
絶景を求めて旅に出たのに、目の前は真っ白な濃霧。そんな経験はありませんか?私は先日、蔵王の御釜(おかま)を目指したものの、まさかの視界ゼロ。これにはがっかり。でも、落ち込んでいるヒマはありません。
キャンピングカーの旅には、天候に左右されない楽しみ方がたくさんあるから。予定外の寄り道で最高の思い出ができ、翌朝の御釜リベンジでは最高のお天気に恵まれました。これは、山の天気に翻弄されながらも、旅の醍醐味を満喫した記録です。
蔵王の気まぐれな空に翻弄された御釜への道

山形と宮城の県境に広がる蔵王連峰。その象徴ともいえるのが、エメラルドグリーンに輝く火口湖=御釜です。ハイキングを趣味とする私にとって、せっかく蔵王に来たならば、絶対に外せない場所。満を持して向かったものの、山の天気は気まぐれでした。
幻想的な濃霧、そしてクルマで約1時間の待機した結果は?

道の駅やまがた蔵王で目覚めた朝、キャンピングカーで蔵王エコーラインを走り、御釜近くまでリフトでアクセスできる刈田駐車場へ。が、あたりは真っ白な霧に包まれていました。濃霧に加えて冷たい風がビュービューと吹きつけ、クルマのなかで約1時間粘りましたが、これはダメだと判断。
宿泊先など決まっていない気ままなキャンピングカーの旅。夫の提案でハイキングのプランは翌朝に。代わりにその日は、下山したところにある上山(かみのやま)の温泉街でゆっくりしよう、と。
山を下りだしたところ、急に太陽が姿を現わしました。本当に山の天気はわかりません。と、偶然、そこにおもしろそうなアクティビティを発見したのでした。
あきらめない旅の醍醐味!釣り堀でリフレッシュ

意気消沈しながらクルマを走らせていると、道端に「釣り堀」の看板が。急ぐ旅でもなし、釣り堀に立ち寄ることに。平日なので人も少なく、偏光レンズのサングラス越しに水面を覗くと、魚がウジャウジャ!蔵王のきれいな湧き水で育ったニジマスが、約600~1,000kgも放流されているそうです。

都会ではなかなかできない釣り体験に、次男も大はしゃぎでした。釣り上げる手応えは楽しいけれど…、「食べる分だけ(3匹)にしようね」と次男と約束しました。ちなみに釣り上げた魚代は1kgあたり3,000円。だいたい4~6匹くらいだそう。釣り上げた魚はその場で捌いて塩焼きにしてもらえます。

塩焼きしてもらう加工料は、1匹につき100円でした。

炭火を使った塩焼きのほか、みそでんがく焼き(1匹150円)、新鮮なお刺身(1匹250円)、お土産用に腹わたを取る塩加工は1匹50円でしてくれます。
冬はスキー場、夏は釣り堀と思い切り体を動かせるテーマパーク

私たちが訪れたときは準備中でしたが、2025年7月5日には水遊びができるスライダーなど家族みんなで体を動かせる遊具エリアがオープンしたそうです。レストハウスでは手ごろな値段でジンギスカンを食べられたりと、御釜をハイキングできなくても、十分楽しめました。

レストハウスでは、大人気のジンギスカン定食(生ラム150g、野菜、おしんこ、ライス、味噌汁付き)が、1,980円でいただけますよ。

予期せぬ寄り道でしたが、移動しながらその土地ならではの体験をできるのは、キャンピングカー旅の醍醐味ですね。
蔵王猿倉つり堀
- 所在地:山形県上山市蔵王字蔵王山2843-1
- 電話番号:023-679-2211
- 営業期間:4月21日~11月上旬
- 営業時間:8~17時
- 利用料金:100円(釣り竿1本、エサ・バケツ付き)
- 釣り上げた魚代:1kgあたり3,000円(約4~6匹)
- ホームページ:http://www.zao-sarukura.co.jp/sumtsuribori/index.html
ちなみにわが家がお支払いした金額は1,950円(釣り竿×1、釣った魚代×3、塩焼き代×3)でした。
翌日は朝から快晴。さあ御釜ハイキングへリベンジだ!

この日は、夕方までに東京へ帰らなければいけなくて、御釜へは早めに出発。移動中、コンビニのおにぎりをパクつきながら向かいました。駐車場へ到着すると、昨日とは別の場所にいるような青空が広がっていましたよ。
御釜行きのリフトが動き始めるのが9時。それを待っていたら時間がもったいない。そこで、駐車場から御釜へは足で登ることに。

最初に裏話をしてしまうと…、トイレをお掃除していたおじさんに、ハイキングルートはどこか聞いたところ、駐車場を少し下ったところにトレイルがあると。


しかし、山を下りてビックリ。刈田リフト乗り場のスグ脇に登山道があるじゃないですか!リフトを使わなくてもアクセス可能なので、時間や体力に応じて選べるのがいいですね。

メインのトレイルを歩いていないので、どんなだったかよくわからないのですが、おじさんが教えてくれた道でも十分気持ちよかったし、景色も楽しめました(笑)。
ちなみに、御釜への正規の登山ルートは、刈田リフト脇の登山口からスタートする道です。私たちはトイレ掃除のおじさんに教えてもらった裏ルート(?)から行きましたが、どちらでも20分程度で到達できるようです。
駆け足で蔵王をハイキング

蔵王ハイラインという有料道路を上がった場所に駐車場があり、噴火口を見学するだけなら徒歩数分で行けます。私たちがクルマを停めた場所は蔵王エコーラインの途中にある、刈田リフトの駐車場。
今回は時間がなく駆け足でしたが、熊野岳、雁戸山(がんどさん)や、蔵王温泉へロープウェイで繋がる地蔵山などへの縦走もできます。

ここからは御釜、仙台方面を望むことができます。


山頂から見下ろした御釜は神秘的で、吸い込まれそうなほど美しいエメラルドグリーンに輝いていました。太陽光線のあたり方で様々な色に変化するため、五色湖とも呼ばれています。標高約 1,600 mに位置するため、天気の急変はよくあるそうなので、こまめな天気予報チェックや服装には気をつけてください。

クマは今年もあちこちに出没しているようですが…、右の看板を見てください。御釜は火山湖です。「異変を感じたら避難を」と促す看板をトレイル上でたびたび見かけました。

御釜、とっても気持ちいい場所でした。今度ぜひすみずみまで歩いてみたいと思いました。
さて、クルマまではリフトで降りましょう。行きは自力で、帰りはリフト。景色が楽しめるこのパターン、わが家のハイキングでよくやります。

蔵王刈田リフト(蔵王ライザワールド)
- 営業期間:4月下旬~11月上旬
- 営業時間:9~16時(7月20日~8月31日は、16時30分まで)
- 料金:片道600円、往復900円(満6歳以上から有料)
- 所要時間:8分
- ホームページ:http://www.zaoliza.co.jp/smmr/trekking/kattalift.html
蔵王エコーライン・ハイラインは、積雪の関係で例年11月から翌年の4月下旬まで冬季閉鎖されるため、マイカーで御釜には行かれません。冬の御釜見学は、ふもとのスキー場や各旅行会社などが企画するツアーなどに参加しましょう。
御釜を訪れるなら時間に余裕を持って

キャンピングカーでの旅は天候に左右されても、スケジュールを柔軟に変更できるのが大きな魅力です。
もし蔵王の御釜を訪れるなら、時間に余裕をもって、悪天候でも楽しめるプランをいくつか用意しておくことをおすすめします。そうすれば、きっと忘れられない最高の思い出ができるはずですよ~。