乗馬を格安ではじめる方法がある?ポニー乗馬体験会へ参加してみた | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.06.10

    乗馬を格安ではじめる方法がある?ポニー乗馬体験会へ参加してみた

    突然ですが、「趣味は乗馬です」という人、格好良くないですか?

    筆者はモンゴルに十数回通っており、草原流の乗馬であればウランバートルの若者達には負けないレベル……だと、勝手に吹聴しています。

    筆者が格好良いかはさておき、なんと言っても乗馬の魅力はその爽快感。「馬が合う」という慣用句の通り、馬と一心同体になって駆ける時の気持ちは、ちょっと他では味わえないものです。

    一方、乗馬には興味があるものの、費用面などで敷居が高いというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。コロナのせいでモンゴルへ行けない昨今、筆者が見つけ出した格安で乗馬をはじめる方法を伝授いたします!

    本当に高い?「乗馬クラブ」に通う費用はどれくらいなのか

    馬はとっても好奇心旺盛な生き物。カメラを調べにやってきました。

    乗馬を上手くなりたい人は「乗馬クラブ」に通うのが王道。しかし、一体どれくらいの費用が必要なのか、乗馬専門誌やWEBサイトで調べてみました。

    1.入会金(入会時のみ):数万円~数十万円
    2.会費(毎月):1万円~2万円
    3.騎乗料(1回およそ45分あたり):1,000円~1万円

    平均値を出すのは難しいものの、だいたいの相場は以上のような感じ。やはり「安くはない」というのが一般的な感想ではないでしょうか。

    また、多くのクラブではビジター用のお試し料金が用意されていますが、筆者はスーパーで試食を口にしたら商品を買わずにいられないタイプ。本会員への入会を勧誘されたら断る自信がありません。

    残念ながら、筆者の雀の涙程度のおこづかいと、蚤の心臓ほどの胆力では、乗馬クラブへ足を踏み入れるのは難しそうです。どうにか出費を抑え、そして勧誘に怯えずに馬に乗る事ができないものでしょうか。

    公園で開催されているポニー乗馬体験会へ参加してみた

    乗馬の前後にはブラシ掛け。心なしかお馬さんも気持ちよさそうです。

    そんな中、見つけたのは公益財団法人ハーモニィセンターという団体。筆者が住む神奈川県下の公園の一角でポニーを飼育しており、子どもが引き馬を楽しめるほか、定期的に大人向けのポニー乗馬体験も開催しているようです。

    その費用は安めの居酒屋で軽く飲むくらいと、乗馬クラブに比べれば格安です。このご時世、飲み会自体がなくなった事を力説し、妻にもそう怒られる事なく予約に成功しました。

    体験当日、ニックネームの「たっち」と書かれたテープを胸に貼ったスタッフがにこやかな顔で迎えてくれました。この公園を管理するハーモニィセンターさんの職員であり、乗馬指導者の立岩朗(たちいわ  あきら)さんです。

    立岩さんに連れられ蹄洗場(ていせんじょう・馬繋ぎ場)を訪れると、そこで待っていたのは「チェス」というメスのお馬さん。ポニーと聞いていましたが想像していたよりずっと大きく、こちらを興味深く見つめてくる両目は筆者の顔より高いところにあります。

    格安なのにマンツーマン!レッスンの様子をレポート

    立岩さんからポニーの乗り方についてレクチャーを受けます。

    準備体操とお手入れを終えたら、いよいよ馬に跨がります。馬場にはいくつかの三角コーンが用意されており、この日はそれらを縫うようにジグザグと進むのが課題。

    そう難しい技術ではないと思いますが、筆者が慣れているのは、手綱(たづな)を片手で持ち身体のバランスで馬をコントロールするモンゴル式乗馬。一方、今回はブリティッシュ式でのレッスンのため、背筋を姿勢良く伸ばして手綱は両手で保持しなければなりません。

    なかなか思ったようには行かないもので、30分ほどのマンツーマンレッスンが終わる頃には少々汗ばんでしまうほどでした。しかし、最後には特別にモンゴリアンスタイルで速歩(はやあし)まで出させてもらい、大満足。

    チェス、ありがとう。慣れない乗り方をしてしまいごめんよ!

    なぜ乗馬クラブより格安なのか?乗馬指導者にインタビュー

    「密」にならないよう馬場の横でお話しをしてくださいました。

    それにしても、どうして乗馬クラブより安く馬に乗らせてもらえるのでしょうか。この機会に立岩さんへお話しを伺いました。

    ーー今日はとっても楽しかったです。「ポニー乗馬体験」という事でしたが、チェスは思ったより大きくてびっくりしました。あれでもポニーなのでしょうか?

    「こちらこそ、ありがとうございました。ポニーとは肩までの高さが147cm以下の馬を指しますので、体高140cmのチェスも立派なポニーなんですよ。もちろん、ポニーとは言っても大人の方が乗って全然問題ありません。ちなみに、一般的に乗馬クラブで使われているサラブレッドやアラブ種はもっともっと大きいです」

    ーーチェスより大きい馬だと、初心者の方はちょっと怖いかもしれませんね……。ところで、単刀直入に参加したきっかけは「費用の安さ」だったのですが、なぜ乗馬クラブと比べて割安なのでしょうか?

    「市から指定管理を受けている施設ですので、市民に広く体験を届ける目的で気軽にご利用いただける料金設定としています。ポニーとのふれあいを通じて、多くの方が心身ともに健康になっていただきたいと思っています。」

    ーーなるほど。たしかに馬に乗るとリラックスできますし、自然と馬に対して感謝の気持ちを抱きますよね。最後に、読者の方へメッセージをいただけますか?

    「ハーモニィセンターでは、東京・神奈川各地の公園などでポニーを飼育しています。主に子どもへの教育活動を目的としていますが、大人向けの乗馬体験を開催している拠点では、初心者からレベルに合わせてレッスンいたしますので、どなたでも気軽にご参加ください。馬に乗ると目線が変わり、世界が広く見えますよ!」

    ーーありがとうございました!

    乗馬の魅力は馬と乗り手が“理解し合う”事

    馬はもともと群れをつくる動物。仲間とのスキンシップも多いです。

    乗馬の魅力は馬と「一心同体」になる事だと記しました。それは乗り手が馬の性格や特徴を理解する事であり、また、馬に乗り手の事を理解してもらう事。つまり、言葉の通じない相手とでも「想い合える」と感じられた瞬間の事なのではないかと思います。

    新型コロナウイルスの影響で、人と人との付き合いが希薄になっている今日この頃。究極の異文化交流とも言える馬とのふれあいは、ひいては対人コミュニケーションの重要性を再確認するきっかけにもなるはずです。

    乗馬ができる公園はハーモニィセンターが管理する以外にも全国各地に点在しています。憧れの乗馬をはじめる第一歩として、また、このギスギスした時代にコミュニケーション力を養う場として、まずは「○○県 公園 乗馬」などと検索してみてはいかがでしょうか?

    取材協力/公益財団法人ハーモニィセンター

    ※地域の新型コロナウイルスの状況を必ずご確認ください。

    私が書きました!
    ライター・登山ガイド
    川上哲朗
    日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅡ、旅程管理主任者。旅行会社で主にネパールトレッキングの企画・販売を担当。
    コロナ禍において山のライター、シラス漁師、鮮魚店の売り子、ポニーのお世話などの副業を始め、あらためて自分の好きな事を仕事にする喜びを感じている。1985年生まれの子育て世代。ペットは深海生物のオオグソクムシ 。

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