南アフリカ・ダーバンのリゾート地「ウムシュランガ」で楽しめたスリル満点の冒険ハイキング - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.08.02

    南アフリカ・ダーバンのリゾート地「ウムシュランガ」で楽しめたスリル満点の冒険ハイキング

    南アフリカ・ダーバンのリゾート地「ウムシュランガ」で楽しめたスリル満点の冒険ハイキング
    南アフリカ共和国第三都市、ダーバン北部に位置するウムシュランガ(uMhlanga)地区は、大企業の本社やオフィスが集まる新都心のようなビジネスエリア。

    一方でインド洋沿いにはホテルやバケーションアパートメントが並び、リゾートエリアの一面をもちます。イギリスやモナコのロイヤルファミリーや、世界的なセレブが宿泊したことも!

    そんな日本人にはなじみの薄い南アフリカのリゾート地の知られざる魅力を紹介します。

    ホテルの裏に広がる森と海

    ウムシュランガ自然保護区(uMhlanga Nature Reserve)は、高速道路と海に挟まれた26ヘクタールほどの小さな自然保護区。川の河口にあり、ラグーンや砂丘があります。この砂丘では、1万8千年前(石器時代)の貝塚の遺跡が発見されています。

    ハイキングルートは全長約2キロメートル。ときどき立ち止まって自然を観察しながらでも1時間~1時間半程度で戻ってこられる距離です。子どもを連れた家族や、おばあちゃん同士の団体が歩いているのもよく見かけます。入場無料で予約不要、季節によって開門時間は変わるものの年中無休で、いつでも気軽に訪れることができます。

    ホテルから徒歩0分で自然保護区へ

    ハイキングルートはホテルが並ぶ通りの北端、ブレイカーズホテルからスタート。隣接する保護区の入口からピクニックエリアを抜けると、緑に覆われた湿地帯の中にボードウォーク(木道)が現れます。

    ブレイカーズホテル横の入口。この先に駐車場があります。
    手前はピクニックエリア。この先はランニングや犬連れは禁止です。
    時間を問わずハイキングに向かう人たちに遭遇します。
    歩くと揺れるボードウォーク。

    木道を渡ると、デューンフォレスト(砂丘の森)へ。案内板が非常に紛らわしいですが、ここは左へ進みます。

    右も左もトレイル。右に行くと後述するカフェに着きます。
    振り返ると歩いて来たボードウォークが。右に見える白い建物がブレイカーズホテルです。

    多少上り下りがありますが、迷うこともなく、歩きやすい道。大きな木が多いので、夏は涼しく感じます。朝や夕方は、斜めに差し込む太陽の光で幻想的な雰囲気になることも。

    耳を澄まさなくても聞こえてくるのは、たくさんの鳥たちの鳴き声。ここには200種以上の鳥類が生息するため、自然のBGMが楽しい気持ちにさせてくれます。素人の私でも5種類以上の鳴き声を聴き分けられるほど。言うまでもなく、バードウォッチャーにとっては天国。本格的な双眼鏡をもった人を見かけたこともあります。

    地面は砂浜のようなサラサラした土の所が多いです。
    木をよく見ると、同じ根だったり途中で他の木と繋がっていたり、とても複雑なことに気がつきます。

    野生動物に遭遇できるのか

    ここに生息するのは鳥だけではありません。レイヨウ(アンテロープ・ウシ科の動物)のブッシュバックやブルーダイカーなど、約10種類の哺乳類も暮らしています。

    ブッシュバックやブルーダイカーは、人の気配を感じるとすぐに隠れてしまうので、見つけづらいかもしれません。初めて訪れたときにブルーダイカーを見つけたのですが、見つけたとほぼ同時に木の中へ隠れてしまい、カメラを出す隙もありませんでした。

    でもやっぱりBE-PAL.netの記事に動物の写真を載せたい! 見つけられることを願いながら午後4時頃に行ってみたところ、なんと、ブッシュバックにもブルーダイカーにも遭遇!

    シカのように見えるブッシュバック。画像が粗いのは拡大したためです。
    動きが素早くてすぐに隠れてしまうブルーダイカー。体長55~80センチメートルと小さいです。
    帰りにラグーンの湿地で遭遇したブッシュバック。
    そばにいたおじさんも思わずカメラを向けてしまうほど近くにいました。

    壊れない?落ちない?スリル満点の橋

    ハイキングに戻ります。10分ほど森の中を歩くと、このハイキングのハイライト、ラグーンに架かる木製の橋が見えてきます。

    距離は20~30メートルと短いですが、幅が60センチほどなので、人とすれ違うのはかなり気を遣います。手すりはなく、木の板は不規則に並べられているので、ほぼ必然的に下を見ながら歩くことになるのですが、木の隙間からは水面が見えてスリル満点! ラグーンは海とつながっているため、潮の干満によって水位が上下します。水面が遠いのも怖いけれど、水面が間近なのも怖い。

    タイミングによっては人が多く、前から来た人が渡り切るのを待つことも。
    足元には不規則に並んだ板と水面が見えます。

    橋を渡り、一気に砂丘を上ると、今度は波の音が聞こえてきます。すぐそばは海です。木の隙間からは、先ほど渡った橋を見渡せます。5分ほど歩くと、正面にビーチが現れます。

    波の音がひときわ大きく聞こえるようになります。

    帰りは砂浜ウォーキング

    ホテルが集まるエリアのビーチはたくさんの人で賑わっていますが、ここまで来ると、とっても静か。時間帯によっては貸切です。この日は、ちょうど砂州に波がかかり始めるところでした。太陽の光を浴びて、波打ち際は、キラキラと輝いています。ハイキングはここで折り返し。歩いて来た森の中の道を再び通ってもいいのですが、せっかくなので海岸を歩いて戻ることにします。

    右側が海、左側がラグーン。ほんの一瞬前まで砂州だったのが、波がかかり始めました。

    実は、ダーバン近郊はホエールウォッチングでも有名な町。季節とタイミングが良ければ、ビーチからクジラやイルカを見ることもできるのです! 残念ながら私はまだ見つけられたことがないのですが、7月中旬にはクジラが尻尾で海面をたたいて遊んでいる様子や、イルカがジャンプしながら泳いでいるのを見たという話を複数から聞きました。

    素足になってアーシングする人たちの姿も。

    砂浜なので多少の歩きづらさはありますが、10分ほどで遊歩道と繋がるウッドデッキに着きます。ウッドデッキを上がると、ハイキング途中の休憩にぴったりなフォレスト・カフェが現れます。店員さんに「サウボーナ!(こんにちは)」とズールー語で挨拶すると満面の笑みに。コーヒーやジュースのほか、スナックやマフィンがあることも。

    フレンドリーな店員さんたち。笑顔で見送ってくれます。
    リニューアルされたばかりのボードウォークを進みます。
    自然保護区の全体図。
    なんとか鳥も写真に収められました。

    ボードウォークの終わりが、ウムシュランガ自然保護区ハイキングの終わり。遊歩道はこのまま南に2.5キロメートル続くウムシュランガ・プロムナードにつながっています。

    プロムナードは時間を問わず多くの人で賑わっていますが、実は自然保護区まで行く人は少ないのです。1時間半程度あれば、自然いっぱいのハイキングを楽しむことができるので、ウムシュランガを訪れた際にはぜひ足を延ばしてみてください。

    村上未来さん

    南アフリカ在住ライター

    登山好きの父に連れられ、2歳から山登り開始。6歳で大雪山、11歳で至仏山、13歳でキナバル山(マレーシア)などへ挑戦。大人になってからは主に2017年に雲取山(標高2017メートル)に登るようなミーハー登山。旅行会社勤務、外資系航空会社機内誌編集長を経て、2022年から南アフリカ共和国ダーバン在住。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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