
でも。「360度視野がある山頂」とともに嫌いな人がいないのは、「左右が開けているけれども切り立ってはいない尾根筋ハイク」なのではないでしょうか?
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
2日目と3日目の見所を大公開!【ララピンタトレイル・その2】
豪州中央部の名物コース「ララピンタトレイル」の5泊6日縦走ハイク。前回に続き、今回は2日目と3日目をまとめて紹介します。今回もまた前回とはまた違った感じの「尾根筋歩き」があります。
まずは2日目。この日も基本的には見晴らしのいい場所を歩きます。



ただこのあと訪れた2つのメインの目的地なのですが…。


私はすでにどちらも2回訪問していて、この「BE-PAL.net」でも記事にしているので、そちらをぜひご覧ください。このときのガイド氏、本当に優秀でした!
ただどちらの場所も今回は前の2回と比べて圧倒的に水の量が多くて、違う景色が楽しめました。



たぶん前に来たときはなかったような気がします。ガイドといっしょに歩けないときは、こういうのが重宝しますね。

こうして自分で取るだけで、タッパーに入れたものを配られるよりもおいしく感じられますね。
この日は8時10分出発で、14時20分に歩行終了でした。宿泊場所は1日目、2~3日目は連泊、4~5日目は連泊と変わるのですが、サファリテントや食事をする「本館」のつくりはどこもいっしょです。その分戸惑わなくていいです。
3日目は歴史を知るガイドからスタート
さて3日目。いや、その前に前日の夜がとにかく寒かったです。予想最低気温は0度。寝袋だけでなく簡易ベッド全体をカバーするものにもくるまって寝るのですが、それでも寒かった。ある参加者は「ニット帽をかぶって寝たよ」と教えてくれましたが、それは名案だと思いました。
この日は最初に30分ほど歩いたあと荷物をデポして「サーペンタイン渓谷(Serpentine Gorge)」に向かいます。Serpentine とは「ヘビのように曲がりくねった」という意味。往復2.2 km。
ここは先住民であるアボリジナルピープルが「聖なる場所」としているとのこと。だから「武器」になるような「尖ったもの(トレッキングポール)」や「重いもの(デイパック)」を持って行ってはいけないのです。また水に触るのも不可で、かつ静かにしなければいけないとのことです。

まさに「聖地」という感じ!

なぜここが聖地かというと、乾燥している中央オーストラリアでここの渓谷は「枯れることのない水場」だからとのこと。そうした大切な場所なのでアボリジナルピープルたちも祝祭のとき以外はあまり来ようとはしないそうです。
自分だけのハイキングだとどうしても「景色」を見るだけになりがちで、こういう「歴史」とか「野草」の知識が得られるのはガイドのいるツアーのいいところです。
なだらかで心地よい尾根筋ハイクへ!
さて荷物をデポしたところまで戻って再出発。この日もまたウェストマクドーネル山脈の尾根筋に向かいます。ただこれが長くて「よっしゃあ、もうすぐ山頂だ~」と思ったら、まだ先あるパターンが2~3回ありました。
とはいえ斜面を一直線ではなく緩やかなスロープを描くように登っていく感じで、「急登」という感じのものはほとんどありません。


足をふんばらなければいけないような岩がないのでラクと言えばラクです。

ずいぶん上がって来たなあ。もう少しがんばろう。そういう気分にさせてくれます。
そんな感じで昼前に尾根筋に到着。

「稜線」というよりは「幅20メートルくらいの高原を歩く」という感じ。高所恐怖症でもビビる必要がなく、楽しく歩けます。




さてなぜ「登ったり下ったり」ではなく「かなりフラット尾根筋が続く」のか。そして「山脈が並行して走る」のか。
じつはこのアリススプリングスのあたりにあった1枚のプレート(岩盤)を北と南から2枚のプレートが押してこの形になったのだとか。ちょうどランチョンマットのような布を、両手で左右から押したときに波型に盛り上がるような感じですね。
タスマニアのときも思ったけれどもこういうところは1人でゆっくり歩きたいです。みんなもそう思ったのか、結構間隔をとる人が多く、一人歩きも堪能できました。

こういう登り降りのほぼない尾根筋を歩くのは本当に気持ちがいいものです。しかも1日目の「片側は断崖絶壁」とはまた尾根の趣きが違うのもまたいとおかし。
デポ後も続く尾根筋ハイク
尾根筋歩きを開始してちょうど1時間後、休憩。

なだらか30分間の登り。その間もずっと尾根筋。


遠くに見えるのはこのララピンタトレイルの西の端であるサンダーマウンテン(Souder Mountain)。5日に未明になんと「ご来光登山」をする場所です。


この日はかなり遅めの午後2時にランチです。

こういうのは作る楽しさもありますし、「できたて」感もあります。

午後2時38分出発します。

3時半、3人組とすれ違います。「今から登るの?」と聞くと「うん、そうだよ」。「え、どこに泊まるの?」と聞くと「キャンプできる場所があるんだ」。
そういえば尾根筋にそんな場所があったような。あの上で日の入りと日の出が見られたらすごいだろうな。…でもむちゃくちゃ寒いだろうな。


山を下り始めてからが意外と長くて、宿泊場所まで3時間くらいかかりました。
次回は4日目の「寒中水泳」と5日目の「ご来光登山」をお届けします。
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
Classic Larapinta Trek in Comfort (今回実際に参加したツアー)
https://www.australianwalkingholidays.com.au/Red-Centre/Guided/Classic-Larapinta-Trek-in-Comfort
Australian Walking Holidays (今回のツアーを含めオーストラリア国内で100以上のウォーキング&アドベンチャーツアーを主催するツアー会社)
https://www.australianwalkingholidays.com.au/
Great Walks of Australia(今回参加した「クラシックララピンタトレイル」を含む、オーストラリアを代表する13の数日間ハイクをまとめたサイト)
https://greatwalksofaustralia.com.au/
ノーザンテリトリー政府観光局
https://northernterritory.com/jp/ja