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    2025.07.10

    オーストラリアのハイキングは歩行以外も面白い!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    オーストラリアのハイキングは歩行以外も面白い!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    旅行、特に海外旅行の想い出って、当初の計画になくて「たまたま」見たり体験したりしたことだったり、「偶然」会った人だったりしますよね。

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

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    毎日「満天の星」も楽しめましたよ!【ララピンタトレイル・その4】

    オーストラリア中央部の名物コース「ララピンタトレイル」の5泊6日縦走ハイク。4回目かつ最終回の今回は、最終日の6日目の様子とともに、「ハイキング中」以外はどんな感じなのも併せて紹介したいと思います! 参加してみたいなあと思ったみなさん、ぜひぜひ参考にしてください。

    まずは最終日のハイキング。「オーミストーン渓谷」のあたりを周回するコースです。ちなみにこの日、「ララピンタトレイル」と重複しているのはわずか200~300メートルくらいで、8キロほどのほとんどが別のコースです。

    地図の左のほうにある「YOU ARE HERE」がスタート地点。

    そこから反時計回りにオレンジの点線の「Pound Walk」という周回路をグルッと進み、ほぼ終わりに近い左上のところから「Ghost Gum Walk」に入って、出発点に戻るコースです。

    注目していただきたいのは右上で2度川を渡ったあと、「Ghost Gum Walk」に入るまで「ちょ、待てよ。どう見ても川の中歩いていてね?」とついキムタクを発動させたくなる部分。

    事前に送られた資料でも、「多いときは深さ1メートルにもなる川に入らなければなりません」とあって、もうキムタクどころか「ファイトォ!」「いっぱ~~~つ!」な世界です。

    とにかく8時40分、駐車場脇のカフェを出発です。

    視界を遮る木々がないのはこの1週間弱、ずっと見てきた風景。
    上記の地図右下にある「絶景ポイント」マークとの分岐点のところで荷物をデポ。

    100メートルほど登っていくと…。

    出発から1時間後の9時40分に「絶景ポイント」到着。

    ここで眼下に広がる今後のルートを教えてもらったあと、しばし「静寂の中を楽しみましょう」という話になったのですが…聞こえてくるのはハエがブンブン鳴らす羽音のみ。でもこれは文句を言っても仕方がないですね。

    20分後の10時ちょうど、「絶景ポイント」から降ります。

    あれこれ花も見られました。
    降雨量が少ないところだからか、小さくて可憐な花が多いです。

    小さくて可憐な花というと以前オーストラリアのパース近郊で見た全然「ワイルド」感がなかったワイルドフラワーを思い出します。

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    そしてこんな鳥も。

    キングスキャニオンでも見た警戒心ほぼゼロのショウキバト(スピニフェックスピジョン)です。

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    この日は数羽の群れで、盛んにお辞儀をしながら尾羽を広げる動きをしていました。ガイドの一人のヘンリーに聞いたところ、「たぶんオスが交尾相手の候補にアピールしているのだと思う」とのこと。なるほど。

    クジャクが羽を広げるのと同じですね。

    そしていよいよ「川中歩行」?

    さて干上がった川を渡ること2回。その後に…。

    「この先はルートが決まっていません」の看板。

    つまりここから地図上部にあった「川の中を歩行」の部分に突入です! でも…。

    大きな石だけがゴロゴロと転がっているところや砂浜を歩くだけ。

    というのもこのときは川の水量が少なかったので、普段は川床になっているところを歩けたのです。ちなみに水量が多いときでも水の中を歩くのではなく、左岸の岩々の上を歩くのだとか。

    片方は陽に当たって黄金色に輝き、もう片方は日陰で赤茶色の姿を見せる岩のコントラストがきれいです。

    というわけで「なんだよ~、楽勝じゃん」と拍子抜け。「ちょ、待てよ」のキムタクを発動する必要もなく、むしろ「♪文系管理職なのに~ シュシュッとつくれる~」とトヨエツが登場しそうなレベルのんびり感。ところが!

    なんと最後の最後に靴を脱いでの川渡りが待っていたのです!

    とはいえ水深はひざ下くらいだったのですが。でもほんの十数秒ほどの川渡りだけど、幽体離脱したくなるレベルで水が冷たかったです。

    対岸で靴を履き、先ほどの地図左上の「Ghost Gum Walk」へ。

    これが意外に「ファイトォ!」「いっぱ~~~つ!」な難所。
    その後も長い登りで、疲れ切ったカラダに堪えました。
    でも展望台から眼下に眺める渓谷と山々は見事。

    出発から3時間半後に、ゴールの駐車場に到着。

    この日のメニューは「クスクスのサラダのボウル」。

    ランチのあと、ツアー参加者たちは三々五々売店へ。ある人は炭酸飲料を、ある人はココアをと、5泊6日の間に口にできなかったものを購入。私が選んだのは…。

    板チョコでバニラアイスクリームを挟んだもの。「世俗に戻って来た感」を堪能。

    たぶん「人生でいちばんおいしかったアイスクリーム」でした。

    その後13時24分に駐車場を出発。15時すぎに各自が泊まるホテルで下ろしてもらい、ツアー終了です。

    【良かった点】を挙げてみると…

    さて、ここからは「ハイキング中」以外の【良かった点】と【ツアー参加の注意点】を記しましょう。【良かった点】はある意味、日本でこうしたツアーを主催する方々向けのメッセージでもあるのですが。

    【良かった点・その1】は「先住民アボリジナルピープルの人たちによる文化体験が盛り込まれていた」という点。初日にはハイキング終了して投宿後、夕食までの1時間で「ブッシュタッカー」、つまりどのような野草や木の実などをどのように食べるかの出張授業がありました。

    そしてもちろん試食もさせてもらえました。

    そして2日目は「スタンドリーカズム」という名所を見たあとに小さなレクチャールームで「アボリジナルピープルの親族関係」などについて教えてもらいました。

    約30分のお話でした。

    今、世界の旅行業界でトレンドの一つになっているのが「アドベンチャーツーリズム」。それは「アクティビティ」「自然体験」「文化体験」の3つの要素のうち2つ以上を含むものだと定義されています。つまり「文化体験」も重要な要素とされています。

    その「文化体験」はなにも「先住民」にこだわる必要はなく、「その土地固有のもの」であればいいのです。日本だとアイヌがいる北海道とか、独自の文化を持つ沖縄でしかできないと思うかもしれませんが、外国人にとってみたら日本文化そのものがすでに異文化体験。日本でこうしたハイキングツアーをする際にも、「現地の伝統工芸の手ほどき」とか「伝統的な山菜料理や昆虫食」など、様々な文化体験を盛り込めるといいと思います。

    【良かった点・その2】は毎日ディナーが始まる前にカナッペタイムがある点。

    各自が持参したお酒などを片手におしゃべりに花開きます。
    毎日内容が変わるのもうれしいところ。

    そしてディナーの時間が多少遅れても誰も不平不満を漏らさない。ツアー運営者のみなさん、ぜひご参考に。笑

    【良かった点・その3】は「焚き火」。すごくみんなをほっとさせます。

    この写真で集まっているのはなぜか全員ガイドたちですが。笑

    そして食後にみんなが集まれる場所になれます。

    【良かった点・その4】は「満天の星」。鑑賞だけでなく、星空に関するレクチャーがあっても良かったかもしれません。

    スマホのカメラの露出の時間を16秒にして撮影。でも実際はもっとすごいんです!

    そんな感じで日本でもこうした1週間前後のハイキングツアー、特に外国人向けのものをもっともっと増やせばいいと感じました。難易度が超高いコースである必要はまったくありません。

    むしろお金と時間に余裕がある旅行者というのはやはり50代、60代、70代が多いので、普段歩きなれているのであれば彼らでも気軽に参加できるような難易度中レベルのものでいいと思います。たとえば富士山登山ではなく、富士山のまわりの自然を巡るとか。

    【ツアー参加の注意点】を挙げてみると…

    次に注意点に移ります。基本的に雨が少ないところなので、帽子から靴まで砂ぼこりだらけ。目や耳や鼻の中も。第1回で写真を載せたサファリテントの中もどことなく埃っぽい。そういうのが嫌いな人には向かないと思います。

    それと特に5月と9~10月はハエが大量発生する季節。

    第1回でも紹介したハエ除けネットである程度防げますが、食事などは難儀することもあります。

    トイレはポットン式(エコロジカルに処理して自然に返せるタイプですが…蓋を開けた途端匂いが強烈なことも)。

    写真中央が「個室」が2つ並んだ「トイレ棟」。

    写真左がシャワー室で、こちらは少し離れたところにもう一つあります。

    シャワーは沸かしたお湯を…。
    バケツに入れて。
    滑車で上げて、栓をひねると出てくるというもの。

    最大バケツ一杯分なのでお湯の量は少ないですし、なにより「簡易脱衣所」みたいなつくりなので隙間風で寒いです。寒いと言えば「サファリテント」と「屋根はあるけど壁がまったくない食事スペース」も。

    ということで「施設の良さ」的なものを求める人たちにはこのような「サファリテント」ではなく、タスマニアのときのような「山小屋」に泊まるツアーのほうが向いているかもしれません。

    とはいえ1名の参加者に対して常時5名(途中1人入れ替わったのでのべ6名)のガイド。

    ガイドの面々です。5日目の「ご来光登山」の山頂にて。

    左から料理が得意なマット。朝、モーニングコールがわりにABBAとかQUEENを熱唱して起こしてくれたひょうきん者のアリス。地質学などの知識が豊富なサム。いつも笑顔のローレン。そして1人参加の私を気づかっていつも声をかけてくれたヘンリー。全員そろいもそろってナイスガイ!

    ガイドのチーフであるケイトリン。立つときときおり両足をクロスさせるのが個人的な萌えポイント。笑

    夕食も「メインと付け合わせ」のあとに「デザート」まで提供されました。

    夕食に出たバラマンディー(オーストラリアでよく食べられるスズキ科の魚)の蒸し焼き。
    カレーの日も。

    とにかく「普通のオーストラリア旅」では決して味わえない時間です。そして数日間いっしょにすごすツアー参加者たちやガイドたちとの交流も含めて、これこそが「本当のオーストラリアに出会う旅」だと思います!

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    Classic Larapinta Trek in Comfort (今回実際に参加したツアー)
    https://www.australianwalkingholidays.com.au/Red-Centre/Guided/Classic-Larapinta-Trek-in-Comfort

    Australian Walking Holidays (今回のツアーを含めオーストラリア国内で100以上のウォーキング&アドベンチャーツアーを主催するツアー会社)
    https://www.australianwalkingholidays.com.au/

    Great Walks of Australia(今回参加した「クラシックララピンタトレイル」を含む、オーストラリアを代表する13の数日間ハイクをまとめたサイト)
    https://greatwalksofaustralia.com.au/

    ノーザンテリトリー政府観光局
    https://northernterritory.com/jp/ja

    柳沢有紀夫さん

    オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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