思い通りにならないから面白い!動物との暮らし12年の内澤旬子さんに聞く | 本 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.10.31

思い通りにならないから面白い!動物との暮らし12年の内澤旬子さんに聞く

思い通りにならないから面白い!動物との暮らし12年の内澤旬子さんに聞く
『世界屠畜紀行』、『身体のいいなり』、『ストーカーとの七〇〇日戦争』など自らの実体験を綴る内澤旬子さん。12年前に東京を離れて移住した先は小豆島。それは大きな動物を飼いたいためでもあった。
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『小豆島移住12年。動物たちと還暦迎えます。』の著者にインタビュー

内澤旬子さんは、現在ヤギ3頭、ニワトリ12羽、イノシシ頭とともに香川県小豆島で暮らしている。彼らとの日常を綴ったエッセイをこのほど上梓した。

―動物(家畜)を飼うことや屠畜に興味を持ったきっかけは。
 
20代のころにイラストを描いていることもあって、装丁デザインもできたらいいなと思い、製本などルリユール(伝統的な手作業による製本)について学んでいたんです。昔の西洋では皮革を使って本を作っていましたが、皮革のことがよくわからなかったので、「皮のなめしの工程とか見れたりするんですかね」と、そのときの先生に聞いたら、見学なんてとんでもない! という反応だったんです。そこには差別があるなどクローズドにされているということを初めて知りました。結果的には工程をオープンに見学させてもらえて、書くきっかけになりましたね。

―もともと動物はお好きだったんですか。
 
子供のころに犬も飼っていたし、好きですね。でも東京だと賃貸だし飼えなくて。それでもなにか飼いたくて、文鳥なら飼えるか? とか。結局メダカを飼ったり。そういうのが根底にあって、取材を兼ねてブタを飼う生活をしたらやたら楽しくて(詳しくは『飼い喰い 三匹の豚とわたし』岩波書店を!)。イヌやネコでない、愛玩に向いていない動物を飼う面白さに目覚めてしまったんです。田舎に行けばまた飼えるかもと、小豆島に移住した動機の半分くらいは大きな動物を飼いたい気持ちからです。

―本書にも個性豊かな同居人が登場しますが、どんな魅力が。
 
行動が読めないというところですかね。ネコもまあ読めないんですけど。やっぱり人間の生活圏で暮らすようにはできていないので、予想外のことやこちらが合わせなきゃいけないことが面白いです。私の気質もあると思うんですけど、動物の〝意思〟を尊重したくなっちゃうんですね。ネコは飼ってみて非常に謎な動物だと改めて思いました。

―動物の世話は大変ですが、思わぬ副産物もありましたね。
 
ゴン子舎から出される土(糞尿などが混ざっているがにおい少なめ)からいつしか大きな大葉が生えていて、異様によく育つんです。ヌタ場の水を畑の液肥代わりにして活用しています。ヤギの糞は肥料とまではいかず、ニワトリの糞も肥料にいいんですが量が少なすぎて。気付けば循環していて、大きなビオトープを作っているような感じで楽しいです。田舎暮らしの醍醐味といえるかもしれないですね。

内澤旬子さん

1967年神奈川県生まれ。異文化、屠畜、建築、書籍など、多岐にわたる分野を題材に活動しているイラストルポライター。

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ピヨ美

有精卵から孵したニワトリ。内澤さんが誤って足で踏み、一時は瀕死の状態に陥るも、不死鳥のごとく復活した。

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寅雄

元野良猫で名前どおりのフーテンだったが、現在はイエネコに。時折、狩猟本能を発揮して獲物を捧げてくる。

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ゴン子

ウリ坊のときに知人から持ち込まれ、飼いイノシシとなる。飼養に試行錯誤した甲斐あってすくすくと成長。

『小豆島移住12年。動物たちと還暦迎えます。』

内澤旬子著
小学館 
¥2,200

ヤギをはじめ多くの動物たちと暮らす著者。本書ではゴン子、寅雄、ピヨ美が登場する。ペットとはちょっと違う彼らとの生活は驚きと発見に満ちている。

※構成/須藤ナオミ 写真/山根史寛

(BE-PAL 2026年11月号より)

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