早起きしたから出会える風景があるんです!
スタートしたのは宿泊している「Wメルボルン」。市の中心部にある素敵なホテルです。
出発したのは朝の6時10分で、この日は5月中旬。北半球だと11月中旬にあたる晩秋です。そしてメルボルンは南緯37.5度と日本でいうと福島市とか新潟市くらいの緯度。というわけでこんな時間でも香ばしいくらい真っ暗です。そして気温は5度とこれまた香ばしいくらい寒さです。
そんな時間になんでウォーキングをスタートしたのか。一つの理由はスケジュールがびっしり詰まっていてそこしか時間が空いていなかったからなのですが、もう一つ大きな理由があります! あとで判明するので楽しみにしていてください。
歩き始めてすぐに、通勤者らしい人とかジョギングをしている人とかそれなりに人とはすれ違います。暗さに騙されますが、よくよく考えたら6時すぎなので人通りがあってあたりまえ。
そんなこんなでヤラ川沿いに出ました。
ヤラ川には両岸に遊歩道があります。
足元も石畳でちょっと歩きにくい。てなわけで南側に渡ることにしました。
ただなぜか川の流れに垂直ではなく、かなり斜めにかかっています。
川沿いはそうでもなかったのですが、橋の上はさすがに風が強くて鼻水がたれそうなくらい寒かったです。重ねて書きますがこのときの気温は5度。
口から出そうになった言葉は「マッチ。マッチはいりませんか?」。はい、「マッチ売りの少女」が憑依するくらいの寒さです。
橋を渡り切ったところでふと天啓が下りました。「ああ、マッカスがオレを呼んでいる!」と。
…「マッカス」とはオーストラリアにおける「マクドナルド」(ハンバーガーチェーン)の略称です。24時間営業店舗の暖かそうな明かりに思わず足が止まりそうになりました。
でもここでマックに入ったら記事にならないので、「雨ニモマケズ」の精神で南岸の遊歩道を進みます。
メルボルンの街はヤラ川の北側が古くから発達して中心部にあたり、南岸は工場街や倉庫街だったのを再開発したのだと思います。そういう場所の常として南岸の遊歩道のほうが「オシャレ感」が漂っていて、少しテンションも上がってきました。
だれですか? 「このアート、街並みに溶け込んでなくね? どっちかっていうと景観破壊じゃね?」なんて失礼なことを言うのは? …私ではありません。
そのまま川沿いを歩くこともできるのですが、変化をつけるために川岸から上がりましょう。
その一つであるキングスドメインでこんなゲートを発見。
ここでオーストラリア通の方は「ん? Sidney? Sydneyっていうつづりじゃなくて?」と思ったかもしれません。はい、オーストラリア第1の都市であるシドニーのつづりはSydney。そして両市は何かにつけて対抗意識を燃やしています。
私も「なるほどなるほど。意地でもSydneyにしたくなかったのか。笑笑笑」と思っていたのですが、あとで調べたらSidney Myerは人名。オーストラリアの2大でパートチェーンの創業者だそうです。ちなみに彼はベラルーシからの移民だそう。同じ移住者でもアホな勘違いして「笑笑笑」とか書いている人間とは大違い。
屋根なしの部分を含めたら、なんと3万人収容とのこと! 東京の日比谷野外音楽堂の大音楽堂のほうの収容人数が3000人強だそうですから、そのおよそ10倍のキャパ! 10万人収容のメルボルンクリケットグラウンドという競技場もですが、街の中心から1キロほどのところにこんなものがあるのがなんともすごいです。
明るくなりだしたので、市の中心部に向かいます。
プリンセス橋を渡ります。正面に見えるのはセントポール大聖堂。
そしてお目当ては「フリンダース駅」。メルボルンで最も有名な観光スポットの一つですが、そのぶん昼間は撮影する観光客がうじゃうじゃ状態。でも早朝はご覧のとおりです。これこそが真っ暗なうちからウォーキングに出かけた理由です!
帰りは歩いてもいいのですが、せっかくなのでメルボルン名物のトラムに乗りました。市の中心部は無料ゾーンになっています。歩くのもいいですが、こうした公共交通機関を利用するのも「その街の知った気分」になれていいですよね。
写真をあれこれ撮ったり回り道をしたのでホテル帰着は7時15分。1時間強のウォーキングでした。
私のように暗いうちから出発するのもなかなか香ばしい冒険を楽しめます。でも日の出くらいに合わせてまずはフリンダース駅を撮影して、そのあと朝日を浴びながらヤラ川沿いを歩くのもいいと思います。
世界は愉快!
オーストラリア政府観光局
https://www.australia.com/ja-jp