アウトドアの楽園!人気急上昇中のタスマニア「ブルーニー島」へ | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2026.05.04

アウトドアの楽園!人気急上昇中のタスマニア「ブルーニー島」へ

アウトドアの楽園!人気急上昇中のタスマニア「ブルーニー島」へ
「マジでこんないい場所が人知れず残っていたのか?」

豪州のアウトドア好きの間で今そんなふうに話題になっている島があります。「本土」であるオーストラリア大陸から離れたタスマニア州。そのまた「本島」であるタスマニア島から船で行く「ブルーニー島」です。

どうも、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。在住者としては話題の島なら紹介せずにはいられない。というわけで行ってきました。

で、実際に体験した感想がこれ!

「マジでこんないい場所が人知れず残っていたのか?」笑
Text

【柳沢有紀夫の世界は愉快!オーストラリア・タスマニア旅その1】

さてまずはそのブルーニー島の場所。タスマニア州の州都ホバートから車で30分強のケタリングという町からフェリーに乗って約10分。フェリーの待ち時間も含めて1時間強で着きます。

その近さにありながら今までそれほど有名ではなかったというのが驚きです。

ホバートからケタリングの船着き場まではバスもあるのですが、島に着いてからは公共交通機関がないし、徒歩で回れる広さではないのでツアーに参加するかレンタカーを利用するのが一般的。

今回は一人旅ということもあり「タジーツアーズ(Tassie Tours)」というツアー会社が催行するその名も「ブルーニー島1日ツアー(Bruny Island Day Tour)」に参加しました。1人ならレンタカーを借りてフェリー代や国立公園入場料を別途払うよりもずっと安上がりですし、ガイドがきちんと見所を押さえてくれますし。

で、今回のドライバー兼ガイドがアンドリューさんです。

親が持つ別荘があったので子どものころからブルーニー島に通い詰めているという筋金入り!

島の細かい説明をする前に……まずはこの島も一躍有名にした「SNS映え」スポットを紹介しましょう。

小高い丘からの絶景映えスポット「The Neck」

8時40分ごろフェリーを降りてハチミツショップを経由したあと向かったのが、この島を近年一躍有名にした「Truganini Lookout」、通称「The Neck」。はい、直訳すると「首」ですね。

「島」で「首」。ちょっと松本清張あたりのおどろおどろしい長編推理小説を思い浮かべてしまいますが…とにかく行ってみましょう。

駐車場脇から階段をのぼります。
途中からこんなまっすぐな階段に。

頭の中ではレッドツェッペリンの「天国への階段」が流れ始めます。演奏時間8分の長い曲なんで、それが終わるまでには着くかなあとのんきにのぼっていたのですが、ちょうど中間くらいのところでハタと気づきました。「うっ。記事にするなら、これが何段か数えないと…」と。

引き返そう思ったところ、ちょうど後ろにいたのがガイドのアンドリュー。尋ねてみたら「235段ですよ」と即答でした。アンドリュー、ブラボー! さすがは子どものころから通っていた筋金入り!

…けどよく考えたら引き返してのぼりから数え始めなくても、降りるときに数えれば同じでした。笑

で、階段をのぼりきったところに展望台があり、そこからの眺めがこちら。

このビーチ越しの海もまたきれいなのですが、このブルーニー島を有名にした映えアングルがこちら。

はい、のぼってきた階段を見下ろすアングルです。

島の北側と南側が幅100メートルもない長さ2キロメートルほどの砂州でつながっている様子が高台から見られます。この部分が首のようなので「The Neck」という愛称がついたのでしょう。

で、丘の上からの景色を堪能してもいいのですが…。

写真の左右をつないでいるボードウォーク(木道)が見えるでしょうか。

というわけでこのボードウォークも歩いてみます。

最後にちょっとしたスペースがありました。

なんでそのまま階段とかを降りて砂浜に出られるようになってないのだろうと不思議に思っていると、こんな看板が目に入ってきました。

「ビーチへのアクセス。日没から夜明けまではペンギンのみ。人間や犬がいるとペンギンはビーチにあがってきません」の文字。
もちろん昼間に歩くのは問題ありません。

さて次のスポットに行く前に、この「ブルーニー島」についてザッと紹介しておきましょう。

面積約362平方キロメートル。東京23区の総面積が約628平方メートルだからその6割ほどです。定住している人は1000人ほどとのことですが、ガイドのアンドリューの家族のように州都ホバートなどに家がありながら、ここに別荘を持って夏とか週末とかを過ごす人がかなりいるのだとか。

まだまだ島へ遊びに来る人たちは9割以上が日帰りツアーの参加者ですが、アンドリューによると「島内には様々なトレッキングルートがあるからトレッキングだけでも1週間は楽しめる」とのことです。

「冒険湾」で発見したのは…

アンドリューによると次に向かうのが「アドベンチャーベイ」とのこと。直訳すると「冒険湾」です。その名前を聞いて無茶苦茶ワクワクしていたのですが、アンドリューが運転するツアーバスは島では珍しい住宅街へ。そこでゆるゆると走行しながらまわりを伺うようにきょろきょろし始めたアンドリューから衝撃のひとこと。

「アドベンチャーベイに着きました。ここは島で唯一食料品などが買えて、ガソリンも入れられる場所なんですよ」

…アドベンチャー感、ゼロじゃん。むしろ逆じゃん。っていうかなんで住宅街? と頭の中がハテナマークの原生林状態になっていたところ、アンドリューが「あっ、いました、いました。ここでバスを降りましょう」

茂みの中で見づらいのですが…。

白い動物がいます。これはホワイトワラビー。ワラビーとは小型のカンガルーです。

そしてこの「ホワイトワラビー」、その名の通り白いワラビー。遺伝子疾患で突然生まれた白い個体が1~数匹いるのではなく、遺伝子変異でこうなった個体がこの島には200~300匹いるのだそうです。そしてアンドリューによるとホワイトワラビーは、同じくらいの大きさのグレイワラビーとも交尾ができて、その際、どっちの色のものが生まれるかはわからないとだそうです。

なんて話を聞いていたら、目の前に現れたのがこれ!

ハリモグラです! 私も野生のものがこんなふうに動き回るのを見るのは初めてです。

ちなみにこのブルーニー島では捕食者(彼らを食べる大きな肉食動物)がいないため、ハリモグラのハリも短いのだそう。そして茂みで目立ってしまう白いワラビーが生き残れているのも捕食者がいないからだそうです。

しかし…住宅地なのに「野生の楽園」。すごい場所です。

森林ハイキングで「先住民の知恵」を学ぶ

次に向かったのは「マビスタ(Mavista)ネイチャーウォーク」というトレッキングルート。

地図の右のほう、丸い吹き出しに「You are here」と書かれているのが「現在地」。

その斜め右が先ほどハリモグラなどを見たアドベンチャーベイ。そして地図の右上部分が最初の「The Neck」という砂州です。つまりこの地図はブルーニー島の南半分のみです。

今度はこんな森の中を進んでいきます。
「ペッパーベリー」という野生の実をつまんでいるところ。

直訳すると「コショウ果実」ですが私たちがよく使うコショウの実とは別のものです。その名の通り、ピリッとした苦みがあるのですが、先住民アボリジナルピープルはこれを料理の風味づけに用いるとともに、痛み止めとしても用いたとのこと。

そしてこちらがペーパーバークの木(ニアウリ)。

バーク(bark)とは「樹皮」のこと。まさに「紙」のようにペラッとはがれます。先住民アボリジナルピープルたちは道具を作ったりするのに利用したのだとか。

そしてシダも高さ約5メートルとでかい。

なんだか原始の世界に迷い込んだような気分になりました。

この散策時間は往復で25分ほど。もっと長居したい気分ですがアンドリューによると「まだまだ見所いっぱい」とのことで先を急ぎます。

浜辺に打ち上げられていたのは…

次にやってきたのはアドベンチャーベイの少し北にある「トゥートゥリーボイントビーチ」です。

タスマニア州はきれいなビーチの宝庫です!

とはいえ水温18度とのことなのでちょっと入る気にはなりませんが。でも歩くとキュッキュッと音がなる「鳴き砂」なのでそれを無邪気に楽しんだり…。

打ち上げられた海藻が抽象画っぽくてかわいいと思っていたら…。
写真の真ん中に何かが横たわっているのが見えるでしょうか。

じつは打ち上げられたアザラシです。アンドリューによると「首周りに点々があるんでヒョウアザラシだと思います」とのこと。本当はこの辺りにはいなくて南極圏に生息するものらしいです。

「助けなくていいのかな」という目でアンドリューを見ると、「昨日ここに来たときに国立公園のレンジャーに報告しておきました」とのこと。救助活動を勝手にするのが本当に野生動物のためになるのか、それとも自然の摂理に任せるべきなのか。それは専門家の判断にまかせるべきでしょう。

とりあえずは「がんばれ」と心の中で応援することしかできない自分。

ちなみにアンドリューによると「これ以上は近寄ってはダメ」とのことなので、10メートル以上離れたところから撮影しました。

アンドリューがビーチでおもしろいものを見つけてくれました。

グミです。

…はい、ウソです。「ジェリーフィッシュに見えますが、これはシースネイルなんですよ~」。つまりクラゲじゃなくて巻貝なのだそうです。ちなみにGoogle先生で画像検索したところ「画像に写っているものは、ツメタガイ(学名: Neverita didyma)の卵塊である可能性が高いです」とのこと。へえ~。

このあとお土産探しのチョコレートショップに寄ってからランチのレストランに向かいます。はい、これまでが午前中。本当に盛りだくさんです。

ちなみにランチもツアーバスの車内で事前にネット予約して、レストランに到着した12時にはサッと料理が提供されるというシステム。オージー(オーストラリア人)らしからぬ、と言っては失礼ですが、ものすごく手際がいいです。

「氷山が見える灯台」と「エメラルドグリーンの入り江」

12時からのランチ終了後、13時15分に「ブルーニー岬灯台」の駐車場到着です。ここでアンドリューが驚きの発言。「灯台の向こう側に氷山がみえることもあるんですよ~」

2025年にはオーストリア、スイス、チリで「氷河」を見てきたのですが、「氷山」は見ていません。

期待に胸を膨らませながら灯台を目指します。
白亜の灯台。

残念ながら中は立ち入り禁止ですが、それよりも「氷山」です。

アンドリューが「あっちの方向」と教えてくれた向きを探してみるも、見えるのは大海原のみ。

同じツアーの参加者と「全然見えないねえ」と嘆きました。あとでアンドリューに聞くと「30~40キロメートル先あたりにあることがある」とのこと。平均視力が5.0とか言われるアフリカのマサイ族ならまだしも、近眼の私には無理。

ただ案内板によるとクジラやイルカ、アザラシがよく見られるそう。

そしてここはオーストラリアでオーロラを見るのに最も適した場所とのこと! 半島をぐるっと回るウォーキングトレイルもあるようですが…ツアーなので次の場所へ向かいます。

「最後に秘密の場所にお連れします」とアンドリューが14時半に車を止めたのが、何の標識もなく車が3台くらいしか止められないスペースです。

そこから歩くこと20メートルほどで「クラウディーベイラグーン」の入り口(インレット)に到着。

砂州で外界から遮断されたラグーンなので、エメラルドグリーンの海が本当にきれいです。

本当に盛りだくさんの日帰りツアーでした。でもいつかゆっくり滞在したい。そう思わせてくれた「ブルーニー島」です。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

Tassie Tours(今回参加した「ブルーニー島1日ツアー(Bruny Island Day Tour)」以外にも、日帰りから数日間のものまでタスマニア州で様々なツアーを催行)
https://tassietours.com/

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

あわせて読みたい

4ヶ月だけ観光できる謎だらけのスポット!オーストリアのカールバッハに潜入【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

4ヶ月だけ観光できる謎だらけのスポット!オーストリアのカールバッハに潜入【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

“国境の街”ドイツ・ゲルリッツで待っていた景色とは?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

“国境の街”ドイツ・ゲルリッツで待っていた景色とは?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

“大地を歩く感”が半端ない!オーストラリアのララピンタトレイル【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

“大地を歩く感”が半端ない!オーストラリアのララピンタトレイル【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

「シュトゥットガルトの高尾山」を歩いてみた【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

「シュトゥットガルトの高尾山」を歩いてみた【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

「スイスアルプスのオフロード」を3輪カートで疾走!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

「スイスアルプスのオフロード」を3輪カートで疾走!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

「タスマニア島最高峰」登頂予定日にまさかの…!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

「タスマニア島最高峰」登頂予定日にまさかの…!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

NEW ARTICLES

『 海外の旅 』新着編集部記事

レマン湖に突き刺さる巨大フォークのほとりで堪能する、スイスの歴史探訪ウォーキング

2026.05.06

ビーチ王国!オーストラリア・タスマニア島で「世界最高の秘境ビーチ」へ

2026.05.05

巨大な松ぼっくりも!世界の植物が集まるポルトガルの「モンセラート宮殿」へGO

2026.05.05

舞台はグアムの「風が吹く山」。一年に一度、2万人近くが一斉に山頂を目指す早朝トレッキング

2026.05.05

ユタ州のグレーターザイオンでオフロードドライブ!ガラガラヘビの谷を越えて、荒野の滝へ

2026.05.03

アメリカ・サンドホロウ州立公園でオフロードトレイルに挑戦。道なき道を仲間と走る楽しさを実感!

2026.04.29

全米ワーストの交通渋滞都市であるロサンゼルス近郊に「動物専用ブリッジ」が建設されるワケ 

2026.04.28

【初心者必見】ヨーロッパ32か国を巡った私たちが選ぶ!キャンピングカー旅で“最高だった国”ランキングTOP5

2026.04.27