“大地を歩く感”が半端ない!オーストラリアのララピンタトレイル【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2025.07.02

“大地を歩く感”が半端ない!オーストラリアのララピンタトレイル【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

“大地を歩く感”が半端ない!オーストラリアのララピンタトレイル【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
「ハイキングで好きなルート」というのは人それぞれ。岩場や鎖場、ハシゴといった「難所」続きが好きな人もいれば、歩きやすいところが好きという人もいる。沢登り好きの人もいれば、鳥のさえずりを聞きながらの森林浴が好きな人もいます。

でも。「360度視野がある山頂」とともに嫌いな人がいないのは、「左右が開けているけれども切り立ってはいない尾根筋ハイク」なのではないでしょうか?

どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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「尾根筋がたまらん!」オーストラリア大陸で5泊6日ハイキング【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

2日目と3日目の見所を大公開!【ララピンタトレイル・その2】

豪州中央部の名物コース「ララピンタトレイル」の5泊6日縦走ハイク。前回に続き、今回は2日目と3日目をまとめて紹介します。今回もまた前回とはまた違った感じの「尾根筋歩き」があります。

まずは2日目。この日も基本的には見晴らしのいい場所を歩きます。

スタート直後は平地ですが。
すぐにアップダウンのある丘陵地帯へ。
とにかくどこも抜けがいい風景で、「大地を歩いている」感が半端じゃありません。

ただこのあと訪れた2つのメインの目的地なのですが…。

「シンプソンズギャップ」という山脈の間が分断されたところと。
「スタンドリーカズム」という「大地の割れ目」的なところ。

私はすでにどちらも2回訪問していて、この「BE-PAL.net」でも記事にしているので、そちらをぜひご覧ください。このときのガイド氏、本当に優秀でした!

「逆さま川」の謎に迫る!オーストラリアの砂漠地帯に巨木が生える驚きの理由

谷底から見上げる絶景!オーストラリアの「大地の割れ目」を歩いてみたら…

ただどちらの場所も今回は前の2回と比べて圧倒的に水の量が多くて、違う景色が楽しめました。

「シンプソンズギャップ」もかなりの水量。
「スタンドリーカズム」では水の反射を利用したこんな写真も撮れました。
それから「スタンドリーカズム」のほうには植物の説明などをする案内板があちこちに。

たぶん前に来たときはなかったような気がします。ガイドといっしょに歩けないときは、こういうのが重宝しますね。

ランチはタイ風チキンサラダヌードル。

こうして自分で取るだけで、タッパーに入れたものを配られるよりもおいしく感じられますね。

この日は8時10分出発で、14時20分に歩行終了でした。宿泊場所は1日目、2~3日目は連泊、4~5日目は連泊と変わるのですが、サファリテントや食事をする「本館」のつくりはどこもいっしょです。その分戸惑わなくていいです。

3日目は歴史を知るガイドからスタート

さて3日目。いや、その前に前日の夜がとにかく寒かったです。予想最低気温は0度。寝袋だけでなく簡易ベッド全体をカバーするものにもくるまって寝るのですが、それでも寒かった。ある参加者は「ニット帽をかぶって寝たよ」と教えてくれましたが、それは名案だと思いました。

この日は最初に30分ほど歩いたあと荷物をデポして「サーペンタイン渓谷(Serpentine Gorge)」に向かいます。Serpentine とは「ヘビのように曲がりくねった」という意味。往復2.2 km。

ここは先住民であるアボリジナルピープルが「聖なる場所」としているとのこと。だから「武器」になるような「尖ったもの(トレッキングポール)」や「重いもの(デイパック)」を持って行ってはいけないのです。また水に触るのも不可で、かつ静かにしなければいけないとのことです。

向かう先になにやら燃え上がる炎のようなものが見えます。

まさに「聖地」という感じ!

とはいえ炎などではなく、朝日が当たる岩肌や草が輝いて見えたのでした。

なぜここが聖地かというと、乾燥している中央オーストラリアでここの渓谷は「枯れることのない水場」だからとのこと。そうした大切な場所なのでアボリジナルピープルたちも祝祭のとき以外はあまり来ようとはしないそうです。

自分だけのハイキングだとどうしても「景色」を見るだけになりがちで、こういう「歴史」とか「野草」の知識が得られるのはガイドのいるツアーのいいところです。

なだらかで心地よい尾根筋ハイクへ!

さて荷物をデポしたところまで戻って再出発。この日もまたウェストマクドーネル山脈の尾根筋に向かいます。ただこれが長くて「よっしゃあ、もうすぐ山頂だ~」と思ったら、まだ先あるパターンが2~3回ありました。

とはいえ斜面を一直線ではなく緩やかなスロープを描くように登っていく感じで、「急登」という感じのものはほとんどありません。

写真の上のほう、右から左に歩いていく隊列が見えるでしょうか。
途中でオヤツ休憩。ふもとからかなり登ってきましたね。

足をふんばらなければいけないような岩がないのでラクと言えばラクです。

それなりにきついのですが、振り向くと絶景。

ずいぶん上がって来たなあ。もう少しがんばろう。そういう気分にさせてくれます。

そんな感じで昼前に尾根筋に到着。

ここは片側が切り立った崖だった1日とは違って、両側ともなだらか。

「稜線」というよりは「幅20メートルくらいの高原を歩く」という感じ。高所恐怖症でもビビる必要がなく、楽しく歩けます。

ときおり高さ2mぐらいの低木が生えているところもありますが…。
基本的にこんな風景が続きます。
ちなみに振り返ったほうがたまらん景色が多いですね。
右横には別の山脈が連なります。

さてなぜ「登ったり下ったり」ではなく「かなりフラット尾根筋が続く」のか。そして「山脈が並行して走る」のか。

じつはこのアリススプリングスのあたりにあった1枚のプレート(岩盤)を北と南から2枚のプレートが押してこの形になったのだとか。ちょうどランチョンマットのような布を、両手で左右から押したときに波型に盛り上がるような感じですね。

タスマニアのときも思ったけれどもこういうところは1人でゆっくり歩きたいです。みんなもそう思ったのか、結構間隔をとる人が多く、一人歩きも堪能できました。

その一方で「前後にガイドがいる」という安心感があるのがハイキングツアーのいいところです。

こういう登り降りのほぼない尾根筋を歩くのは本当に気持ちがいいものです。しかも1日目の「片側は断崖絶壁」とはまた尾根の趣きが違うのもまたいとおかし。

デポ後も続く尾根筋ハイク

尾根筋歩きを開始してちょうど1時間後、休憩。

ここで荷物をデポして「カウンツポイント」という丘の上までピストンです。

なだらか30分間の登り。その間もずっと尾根筋。

そして「カウンツポイント」に到着。
ズームして撮った写真。

遠くに見えるのはこのララピンタトレイルの西の端であるサンダーマウンテン(Souder Mountain)。5日に未明になんと「ご来光登山」をする場所です。

ここでも右側に別の山脈が並行して走ります。
10分休憩のあと、デポした場所に戻ります。

この日はかなり遅めの午後2時にランチです。

ラップのサンドイッチ。今回も材料は用意してもらって、自分で挟んでいくスタイル。

こういうのは作る楽しさもありますし、「できたて」感もあります。

そのあとちょいと寝転がって休憩。

午後2時38分出発します。

ガンガン600メートルほど下ります。

3時半、3人組とすれ違います。「今から登るの?」と聞くと「うん、そうだよ」。「え、どこに泊まるの?」と聞くと「キャンプできる場所があるんだ」。

そういえば尾根筋にそんな場所があったような。あの上で日の入りと日の出が見られたらすごいだろうな。…でもむちゃくちゃ寒いだろうな。

日本なら「賽の河原」とか名づけられそうな場所を通過。
山から下りてきて疲労感漂う夕方に、何もないだだっ広いところを歩く感じがまたよいです。

山を下り始めてからが意外と長くて、宿泊場所まで3時間くらいかかりました。

次回は4日目の「寒中水泳」と5日目の「ご来光登山」をお届けします。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

Classic Larapinta Trek in Comfort (今回実際に参加したツアー)
https://www.australianwalkingholidays.com.au/Red-Centre/Guided/Classic-Larapinta-Trek-in-Comfort

Australian Walking Holidays (今回のツアーを含めオーストラリア国内で100以上のウォーキング&アドベンチャーツアーを主催するツアー会社)
https://www.australianwalkingholidays.com.au/

Great Walks of Australia(今回参加した「クラシックララピンタトレイル」を含む、オーストラリアを代表する13の数日間ハイクをまとめたサイト)
https://greatwalksofaustralia.com.au/

ノーザンテリトリー政府観光局
https://northernterritory.com/jp/ja

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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