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山岳カメラマンだった友と自らの半生を"ありのまま"に描く
『親友は山に消えた』著者小林元喜さんに直撃
ノンフィクション作家 小林元喜さん
1978年山梨県甲斐市生まれ。登山家野口健のマネージャーを10年務めた経験を『さよなら、野口健』(集英社インターナショナル)として出版し反響を呼ぶ。本作は2作目となる。

―本の反響が大きいですね。読者の感想は届いていますか。
はい、ひとつひとつとても熱のこもった感想をいただいています。何者かになれない焦りについても書いていますが、そこがロスジェネ世代に響いていたり。アラスカに行くシーンでは山をやらない方々にも情景が浮かんだようで感動してくださったり。あとは僕が抱えている心の病に、同じく心の悩みを抱えている方が共感してくださったり。なかでも平賀淳のことを全く知らない方々から「平賀さんに会ったみたいです」、「平賀さんと友達になりたかった」といってもらえたのは嬉しかったです。
―この本を書くうえで心がけていたことはありますか?
じつは1作目は、平賀に原稿を何度も読んでもらってダメ出しをくらいながら完成させたものなんです。ようやく完成したときには「1ページずつにコメントしたい」と最高の褒め言葉をくれました。だから面白さの感性というか感じ方はとても近いものがあって、執筆中も彼の言葉を思い出していました。よくいっていたのは「映像が浮かばないぞ、元喜」と。それは今も大事にしていることですが、五感ですよね。においがしない、温度がない、音がない……。彼はそう何度もいってました。だから平賀にもらったアドバイスは物を書くたび浮かびますね。
―もし平賀さんが本作を読んだら、どう思ったでしょう。
本音では喜んでくれるような気がするんです。ただ、それと同時に人が亡くなる話をプロとして書いているわけで、罪悪感のような居心地の悪さみたいなものはあります。そんな気持ちが同居していて、忘れちゃいけないと思っています。平賀も同じ表現者であったので、逆の立場だったら彼は映像なのでそれでやってほしいなと思いました。
―最後にビーパル読者に向けてメッセージをお願いします。
もし親友がいるなら、自分の思いを明確に言葉にして目を見て伝えたほうがいいと思います。ありがとうだとか、好きだとか。照れ臭くていえないことも気持ち悪がられてもいいから、いっておいたほうがいいです。僕は伝えられなかったから。親友は努力です。わざわざ時間を作って会う、ぜひそうしてください。

平賀淳さん。
専門学校で映像を学び、映像カメラマンとして活躍。山岳での撮影を得意とした。アラスカで帰らぬ人となった。享年43。

1作目『さよなら、野口健』出版時にふたりで会った。平賀さんは「サインください」と、本とペンを持ってきたそうだ。
『親友は山に消えた』
小林元喜著
小学館
¥2,090

◎平賀淳さんのホームページでは、彼の想いや作品を見ることができる→ https://hiraga-jun.site/
※構成/須藤ナオミ 撮影/横田紋子
(BE-PAL 2026年6月号より)




