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    2018.09.27

    【オーロラが舞う、苔、滝、氷のアイスランド】 第1回 アザラシが行方不明になるほど、寒い!

    軽キャンピングカーで、地球半周中の放浪夫婦です。
    稚内からサハリン島へ渡り、シベリア、モンゴル、中央アジアからイラン、コーカサスと突き抜けヨーロッパに入りました。目指すは南アフリカの喜望峰ですが、寄り道してアイスランドへ。ガイドブック未掲載のパワースポットを探し出し、人知れぬ絶景・奇景を見つけては、「マイ秘境」と呼んで喜んでいます。

    アイスランド一周は、2週間で3,128km

     

    デンマークのほぼ最北の町ヒアツハルスから、アイスランドを目指します。フェリーは、片道3泊4日。乗船前から、我が家の軽キャンピングカーは注目の的。質問ぜめです。
    「この車でアイスランド? Oh my God!」

    【フェリー情報】

    フェリー会社:Smyril line (http://www.smyrilline.com/)
    出発地:ヒアツハルス(デンマーク)
    到着地:エイルススタジル(アイスランド)
    期間:3泊4日
    寄港地:トースハウン(フェロー諸島)
    料金:往復126,000円(1,117.30ユーロ/オフシーズン価格)大人ふたり、ドミトリー部屋、軽自動車1台、食事7回分含む
    今回は、写真日記でお送りします。

    上陸初日(エイルススタジル/キャンプ場:ひとり1,433ISK:約1500円)

    船に揺られて4日後の朝9時、アイスランドの東海岸セイジスフィヨルズル港に上陸。最寄りの町エイルススタジルを目指します。軽自動車では、時速30kmも出せない長く急な登り坂。人が住み着く前は樺の森だったと聞きましたが、一本の木も生えていない荒涼たる山と谷。寒々しいです。


    町の郵便局でスマホのSIMカードを購入し、空港へ。日本からゲストを迎えます。メキシコの旅友935ちゃんです。彼女のテントは、ルーマニアで買った2,500円の安物。かなり風が強いけど大丈夫?
    明日から3人で、島内一周ドライブです。

    2日目(Grmsstair/キャンプ場:ひとり1,750ISK:約1,875円)

    まず、北上。かつてはキツネしか哺乳類がいなかった島は、動物の気配はありません。陰気な曇り空。走れば走るほどに募る寂しさ。フェリーは観光客だらけだったのに、みなさんどこへ行ったのか。

    紅葉の苔、元気のない雑草。冬目前にして残雪。
    名も知れぬ滝と川に、凛とした佇まい。アイスランドの電気は、75%が水力発電。ペットボトルの水は、水道と同じです。

    夕方、暴風雨。テント泊を諦めた935ちゃんは宿へ。我々は駐車場泊。5日ぶりのシャワー。ますます強くなる風。夜中、象が揺すっているんじゃないかってくらい揺れていた、我が家です。

    3日目(ミーヴァトン/キャンプ場ひとり1,800ISK:1,867円)

    朝になっても軽い嵐。幾度となく突風をくらい、蛇行運転。
    昼飯は、妻Yukoの誕生日を祝って贅沢します。一杯1,500円のスープ。カリフラワーのかけら以外、具が入ってませんでした。腹は満たされないものの、物価高に胸がいっぱい。アイスランドは、消費税率世界1位です。

    空まで続く土漠。なんにもない大地に、ただ風が吹いています。

    雑草すらどこかへ逝ってしまいましたが、

    滝と川には事欠きません。柵がないので、崖の際まで匍匐前進する935ちゃん。おやめなさいって。

    どの滝もどの川も、日本なら王座を獲得しそうな迫力です。

    晩飯は、935ちゃんが日本から持って来たインスタントラーメン。息を吸う間もなく一気食い。目頭が熱くなるほど、美味い!

    4日目(Varmahl/キャンプ場ひとり1,200ISK:約1,248円/シャワー150ISK:156円)

    快晴。ミーヴァトン湖を囲む、通称ダイヤモンドリングを一周します。

    巨大マリモと蚊柱で有名です。蚊の大軍に襲われたくて方々を歩き回りましたが、一匹の蚊にも遭遇しない不幸。武勇伝がほしかったのに。
    ディムボルギル(Dimmuborgir)と呼ばれる溶岩大地は、サタンが降り立った黒い奇岩群。あいにくの晴天で、悪魔と友達になれそうなくらい平和です。

    神々の滝と呼ばれるゴーザフォス(Goafoss)。見ているだけで溺れそうな水量と勢い。

    今夜のキャンプ場は、川沿い。ほかのキャンパーはいません。キッチンを占領し、フェリーの免税店で買ったビール。寒さで震えながら。
    晩飯後に作戦会議。島内一周2週間は、厳しそうです。北海道の3割増しくらい広く、見所満載なのです。

    5日目(Giljaland/牧場のゲストハウス:ひとり3,500ISK:約3,631円)

    嵐、復活。風があたる側は洗車され、その逆は泥だらけ。
    突風に揺さぶられては、路肩に突っ込むか反対車線へ。対向車はほぼゼロ。
    アザラシに会いにクヴァンムスタンギ(Hvammstangi)へ。ツーリストインフォメーションによると、寒すぎてアザラシは行方不明です。
    大草原の小さな家を発見。雑草に覆われた屋根は、Turf Housesと呼ばれています。この屋根を真似て、どこかで村おこししたいものです。

    ほかのキャンパーには滅多に会わないというのに、あてにしていたキャンプ場はフルブッキング。ほかの宿も満室。次もダメ。暴風雨に追われて流れ着いたのは、道のどん詰まりにある世界の果て。バイキングの末裔が営む牧場宿は、開拓時代を忍ばせてくれます。

    裏の牧草地の奥に、プライベート水力発電小屋。1956年に作ったハンドメイドです。電力を使いきれないので、電灯は夜中も付けっぱなしという無駄にしないための無駄な贅沢。


    ダイニングルームが秀逸です。古い納屋の天井をかさ上げした、教会のような厳かさ。食事が2割マシマシで美味しくなります。

    【アイスランド・ドライブ情報】
    ビザ:シェンゲン協定国
    車両保険:ヨーロッパ共通グリーンカード
    SIMカード:1GB/2,990アイスランドクローナ/2,708円
    アウトドア情報:末ごろから、キャンプ場が閉まり出します。
    道路状況:幹線道路は舗装
    道路情報:http://www.road.is/

    次回は、アイスランド一周ドライブ第2弾です。
    オーロラ降臨です。

    石澤義裕・祐子
    住みやすい国をリサーチしようという話から2005年から世界一周をスタート。アメリカ、カナダなどをスクーターで旅行し、オーストラリアをキャンピングカーで回ったのをきっかけに2015年の夏から軽キャンピングカーで旅を始めた。

     

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