西アフリカのアウトドアの穴場は、モーリタニア! | クルマの旅・ドライブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2018.11.15

    西アフリカのアウトドアの穴場は、モーリタニア!

    海、砂漠、オアシス、辺境の寒村。ラクダの乳はしぼりたて!

    軽キャンピングカーで、地球半周中です。
    稚内からロシアへ渡り、モンゴルで道草してから中央アジアへ。イラン、ヨーロッパを抜けてアフリカに上陸。目指すは南アフリカの喜望峰。ガイドブックにないパワースポットを探し出し、人知れぬ絶景・奇景を「マイ秘境」と呼んで喜んでいます。

    リアルアフリカが始まった

    アフリカの3カ国目は、モーリタニア。
    ぐぐぐっと黒人比率が高まり、みなさん目つきが鋭く、マッドマックス思わせるワイルドな町。
    赤信号で停まるたびにクラクションで叱られる秩序ある信号無視はなかなか慣れないものですが、意外にもモーリタニアは西アフリカ・キャンピングの穴場でした。
    海、砂漠、オアシス、辺境の村で、それぞれ印象深いアウトドアを楽しめます。

    結界を超えたら、さようなら

    国境越えは、軽く命がけです。
    西サハラとの緩衝地帯は、「No Man’s Land」と呼ばれる、地雷が埋まったデンジャラスゾーン。
    入り口に、強盗にしか見えない人相の悪い連中がたむろし、
    「そのまま行ったら死ぬでー!」
    「案内するでー」と追いかけれましたが、地雷も怖いが君らの顔も怖いわけで、無視して突っ走ります。
    ガイドを断って渡った三途の川は、一輪のぺんぺん草も生えていない砂と岩。焼け焦げた車が横たわったムード満点のダンジョン。道なんてないじゃないですか!?
    どこをどう走ったらいいの?

    貝殻の砂漠と名物の野ざらし骨

    モーリタニアの90%は砂漠ということで、どこをどう走っても砂だらけですが、ときどき砂じゃなくて貝殻です。貝殻砂漠。ここは海だったのでしょうか?
    毎日見る路傍の名物が、みっつあります。
    ひとつは、ラクダ。

     

    次に、捨てられた車。

    そして、骨。あちらこちらに何者かの白骨死体。

    船の墓場を探して

    初日は、サン・テクジュベリの「人間の大地」に出てくる町ヌアジブ。町中のキャンプ場に泊まります。
    ここの海は浅瀬が多く、座礁した船の墓場と化しているとの噂なので、とりあえず岬を目指しました。町外れは廃墟です。
    またしても、たちはだかる結界。

    まさか地雷はあるまいとちょっと進んでみる勇気は、深い砂に阻まれたら、あ、もう無理じゃんって速攻で撤退する素直さがあってのものです。
    あ、もう無理じゃん。

    幻に終わった船の墓場は、まだ見ぬ「マイ秘境」です。

    見捨てられた海のキャンプ場

    ヌアジブから海沿いに南下。キャンプ場の看板を見つけました。一泊200MRO(約650円)。安い!
    ほかのキャンパーはいません。というか、周囲360度、無人です。

    幻のマイ秘境「船の墓場」からさほど離れていないことだし、ゴーストタウンならぬゴーストビーチ。砂浜に魚の死体とカニの手足が無数に散乱しているのが謎ですが、丘に登りあたりを見渡します。美しきかなうろこ雲。

    星が落ちてきそうな砂の村

    往復1,100kmの寄り道をして、古都シンゲッティへ。サハラ砂漠に飲み込まれては、家屋を捨てて村ごと引っ越す集落です。

    シンゲッティは以前、ヨーロッパからの飛行機が週2便もあるほど賑わっていましたが、2007年にモーリタニアでテロ事件が発生。パリ・ダカールレースが南米へ引っ越して、飛行機の定期便は廃止。観光客が激減。閑古鳥すら飛び去った今、わびさびに満ちたいい感じのオアシスが残っています。
    そのひとつがTerjit。
    村道は、柔らかい砂道。我が家の軽キャンパーでは、キャンプ場にたどり着けそうにありません。
    もはやここまでか!と一度は諦めたものの、タイヤの空気を抜いて突っ込みました。アシストする村人たち。

    キャンプ場の高台からオアシスを見下ろすと、剣山が脳みそに乗っかったような暑さですが、緑に癒されます。

    一泊200MRO(約650円)で、王様気分。お得です。

    モスクの横で野宿

    モーリタニア最後の夜は、サハラ砂漠の横で野宿しました。
    幹線道路を外れて名も知らぬ小さな村。
    モスクの前で、
    「すみませーん、ここで寝ていいですかね?」

    「No problem! まぁとりあえずお茶でも飲んでいきなさい」
    魚屋に勤めるハンサム青年の家にお呼ばれし、お茶をご馳走になります。
    モーリタニアの茶道は、飲み干すまで1時間くらいかかる一大セレモニーです。高い位置から小さなコップに茶をそそぎ、急須にお茶を戻してはまた高い位置からコップにそそぎます。何度も繰り返して、泡立たせるのがポイントです。

    「なんか珍しいものがおるぞー」
    とばかりに村人が集まりまして、さあ飲めと出されたのはラクダの乳。搾りたて。
    おつまみはピーナツ。床にばらまいて拾って食うという大胆なおもてなしでした。
    民族衣装のブー(Boubou)を着せられ、踊らされ、なにをしゃべっているのかさっぱりわかりませんが、笑いに笑いを返す会話術。
    空は満天の星。
    ラクダの群れに囲まれて。

    【モーリタニア・ドライブ情報】
    ビザ:55EUR /30日(2017年1月)

    車両保険:入らず
    検問:賄賂なし。フィッシュ(Fiche)なるものを求められますが、紙切れに名前と車種、目的地を書くだけで済みます。
    アフリカのキャンプ場情報:iOverlander
    次回は、アフリカ4カ国目「セネガル」です。動物のいないサファリパークに、気持ちの良い青空シャワー。

    石澤義裕・祐子
    住みやすい国をリサーチしようという話から2005年から世界一周をスタート。アメリカ、カナダなどをスクーターで旅行し、オーストラリアをキャンピングカーで回ったのをきっかけに2015年の夏から軽キャンピングカーで旅を始めた。

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