目黒元富士跡からの…築山発見!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.54】 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.05.12

    目黒元富士跡からの…築山発見!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.54】

    東京23区内、特に山手線の内側はビル街や飲食店街、住宅街ばかり。そう思っている人が多いかもしれません。でも、目を凝らせば東京都心にも「山」はあります。そんな東京の山の世界を、日本で唯一のプロハイカーである斉藤正史さんが案内します。

    FILE54は、目黒元富士の予定が・・・築山発見です。

    第54座目「目黒元富士

    今回も前回に引き続きJR恵比寿駅西口登山口。

    今回も登山口はJR恵比寿駅西口登山口です。

    どうしようか考えていました。この道を進むとまるで西郷山へ行くアプローチと一緒か。でも最寄りの代官山駅登山口だと、人も多そうですし、やっぱり同じ道でいいかと歩き始めました。このままで行くとネタがない。どうしようか悩みながら歩くと、あっという間に代官山交差点に着くのでした。

    駒沢通りでは桜も咲いていました。

    とりあえず目黒元富士の位置を確認すると…

     交差点に差し掛かったところで、スマホを起動し目黒元富士の正確な場所を調べます。!? なんと、前回通った道沿いにあるではないですか!INATA360で撮影しながら歩いたので、上しか見ていなかったみたいですね。完全に見落としていました。西郷山に行くのと同じように、旧朝倉家住宅の方へ歩いていきます。グーグルマップが示していたのは、目切坂の上です。旧朝倉家住宅から30秒ほど行くとそこに、目黒元富士の案内板が出ていました。

    目黒元富士跡地。

    目黒元富士案内板。

    ここか…。看板を読み込んでいくと、なんと目黒元富士は氷川神社に移転したと書かれているではないですか。グーグルマップで調べると、少し遠かった。これは、お蔵入りかと覚悟し、恵比寿駅へもどろうか考えていると、旧朝倉家住宅のむかいにもお地蔵さまがありました。ここも見逃していました。このお地蔵さまは、道しるべ・地蔵でした。目の前の目切坂は、暗やみ坂と呼ばれていて、暗くて寂しい坂だったそうです。そこで安心して歩けるように道しるべとして作られたようです。

    うん、このお地蔵さまだけでは、ネタとして弱いですね…。では、この情報ではいかがでしょうか。

    出典:国立国会図書館ウェブサイトhttps://dl.ndl.go.jp/pid/1303229/1/1 

    目黒元富士

    別名西富士または丸旦山。1812年に目黒村の熱烈な富士講員たちが築いたそうで、高さは12メートルほど、つづら折りの登り道があり、山頂には浅間神社が奉られていたそうです。山開きに限らず、江戸の人びとの行楽の名所として春に秋ににぎわっていたそうですが、1871年にお宮や鳥居が撤去され、碑石は氷川神社に移されたそうです。

    時間つぶしに旧朝倉住宅へ

    諦めて帰ろうかと思いましたが、次の約束まで時間がありました。入場料が100円ですし、時間調整の為に旧朝倉家住宅を見学して行くことにしました。地図を見ると旧朝倉家住宅には、回遊式庭園がありました。撮影は出来ないものの築山があれば記事は成立するかもと淡い期待を抱いて入場しました。

    旧朝倉家住宅。

    旧朝倉家住宅

     旧朝倉家住宅は、東京府議会議長や渋谷区議会議長を歴任した朝倉虎治郎氏によって、 大正8年に建てられました。宅地北側に主屋があり、西側には土蔵、東側に庭門や附属屋(車庫)がある、木造2階建てで、ほぼ全室が畳敷きで、屋根は瓦葺、外壁は下見板張、一部が漆喰塗りとなっており、明治時代から 昭和30年頃までに建設された大きな邸宅の特徴を表しています。また、庭は崖という地形を取り入れた回遊式庭園で、石灯籠なども多く配置され、春はツツジ、秋はモミジなどを 楽しむことができるそうです。

    中に入ると、さすが名士のお宅です。天井も高く作りも立派です。女中部屋があったり、庭に面した部屋からは庭を眺めることが出来るのですが、まるで絵画を見ているような構図。お庭も良く作りこまれていて、ゆっくりお庭を眺めて過ごしたくなるような素敵なお宅でした。帰りは正面玄関からではなく、庭の奥が出口になっていました。

    ビルの中を通るとさきに何やら見えてきました。

    ドアを開けて外に出ます。良いものを見せて頂いた。さて帰ろう。すると近くに古墳がある看板を見た気がしました。隣のビルに入り、通り抜けるとその先に猿楽神社があり、そのわきにある看板にはここが築山であると記されていました。思わずガッツポーズ。まさかの導きでした。

    おー築山発見!                         

    猿楽神社入り口。

    猿楽神社

    6~7世紀の円墳とされ、基底部の直径約20メートル、高さ約5メートル程。何故か発掘調査がされておらず、詳細は不明です。神社が建立された大正時代、この猿楽塚は朝倉家の敷地内にあったそうです。1920年、その朝倉家の敷地内に庭園をつくる事となり、塚の1つを壊したところ、虎治郎と工事した棟梁とが原因不明の病にかかったといいます。そこで社を建て、塚から出てきた人骨や武具などを供養して「猿楽様」として祀ると虎治郎と工事した棟梁は直ぐに回復したとか。

    まさかの山発見でした。取材NGの旧朝倉家住宅に入らなければ、こうして山に巡り合うことがありませんでした。導かれたのかもしれません。旧朝倉家住宅の敷地にあった猿楽神社、回転式遊園に築山あり。確率は高いかもしれませんね。

    次回は、FILE55目黒新富士です。

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。

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