聖地パースで「ワイルドフラワー」探検に参加。ん?危険な花って…なに?【オーストラリア・パース旅vol.2】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.11.15

    聖地パースで「ワイルドフラワー」探検に参加。ん?危険な花って…なに?【オーストラリア・パース旅vol.2】

    前回に続き今回も大活躍のシンガポール在住のジャーナリストのヤエン(英語でYa En/中国語で雅恩)。しかしこのあと二人の間に思わぬすれ違いが…。涙

    前回に続き今回も大活躍のシンガポール在住のジャーナリストのヤエン(英語でYa En/中国語で雅恩)。しかし、このあと二人の間に思わぬすれ違いが…。涙

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。前回(絶景の「キングスパーク」を歩き、「正義のヒーロー」になった…かも?【オーストラリア・パース旅vol.1】)に続き、相変わらず私を含めて10ヵ国からなる世界各国メディアの取材チームと旅を続けています。まあ、執筆しているのは自宅に戻ってきてからなのですが…。

    さてさて、10月某日。その日、チームリーダーであるコーディネーター氏に連れてこられたのはパースの中心部から車で約40分の「ジョンフォレスト国立公園」です。

    「ん? フォレスト? ってことは、ジョン森林国立公園って訳のほうがいいんじゃないの?」と鋭く感じられた方もいるかもしれませんが、英語で書くと「John Forrest National Park」。森を意味するforestよりも「r」が一つ多い。つまりジョン・フォレストさんという人の名前から付けられたのだと思います。

    スタート地点にあったトカゲのオブジェ。

    スタート地点にあったトカゲのオブジェ。

    これもスタート地点にあったオブジェ。先住民アボリジナル(よく使われていた「アボリジニ」という名称は蔑称的だとして最近は用いないようになっています)のテントを模したものです。18世紀の終わりにヨーロッパ人に「発見」されるまでは、部族のエリア内を転々としながら狩猟採集生活をしていたアボリジナルは恒常的な家は持たなかったのですが、洞窟や岩が庇状になったところに泊まる以外、こういうテントを作ることはあったとのこと。

    これもスタート地点にあったオブジェ。先住民アボリジナル(よく使われていた「アボリジニ」という名称は蔑称的だとして最近は用いないようになっています)のテントを模したものです。18世紀の終わりにヨーロッパ人に「発見」されるまでは、部族のエリア内を転々としながら狩猟採集生活をしていたアボリジナルは恒常的な家は持たなかったのですが、洞窟や岩が庇状になったところに泊まる以外、こういうテントを作ることはあったとのこと。

    世界最大のワイルドフラワーコレクション

    さて、そのジョンフォレスト国立公園の入口でコーディネーター氏に訊きました。

    「えっと…これからどこに行くの?」

    「これからハイキングをします。ちょうど今はワイルドフラワーの見頃ですから。西オーストラリア州には世界最大のワイルドフラワーのコレクションがあります! そして7月から11月にかけて見頃を迎えるんです!」

    コーディネーター氏が興奮気味に説明してくれました。そっか、そっか。世界最大のワイルドフラワーのコレクションがあるのか。

    けど…………ワイルドフラワー? ワイルドなフラワー? それってなに?

    考える葦のはしくれである私は想像力を働かせます。「ワイルドドッグ」といえば「野犬」とか「野良犬」といった意味です。オーストラリアには「野生化した犬」で、牛などの大型の家畜を襲うこともあるディンゴというものもいます。

    そして「ワイルドピッグ」といえば豚とは似ても似つかないほど凶暴感のあるイノシシのことです。

    オーストラリアには「野生化したラクダがいる」という記事も以前書きましたね。そこでも野生化したラクダたちが水を求めて集落を襲うことがあるという話もお伝えしました。

    ということは…その「ワイルドフラワー」っていうのは、どんだけデンジャラスな花なんでしょう?

    それって、たとえば昆虫はもとよりネズミくらいの小動物ならパクッと包み込んで酸で溶かしてしまう食虫植物とか?

    または、敵が近づくと大量の花粉をまき散らして、催涙弾みたいに目を開けられないようにする花とか?

    はたまた、草むらとかで服につく通称「ひっつき虫」(正式名称「オナモミ」)のものすごくでかいやつで、リュックサックを背負っているみたいになっちゃうとか?

    それとも、花なんだけど大木に巻き付いて「締め殺し」をしちゃうとか?

    …私の頭の中で様々な空想が咲き誇ります。恐れおののきながらも、私は子どものころから桜や紅葉を楽しみにしてきた日本人のはしくれ。「見頃」という言葉に、花を前にしたミツバチのように吸い寄せられ、列の最後尾につきました。

    あれこれ想像をして頭を働かせていたら、すっかり遅れを取っていた私です。

    あれこれ想像をして頭を働かせていたら、すっかり遅れを取っていた私です。

    ちょうど最後尾(いや、本当の最後尾は私なのですが)にこの旅の相棒がいたので、駆け寄って声をかけてみました。そう、シンガポール在住のジャーナリストのヤエン(英語でYa En/中国語で雅恩)です。

    「ヤエン。ワイルドフラワーって知ってる?」

    「知ってるよ~、もちろん!」

    …ヤエン、知っているのか! 愕然としてその場に立ち尽くす私。一方、スタスタと先を行くヤエン。

    ここで彼女の名誉のためにお伝えすると、ヤエンに教える気がないのではありません。きっと「知らないことなどまったくの想定外」だったのでしょう。

    けど、こうなると「それってなに?」とは、私の名誉にかけて訊けません。というわけで「ワイルドフラワーってどんだけデンジャラスなはなんだろう?」という疑問を頭の中で満開にさせながら、みんなのあとをついていきます。

    廃線となった鉄橋の下を通ったり(ちなみにこの鉄橋の脇まで登ってみたのですが、柵がついていて立ち入り禁止。映画「スタンドバイミー」ごっこはお預け)。

    廃線となった鉄橋の下を通ったり(ちなみにこの鉄橋の脇まで登ってみたのですが、柵がついていて立ち入り禁止。映画「スタンドバイミー」ごっこはお預け)。

    小川の横を通ったり。

    小川の横を通ったり。

    橋を渡ったりとハイキングコースとしても変化に富んでいて楽しいです。

    橋を渡ったりとハイキングコースとしても変化に富んでいて楽しいです。

    「ちょっとこれを見てください!」。前のほうでガイド氏がみんなを止めています。わっ、ワイルドフラワーの出現か! 「驚異の巨大生物を発見!」の報を聞いた川口隊長のように息せき切って駆け寄ります(若い読者のみなさん、「川口隊長」がわからなかったらすみません)。ガイド氏はみんなの視線を地面のほうに集めています。

    「このブルーの花の名前はブルーサンオーキッドっていうんですよ。全然オーキッドっぽくなくてビックリしませんか?」

    オーキッドとは蘭(ラン)のことですが…。

    オーキッドとは蘭(ラン)のことですが…。

    確かに、ツユクサのように小さなその花は、我々がよく知る大輪でゴージャスなランのイメージとは程遠いけなげな感じで驚きです。…けど、私がビックリしたいのは「小ささ」にではありません。超極悪デンジャラスな「ワイルドフラワーとやら」にです。

    その後も、そんな小さな花々をいくつか紹介していくガイド氏。

    「ワンサイドボトルブラシ」という花。この言葉を日本語に直訳すると「片面瓶洗い」。なんでそういう名前かというと…。

    「ワンサイドボトルブラシ」という花。この言葉を日本語に直訳すると「片面瓶洗い」。なんでそういう名前かというと…。

    はい、こういう植物があって、その名も「ボトルブラシ」だからです。瓶というか化学の実験で使うメスシリンダーとかを洗うブラシにそっくり! ちなみにこれはパースの別の場所で撮影したもの。

    はい、こういう植物があって、その名も「ボトルブラシ」だからです。瓶というか化学の実験で使うメスシリンダーとかを洗うブラシにそっくり! ちなみにこれはパースの別の場所で撮影したもの。

    「ウィルソンズハニーマートル」。ショッキングピンクの花がきれいです。

    「ウィルソンズハニーマートル」。ショッキングピンクの花がきれいです。

    「ヴァーティコーディア」です。

    「ヴァーティコーディア」です。

    どの花も本当にかわいくて可憐です。で~も! ワイルドフラワーはどこだよ~。ワイルドフラワー、見せてくれよ~。そんなふうに心の中で叫びながら歩いていると。

    「これを見てください! 食虫植物を見つけました~」。

    で、出た! デンジャラスなワイルドフラワーがようやく。今度は「巨大食虫植物に食われた人骨発見!」の報を聞いた川口隊長のように息せき切って駆け寄ります。でも…どっ、どこ? どれ?

    「このあたりだ」と言われても私にはどれだかさっぱりわからず…。

    「このあたりだ」と言われても私にはどれだかさっぱりわからず…。

    食虫植物とはいえ、小さすぎて全然ワイルド感がありません。それとガイド氏の説明によると、この食虫植物、実際には虫を食べません。花の匂いに誘われた虫をつかまえて、パニックになった虫にフン(糞)をさせ、それを栄養にしているのだとか。で、フンをさせたあとは解放してやるのだそうです。

    最初は恐ろしく物騒だけど、平和的な解決ですね。さらに言うと「変態感」はかなりのものですが、「デンジャラス感」「極悪非道感」は皆無。

    そして、またしばらくすると「血、血だ!」とガイド氏。

    なっ、なんじゃこりゃあ!? …すみません。さっきまで川口探検隊だったのに、急に「太陽にほえろ」。笑

    なっ、なんじゃこりゃあ!? …すみません。さっきまで川口探検隊だったのに、急に「太陽にほえろ!」。笑

    でも、ガイド氏によると、これは「樹液」だそう。そしてこの樹液には鎮静効果があり、オーストラリアの先住民族アボリジナルの人たちはそれを歯痛のときに口に含んだり、水に溶かして筋肉痛をやわらげたりしたそうです。

    オーストラリアでハイキングツアーに参加すると、こうした先住民族たちの知恵を教えてもらえることが多くて楽しいです。

    この杖であれこれ指しながら紹介していくガイド氏。なんとなく「お山の大将」っぽくもあるし「裸の大将」っぽくもあります。ちなみにこの杖にしている木、「バルガグラス」と植物の幹の部分で…。

    この杖であれこれ指しながら紹介していくガイド氏。なんとなく「お山の大将」っぽくもあるし「裸の大将」っぽくもあります。ちなみにこの杖にしている木、「バルガグラス」と植物の幹の部分で…。

    …こんなふうに生えています。

    …こんなふうに生えています。

    で、この杖、無茶苦茶硬いのに、すごく軽くてビックリしました。けどビックリしたいのはそこじゃないんです! デンジャラスなワイルドフラワーなんです!

    そうこうしているうちに、我々一行は絶景スポットに到着。

    人物写真が「お山の大将」兼「裸の大将」だけっていうのもなんなんで、ヤエンの全身写真を載せておきましょうかね。これは私以外のメンバーが撮影。ひとこと言わせてもらうと「ヤエン。脚、長すぎるよな?」。

    人物写真が「お山の大将」兼「裸の大将」だけっていうのもなんなんで、ヤエンの全身写真を載せておきましょうかね。これは私以外のメンバーが撮影。

    ちょっとした岩があったのでイタリア人ジャーナリストを伴って登ってみました。…どっちが「お山の大将」だ?笑 ちなみにヤエン撮影。

    ちょっとした岩があったのでイタリア人ジャーナリストを伴って登ってみました。…どっちが「お山の大将」だ?笑 ちなみにヤエン撮影。

    岩から降りて風景写真を撮っているとなにやら良からぬ気配を感じて…。

    ヤエンが私を撮影していました。さっきの「お山の大将」はわかるけど…なあ、ヤエン。この姿を盗撮しておもしろいか? まあ紅白のコーディネートでかなりおめでたい感はあるけど…。

    ヤエンが私を撮影していました。さっきの「お山の大将」はわかるけど…なあ、ヤエン。この姿を盗撮しておもしろいか? まあ紅白のコーディネートでかなりおめでたい感はあるけど…。

    ホワイ・ジャパニーズ・ピープル、じゃなかったシンガポーリアン・テイク・オヤジズ・フォトズ?

    ホワイ・ジャパニーズ・ピープル、じゃなかったシンガポーリアン・テイク・オヤジズ・フォトズ?

    私はヤエンの盗撮に気づき猛抗議に行きました。ウソです。ちょうど話したいことがあったのです。

    「ヤエン。ワイルドフラワーってどんなんだろうね。私はすごく期待しているんだけど」。すると彼女の口からは衝撃の答えが!!!

    「みんなきれいだったよね~。小さくてカラフルで」

    …………。はい、いくら私がアホでも話が段違い平行棒レベルですれ違っていることくらいはわかります。そして約5秒後に衝撃の事実を発見しました。

    なんと、今まで見てきた小さな可憐な花々たちが「ワイルドフラワー」だったんじゃん!!! そうなのです。「ワイルドフラワー」の「ワイルド」っていうのは「デンジャラス」のほうじゃなくて、「自然の」「野生の」という意味のほうなのです!!!!! 

    …なんてビックリしていることをヤエンに知られたらビックリされるだろうな。でも幸いなことに、彼女は先ほどのお山の大将兼裸の大将とは別のガイドさんの「アカオクロオオム」(「赤尾黒オウム」の意味です)の羽のついた帽子をかぶらせてもらってご満悦。

    あまり盗撮されたばかりなのはなんなんで、盗撮し返してやりましたよ。

    あまり盗撮されてばかりなのはなんなんで、盗撮し返してやりましたよ。

    まあ正面からなのですぐにバレましたが。

    まあ正面からなのですぐにバレましたが。

    場所によっては「人工的につくった花畑か!」とツッコミたくなるほど咲き誇ることもあるというワイルドフラワー。ぜひ見に来てください! とにかく旅は続きます。

    あっ、ヤエンも含めてこの旅の画像や動画をアップしているんで、良かったらインスタ(@yukioyanagisawa)をフォローしてください。

    Off The Beaten Track WA

    今回ガイドしてくれたツアー会社

    offthebeatentrackwa@gmail.com

    西オーストラリア州政府観光局

    https://www.westernaustralia.com/jp/home

    私が書きました!

    オーストラリア在住ライター(海外書き人クラブ)
    柳沢有紀夫

    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブのお世話係https://www.kaigaikakibito.com/

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