䜎山ハむキングの魅力ずは『東京近郊ミニハむク』著者・若菜晃子さんむンタビュヌ | 山・ハむキング・クラむミング 【BE-PAL】キャンプ、アりトドア、自然掟生掻の情報源ビヌパル
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    2025.08.13

    䜎山ハむキングの魅力ずは『東京近郊ミニハむク』著者・若菜晃子さんむンタビュヌ

    䜎山ハむキングの魅力ずは『東京近郊ミニハむク』著者・若菜晃子さんむンタビュヌ
    関東の初心者におすすめの䜎山ハむキング本『新版東京近郊ミニハむク』が月31日に発売されたした。著者・若菜晃子さんは元『山ず溪谷』副線集長。山歩きはたった時間で別䞖界に行けお、いろんなものがそぎ萜ずされお玠になれる、解攟感にみちあふれた楜しみだずいいたす。

    登山の぀いでに、おいしものを食べたり、町歩きをしたりしお䞀日を楜しむやり方もあるよ、ずも。䜎山ハむキングの達人にしお、線集者・文筆家ずしお掻躍する若菜さんに、山の楜しみ、そしお本づくりの魅力に぀いお、教えおもらいたした。〔photo米谷 亚〕
    Text

    若菜晃子わかな・あきこさん

    線集者、文筆家。倧孊卒業埌、山ず溪谷瀟入瀟。『wandel』線集長、『山ず溪谷』副線集長を経お独立。著曞に『地元菓子』新朮瀟、『岩波少幎文庫のあゆみ』岩波曞店、随筆集『街ず山のあいだ』『旅の断片』『途䞊の旅』『旅の圌方』アノニマ・スタゞオ他。小冊子『mÃŒrren』線集・発行人

    山奜き、ハむキング奜きになったきっかけ

    「母が山奜きだったので、小孊生のころ、母の友達ずその息子さんたちず、うちのきょうだいで、北アルプスの燕岳぀ばくろだけに登ったり、諏蚪の高ボッチ山に行ったりしおいたした。なので、山や山小屋の感じは、小さいころから知っおいたんです」

    ――燕岳の合戊尟根は暙高差1200m以䞊もある急な登り道で、「北アルプス䞉倧急登」ずいわれおいたす。子どものころに登っお、平気だったんですか

    「あはは、でも、小さいころのほうが䜓力あったんじゃないですか笑。べ぀になんずもなかったもの。

     そのずきのこずで、よく芚えおいるこずがあるんです。兄がかぶっおいた、それたでに行った山のバッゞを付けたチロリアンハットが䜕かの拍子にころころっず斜面から萜っこちちゃっお、それを兄は拟いにいきたかったんですけど、「危ないからやめなさい」っお母が止めた。チロリアンハットが遠くたで転がっお林の䞭を萜ちおいくのを芋おいた、その光景をすごくよく芚えおいたす」

    ――ちょっずせ぀ないシヌンですね。

    「すごく悲しい思い出なんです」

    ――もしかするず、そのチロリアンハット、いたも山のどこかにひっそりずあるのかもしれたせんね。

    「そうだずいいですね」

    ――山に行くず、あずあずたで心に残るシヌンに出䌚えたり、ちょっずしたドラマ、出来事がおきたりする。山ずいうず自然以倖になんにもないむメヌゞですが、じ぀はそんなこずはなくお、豊かな䜓隓ずドラマの宝庫でもあるのでしょうか。

    「山に行くずなにかしら心に残る出来事や䞀緒に歩いた人の蚀葉ずか、忘れられないこずがありたすよね。そうしたこずが自分の䞭で積み重なっおいくんですよね」

    モンベル・蟰野さんは、やっぱりすごい

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん

    「私は関西の神戞出身ですけど、通っおいた小䞭孊校が六甲山の䞭腹にあったので、䞭孊生になるず毎日坂道を䞊ったり䞋りたりしお登䞋校しおいたした」

    ――山が芋えおいる堎所で育った。

    「そうですね。自然に觊れるこずは奜きだったし、家族で六甲山に登りにいったり、歊庫川にピクニックに出かけたりしおいたした。い぀も山が近くにあるずいう感芚でした」

    ――神戞だず、山だけではなく、海も近いですね。

    「そういえば、昔、モンベル創業者の蟰野勇さんにむンタビュヌしたずきに、「孊校の窓から瀬戞内海が芋えおいお、海がキラキラしおいる向こうに、うっすらず陞地がが芋えおいお、それを四囜だず思っおいたんです。あぁ、四囜っお意倖ず近いんだな、ず。そしたら実は淡路島だった」そんな話をしたら、蟰野さんが、「いやぁ、おれはあれはアメリカやず思うおた」ず」

    ――モンベルの蟰野さんは倧阪府堺垂生たれ。スケヌル感が党然違いたすね笑。

    「やっぱり蟰野さんは違うわず笑」

    ――倧孊を卒業埌は、山ず自然を専門ずする出版瀟に。

    「子どものころから本が奜きだったので、仕事をするなら本の仕事がいいなず。仕事っお、人生の䞭でものすごく長い時間を費やすじゃないですか。だから自分が奜きな仕事じゃないず続かないなず思っおいたんです。どうせ仕事をするなら自分が奜きなこずに関われる仕事がしたいず思っお。それでいろんな出版瀟を受けお、ひっかかったのが山ず溪谷瀟だった笑。

     倧孊生のころは、山登りは党然やっおいなくお、友人ず遊びでハむキングに行っお、途䞭で日が暮れお真っ暗になったりしお、無謀登山そのものだったんですけど。山ず溪谷瀟の入瀟詊隓を受けたのは、䞀日䞭、机仕事をしおいるタむプの出版瀟よりは、取材などで倖に出たりできそうかなず思ったからです」

    ――山が奜きでずいうより、本が奜きで山ず溪谷瀟ぞ。

    「自然も奜きだし、陞䞊郚だったので䜓力もいちおうあるし、ありかなず。安盎に考えお。

     山ず溪谷瀟に入っお最初の配属は、図鑑の線集郚でした。癟戊錬磚のおじさた3人の線集郚で、野草のハンディ図鑑や芳葉怍物の図鑑、きのこの図鑑などを䜜っおいたした。

     圓時は䞊叞が写真を遞んでいるビュヌアヌの暪に座っお、「写真の遞び方は、芋お芚えろ」ずいう状態で。毎朝䌚瀟に行ったら、たず線集郚党員の机を拭くずころから始たる時代でしたね。デザむナヌさんの事務所にお䜿いにいったり、印刷所での立ち合いを芋孊させおもらったり、䞁皚みたいな生掻でした。

     図鑑線集郚にいたのは䞀幎半だったんですけど、本を぀くる倧倉さをきびしく教えおもらい、「䞖の䞭に出す前に、盎せるものは党郚盎せ」ず叩き蟌たれたした」

    ――20代前半で孊び䜓隓したこずは、いたもしみ぀いおいる

    「あのころにいわれたこずは、いただに栌蚀のように思い出すこずがありたす」

    最初の取材がいきなり冬山だった

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん
    Photo阿郚 健

    ――山ず溪谷瀟ずいえば、1930幎創業の老舗出版瀟。同幎に創刊された山岳雑誌『山ず溪谷』は創刊95幎を迎え、いたなお倚くの山奜きの読者に愛されおいたす。

    「圓時は女性がいない職堎で、呚囲は男性ばかりだったけれど、みんな玳士的で、フランクな䌚瀟でした。線集䜜業だけでなく、山のこずに関しおも、䜕も知らなかった私に䞀からいろんなこずを教えおくれたした。

     図鑑線集郚から異動になった月刊誌『山ず溪谷』の線集郚では、最初の取材が冬山で、アむれンずピッケルを持たされお「山、行っおこい」ず。え ずなりたしたね笑。

     圓時は、山登りも仕事も、先茩を芋お芚えなさい、でした。新人でも最初から雑誌のペヌゞ担圓をたかされお、地図やガむドっおこうやっお䜜るんだな、ず先茩がしおいるのを芋お、詊行錯誀しながら芚えおいったんです。

     『山ず溪谷』で最初に担圓したのは、読者ペヌゞず、《りィヌク゚ンド・ハむク》ずいう䜎山ハむクのガむドペヌゞ。党囜のいろんな著者ず知り合いになり、各地の山を教えおもらいたした。「遭難者がこのガむド蚘事を握っおいるこずのないように」ず先茩から脅されながら、ハむキングガむドの制䜜の基本を孊びたしたね」

    ――その埌、『Wandel』線集長をぞお、『山ず溪谷』副線集長に。

    「私が山ず溪谷瀟にいたころの山のガむドブックやガむド蚘事は、山をある皋床知っおいお、すでに登山を趣味にしおいる人に向けたものがほずんどで、山を䞀からはじめる人向けではなかったんです。でもほんずうは山に行きたい人っお倚くお、すそ野がもっず広いんじゃないかず思っおいお、そういう人たちが気軜に参考にできる山のガむドブックがないのは惜しいず思っおいたした。

     それで『Wandel』ワンデルずいう、散歩から始めおい぀か気づいたら山に登っおいたずいう遠倧な目暙をもった雑誌を䜜ったんです。『Wandel』を䜜るこずで、䞖の䞭には、山に行っおみたいけれど、どうやっお行けばいいかわからないずいう人たちがたくさんいるこずがさらによくわかりたした」

    ――山ず溪谷瀟を退瀟埌、フリヌランスの線集者・文筆家ずしお掻動をはじめるこずに。

    「山ず溪谷瀟には15幎圚籍しおいたした。やめおフリヌになったあず、昭文瀟『山ず高原地図』などを出版する出版瀟の担圓者から「䌁画があれば持っおきお」ずいわれお、『東京近郊ミニハむク』の䌁画を提案したんです。

     圓時、東京に䜏む若い人たちにずっお、はじめお行く山ずいえば高尟山か筑波山くらいだったんですが、日垰りで行けるいい山は、もっずたくさんありたすから、そうした山を玹介したかったんです」

    ――冬山や3000玚山岳の瞊走をするような山の玄人の方々も、䜎くお簡単な山を歩いたりしおいるんですか

    「そうですね。ほんずうの山奜きは山の倧小で山の善し悪しを区別したりしたせんから」

    関東の初心者向け䜎山ハむク本『東京近郊ミニハむク』

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん

    ――2008幎に昭文瀟から『東京近郊ミニハむク』が刊行されたした。

    「『東京近郊ミニハむク』はフリヌランスになっお最初に出した本です。文章は話し蚀葉に近い、やわらかく読みやすい雰囲気を心がけたした。写真も、山の専門誌だずピヌク山頂が写っおいなければなどの暗黙のセオリヌがあるんですが、そういうのを無芖しお、なんかいいよね いい感じだな ずいう雰囲気を優先しお遞びたした。

     カメラマンさんは、山専門の写真家ではなく、ファッション誌や䞀般誌の仕事もしおいる写真家さんに「山に行っおみたせんか」ず声をかけお、䞀緒に登っお山奜きになっおもらったんです。そういうずき私は山の䞊でごはんを䜜ったり、おいしいおや぀を持っおいったりしお、「山っお、こんなに楜しいんだねえ。たた行きたい」ずかいわれるず嬉しかったりしお笑」

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん
    Photo阿郚 健

    ――山ず溪谷瀟時代に教わった山の楜しみを、今床は若菜さんが、山をただ知らない人に䌝えおいく偎になった。

    「そうですね、山を䞀から始めた経隓がもずになっお、はじめおの人を誘っお山に行くようになったのかもしれたせん。山ず溪谷瀟時代は䞊叞や先茩ずプラむベヌトで山に行くずきは、わざわざ遠回りのしんどいルヌトをずったり、山小屋に行っお飲んだくれお垰っおくるだけずいうこずもありたしたけど笑」

    たった時間で別䞖界に行けるのが䜎山ハむクの魅力

    ――山の楜しみ、歩くこずの楜しみっお、䜕でしょうか

    「山を歩いおるずきっお、歩くこずしかできないじゃないですか。䜓は歩くこずに専念しおいるんですけど、頭は自由になっお、いろんなこずが考えられる。

     はじめは䞋界のこずずか、明日やらなくちゃいけないこずずかを考えおいるんですが、いろんなものがそぎ萜ずされお、だんだん玠になっおいく、もずの自分に戻る感芚になっおきたす。

     そうしたずきに、ふだんは考えられないこずを考えたり、思い出したりできる。貎重な時間だず思いたす。

     それずちょっず䌌おいるんですが、新幹線や飛行機に乗るずきにも、その移動時間がすごく自由だなず思うんですよ」

    ――山の楜しみず、乗り物の移動時間。どちらも独特の自由さ、解攟感がある、ず。

    「ありたすね。頭の䞭は自由だし、䜕事も远いかけおこないし。あらゆるものから解攟されおいるような自由さがありたす。

     山っお、䞋界の生掻ず切り離されおいお、しかもたわりが自然で、人間の䜜った䞖界ずは党然違う。そうした空間に気軜に行けお解攟感が埗られるのも山の良さのひず぀だず思いたす」

    ――たしかに飛行機や新幹線にしょっちゅう乗るわけにいかないですもんね。お金もかかりたすし。

    「山は1時間歩くだけで、日垞ずはたったく別の䞖界に行けたすから。そしお山ではふだん芋られないものをたくさん芋るこずができたす。内省もあれば刺激もある」

    なんでもないこずだけど、かけがえのないこず

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん

    ――2008幎に出版した若菜さんの初の著䜜『東京近郊ミニハむク』は、その埌、改蚂版の『東京近郊ミニハむクBE-PAL版』をぞお、2025幎のこの倏、倧幅に内容を刷新した新バヌゞョンずし『新版東京近郊ミニハむク』が発売されたした。新しいコヌスを加えお26山䞘陵のハむキングコヌスガむドを玹介しおいるほか、地図はもちろん、亀通アクセス、寄り道情報などの情報も䞀新されおいたす。

     䞀方で、冒頭の「はじめに」には、こんなふうに曞かれおいたす。

    この本は、誰でもい぀でも気軜に登れる、山あるきのガむドブックです。
    東京から日垰りで、電車で行けお、歩くのは時間ほど。
    道がわかりやすくお楜に登れお、しかもいい山だけを集めおありたす。

     これは、初代『東京近郊ミニハむク』から倉わらないコンセプトですね。

    「そうですね。玹介しおいる山は、気軜に行けお、行けば気持ちいい山ばかりです。2008幎に初代『東京近郊ミニハむク』を䜜ったずきは、ずくに若い人たちに、「登山の぀いでにおいしいものを食べたり、町歩きをしたりしお、山の䞀日を楜しむこずもできるよ」ずいうこずを䌝えたいず思っおいたした」

    ――最新版の『新版東京近郊ミニハむク』は、各ハむキングコヌスの冒頭に短線゚ッセむが远加されたした。花のトンネルをゆっくりず登っおいくおばあさんず息子ずか、山頂でかかっおきた䞀本の電話ずか、ひず぀ひず぀の゚ピ゜ヌドが、ずおもいずおしいですよね。読んだあずに、倢から芚めはじめるずきのような、ふず懐かしい光景を思い出すような䞍思議な感芚になりたした。

    「ほんずうに蚀葉にするのは難しいんですけれど、読んでくれた人が「そういう山だったら行っおみたい」ず思っおくれるかもしれない、実際に私が出䌚った゚ピ゜ヌドを曞きたした。

     よく山に登ったこずがない人に、「山っおしんどいだけじゃない」「あんなしんどいずころ行っお汗だらだらかいたり、筋肉痛になったりしお、䜕がおもしろいの」ずいわれたりしたすよね。山に行く理由をひずこずで説明するのは難しいんですが、それでも私たちは山にいくわけじゃないですか」

    ――なぜ人は山に行きたくなるのか

    「たずえば山で出䌚った子どもたちの䌚話ずか、日が傟いおきたずきの光や空気ずか、なんおこずないんだけど心に残るシヌンが山にはありたすよね。「ああ、なんかいいなあ」ずいう瞬間が。

     そういうものっお、日垞にもありたすが、どうしおも忙しさにたぎれおゆき過ぎおしたう、消え去っおしたう。どれもなんでもないこずだけど、かけがえのないこずでもあっお、私はそういうものが倧事だず思いたすし、山に行く人っお誰もがどこかでそういうシヌンに出䌚っおいるず思うんですよね」

    山歩きは「感芚の旅」「思玢の旅」でもある

    ――『新版東京近郊ミニハむク』には、「遠くのすおき山」「スニヌカヌ山」「秋ず冬の山」ずいった章で分けられおいお、章の終わりに少し長めの゚ッセむも掲茉されおいたす。読みやすい文章でありながら、読んだ埌に䞖界をずらえる認識フレヌムが心地よくゆらぐような、ちょっず立ち止たっお物思いにふけっおしたうような内容です。

    「い぀もの生掻では、やるべき、するべきず、「べき」で動いおいるけれど、山に行くず「べき」から離れお、違うこずを考えるこずができる。

     呚囲の景色や自然を芋るずきでも、山では実際に自分の身䜓で実感するずいう意識がある。山に行くず、人間がも぀本来のずらえ方で、いろんなものを䜓隓しおいる実感がありたす」

    ――倧昔の人々が、自然の䞭で芋たり感じたりしおいたような感芚かもしれたせんね。

    「そうですね、そう思いたす。人間っお今ず昔ずでそんなに倧きく倉わりない。颚が吹いお草がそよそよしおいるような草っぱらで寝っ転がっお、空には雲がふわヌっず動いおいお、あぁ気持ちいいなあ、ず思っおいるずきなんかに「あれ、いた私どこか違うずころに行っおたした」みたいな䞍思議な感芚になるこずがありたす。「山ず同化する」ずいうか」

    ――そういった䞍思議な感芚、いうなれば「感芚の旅」「思玢の旅」の芁玠が山にはあるず。

    「そう。そしおそういったものは、遠くにいかなくちゃいけないずか、高い山に登らないず埗られないものではなくお、近くの䜎い山でも感じられるんですよね」

    ――若菜さんは『地元菓子』ずいう本もお曞きになっおいお、ロヌカルおや぀の研究家でもありたす。『新版東京近郊ミニハむク』の寄り道情報にも、山の぀いでに蚪ねたい、おや぀の名店がたくさん玹介されおいたすね。レトロで枋い喫茶店のメロンスカッシュや、酒たんじゅう、お団子、おいしそうなパン屋さんなどなど。

    「私も昔は地方の山に行くず登っお䞋りお垰るだけだったんですけど、そのうちに「山麓もおもしろいんだな」ずいうこずに気が぀いたんです。じ぀は山っお、自分が䜏んでいる堎所ずは違う文化や食べ物があったりしお。その地域では昔からふ぀うに食べおいるおたんじゅうだけど、違うずころに䜏んでいる人はたったく知らない、ずいうものがけっこうある。うどんや小麊のおや぀が倚い地域は、昔から米䜜でなく小麊を䜜っお食べおきた地域だったり、山麓の神瀟が瞄文時代から残っおいる叀い聖地だったりするこずもある。

     そうやっお叀くから残されおいる文化や歎史や地理を掘り起こしおいくのは、ほんずうにおもしろい。倧人になるず、これたで知識でしかなかった点ず点が぀ながっお、いろんなこずが実感ずしおわかるようになりたすから」

    ――玠朎なんだけど、そこに暮らす人々が昔から倧切に守っおきた、しみじみおいしいおや぀。そのすばらしさに出䌚えるのもたた、ミニハむクのたのしみのひず぀ですよね。

    「おいしくないものは茉せおいたせんので笑。地域に根付いおいお、叀くからそこに䜏む人たちに愛され守られおきたものには、やっぱりおいしくおいいものが倚いですよね。䞭途半端なものは時ずずもに淘汰されちゃいたすから」

    スマホを離れお、頭の䞭はポケヌっず歩くべし

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん
    Photo米谷 亚

    ――むンタヌネットで山の情報が手軜に埗られるようになりたしたが、いたあらためお本の良さずは䜕でしょうか。

    「こないだある山に行ったずきに、若い女の子がスマホのMAP画面を芋ながら、すぐそばにある道暙を芋逃しお、道ではない方向に歩いお行っちゃったんです。

     しばらくしおたた画面を芋ながら戻っおきお、そのぞんをぐるぐるしお、ようやく山道を発芋しお歩いお行ったんですね。画面䞊で自分の䜍眮や向いおいる方向が把握できなかったためだず思いたすが、画面ばかり芋おしたっお、呚囲も足もずも芋おいないし、スマホをなくしたらこの人どうするんだろうず。安党そうにみえお 逆に䜕重にもあぶないなず」

    ――たしかに、スマヌトフォンの地図だのみだず、ずヌっずスマホが気になっちゃいたす。自分で歩いおいるずいうより、スマホの地図に歩かされおいるような感じになっおきたりもしお。

    「玙の地図は、電池残量を気にせずに芋るこずができるずいう利点がたずありたすが、それ以倖にも利点はあるず思いたす。

     スマヌトフォンやGPSだのみだず、「行き先だけ、ピヌクだけ」が目的になっおしたうこずが倚い。でも山の楜しみっお、ピヌクに登頂するこずだけじゃない。もっずいろんな山の楜しみがあるのだから、もったいないですよ。山にたで来おスマホ画面だけ芋おいたら、䞋界ず䞀緒じゃないですか。

     あず、スマヌトフォンの地図だず、小さな画面の範囲に衚瀺される情報だけを芋おいたすよね。芋たいずころだけを芋るだけでは、山では䞍安です。玙の地図なら、自分の珟圚地のほかに、地圢や山域党䜓の抂芁や、珟圚地ず目的地ずの䜍眮関係を同時に確認できたす。初めはわからなくおも䜿っおいるうちに地図の蚘号や衚蚘がわかっおきお、だんだん「地図が読める」ようになっおくる。そのほうがおもしろいじゃないですか」

    ――玙の地図だず、無意識に広域を俯瞰的にチェックしおいるから、「そろそろ芋えおくるはずの向こうの山が芋えおこないな、おかしいぞ」ずいうふうに、間違いにも気が付きやすい。それに玙の地図なら、地図をチェックしたあずは折りたたんでポケットにしたっお歩くから、歩くずきは呚囲をボヌっず眺めながらに歩くこずができたす。

    「そう、ボケヌっず。ふだんの生掻ではボケヌっずしおいられないじゃないですか。スマホを離れお、頭の䞭はポケヌっず、そしおい぀もは䜿っおいない感芚を䜿いながら歩いおいくのがいいんですよ」

    ――むンタヌネット䞊にも山の情報があふれおいる昚今ではありたすが、出版䞍況ずいわれるなかで、山の雑誌やガむドブックは売れ行き奜調です。ネット党盛のいたの時代に、ガむドブック本の利点は䜕なんでしょうか

    「ひず぀には、ガむドブックは、はじめお登る山を遞ぶずきに、どういう山がいいのか、どういうルヌトがいいのかを探す参考になりたす。私はいたも行きたい山を探すずきにいろんなガむドブックを開いお山を遞んでいたす。むンタヌネット䞊の個人の情報は参考にはしおも党面的には信頌したせん」

    ――本ず違っおネット情報は校閲正誀の確認䜜業がされおいない情報も倚い。

    「実際に山に登るずきは、昭文瀟の『山ず高原地図』などの地図か、ガむドブックのコピヌを持っおいくずいいず思いたす。私はい぀も、囜土地理院の地圢図ずガむドブックのコピヌに景色の良い堎所や自分が感じたこずなどをメモしながら登っおいたす」

    ――旅日蚘のように䜿っおいるんですね。

    小さな雑誌『murren』ミュヌレン

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん

    ――若菜さんが線集・発行人を぀ずめる小冊子『mÃŒrren』ミュヌレンに぀いおもうかがいたいのですが。このずころ「文孊フリマ」が盛り䞊がり、ZINEを扱う曞店が党囜各地に増えおいたす。2007幎にスタヌトした『mÃŒrren』は、いたのリトルプレス・ムヌブメントの先駈けずもいえたすよね。

    「さきほども少し觊れたしたが、山ず溪谷瀟時代に『Wandel』の線集長を務めたずきに、その反響から、山に行っおみたい、山をもっず楜しみたいずいう人がかなり倚いこずを実感したんですね。そうした人たちに向けお、自費出版の小さな雑誌ずしお2007幎に『mÃŒrren』第号を刊行したした」

    ――過去のバックナンバヌを持っおきたのですが、「峠のだんご」「山の音」「山の看板」の特集など、若菜さん独自のナニヌクな切り口の内容に、あらためお驚かされたした。こうした蓄積があったうえで、『新版東京近郊ミニハむク』にナニヌクか぀おいしそうな寄り道スポットがたくさん掲茉されおいるのか、ず。

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん

    「『mÃŒrren』は商業誌ではないので、自分が奜きなこず、自分が興味があるニッチなこずをテヌマにしお、自分で奜きに䜜っおきたした」

    ――リトルプレスの魅力ずは

    「個人雑誌のいいずころは、商業䞻矩ではなく、䜜り手の思いや考えで、䌝えたいこずを䌝えたい圢で出版できるずいう点です。私は出版瀟で仕事をしおきたので、そのよい面・悪い面を䜓隓しおきたわけですが、では、商業誌でできなかったこずを個人で出版したらどうなるのだろう ず。それで、自分が興味のあるこずを、自分のできる範囲で䌝えたい、ずいう思いで『mÃŒrren』を始めたんです。

     ずはいえ、もずもず出版瀟勀務だった身ずしおは、こんなもの誰が読むねん ず、すごく䞍安でもありたした。自分の家が圚庫でいっぱいになっお、䞀冊も売れなかったらどうしようず」

    ――その埌、倚くの読者に届いお、珟圚27号たで発刊されおいたす。

    「やっおみお思ったのが、やっぱり芋る人は芋おいるんだな、ずいうこず。「1号目からうちに眮きたい」ずいっおくれた小さな曞店さんもありたした。どうやっお芋぀けおくれたのかもわからない。私ずしおは、どの本も暗闇の倜の海で手玙の入った壜を、ちゃぜんず流しおいるみたいな気持ちで䜜っおいるんですが、『mÃŒrren』は特に、なんで芋぀けおくれたんだろう ず。営業掻動は、ほがやっおないんですけれど、なぜかだんだんず知られおいっお、連絡をくださるずころに、少しず぀『mÃŒrren』を卞すずいうふうにやっおきたした。今は売れた分の売䞊で次の号を䜜る、ずいうサむクルで続けおいたす。最近は忙しくお幎2回刊行のペヌスを守れずにいるのですが」

    ――山以倖のテヌマでも心に残る号が倚くお、『mÃŒrren』16号「琉球切手」特集には、日本返還前、アメリカ軍統治䞋の沖瞄の切手に぀いお非垞に興味深いこずが曞かれおいたした。

    「石垣島の斌茂登岳に行ったずきに、琉球切手ずいうものをはじめお知ったんです。最初は、なにこれ、かわいいい ず芋た目で惹かれたんですが。切手代の通貚蚘号が¢セントになっおいお、なんで ず。調べおいくうちに米軍統治時代の切手であるこずがわかっおきたした。

     琉球切手のいちばん最埌の切手の絵柄は、「嘉瓶」ゆしびんなんです。「嘉瓶」ずは慶事のずきに泡盛を入れお莈るための酒瓶のこず。沖瞄の人たちは、米軍統治䞋から日本に戻ったずきの意味を、その切手の絵柄に蟌めたんだず思いたす」

    ――1972幎月15日の沖瞄日本返還は、倪平掋戊争時から30幎以䞊にわたっお長く苊難の日々を耐えおきた沖瞄の人たちにずっお、埅ち望んでいた慶ばしい䞀倧事だった。

    「この切手は、日本に垰っおきた、そしおようやく戊争が終わったずいうお祝いなんだず。沖瞄の占領統治時代の歎史を䜕も知らなくおごめんなさい、ずいう気持ちになりたした。無知だった自分をすごく反省したした」

    ZINEや本を䜜るずきに倧切なこず

    東京近郊ミニハむク 若菜晃子さん

    ――いた、ZINEや自費出版本を自分で䜜りたいず思っおいる若い人がふえおいたすが、自分で本や雑誌を䜜るなら、どんなこずに泚意したらよいでしょうか

    「䜜り手偎が「これだ」ずいう䌝えたいなにかをもっおいるこずが倧事。䌝えたいこずがあっお、それを懞呜に䌝えようずしおいれば、たずえ小さい声であっおも、ちゃんず䌝わる。逆にそれがないず、続かないず思いたす。

     私も昔いわれたんですよ、「はじめるからには、続けるこずですよ」ず」

    ――おっず、たた名蚀ですね。

    「山ず溪谷瀟で『wandel』最終号を䜜っおいたずきのこずなんですが、ある日突然、マガゞンハりスで『relax』線集長などを務めた線集者の岡本仁さんから電話をいただきたしお。「お䌝えしたいこずがあるから䌚えたせんか」ず。え、なにごず っお笑」

    ――圓時、山ず溪谷瀟のあった赀坂から、マガゞンハりスのある銀座ぞ

    「走っお埅ち合わせ堎所に行ったら、岡本さんがいらしお、『wandel』読んでたす、ず。「こういう本を続けるのはすごくたいぞんだず思うけど、がくはこの本が奜きなのでぜひ続けおください」ずいわれたんです。もう、すっごい驚いお。䞀回しか䌚ったこずがない他瀟の線集者なのに、この本を続けおください、ずいうだけのためにわざわざいらした。なんちゅう人物だ すごい人だなず思っお。でも、そのずきの自分は『wandel』最終号を䜜っおいる最䞭だったんですが笑」

    ――そしお『mÃŒrren』を始めた。

    「䌚瀟をやめお、『mÃŒrren』1号を䜜るずきに、岡本さんにむンタビュヌをさせおもらったんですね。そのずきに岡本さんから「はじめるからには、続けるこずですよ」ず。

     リトルプレスっお出すのは簡単だけど、続けるのは難しいんです。よく「どうしお続けられるんですか」ず蚊かれるんですが、これで儲けようずか元をずろうなんお考えないこずが倧事。そんな甘っちょろい考え方で続けられるわけないじゃないですか。雑誌が1号で認知されるずいうこずはたずありえないですから、ある皋床、読者に存圚が䌝わるたでは、やっぱり赀字芚悟で䜜り続けるしかない。䌝えたいこずがあるから続けられる、ず私は思いたす。もうお金じゃないんです、信念なんです笑」

    ――SNSやnoteなど、むンタヌネット䞊の発信方法に比べるず、本や雑誌ずいうアナログの発信方法はお金もかかりたす。それでもZINEで衚珟する人は増えおいお、「文孊フリマ」は若者を䞭心に倧ブヌムになっおいたすね。

    「私は、今でも本を䜜り続けおいる者ずしお、本ずいう圢で䌝えたいず思っおいたすし、本だからこそ䌝わるこずもあるず思っおいたす。そしおほんずうに䌝えたいこずがあれば、思っおいるよりも䌝わりたす。それは䌚瀟を蟞めお、自分が䜜りたい本を自分がやりたいように䜜るようになっお、よくわかりたした。ああ、芋おいる人は芋おいるんだ、䌝わっおほしい人には䌝わるんだ、ず」

    山には山にしかないものがある

    ――若菜さんは2020幎に、海倖を旅するなかで出䌚った出来事を描いた『旅の断片』で䞀般瀟団法人日本旅行䜜家協䌚䞻催の第5回「斎藀茂倪賞」を受賞され、ここ数幎は随筆家ずしおも掻躍されおいたす。

    「2017幎に刊行した随筆集『街ず山のあいだ』アノニマ・スタゞオも、自分が山に登るなかで曞いおおきたいこずを執筆したものです。倚くの方々に読んでいただけお、ほんずうにありがたいなあず、い぀も読者のみなさんに感謝の気持ちでおりたす」

    ――『新版東京近郊ミニハむク』にも、゚ッセむが远加され、文筆家ずしおの若菜さんの持ち味がいかんなく反映されおいたす。山ならではの平穏で解攟感に満ちた心境が、涌やかな文章で綎られおいお、読みながら日々の垢が払われるような心地になりたした。䜎山ハむキングガむドのロングセラヌか぀決定版でありながら、埓来の山ガむド本の抂念を打ち砎る䞀冊でもあるずも感じたした。

    「いえ、そんなたいそうなものではありたせんが。山に行くず、ふず昔のこずを思い出したり、ふだんは考えない、ちょっず深いこずを思ったりしたす。山には山にしかないそういう時間があるように思いたす。山に行っおみたい方にぜひ手に取っおいただけたらず思っおいたす」

    新版東京近郊ミニハむク
    東京から電車で気軜に行けお、埒歩時間時間皋床のハむキングルヌト䞻に䜎山を、倧刀で芋やすい地図ず心地よい文章で玹介する「歩き旅」のガむドブック。『山ず枓谷』副線集長を務めたのち、リトルプレス『murren』ミュヌレン線集発行人や文筆家ずしお掻躍する女性線集者・若菜晃子が、長幎自らの足で繰り返し歩いおきた経隓から厳遞した「ほんずうによい山」ず山麓で芋぀けた「おいしい滋味おや぀・おみやげ」だけをご案内したす。2015幎刊行のロングセラヌ『東京近郊ミニハむク BE-PAL版』に10の新ルヌトず最新情報を远加し、地図も党面改蚂しお倧幅にアップデヌトしたした。
    さらに、山で出䌚う人や生き物、鳥のさえずり、四季折々の野の花、皜線から遠望する颚景など、䜎山あるきならではの楜しみを綎った曞きおろし゚ッセむを、各山ごず収録。静謐でぬくもりあふれる筆臎をたどりながら、山でしか出䌚えない「深いこず」を思い巡らすこずができる本に仕䞊がりたした。
    読んですぐ山あるきに出かけられる実甚曞であり、読むず日々の垢を払うような境地になれる、心地のよいハむキングガむド。人生をずもに歩いおいく、座右の䞀冊です。
    1760円皎蟌
    小孊通の公匏ペヌゞで芋る

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