オーストラリア大陸の中央でご来光登山!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.07.06

    オーストラリア大陸の中央でご来光登山!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    オーストラリア大陸の中央でご来光登山!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    「ご来光登山」はきっとどこで体験しても特別なものでしょう。でも今回はどでかいオーストラリア大陸のど真ん中での特別中の特別を体験をご紹介しましょう!

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

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    超過酷のあとに超絶景です!【ララピンタトレイル・その3】

    オーストラリア中央部の名物コース「ララピンタトレイル」の5泊6日縦走ハイク。前々回前回に続き、今回は4日目と5日目の様子をまとめて紹介します。

    まずは4日目。この日も快晴ですがときおり強風が吹きます。最低気温は毎日0~5度で、最高気温は20度。とはいえ風が強いことが多いので体感気温はそれよりも5度くらいは低いかもしれません。

    というわけでみんなそれなりに着込んでいます。

    この日はガイドの一人、大学で地質学を専攻したというサムと一緒に行動することが多く、それ関連のいろいろな話が聞けました。

    でもサムは短パン。笑
    写真の中央部で、土が薄い黄土色から赤色に変わっています。

    ここで地層が変わってきています。そしてその地層、つまりは土の種類によって生える植物も変わってくるのだとか。

    この日、目についたのはトレッキング途中にある説明ボード。

    メラ(Mera)の木を先住民アボリジナルピープルたちはこう使っていたとか。
    彼らは火をおこして、他の人たちに自分たちがやってきたことなどを知らせたとか。

    アウトドアアクティビティというと「カラダを動かすこと」だけになりがちだけど、こういうふうに情報がいっぱいあって知識欲を満たしてくれるのもいいです。学ぶだけじゃなくて体験する、体験するだけじゃなくて学ぶ。その両方できるのがいいんでしょうね。

    そして4日目の一番の見所である赤とか黄土色とか白とかの地層が見える場所にきました。

    聖なる場所で写真はいくらでも撮っていいけれども、触ると5000豪ドル(約45万円)の罰金だそうです!

    黄土色の土は祭りのとき聖なる力を与えるためにボディペインティングのように体に塗るそう。そして武器の模様にもすることによって、それらに聖なる力を与えるのだとか。

    本日のランチはキヌアのサラダ。きゅうりとフレッシュトマトとドライトマトとオニオン入り。

    そこにチキンとシュレッドチーズを各自でトッピング。これもまた間違いのないおいしさ。

    そして午後1時前にバスで出発。「グレンヘレン渓谷」というところに向かいます。

    ここで「泳ぎたい人は泳いで~」とのことですが…。

    なんたって最高気温20度。ほぼ寒中水泳状態ですから。

    まあ、ちょっと大げさに寒がってはいますが、これ以上カラダを沈めることはできませんでした。

    写真の奥のほうで「猛者」たちが泳いでいますが…。笑

    またここには「脱衣所」のようなものはないので、そこらの草陰などで着替えます。このあたりも「奥地」流です。

    15時15分、新しい宿に到着し、その30分後に明日の「日の出登山」の関しての説明がありました。朝ごはんのサンドウィッチはその日の午後のうちにつくり、翌日背負うデイパックもバスの中に入れておくとのこと。なぜなら明日は朝の2時15分に出発しなければいけないからです。

    そして「ガイドは5人いるけれどもバラバラになるのは危険なので、落伍者が出たら全員で引き返す」とのこと。みんなの顔に緊張が走ります。

    この日の夜は翌朝に備えていつもよりも早く19時に就寝しました。

    突風の中の夜間登山!

    そして5日目になりました。2時15出発なので1時55分に起床して着替えとトイレを済ませます。19時に寝袋に入ったけど興奮して全然眠れなかった私。

    3時前にバスが登山口の駐車場に到着。「意外と暖かいね~」などと口にしながら3時3分に出発。

    真っ暗なのであまり写真を撮れず。

    出発15分後の3時18分に、服を脱ぐための休憩。みんな服着すぎだよ~と思っていたのですが…。

    出発30分後くらいから強風に見舞われます。それもずっと。このあと写真がないのも「真っ暗だから」という理由もあるのですが、「強風で寒くてそれどころじゃない」というのがむしろ主な理由です。

    そんなこんなで歩き始めて2時間を過ぎたあたりから参加者のうち2人が遅れ始めます。ただ夜間登山だし、強風が続く悪条件。「落伍者が出たら全員で引き返す」と前日の説明で言われていたこともあり、2人のガイドとともに私も彼女たちを励ましながら登ります。

    気がつくと空が明るくなっていました。

    「他の人を励まして」と書きましたが、自分一人だったら「これはヤバいな」と絶対に引き返したレベルの強風と寒さ。だけど仲間といっしょだから登ろうという気持ちになれます。

    そう考えると、私も他のみんなに助けられていたんですね。

    6時34分、出発して3時間半後に最後の休憩。

    東の空がオレンジ色です。

    頂上からのご来光!

    7時頃登頂成功です。つまり休憩も含めて4時間かかりました。

    なんとか日の出に間に合ったかな、という感じです。

    辛かった分だけご来光も美しく、ありがたく見えます!

    富士山とかのご来光登山では「真っ暗な中に山頂に到着して日の出を待つ」のが本式なのでしょうか、寒くて強風で体感気温もたぶんマイナス10度を下回るような状況。頂上で延々と待つのは体力を奪われて無理だったので、これでよかったのでしょう。

    自分でもなんのポーズなのか不明。笑

    エベレストなどの高山に登ると酸欠で頭が回らなくなるっていいますよね。単純な一桁の足し算もできなくなるとか。それと同じ…じゃないですが、疲労で思考が鈍っていたのは事実かもしれません。

    朝日が当たると笑顔も映えます。

    その頂上で不思議なものを発見!

    ケルンではないし…。

    「ビジターズボックス」と書かれている上の郵便受けみたいなところを開けてみると、ゲストブック(芳名帳)が入っていました。

    2025年5月22日に記帳しましたよ。

    あっ、アルファベットで書いたけど「日本人も来たぞ~」という意味で漢字で署名すればよかったかな。次にいらっしゃる方はぜひ!

    朝ごはんはジャムとチーズのクロワッサンにしました。

    ジャムとチーズは妙な組み合わせと思われるかもしれませんが、めちゃくちゃうまいんです!

    下山時にも「絶景稜線」の楽しみが!

    30分後の7時半、下山開始。すぐに登りで「最後の休憩」をした場所でトイレ休憩。

    掘っ立て小屋のようなトイレですが…。

    「世界一の絶景トイレ」と名づけたくなりました。というのも…。

    便座からはこんな絶景が眺められるからです。

    まあ、ドアを開けて便座にしゃがむ人はいないでしょうが。笑 

    ちなみに絶景トイレと言えばオーストラリア北部の世界遺産「カカドゥ国立公園」からさらに奥地に進んで行った「アーネムランド」という場所の宿泊施設にもありましたね。

    オーストラリアの「最後の秘境」のさらに先へ…【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    さて登って来たルートをそのまま降りていくのですが…。

    暗くてまったく気づかなかったのですが、絶景の稜線でした。

    普通、下山というと「登頂の達成感のあと、ただひたすら地味に足を動かす単純作業」になりがちですが、「ご来光登山」だと登りのときにまわりがまったく見られない分、景色を堪能できました。

    そして登りや頂上で強風が吹き荒れていたのが嘘のような穏やかな天気に。でも強風のときがあるから、穏やかな陽気と感じられるんでしょうね。

    振り返るとよく歩いてきたなっていう気がします。

    人生も含めて「振り返るのはあまり好きじゃない」と思っていたのですが、たまに振り返るのもいいのかもしれません。

    登りと完全に同じ道なのだけれども昼と夜で全く違う顔が楽しめるのがいいですよね。いや、登りは夜ですから景色なんて全然楽しめなかったのですが。

    11時15分駐車場に帰還。4時間で登って、3時間45分で降りてきました。帰りはみんな寝不足と疲れでかなりのペースダウンです。

    ランチのあと宿に一度戻り、希望者だけ「オーミストーン渓谷」という場所に向かって出発。

    前日同様この日も水は冷たかったですが、いっぱい歩いたのでアイスバス代わりに太ももまで入って筋肉を冷やしました。

    次回はいよいよこのシリーズの最終回! 最終日の様子と、このハイキングツアーの「歩行」以外のあれこれも紹介したいと思います。

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    Classic Larapinta Trek in Comfort (今回実際に参加したツアー)
    https://www.australianwalkingholidays.com.au/Red-Centre/Guided/Classic-Larapinta-Trek-in-Comfort

    Australian Walking Holidays (今回のツアーを含めオーストラリア国内で100以上のウォーキング&アドベンチャーツアーを主催するツアー会社)
    https://www.australianwalkingholidays.com.au/

    Great Walks of Australia(今回参加した「クラシックララピンタトレイル」を含む、オーストラリアを代表する13の数日間ハイクをまとめたサイト)
    https://greatwalksofaustralia.com.au/

    ノーザンテリトリー政府観光局
    https://northernterritory.com/jp/ja

    柳沢有紀夫さん

    オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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