自転車で台湾一周旅!何度でも挑戦したいと思わせる「環島」の魅力とは? | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.05.07

自転車で台湾一周旅!何度でも挑戦したいと思わせる「環島」の魅力とは?

自転車で台湾一周旅!何度でも挑戦したいと思わせる「環島」の魅力とは?
突然ですが、台湾本島の大きさ、どれぐらいかご存知ですか?台湾本島の面積は、36191平方キロメートル。九州(42191平方キロメートル)よりも少し小さいぐらいです。鉄道での一周は約13時間。車で一周しようとしたら2泊3日ぐらいでしょうか。では、自転車では?

実は台湾では環島(ホワンダオ)という「(自転車で)台湾を一周する」というアクティビティが大人気。「真の台湾人になるには、3つのことを成し遂げなければならない。ひとつは玉山(台湾最高峰の山)を登ること。ひとつは日月潭(台湾最大の天然湖)を泳いで横断すること。そしてもうひとつは、自転車での環島」と言われているほどです。

そんな環島は、イベント形式で開催されることもあります。2026年3月、東日本大震災から15年目となるこの年、大震災の際に台湾から寄せられた支援にあらためて感謝の意を示すため、日台混合チーム33名が環島に挑戦しました。この取り組みを通じて、人々を虜にする環島の魅力を紹介します。
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環島ってどんなもの?

「環島」は中国語で「島を一周する」という意味です。主に自転車やバイク、徒歩、鉄道などで台湾本島をぐるっと一周するアクティビティ。その中でも特によく知られているのが自転車での台湾一周。単に環島と言う場合は、自転車での旅を指すことがほとんどです。

総距離は約900㎞(ルートによって異なります)で、自転車の場合、9日から10日ほどかけて行うのが一般的。近年は台湾政府も環島のための環境整備に力を入れており、2015年には公式の自転車ルート「環島1号線」が整備されました。台湾の風や光を感じながら自転車で走ることで、台湾の豊かな自然や文化をたっぷりと感じることができます。

日台混合チーム、環島に挑む

「感謝台湾 震災15年 環島之旅」と銘打たれた今回のイベントは、作家の一青妙さん、ジャーナリストの野嶋剛さん、日勝生加賀屋の徳光重人さん、台湾蔦屋の大塚一馬さんという、日ごろから日本と台湾の架け橋として活躍されている方々によって企画されました。

今回の環島に挑むのは、日本と台湾の有志総勢33名。さぞかし台湾在住の方が多いのだろうと思っていたのですが、なんと台湾在住の日本人は3名だけで、大多数が日本から参加とのこと。

こちらは京都から参加の安川さん。「以前一度、環島を達成しています。当時の旅がすごく良い想い出しかないので、またやってみたいなと思ってたんですよ。今回、自分が環島を達成したときとは逆回りのルートだと聞いたので、是非参加してみようかと」

2回目の環島に挑戦する安川さん。

発起人の1人である大塚さん。実は自転車はあまり乗ったことがないとのこと。ただ、玉山はすでに3回登頂済、日月潭の遠泳も達成済という強靭な体力と精神力の持ち主なので、まあ心配いらないでしょう。

大塚さん。実は自転車はあんまり…とのことですが、他のスポーツと比べて、ってことですよね?

出発地点は台北市内の総統府前。3月7日、朝8時からの開幕式が終わると、みなさん軽快に走り出していきました。

頑張って~!

苦しいのに病みつきに?不思議な魅力

今回、日台混合チームは時計回りで8泊9日の環島にチャレンジ。走行距離は1日あたり約70km~約120kmです。

今回の行程。南部は2日連続で100㎞越え、しかも山越えもあって特にきつそう。(画像提供:台湾環島日記)

なにせ33名の大所帯、しかも初対面の方がほとんどです。初日はチームの状況を確認するため慎重なペースで走り出しましたが、午後には早速、前半の難関でもある山越えが。斜度6%ほどの坂が続きます。

2日目は早起きしてまずは列車移動。宜蘭県の礁渓駅から花蓮県の花蓮駅までの列車の旅です。

え、列車…?と思いましたね?「自転車での台湾一周」なのに、なぜ列車移動になるのか。それは、列車で通過した一帯には、23kmにわたって高さ約1000mの断崖絶壁が連なる「清水断崖」があるためです。

花蓮県にある清水断崖。

ご覧の通り絶景地として有名ですが、道幅が狭くなっていたり、暗いトンネルがあったりと、サイクリスト泣かせの難所。とりわけ集団走行には不向きなため、環島ツアーの多くはこの区間に列車を使っています。

台湾鉄道は、なんと自転車をそのまま列車内に持ち込めるありがたい仕様。日本から来たみなさん、サイクリストに優しい環境に大盛り上がり。

愛車とともに。(画像提供:台湾環島日記)

3日目は「北回帰線」を越えます。北回帰線の位置は北緯23度26分21秒。台湾は、ほぼど真ん中を貫く形で北回帰線が東西に通っています。北回帰線の北は亜熱帯、南はもう熱帯です。

今回訪れたのは台湾東部の花蓮県にある北回帰線標誌。それにしても、地図上の境界を越える行為って、なんでこんなにテンション上がるんでしょうね…?

北回帰線標誌にて。これから熱帯に突入。(画像提供:台湾環島日記)

4日目は走行距離が長く、さらには環島の最大の難所である「寿峠」が待ち構えています。

「一番きつい一日」「ラスボス」など、不穏な言葉が並ぶ…。シンプルな線で表現された寿峠の険しさには恐怖しかありません。(画像提供:松田博和)

台東市内のホテルを出発し、一路、南廻公路へ。改良が重ねられた道路は幅も広く、かつての分水嶺の道が直線道路に生まれ変わっています。台湾で最も美しい駅「多良駅」の横を駆け抜け、いよいよ寿峠へ。

台湾の東西を隔てる寿峠は、約12㎞の峠道。坂の斜度は段々ときつくなります。時折見え隠れする太平洋の美しい景色に励まされ、なんとか登り切ったあとは、みなさん達成感でいっぱいの顔に。

寿峠の標高は470m。難所中の難所です。(画像提供:台湾環島日記)

寿峠のサイクリングターミナルで。やり切りました!(画像提供:台湾環島日記)

おいしい食事や人との出会いも環島の楽しみのひとつ。5日目の屏東県の潮州鎮では、日本建築を改築した三平珈琲で朝ごはん。日台夫婦が経営するお店で、スパニッシュオムレツとコーヒーを堪能します。束の間のエネルギーチャージのあとは疲れた体に気合を入れて、南部の最大都市である高雄市を目指します。

戦友たちと語らうひととき。(画像提供:台湾環島日記)

6日目以降は、この時期に台湾西部に吹く強い向かい風に見舞われながらの走行となりましたが、9日目には、33名が一人も欠けることなく帰還。出発日の曇天とは打って変わった快晴の中、全員が無事、約900㎞を完走しました。自らの足で台湾本島を走りぬいたという充実感に包まれて、みなさん、よい顔してます。

向かい風と疲労のため予定より2時間遅れで到着したことも。(画像提供:台湾環島日記)
全員が台北市内の自由広場に到着。完走おめでとうございます!(画像提供:台湾環島日記)

苦しくも得難い旅を終えた参加者の中には、早速次の環島の計画を練り始めた人もいたとか…。

「時期とアイテム」は押さえておこう

決して楽ではないのに、むしろ苦しいのに、なぜかまた行きたくなる。そんな不思議な魅力を持った環島。完走した際の達成感と充実感は、何事にも代えがたいです。「ちょっとやってみたいかも」と思われたあなたへ、いくつかコツをお伝えしましょう。

まず、時期の選定は非常に重要です。「トンネルを抜けると雪国」ならぬ、「北回帰線を越えると熱帯」である台湾の夏は、尋常ではない暑さ。おまけに、日本とは比べ物にならないぐらいの凶暴な台風が頻繁に直撃します(特に東部と南部は)。

一方で、冬は季節風の影響で風が強く意外と寒い。なので、春(3~5月)、秋(9~11月)あたりがおすすめです。でも、今回は西海岸で向かい風に悩まされるなど、ある部分で運次第です。

9日間もの間、毎日約100㎞を走るので、疲労回復のためのアイテムも必須。発起人である野嶋さんが持参されたアイテムは「鎮痛外用薬、フェイスパック、うがい薬、目薬、ホットアイマスク、日焼け止め、ビタミン剤、ふくらはぎや太もも用の携行マッサージ機」だそうです。

特に最後のマッサージ機が疲労回復によく効いたそう。これから環島に挑む方は、是非参考にされてみては。

道中、台湾の方から、さまざまなおもてなしを受けることもあるでしょう。それも台湾での環道の醍醐味のひとつ。現地の人たちとの交流を、是非楽しんでください。

日本国旗を振って応援してくれた少年。(画像提供:台湾環島日記)

市川美奈子さん

台湾在住ライター

静岡県出身。一児の母。民間企業を経て2013年から行政機関で勤務、2023年4月から台湾に駐在。台湾の文化や風習に魅了され、台湾に関する記事を多数執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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