでなく、パソコンやカメラを充電したい人は特に必須だと感じました。

⚫︎波が高い日は、かなり揺れる

普段は驚くほど快適で、「本当に海の上?」と思うくらい揺れないことも多いフェリー。ただし、悪天候や風が強い日は別です。波が高い日は船が大きく揺れることもあり、実際に「歩くのもちょっと大変」という日もありました。酔いやすい人は、酔い止めを準備しておくと安心です。

⚫︎乗船渋滞”・“下船渋滞”がある

乗船・下船時は車両が集中し、キャンピングカーの長い待機列ができることも珍しくない。

大型フェリーでは、乗船前後に車両が一気に集中するため、“乗船渋滞”“下船渋滞”が発生することがあります。

特に夏のバカンスシーズンや人気航路では、港周辺がかなり混雑することも。私たちも実際に、ターミナルへ入るまでに時間がかかったり、下船時に長い車列の中で順番を待った経験がありました。

また、フェリーは天候や風の影響を受けやすく、出港・到着時刻が遅れることもあります。フェリー旅の際は、スケジュールに余裕を持って、「時間ぴったり」で予定を組みすぎないのがポイントです。

キャンピングカー旅とフェリーは最高に相性がいい

実際に何度も利用して感じたのは、「キャンピングカー旅とフェリーは本当に相性がいい」ということです。

これまで“遠い存在”に感じていた島旅も、キャンピングカーごとそのまま海を渡れることで、一気に身近なものになりました。さらに、長距離運転を減らせるのも大きな魅力。

最初は少しハードルが高そうに感じていた“車ごとのフェリー移動”ですが、実際にやってみると想像していたよりずっと簡単で、ぐっと旅の幅が広がりました。

海を越えながら、自分たちの“家”ごと次の場所へ移動していく感覚は、キャンピングカー旅だからこそ味わえる、特別な体験です。

著者画像

ルアナさん

トラベルライター

2023年1月から夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中!登山、キャンプなどのアウトドアが大好きで、ヨーロッパでもアルプスや色んな地域の山を登っています。夫婦の長年の夢だったキャンピングカー暮らしで旅をして、有名観光地だけでなく、ガイドブックにも載っていないような秘境スポットをどんどん巡り、キャンピングカーライフや海外登山などリアルな体験談をお届けします。

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