というのも、ケープタウンは約55万ヘクタールの世界自然遺産「ケープ植物区保護地域群」のエリア内に位置しているのです。この地域は「フィンボス」と呼ばれ、世界でここだけの貴重な動植物が生息していることでも有名です。
世界自然遺産のハイキング
ケープタウンのシンボル的存在のテーブルマウンテン。以前の記事でもテーブルマウンテンのハイキングをご紹介しました。
でも実は市街地から見えている部分はテーブルマウンテン国立公園のほんの一部。南側にはまだまだ魅力的なエリアが広がっています。今回は国立公園の中心部に位置するシルバーマイン(Silvermine)エリアの太平洋側をまわるルートへ行ってきました。
シルバーマインのポイントは主に2つ。ひとつは、ドイツ車BMVが広告に使ったこともある世界有数の絶景ドライブルート「チャップマンズ・ピーク・ドライブ(Chapman’s Peak Drive)」を見下ろせること。もうひとつは近年日本でも人気が高まっているネイティブフラワーのひとつで、南アフリカ共和国の国花でもあるキングプロテアが、タイミングよければ咲いていること。絶対に見つけるぞ!と気合を入れて、スタートです。

まずはシルバーマインの入口で入園料を支払います。私が訪問したときは、大人ひとり200南アフリカ・ランド(約2000円・外国人価格)。南アフリカの国立公園は毎年値上げが行われているので、訪れる際には最新の情報をご確認ください。なお、公園事務所の付近は電波状況が悪く、支払いは現金のみだったのでご注意を。
今回は案内板の右上に紹介されている「ノールトフック・ピーク・サーキット(Noordhoek Peak Circuit)」をベースに歩くことにします。案内板から5分ほど歩くと、右手にダム湖が見えてきます。
ここはペットもOKの遊泳スポット。ダム湖は周囲約1kmで、ぐるりと木道が整備されています。水遊びをしたり木陰で昼寝をしたり、小さな子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、みんな楽しそうに過ごしていました。

さて、ハイキングはダム湖に背を向けて進みます。傾斜は緩やかながら、ビーチのような細かい砂道を20分ほど歩きます。徐々に砂粒が大きくなりはじめると、最初の眺望スポット「ノールトフック・ルックアウト(Noordhoek Lookout)」への分岐点です。

ノールトフックは、ワイナリーや牧場もあるのんびりとしたエリアですが、なにより大西洋側の真っ白な広いビーチが有名です。サーフィンやビーチでのホーストレッキングなどのアクティビティが楽しめます。
キングプロテア発見!
メインルートにもどり、標高754メートルの「ノールトフック・ピーク(Noordhoek Peak)」を目指します。標高が上がるにつれ、ネイティブフラワーの種類が増えてきます。



そして、まもなく到着という頃に、目当てのキングプロテアを発見しました!

ごつごつした岩の間を進み、ノールトフック・ピークへ到着です。


先ほど見たノールトフックのビーチはもちろん、北側のハウトベイも見渡せる眺望スポットです。そして、ノールトフックとハウトベイを結ぶ約9kmの道路が、冒頭でご紹介したチャップマンズ・ピーク・ドライブ。すぐ下にあるため見えないのが残念ですが、ここからまた別の眺望スポットを目指します。
尾根を進むこと約20分で、第3の眺望スポット「イーグルズ・ネスト・ルックアウト(Eagles Nest Lookout」に到着しました。落ちないように注意しながら下を覗くと、見えました!断崖絶壁で有名なチャップマンズ・ピーク・ドライブです。

ここで50代くらいの女性3人グループに遭遇しました。「景色を見ながら休憩するの」と微笑みながら、岩陰に座り、水筒やおやつを取り出していました。なんて優雅な時間なのでしょう。

近くで色鮮やかなハチドリも発見。2羽いるのがわかりますか?


終わりのない崖上りに心が折れる!?
今回選んだルートであるノールトフック・ピーク・サーキットは、一周9.3km。よく整備されていて見通しも良く、歩きやすいルートです。
前述した女性グループのほか、小学生くらいの子ども連れファミリーや、杖を突きながら歩く年配のグループも見かけました。しかし、メインルートだとイーグルズ・ネスト・ルックアウトからは海が見えない道を通ることになります。そこで、欲張りな私は地図で見た「スカイライン・パス(Skyline Path)」を通って少し遠回りをして、また別の眺望スポット「ノールトフック・ピーク・ベンチ(Noordhoek Peak Bench)」を目指すことにしました。
地図によると、イーグルズ・ネスト・ルックアウトからはアップダウンがありつつも1.2kmほど。スカイライン(稜線)の名の通り、基本的には北に向かう尾根を進みます。左側には常に紺碧の大西洋が見られる、素晴らしいルート。同じような写真が何枚も何枚もカメラロールに収まります。

このルートを選んでよかった!と、るんるん気分で歩いていると、だんだん近づいてくる崖。あれ?もしかしてあの崖を上るってこと?


手を使いつつもなんとか上りきると、再び絶景が広がります。道の先に次の崖が見える以外は。



崖は3つ上ったでしょうか。なんとか無事にスカイライン・パスを歩き終え、「ノールトフック・ピーク・ベンチ」に到着です。このあたりは石畳みの道になっており、とっても歩きやすい。先客は10代と思われる男女4人組。楽しそうに自撮りして遊んでいました。

ここからダム湖まではほとんど真っすぐ。前半は石畳み、途中からは砂利道に変わります。とても歩きやすくあっという間に戻ってきました。

目を背けられない火事被害
余談ですが、テーブルマウンテン国立公園は火災が起こることが少なくありません。乾燥した気候が要因のひとつではあるものの、観光客によるたばこのポイ捨ても大きな理由だと言われています。
今回訪れたシルバーマインも、直近では2025年4月に大規模な火災が発生。多くの植物や管理施設が燃え、約3か月にわたり閉鎖していたことがあります。黒く焼けた草木に火災の痕跡が残りつつも、再び芽を出して成長する植物に自然の強さを感じました。







