テーブルマウンテンはケープタウンにあり
日本から飛行機を乗り継いで約24時間。南アフリカ屈指の観光地、ケープタウンに到着します。ケープタウンは、17世紀にオランダ人が入植したことから“南アフリカ発祥の地”とされる街です。
ケープタウンのシンボルは「テーブルマウンテン」。山頂がまるでテーブルのように平らなことから、この名前が付けられたとか。街のどこからでも見ることができ、市のロゴマークにも描かれるほど愛されている存在です。西側のシグナルヒルとライオンズヘッド、東側のデビルズピークと共に市街地をぐるりと囲む様は、“自然の円形劇場”とも。2011年には、その美しい自然景観が評価され「新・世界の七不思議 自然版」に選ばれました。
テーブルマウンテンにはロープウェイが運航しており、わずか5分で頂上駅へ到達することができます。最高地点は海抜1,086メートルとそんなに高くないものの、遠くから見てもわかるように一枚の岩山。アウトドア好きとしては自分の足で登りたい!
テーブルマウンテンにはハイキングコースがたくさん!
テーブルマウンテンには、2時間程度で登頂できるものから山脈縦走ルートまで、ハイキングコースがいくつもあります。今回は、テーブルマウンテンの麓駅のそばから山肌に沿って登り、途中で人気のプラッタクリップゴージコースに合流するルートを選びました。このルートだと、最初は市街地を眺めながら上がっていくことができるのが魅力。目の前にそびえる岩山におびえつつも、ハイキングスタートです!
だいたい予想はついていましたが、足元は岩! しばらくは山肌に沿って横に登っていきます。右側は岩壁が迫っていますが、ふと左を見ると、市街地と海が見え、思わずカメラを構えてしまいます。
1時間ほど歩くと、プラッタクリップゴージコースとの合流地点に着きました。
「世界自然遺産」登録エリア! ワイルドフラワーや動物を探そう
ちょっとここで、ハイキング中に探したい、テーブルマウンテンで見られる動植物について紹介します。
テーブルマウンテンを含む「ケープ植物区保護地域群」は、世界自然遺産に登録されています。5,000種以上が固有種で、つまり「ここだけでしかみられない」植物の宝庫! 世界の植物区系は大きく6つに分類されますが、ケープ区は世界で最も小さいエリアです。近年日本で人気のワイルドフラワー(ネイティブフラワー)も多く、ハイキングしながら楽しむことができます。
珍しい植物以外では、運が良ければダッシー(ケープハイラックス)やクリップスプリンガー(イワトビカモシカ)など、動物にも出会えるかもしれません。
360度の絶景が広がる“テーブル”の上へ到着!
さて、話を戻します。登り始めてからおよそ2時間、まもなく山頂エリアへ到着です! ここからが最後の踏ん張りどころ。岩でできた自然の階段を延々と登ります。一段一段が高く、膝ががくがくします。
ここを登ると、もう「テーブル」の上。テーブルマウンテンの西端にあるロープウェイ乗り場までは、ここから750~800メートルのほぼ平坦な道のりです。
「テーブル」から外を見ると、どこを見ても絶景が広がります。これが山登りの醍醐味ですよね!
ロープウェイ乗り場付近には、なんとカフェ&バーが! ジュースやコーヒーはもちろん、ワインやビールもあります。登山してきたであろう人たちがビールで乾杯し合っているのを何度も見かけました。絶景を前に飲む一杯は格別ですよね。
帰りのお楽しみ! 360度回転型のロープウェイで下山
絶景を思う存分楽しんだら、帰りはロープウェイを使って下りることにします。ロープウェイといえば、景色を楽しめるよう前方の位置が人気ですが、タイミングによっては混雑しがち。でも、ここでは急がなくても大丈夫。このロープウェイは回転しながら動くので、早く乗っても、遅く乗っても、みんなが360度の景色を楽しめます。
テーブルマウンテンは、季節や時間帯によって景色の印象が少しずつ変わり、何度でも訪れたくなります。そして、実は頂上からサンセットや夜景を見ることができるのです! といっても、最終のロープウェイはいつも日没時間より早いことがほとんど。
それが、毎年ピークシーズン(例年12月16日~1月31日。南半球の夏休み期間です)は、下りロープウェイが20:30、または21:00まで運行します。その頃の日没時間はだいたい20時前後なので、サンセット、そして市街地の夜景を楽しむことができそうです。