ロサンゼルス近くの港町で見かける野生のラッコ。実は絶滅危惧種に…【動物ドッキリクイズ・その30】 - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.08.15

    ロサンゼルス近くの港町で見かける野生のラッコ。実は絶滅危惧種に…【動物ドッキリクイズ・その30】

    ロサンゼルス近くの港町で見かける野生のラッコ。実は絶滅危惧種に…【動物ドッキリクイズ・その30】
    2025年7月25日、三重県鳥羽市の鳥羽水族館で飼育されているラッコ「メイ」が伊勢志摩国立公園指定80周年PR大使に任命されたというニュース(*1)が報じられました。

    現在、日本国内で飼育されているラッコはこのメイだけ。21歳の雌です。ラッコの平均寿命は20~25歳だということですので、かなりの高齢ともいえます。縁起でもない、と叱られるかもしれませんが、いつかは日本の水族館ではラッコを見れなくなる日が来るかもしれません。

    ラッコは元々、太平洋岸の北側に広く生息していましたが、主に毛皮を目的とした乱獲のために20世紀前半には絶滅寸前にまで追い詰められました。現在はワシントン条約で取引を規制されています。国内にいなくなったからといって、すぐに輸入できる動物ではありません。

    ところが、野生のラッコなら、北海道の霧多布岬など道東地域ではまだ見ることができるそうです。東京や大阪などから行くとなると、かなりの長旅を覚悟しなくてはなりませんが、それでも私たちは完全に希望を失ったわけではないようです。

    そして、ロサンゼルスとサンフランシスコのちょうど中間くらいの地点にあるモロ・ベイ(Morro Bay)という港町(*2)も、なぜか高い確率で野生のラッコに出会えることで知られています。上の写真もそこで撮ったものです。

    モロ・ベイはカフェやレストランもある賑やかなヨットハーバーで、Morro Rockという名のお椀を逆さにしたような形の火山岩がシンボルです。周辺には町もあり、なぜそんな稀少な野生動物がここに生息しているのかはよく分かりません。ラッコもとくに注意深く保護されているというわけでもなさそうで、何頭かの群れがしれっと湾内を回遊しています。
    モロ・ベイ。

    ということで、ラッコにまつわるクイズ4問です!

    【第1問】ラッコが水中で眠るときの行動は?

    a)貝を割る
    b)海藻に巻きついて浮かぶ
    c)深く潜る
    d)岩陰に隠れる

    ラッコは人間で言えば背泳ぎのように、お腹を丸見えにして泳ぎます。私のような人間に見られても、慌てておへそを隠したりはしません。犬や猫が飼い主に対してお腹を見せることがありますが、それは相手を深く信頼しているため。ラッコは野生動物なのですから、ちょっとばかり警戒心が薄すぎるのではないかとも思います。

    そんなラッコが眠るときは水中でどんな行動をとるでしょうか?

    モロ・ベイ湾内で見かけたラッコの群れ。

    正解は「b)海藻に巻きついて浮かぶ」です。 眠っている間に流されないための工夫だそうです。つまりは船のアンカーの代わりなのでしょう。私が見たときも、ひょっとしたら眠っていたのかもしれません。あんな風にのんびりと浮かんでいて、敵が襲ってきたらどうしようとは考えないのでしょうか。

    【第2問】ラッコは主に何を食べる?

    a)草
    b)昆虫
    c)雑食
    d)貝類や甲殻類

    ラッコの個体数が減少してしまったのは前述したように人間による乱獲が主な原因ではありますが、自然界においてはシャチやサメに食べられることもあるそうです。それでは、ラッコ自身は主に何を食べて生きているのでしょうか?

    “Sea Otter” by blmcalifornia is marked with Public Domain Mark 1.0.

    正解は「d)貝類や甲殻類」です。アワビ、ウニ、カニ、ムール貝などが主食だそうです。まるで私の好物を並べたようです。もしラッコが回転寿司に行けば、一皿の値段が高いネタばかりを狙って食べることになるでしょう。見かけによらず、ずいぶん贅沢な動物ですね。

    【第3問】ラッコが1日に食べる量は体重の何%程度?

    a)約5%
    b)約10%
    c)約15%
    d)約25%

    ラッコの舌が奢っていることは前述しました。それではラッコがあのふさふさとした毛皮や愛らしい体型を維持するために、1日に食べる量は体重比でどれくらいでしょうか?

    “Sea otter” by Kenai Fjords National Park is marked with Public Domain Mark 1.0.

    正解は「d)約25%」です。ラッコは美食家でありながら、かなりの大食漢でもあるようです。私の体重は約60㎏ですが、その割には大食いだとよく言われます。そんな私でも、毎日15㎏ものシーフードを食べるのはたぶん無理です。

    【第4問】ラッコの子育てにおける役割分担は?

    a)夫婦で育児
    b)父親のみで育児
    c)母親のみで育児
    d)群れ全体で育児

    下の写真のように、ラッコは子どもをお腹の上に乗せて泳ぐそうです。私は生で見たことはありませんが、ただことではない可愛さであることは写真からも分かります。通常ラッコは数頭から数十頭くらいの群れで生活しますが、子育ての役割分担はどうなっているでしょうか?

    “Sea otter” by Kenai Fjords National Park is marked with Public Domain Mark 1.0.

    正解は「c)母親のみで育児」です。 母親は水面で赤ちゃんを胸に抱きながら、毛繕いや授乳を行います。まことにけしからんことですが、ラッコのオスは1私年中発情していて、メスからメスへと移り歩き、まったく子育てには関与しないそうです。

    *1. 鳥羽水族館公式ウェブサイト:
    https://aquarium.co.jp/topics/250721_01/

    *2. Morro Bay 公式観光案内ウェブサイト:
    https://www.morrobay.org/

    角谷剛さん

    米国在住ライター(海外書き人クラブ)

    日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」(https://www.kaigaikakibito.com/)会員

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